トークショーで英語リスニングを鍛える方法|おすすめ7番組・コーナー別の聞き方(動画つき)
トークショーは「台本のない英語」を無料で浴びられる最高の教材です。ただし、どの番組のどのコーナーを選ぶかで、聞き取りやすさはまったく違います。いきなりゲストの早口トークに挑むと、笑い声と速さに押し流されて終わりです。このコラムでは、YouTube の公式チャンネルで見られる7番組と、学習者に向くコーナーを「やさしい順」に、実際の動画つきで紹介します。後半では、1本のクリップを4回で使い切る手順と、このページの動画だけで回せる2週間メニューも用意しました。

01英語学習に向くトークショー7番組(公式 YouTube つき)
アメリカのトークショーは、放送のあと、人気のコーナーが数分のクリップになって公式チャンネルに上がります。テレビ放送が見られなくても、YouTube だけで十分に練習できます。
| 番組 | 英語の特徴 | 学習者に向くコーナー | 公式チャンネル |
|---|---|---|---|
| The Tonight Show Starring Jimmy Fallon(米 NBC) | アメリカ英語。ゲーム企画が多く、画面で状況がわかる | Password、Box of Lies、Pictionary、Charades | @FallonTonight |
| Jimmy Kimmel Live(米 ABC) | アメリカ英語。座って話すインタビューが中心 | 日本ゆかりのゲストのインタビュー | @JimmyKimmelLive |
| The Late Show with Stephen Colbert(米 CBS) | アメリカ英語。司会の質問がはっきりしている | The Colbert Questionert(質問が毎回ほぼ同じ) | @ColbertLateShow |
| The Graham Norton Show(英 BBC) | イギリス英語とアメリカ英語が1本の中で混ざる | 複数のゲストがソファで話すエピソードトーク | @OfficialGrahamNorton |
| The Kelly Clarkson Show(米・昼の番組) | 昼の番組なので話し方が穏やか | 子どもがゲストに質問する回 | @KellyClarksonShow |
| The Ellen DeGeneres Show(米・昼の番組) | 子どもゲストが多く、ゆっくり・はっきり | 天才キッズの回 | @TheEllenShow |
| The Late Late Show with James Corden(米 CBS) | 司会はイギリス出身。歌の企画が多い | Carpool Karaoke の合間のおしゃべり | @TheLateLateShow |
Colbert の番組は2026年5月に、Ellen の番組は2022年に、James Corden の番組は2023年に放送を終えています。Kelly Clarkson の番組も第7シーズンで終わると2026年2月に発表されました。それでも公式チャンネルには過去のクリップがたくさん残っていて(2026年10月時点)、教材としては今も現役です。
おすすめの入り方は、最初の1か月は Jimmy Fallon の番組1つに絞ることです。同じ司会者の声を毎日聞くと、話し方のクセやよく使う言い回しに耳が慣れて、2本目・3本目がどんどん楽になります。いろいろな番組をつまみ食いするより、ずっと早く「聞こえる」が増えます。
中高生へ:夜のトークショー(late-night show)は大人向けの冗談や話題も出ます。最初はこの後で紹介するゲーム系コーナーや子どもゲストの回から選び、迷ったら家の人と一緒に選んでください。
02最初の1本は「ゲーム系コーナー」から
いちばん最初に見るべきなのは、ゲストの長いトークではなくゲーム系のコーナーです。理由は3つあります。
- ルールが毎回同じ:一度ルールがわかれば、あとは英語だけに集中できます。
- 画面を見れば状況がわかる:絵・ジェスチャー・箱の中身など、英語がわからなくても何が起きているか追えます。
- 一言が短い:ゲーム中は長い文より、単語や短い叫び声が中心です。
Jimmy Fallon の番組で特に学習向きなのは次の3つです。
- Password:2人1組で、1語だけのヒントを出して相手に秘密の単語を当てさせるゲーム。ヒントが1語ずつなので、単語を1つずつ確実に聞き取る練習になります。視聴者も「答えは何か」を一緒に考えられるので、自然に耳が集中します。
