TOEFLスピーキング対策|新形式2タスクの答え方とコツ
日本の英語学習者が最も苦手としやすいのがスピーキングです。でも、2026年の改訂で、TOEFLのスピーキングは「聞いた英文を正確に繰り返す」「面接の質問に答える」という2つのタスクに変わりました。やるべき練習がはっきりしたぶん、正しい方法で積み重ねれば着実に伸ばせるセクションです。

01新形式スピーキングの全体像
改訂後のスピーキングは約8分で、次の2種類のタスクで構成されています。
- Listen and Repeat(7問)――大学のキャンパスなどの場面で流れる英文を聞き、その文をそのまま繰り返す
- Take an Interview(4問)――録画された面接官の質問に答える。1問あたりの回答は最大45秒
どちらも、目の前に人がいる対面形式ではなく、パソコンに向かって話し、音声が録音されて採点されます。
以前のスピーキングは、文章を読んで講義を聞き、その内容をまとめて話すといった複雑なタスクが中心でした。新形式では、音を正確に聞き取って再現する力と、質問に対して筋の通った答えをその場で返す力に焦点が絞られています。
ポイント:「完璧な英語」より「伝わる英語」。はっきり、途切れずに、質問に合った内容を話すことが大切です。
使い方:Listen and Repeat と Take an Interview の2つの課題をまとめて扱う総合ガイドです。この節の全体像と照らし、2つに共通する準備を確かめて練習の方向性を決めます。
02Listen and Repeat:音をかたまりで捉える
このタスクでは、キャンパスの案内などの場面に沿って英文が流れ、それを聞こえたとおりに繰り返します。画面には場面を表すイラストが表示されます。
たとえば、図書館の案内という場面で、次のような文を聞くとイメージしてください(自作の例です)。
- Welcome to the main library.
- Quiet study rooms are on the second floor.
- You can borrow up to ten books at a time.
最初は短い文でも、だんだん長く、情報の多い文になっていきます。
うまく繰り返すコツ
- 単語ではなく意味のかたまりで覚える――「Quiet study rooms / are on the second floor」のように2〜3つのかたまりに分けて聞く
- 意味を理解しながら聞く――意味がわかっている文は、音だけを覚えるより再現しやすい
- リズムとイントネーションも真似る――強く読まれる単語、弱く読まれる単語の差を意識する
よくある失敗
冠詞(a、the)や前置詞(on、at)、複数形の s など、小さな音を落としてしまうミスです。意味は伝わっても、正確な再現という点では減点の対象になりえます。練習のときは、自分の録音と元の音声を比べて、落とした音がないかを確認しましょう。
使い方:Listen and Repeat のコツと例を紹介する動画です。この節の「意味のかたまりで覚える」を例文で試し、小さな音(冠詞や複数形の s)を落としていないか確かめます。
03Listen and Repeatの練習法:リピーティングとシャドーイング
このタスクの対策として最も効果的なのは、毎日のリピーティングとシャドーイングです。
リピーティングの手順
- 短い英文を1文聞く
- 音声を止めて、聞こえたとおりに声に出す
- スクリプトを見て、言えなかった部分を確認する
- もう一度音声を聞いて、同じ文を3回繰り返す
シャドーイングの手順
- スクリプトを見ながら音声と同時に読む(オーバーラッピング)
- スクリプトを見ずに、音声を少し遅れて追いかける
- 自分の声を録音して、元の音声と比べる
教材は、学習者向けの英語ニュースや、大学の案内動画、TOEFL対策動画の例文など、自分が8割くらい理解できるものを選びましょう。難しすぎる教材では、音を真似することで精一杯になり、意味のかたまりで捉える練習になりません。
1日10分でいい
このタスクは、短い時間でも毎日続けることが大切です。通学中に1文ずつ小声でリピートするだけでも、耳と口が少しずつ鍛えられていきます。
04リピートとインタビューの練習に使える教材と道具
Listen and Repeat の土台は毎日の短い音読とシャドーイング、Take an Interview の土台は録音つきの即答練習です。
| 練習 | 教材・道具 | 使い方 |
|---|---|---|
| リピーティング | シャドーイング道場 | 1文ずつ止めて言い直し、言えなかった語をスクリプトで確かめる |
| リピーティング | ESL Fast | 短い会話文を1文ずつ聞いて繰り返す。キャンパスや日常の場面に近い文を選ぶ |
| 発音の確認 | YouGlish | 言いにくかった単語を、実際に話している動画で聞いてまねる |
| 録音 | スマホの録音アプリ | 45秒で答えた録音を、結論・理由・具体例の3点で聞き直す |
| 話す練習 | スピーキング練習 | 身近な質問に毎日2問答える |
インタビュー練習の質問の作り方
- 大学生活・勉強・テクノロジー・環境から1つテーマを選ぶ
- Do you think ...? / What would you ...? の形で質問を3つ書く(自作例:Do you think students should take a gap year?)
