英語の言い換え力(パラフレーズ)の鍛え方|知らない単語も伝わるコツ
話していて、言いたい単語がどうしても出てこない。「締め切り」って英語で何だっけ、「炊飯器」は?――そこで会話が止まってしまうことはありませんか。実は、英語が話せる人は、すべての単語を知っているわけではありません。知らない単語を、知っている単語で説明して乗り切る力、つまり「言い換え力」が高いのです。この記事では、その力を鍛える方法を紹介します。

01言い換え力は「語彙の少なさ」を補う武器
どれだけ単語を覚えても、会話の中では「知らない単語」「ど忘れした単語」に必ず出会います。そのたびに会話が止まっていては、なかなか話は進みません。
そこで役立つのが、言い換え(パラフレーズ)です。
たとえば「炊飯器」という単語(rice cooker)が出てこなかったとします。
- It's a machine for cooking rice.(ご飯を炊くための機械です)
これで十分に伝わります。相手が Oh, a rice cooker? と言ってくれれば、正しい単語もその場で覚えられます。
言い換え力は、会話を止めないだけでなく、次のような場面でも役立ちます。
- 相手が自分の言葉を理解できなかったとき、別の言い方で伝え直す
- 英検やIELTSなどのスピーキング試験で、知らない単語を避けながら答える
- 英作文で同じ単語の繰り返しを避ける
ポイント:単語を知らないことは問題ではない。「知っている単語で説明できるか」が会話力の差になります。
使い方:会話中に単語を忘れたときの対処法を、やさしい英語で解説する動画です。言い換えのテクニックを聞き、この節の炊飯器の例と同じやり方で1つ説明します。
02知らない単語を説明する5つの型
単語が出てこないときは、次の型のどれかを使ってみましょう。
① 種類+目的・特徴
- It's a kind of ... that ...(〜する一種の…です)
- 例:「炊飯器」→ It's a kind of machine that cooks rice.
- 例:「のり」→ It's a kind of dried seaweed. We use it for rice balls.
② 使い方・場所
- You use it when ...(〜するときに使います)
- 例:「傘立て」→ It's something you put your umbrella in near the door.
③ 人の説明
- It's a person who ...(〜する人です)
- 例:「幹事」→ It's the person who organizes a party or event.
④ 反対・似ているもの
- It's the opposite of ...(〜の反対です)
- It's similar to ..., but ...(〜に似ていますが…)
- 例:「締め切り」→ It's the last day you can submit something.
- 例:「居酒屋」→ It's similar to a pub, but you can eat many small dishes.
⑤ 例を挙げる
- For example, ...
- 例:「季節の行事」→ Things like cherry blossom viewing or summer festivals.
どれか1つの型でいいので、すぐに出せるようにしておくと安心です。
03説明の材料を集める辞書と、言い換えゲームの素材
言い換えの上手な人は、「やさしい言葉でどう説明するか」の見本をたくさん持っています。その見本は、学習者向けの辞書の定義文で集められます。
| 道具 | 特徴 | 使い方 |
|---|---|---|
| Longman Dictionary | 約2,000語の基本語だけで定義を書いている英英辞典 | 説明したい単語を引き、定義文をそのまま言い換えの見本にする |
| Cambridge Dictionary | 学習者向けの英英辞典 | 同じ単語を引き、Longman と定義の言い方を比べる |
| Thesaurus.com | 言い換えの候補が近い順に並ぶ類語辞典 | 難しい単語の、やさしい言い換え候補を探す |
| Simple English Wikipedia | やさしい英語で書かれたウィキペディア | 日本の食べ物や行事の説明の仕方を読む(記事がない語もある) |
定義文をまねる練習(10分)
- 身の回りのものを3つ選ぶ(例:炊飯器、消しゴム、自動販売機)
- Longman で引き、定義文の「型」に印をつける(a machine that ... など)
- 辞書を閉じて、自分の言葉で同じものを説明する
- 定義文と自分の説明を比べ、使えなかった単語を1つメモする
04難しい日本語を「かみくだいて」から英語にする
言い換えが必要なのは、単語だけではありません。日本語で考えた文が難しすぎて英語にできない、ということもよくあります。
そんなときは、子どもに説明するつもりで日本語をかみくだくのがコツです。
例1
- 元の日本語:「彼は責任感が強い」
- かみくだく:「彼は自分の仕事を最後までちゃんとやる」
- 英語:He always finishes his work. He never gives up halfway.
(responsible という単語を知っていれば He is very responsible. でもOKです)
例2
- 元の日本語:「その案は現実的ではない」
- かみくだく:「その案は実際にやるのは難しい」
- 英語:That idea is hard to do in real life.