- Box of Lies:箱の中身を相手に英語で説明し、相手は「本当か、ウソか」を当てるゲーム。形・色・大きさなど、物を説明する英語がたっぷり聞けます。
- Pictionary / Charades:絵やジェスチャーを見て答えを叫ぶゲーム。答えの単語と、正解・不正解の瞬間のリアクションが聞き取りやすいコーナーです。
反対に、有名人のモノマネをする Wheel of Impressions のようなコーナーは、モノマネされる人を知らないと笑いどころがわかりません。慣れてからにしましょう。
使い方:ヒントの1語が聞こえるたびに K キーで止め、答えを自分でも予想します。ヒントの単語をノートに書き出し、聞き取れた数を記録しておくと、2回目に増えたのがわかります。
使い方:箱の中身を説明している部分だけ英語字幕をオンにして、形や色を表す言い方をメモ。そのあと、机の上の物を1つ選んで、同じ型で英語で説明してみます。
使い方:答えが当たった瞬間に何と叫んでいるかに注目。正解の単語と、そのときのリアクションを英語字幕で確かめて書き出します。
03聞き取りやすいのは「子どもが主役の回」
意外と知られていませんが、トークショーでいちばん聞き取りやすいのは子どもがゲストの回です。
子どもは短い文で話しますし、司会者も子どもに合わせて、ゆっくり・はっきり・やさしい言葉で話します。大人が子どもに話しかけるときに話し方を変えるのは言語を問わず見られる現象で、学習者にとってはありがたい「やさしい英語」がそのまま聞けます。
さらに、子どもが大人に質問する回は、質問文の練習にぴったりです。子どもの質問は短くて形がはっきりしているので、書き取りやすく、自分でも言いやすい英語です。
使い方:国名がたくさん出てくる回です。カタカナの読み方と英語の発音が違う国名を3つ見つけてメモし、まねして言ってみます。
使い方:子ども記者の質問だけを書き取ります。書き取ったら、大坂なおみ選手になったつもりで、自分の英語で答えてみましょう。
使い方:子どもたちの質問が What・How・Why など何で始まるかを数えます。質問の頭がわかると、そのあとの答えの内容も予想しやすくなります。
04日本ゆかりのゲストの回は「知っている話」で聞ける
リスニングは、耳から入る音だけでなく、頭の中の知識で足りない部分を補いながら行っています。知っている話題なら、聞き逃した単語があっても「たぶんこう言ったな」と予測が効きます。
そこでおすすめなのが、日本ゆかりのゲストの回です。作品や出来事をあらかじめ知っていれば、英語の難しさが同じでも、理解できる割合がぐっと上がります。
見る前に、その話題について日本語で2〜3分調べておくのがコツです。作品名・役名・できごとを先に頭に入れておくと、英語の中でその単語が「浮き上がって」聞こえてきます。
使い方:先に日本語で『SHOGUN 将軍』のあらすじを確認してから見ます。着物やカルチャーショックの話で、知っている単語がいくつ聞こえるか数えましょう。
使い方:真田広之さんの英語と、司会者の英語のリズムを聞き比べます。日本語が母語の人が英語で堂々と話す姿は、それだけで励みになります。
使い方:Jimmy Fallon の番組で英語を覚えたというメジャーリーグの投手が登場する回。「テレビで英語を覚えた」実例そのものです。後半は投手がスペイン語を教える側に回るので、言い方を英語で説明する表現に注目します。
05質問が毎回同じコーナーで「答え」に集中する
Stephen Colbert の番組の The Colbert Questionert は、ゲストに15ほどの質問を、毎回ほぼ同じ順番で聞いていくコーナーです(年月とともに一部の質問は入れかわっています)。好きな食べ物のような軽い質問から始まり、人生観をたずねる深い質問まで進みます。
ここに学習の大きなチャンスがあります。質問が同じなので、1本目で質問を全部わかってしまえば、2本目からは答えだけに集中できるのです。
- 1本目は英語字幕をオンにして、質問を番号つきでノートに書き取る
- わからない単語を調べて、質問の意味を完全にわかる状態にする
- 2本目は字幕をオフにして、ノートの質問を見ながら答えだけを聞く
- 最後に、同じ質問に自分で英語で答えてみる(スピーキング練習)
ほかの番組のインタビューでも、司会者の質問にはよく使われる型があります。次の型(自作例)を知っておくと、質問を聞いた瞬間に「次はこんな答えが来る」と構えられます。
- What was it like to ~?(〜するのはどんな感じでしたか?)