- タイマーを45秒にして、すぐに答えて録音する
- 翌日、同じ質問にもう一度答えて聞き比べる
AI がスピーキングを採点する練習サービスもありますが、採点は目安で、本番の採点とは別物です。未成年の人は年齢条件を確かめ、保護者と相談してから使いましょう。
使い方:Listen and Repeat に特化したトレーニング動画です。動画に合わせて声を出すだけで練習になるので、平日20分メニューの最初の5分に使います。
05Take an Interview:45秒の答え方の型
このタスクでは、録画された面接官が、奨学金の面接や研究への参加など、ある場面設定の中で質問をしてきます。1問あたり最大45秒で答えます。
短い時間で筋の通った答えを返すには、型を持っておくと安心です。おすすめは次の3ステップです。
- 結論――質問に対する答えを最初に一言で言う
- 理由――なぜそう考えるのかを1〜2文で説明する
- 具体例――自分の経験や身近な例を1つ添える
回答例(自作)
質問:「大学生にとって、アルバイトの経験は大切だと思いますか?」
Yes, I think part-time work is valuable for university students. First, it teaches them how to manage their time, because they have to balance work and study. For example, when I worked at a café in high school, I learned to plan my homework schedule more carefully. So I believe the experience helps students become more responsible.
この回答は、結論→理由→具体例→まとめの流れになっていて、45秒ほどで話し切れる分量です。
型を使うときの注意
型に頼りすぎて、どの質問にも同じような答えを返すと、質問に合っていない印象を与えてしまいます。質問をよく聞いて、その質問に答えているかを常に意識しましょう。
使い方:Take an Interview に使える答え方の型の紹介です。この節の結論→理由→具体例の型と比べ、自分が使う型を1つに決めます。
使い方:インタビュー課題の戦略とサンプル解答の動画です。解答の組み立てをまねして、自分の体験に置きかえて45秒で話してみます。
0645秒で話し切るための練習法
インタビュー形式に慣れるには、「質問を聞いてすぐに話し始める」練習を繰り返すことが一番です。
練習の手順
- 質問を1つ用意する(大学生活、勉強、テクノロジー、環境など身近なテーマ)
- タイマーを45秒にセットして、すぐに答え始める
- 録音を聞き直し、次の3点をチェックする
- 最初の一言で結論を言えたか
- 理由と具体例があったか
- 沈黙や言い直しが多すぎなかったか
- 同じ質問にもう一度答えて、1回目と比べる
話し始めのフレーズを持っておく
すぐに話し始められるように、使いやすいフレーズをいくつか決めておきましょう。
- I think ... because ...
- In my opinion, ...
- That's a good question. I would say ...
- One reason is that ...
- For example, when I was ...
ただし、フレーズをたくさん暗記するより、自分が自然に言えるものを数個使いこなすほうが効果的です。
よくある失敗
考えている間に黙ってしまい、時間が足りなくなるパターンです。完璧な答えを考えてから話すのではなく、まず結論を言ってから、話しながら理由を考えるくらいの感覚で練習しましょう。
07本番で落ち着いて話すための準備
スピーキングは、パソコンに向かって話すという独特の環境で行われます。練習では話せるのに、本番では緊張して言葉が出てこない、ということも起こりがちです。
環境に慣れておく
- ヘッドセットで話す練習――本番と同じように、マイクに向かって話すことに慣れておく
- 周りの声に動じない練習――テストセンターでは、他の受験者が話す声が聞こえることがあります。にぎやかなカフェなどで小声でリピート練習をしてみるのも一つの方法です
- パソコンに話しかける練習――オンラインの録音ツールや対策アプリを使うと、画面に向かって話す感覚に慣れられます
言葉に詰まったときの対処
途中で言いたい単語が出てこないときは、止まらずに別の言い方で説明するのがコツです。たとえば「奨学金」を意味する scholarship が出てこなければ、money to help students pay for school のように言い換えられます。言い換えの練習は、ふだんから知らない単語を英語で説明するゲームで鍛えられます。
前のタスクを引きずらない
Listen and Repeatでうまく言えなかった文があっても、次の問題では気持ちを切り替えましょう。1問のミスより、最後まで落ち着いて話し続けることのほうが大切です。
081週間の練習メニューとまとめ
最後に、スピーキング対策の1週間メニューを紹介します。
平日20分メニュー
- 5分:短い英文のリピーティング(10文程度)
- 5分:シャドーイング(1分程度の音声)
- 10分:インタビュー形式の質問に2問答えて録音し、聞き直す
週末メニュー
- 1週間で答えた質問の中から2つ選び、もう一度答えて録音する
- 最初の録音と比べて、よくなった点と課題を1つずつ書く
スピーキングは、自分の声を聞き直すのが恥ずかしく感じるかもしれません。でも、録音を聞くことが上達への一番の近道です。今日はまず、スマホの録音アプリを開いて、「What do you like to do in your free time?」という質問に45秒で答えてみましょう。
使い方:新形式スピーキングの模擬テストで、解答例も確かめられます。週末メニューで本番のテンポを体験し、自分の録音と高得点の解答を比べます。
このコラムで使うサイト・アプリ
もっと見たい人へ
今日やること
よくある質問
発音に自信がありませんが、大丈夫ですか?
ネイティブのような発音である必要はありません。大切なのは、聞き手が理解しやすいはっきりした話し方です。単語の強弱やリズムを意識してシャドーイングを続けると、聞き取りやすさは少しずつ上がります。
インタビューの質問はどんなテーマが出ますか?
公式の説明では、奨学金の申し込みや研究への参加など、さまざまな場面設定の面接として出題されます。大学生活や学び、身近な社会の話題について、自分の意見と理由を話す練習をしておくと対応しやすくなります。
答えを暗記しておくのは効果がありますか?
質問に合っていない答えは評価されにくいので、答えを丸ごと暗記するのはおすすめしません。型や使いやすいフレーズを身につけて、質問に合わせて中身を変える練習をしましょう。
読了ボーナス