例3
- 元の日本語:「最近、運動不足だ」
- かみくだく:「最近あまり運動していない」
- 英語:I haven't exercised much lately.
日本語の熟語や四字熟語、ことわざを直訳しようとすると詰まります。意味だけを取り出して、簡単な日本語にしてから英語にしましょう。
使い方:むずかしい単語を使わずに日本を紹介するパターンの動画です。この節の「かみくだいてから英語に」の練習として、パターンを1つ使って説明します。
05会話での使い方と相手を助ける言い換え
会話例①(単語を忘れたとき)
- A: So what do you do on weekends?
- B: I usually go to the... um, the place where you can see many old things, like paintings and history items.
- A: Oh, a museum?
- B: Yes, a museum! I love history museums.
会話例②(伝わらなかったとき)
- A: I'm a little worried about the deadline.
- B: Sorry, the...?
- A: The deadline. I mean, the last day we can send the report.
- B: Oh, I see. When is it?
A さんは、相手が deadline を理解できなかったときに、I mean ... で簡単に言い換えています。自分が話すときだけでなく、相手にわかりやすく伝え直すときにも言い換え力は大切です。
言い換えを助けるフレーズ
- I mean ...(つまり〜)
- In other words, ...(言い換えると〜)
- What I'm trying to say is ...(言おうとしているのは〜)
- It's like ...(〜みたいなもの)
相手が正しい単語を教えてくれたら、Yes, that's it! と言って、その単語を一度くり返しましょう。これだけで記憶に残りやすくなります。
06ゲーム感覚の練習とよくある失敗
練習① 英語で「あるなしクイズ」
身の回りのものを1つ選び、その名前を使わずに英語で30秒説明します。家族や友だちに当ててもらえれば成功です。
- 例:「冷蔵庫」→ It's a big box in the kitchen. It keeps food cold. You open it many times a day.
練習② 難しい日本語チャレンジ
ニュースの見出しや、仕事でよく使う日本語を1つ選び、かみくだいてから英語にします。
練習③ 3通り言い換え
1つの文を3通りの言い方で言ってみます。
- I'm very busy. → I have a lot to do. → I don't have much free time.
よくある失敗
- 単語帳の訳語を探して沈黙する:出てこない単語を思い出そうとして固まるより、すぐ説明に切り替えたほうが会話は続きます。
- 説明が長くなりすぎる:一度に全部説明しようとせず、1文言って相手の反応を見ましょう。
- 言い換えで満足して単語を覚えない:言い換えで乗り切ったあとは、正しい単語を調べてメモする習慣をつけると、語彙も増えていきます。
使い方:お題の言葉を言わずに説明して当てさせるゲームの映像です。この節のあるなしクイズの前に見て、短い説明を次々に出すテンポをつかみます。
071週間メニューとまとめ
1週間メニュー(1日10分)
- 月曜:説明の5つの型を声に出して覚える。
- 火曜:部屋の中のもの5つを、名前を使わずに英語で説明。
- 水曜:日本の食べ物や行事3つを、英語で説明(おせち、花見、銭湯など)。
- 木曜:難しい日本語3つを、かみくだいてから英語に。
- 金曜:1つの文を3通りに言い換える練習を5セット。
- 土曜:オンライン英会話で、単語がわからないときにあえて説明で乗り切る。
- 日曜:今週、言い換えで乗り切った単語の正しい英語を調べてメモ。
まとめ
英語が話せる人は、単語を全部知っている人ではなく、知らない単語を上手に説明できる人です。
- It's a kind of ... / It's something you use when ... / It's a person who ... の型を持っておく。
- 難しい日本語は、子どもに説明するつもりでかみくだく。
- 伝わらなかったら I mean ... で言い直す。
今日は、目の前にあるものを1つ選んで、その名前を使わずに英語で説明してみてください。言えたら、あなたの言い換え力はもう動き始めています。
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よくある質問
言い換えばかりしていると単語が覚えられないのでは?
言い換えで会話を続けたあとに、正しい単語を調べてメモすれば、むしろ記憶に残りやすくなります。「使いたかったのに出てこなかった」体験があると、その単語への印象が強くなるからです。
言い換えはスピーキング試験でも使えますか?
使えます。英検やIELTSなどのスピーキングでは、知らない単語で止まるより、知っている単語で説明して話し続けるほうが自然なやりとりになります。ただし、試験ごとの評価基準は公式情報で確認しておきましょう。
説明がうまくできず、相手に伝わりません。
一度に長く説明するより、短い文を1つずつ言って相手の反応を見るのがコツです。種類・目的・使う場所など、別の型に切り替えて説明し直すと、伝わることが多くなります。
読了ボーナス