- How did you get into ~?(どうやって〜を始めたんですか?)
- Is it true that ~?(〜って本当ですか?)
使い方:1本目。英語字幕をオンにして、質問を全部ノートに書き取ります。このコーナーの質問リストの「教科書」になる1本です。
使い方:2本目。書き取った質問リストを手元に置き、字幕なしで答えだけを聞きます。1本目のときより聞き取れていることを確かめましょう。
06イギリス英語とアメリカ英語を聞き比べる
アメリカの番組に慣れてきたら、イギリス BBC の The Graham Norton Show に挑戦しましょう。イギリスとアメリカのゲストが同じソファに並んで話すことが多いので、1本の中で2つの英語を聞き比べられるのが魅力です。
聞き比べのコツは、違いが出やすい単語を「待ち構える」ことです。
- can't:イギリス英語では「カーント」に近く、アメリカ英語では「キャント」に近い
- t の音:water や better の t が、アメリカ英語では「ラ行」のように聞こえやすい
- r の音:car や here の最後の r が、イギリス英語ではほとんど聞こえないことが多い
話す人数が多く、話も速いので、最初は数分の短いクリップを選んでください。アクセントそのものが話題になっている回から入ると、「どこが違うのか」に自然と耳が向きます。
使い方:イギリス出身のトム・ホランドさんが、役づくりのためにアメリカの高校へ行った話。本人のイギリス英語で、can't や t の音が出てきたらメモします。
使い方:イギリス出身のエミリー・ブラントさんが、子どもたちがアメリカ人の父親のアクセントを身につけている話をする回。British・American という言葉が出るたびにチェックします。
使い方:英語以外の言葉も次々に飛び出す回。ゲストが「何語を話せるか」を英語で説明する部分に注目します。
071本のクリップを4回で使い切る手順
動画を選んだら、同じ1本を4回見ます。数分のクリップなら、全部で15〜20分ほどです。
- 1回目:字幕なしで全体を見る。わからなくて当然です。誰が話して、どこで笑いが起きたかだけつかみます。難しすぎるときは、日本語の自動翻訳字幕で内容を先に確認してもかまいません。
- 2回目:英語字幕をオンにして見る。「こう言っていたのか」と驚いた所に、時間をメモしておきます。
- 3回目:メモした所だけを聞き直す。再生速度を 0.75 倍に落とし、J キー(10秒戻る)や ← キー(5秒戻る)でくり返します。
- 4回目:5〜10秒の発言を選んでまねする。英語字幕を見ながら一緒に言い(オーバーラッピング)、慣れたら字幕を消して少し遅れて追いかけます(シャドーイング)。声のトーンや間の取り方までまねします。
聞き取れない原因の多くは、単語を知らないことではなく音の変化です。
- つながる:Check it out が「チェキラウ」のように聞こえる
- 弱くなる:and や to のような小さな単語は、ほとんど聞こえないことがある
- くずれる:want to が wanna、got to が gotta になる
便利な機能と道具
- YouTube のキー操作(パソコン):K で停止と再生、J で10秒戻る、← で5秒戻る、C で字幕のオンとオフ。Shift を押しながら < と > で再生速度を変えられます。
- 文字起こし:字幕のある動画では、概要欄の「文字起こしを表示」を押すと、英文が時間つきで一覧になります。行をクリックすると、その場所から再生されます。
- Language Reactor:パソコンの Chrome の拡張機能。YouTube に英語と日本語の字幕を同時に出したり、1文ごとに自動で止めたりできます。
- YouGlish:聞き取れなかったフレーズを検索すると、別の人がそのフレーズを言っている YouTube 動画の場面を次々に再生してくれます。同じ言い方を何人もの声で聞くと、音の変化がはっきりわかります。
自動生成の字幕は、固有名詞や早口の所でまちがえることがあります。字幕はあくまで補助と考えて、最後は自分の耳で確かめましょう。
08このページの動画だけで回せる2週間メニュー
1日15分が目安です。1週目はやさしいコーナー、2週目はインタビューとイギリス英語に進みます。
1週目:ゲームと子どもゲストで耳を慣らす
- 1日目:Password を4回で使い切る(ヒントの単語を数える)
- 2日目:Box of Lies で、物を説明する英語をメモ
- 3日目:Pictionary で、正解の瞬間のリアクションを書き出す
- 4日目:5歳の地理の天才の回で、国名の発音を3つまねする
- 5日目:子ども記者と大坂なおみ選手の回で、質問を書き取る
- 6日目:Kelly Clarkson の番組の、子どもたちが質問する回で、質問の頭(What・How・Why)を数える
- 7日目:1〜6日目でいちばん好きだった1本を字幕なしで見直す
2週目:インタビューとイギリス英語へ
- 8日目:アンナ・サワイさんの回(日本語で予習してから)
- 9日目:真田広之さんの回で、英語のリズムを聞き比べる
- 10日目:Colbert Questionert の1本目で、質問を書き取る
- 11日目:Questionert の2本目で、答えだけを聞く。自分でも答える
- 12日目:トム・ホランドさんの回で、イギリス英語の can't を探す
- 13日目:エミリー・ブラントさんの回で、アクセントの話を聞く
- 14日目:1日目の Password をもう一度、字幕なしで見る
14日目にもう一度1日目の動画を見るのがポイントです。2週間前は聞こえなかったヒントの単語が聞こえることに気づくはずです。この「前より聞こえる」を実感できると、3週目からは自分で好きな番組を選んで、同じやり方で続けられます。
このコラムで使うサイト・アプリ
もっと見たい人へ
今日やること
よくある質問
どの番組から始めればいいですか?
最初は The Tonight Show Starring Jimmy Fallon がおすすめです。ゲーム系のコーナーが多く、画面を見れば状況がわかるので、英語が聞き取れなくても楽しめます。最初の1か月は1番組に絞ると、司会者の話し方に耳が慣れて早く上達を感じられます。
英語字幕はずっと使っていても大丈夫ですか?
最初は使って問題ありません。英語字幕は音と文字をつなげるのに役立ちます。ただ、文字を読むだけで耳を使わなくなるのは避けたいところ。1回目は字幕なしで見て、2回目に英語字幕で答え合わせをする順番にすると効果的です。
観客の笑い声で聞こえない部分はどうすればいいですか?
聞こえない部分があるのは自然なことなので、気にしすぎないでください。英語字幕や文字起こしで内容を確認し、前後の流れから推測する練習だと考えましょう。実際の会話でも、周りの音で聞き取れない場面はよくあります。
中学生・高校生が見ても大丈夫ですか?
夜のトークショーは大人向けの番組なので、冗談や話題によっては中高生向きでないものもあります。このコラムで紹介したゲーム系のコーナーや子どもゲストの回から始め、ほかの動画を選ぶときは家の人と一緒に選ぶと安心です。
放送が終わった番組の動画で勉強しても意味がありますか?
あります。ゲームのルールやインタビューの質問の型、司会者とゲストの自然なやりとりは古くなりません。公式チャンネルに残っている過去のクリップは、今でも十分に良い教材です。
読了ボーナス


