和文英訳の型と見直しチェックリスト|時制・冠詞・数の減点を防ぐ答案術
和文英訳は、「言いたいことはわかるのに、細かいミスで点が削られる」問題です。日本語を英語にしやすく言い換えることも大切ですが、書いたあとの見直しで拾えるミスも少なくありません。この記事では、答案を組み立てる基本の型と、提出前に確認したいチェックリストを紹介します。

01和文英訳の減点はどこで起きるか
和文英訳の採点基準は大学ごとに異なり、公表されていないことがほとんどです。ただ、一般的に減点されやすいのは次のようなミスだと考えられます。
- 文法のミス:時制、主語と動詞の一致、冠詞、名詞の数
- 語法のミス:動詞の使い方(他動詞・自動詞)、前置詞の組み合わせ
- 意味のずれ:日本語の内容の一部が抜けている、または違う意味になっている
- 不自然な表現:日本語を直訳して、英語として意味が通りにくい
このうち、文法と語法のミスは見直しで防げることが多いのがポイントです。和文英訳は「書く力」と「見直す力」の両方で点が決まります。
難しい表現で満点を狙うより、確実に書ける表現で減点を防ぐ。これが和文英訳の基本戦略です。
02基本の型:主語と動詞を先に決める
日本語の文をいきなり頭から英語にすると、構造が崩れやすくなります。まず英語の骨組み(主語+動詞)を決めましょう。
手順
- 日本語の文の「言いたいこと」を一言でつかむ
- 英語の主語を決める(日本語の主語と同じとは限らない)
- 動詞を決める
- 残りの情報(時・場所・理由など)を後ろに足す
自作の例
日本文:最近では、スマートフォンで本を読む人が増えている。
- 言いたいこと:スマホで本を読む人が増えている
- 主語:More and more people
- 動詞:read
- 足す情報:on their smartphones / these days
英訳例:These days, more and more people read books on their smartphones.
主語を変える発想
日本文:この町は、冬になると雪が多い。
- ✕ This town is much snow in winter.
- ◯ We have a lot of snow in this town in winter.
- ◯ This town gets a lot of snow in winter.
日本語の「は」を、そのまま英語の主語にしないことが大切です。
使い方:5文型をまとめて振り返る英文法講座の回です。この節の手順2・3(主語と動詞を決める)の土台として見て、英訳する前に「どの文型で書くか」を決める習慣をつけます。
03チェック1:時制
時制のミスは、和文英訳で最も多いミスの一つです。
確認すること
- 過去の話は過去形になっているか
- 「~したことがある」「ずっと~している」は現在完了になっているか
- 時・条件を表す when / if の節の中で、未来のことを現在形で表しているか
自作の例
日本文:駅に着いたら、電話してください。
- ✕ Please call me when you will arrive at the station.
- ◯ Please call me when you arrive at the station.
日本文:私は3年間英語の日記を書き続けている。
- ✕ I write an English diary for three years.
- ◯ I have been keeping a diary in English for three years.
見直しのコツ
答案の動詞すべてに印をつけ、「いつのことか」を1つずつ確認します。動詞に印をつけるだけで、時制のミスはかなり防げます。
使い方:時と条件の副詞節で未来のことを現在形で表すルールを扱う講座です。この節の when you arrive の例と同じ形の英文を、自分で3つ作って確かめます。
使い方:直接話法と間接話法、時制の一致をまとめて解説する動画です。「〜と言っていた」を英訳するときの時制のずれを、チェック1の項目に足します。
04チェック2:冠詞と名詞の数
冠詞(a / an / the)と名詞の数(単数・複数)は、日本語にない区別なので、特に注意が必要です。
確認すること
- 数えられる名詞の単数形に、a / the / my などがついているか
- 一般的な話をするとき、複数形を使っているか
- 初めて出てきたものに the をつけていないか
自作の例
日本文:犬は人間の最良の友だと言われている。
- ✕ Dog is said to be human's best friend.
- ◯ Dogs are said to be humans' best friends.
日本文:昨日、公園で面白い本を見つけた。その本は古い写真集だった。
- ◯ Yesterday I found an interesting book in the park. The book was an old photo album.
数えられない名詞に注意
information、advice、furniture、homework などは数えられない名詞として使うのが一般的です。
- ✕ many informations
- ◯ a lot of information
名詞に印をつけて、「a/the/複数形/数えられない」のどれかを確認する習慣をつけましょう。
使い方:the を使う時と使わない時のルールを整理する英語のレッスンです。この節の例文2つを見ながら見て、自分の答案の名詞の a / the / 複数形を見直します。
05チェック3:主語と動詞の一致・語法
主語と動詞の一致
主語が三人称単数なら、現在形の動詞に -s がつきます。主語が長いと見落としやすいので注意。
自作の例:
- ✕ The number of students who study abroad are increasing.
- ◯ The number of students who study abroad is increasing.
主語は The number(数)なので単数扱いです。
語法:自動詞と他動詞
- ✕ discuss about the problem → ◯ discuss the problem
- ✕ reach to the station → ◯ reach the station / get to the station
- ✕ explain me the rule → ◯ explain the rule to me
語法:前置詞の組み合わせ
- be interested in
- depend on
- be different from
- be good at
自分のミスノートを作る
過去問の添削で指摘されたミスを、ノートにまとめておきましょう。自分がよくするミスは、人によって偏りがあるので、自分専用のチェックリストが最強の見直しツールになります。
使い方:自動詞と他動詞の見分け方を解説する短い講義です。この節の discuss や reach のような動詞を自分のミスノートから探し、正しい形に直します。
06見直しチェックリスト(本番用)
答案を書き終えたら、次の順番で見直します。1つの項目につき1回、答案全体を見るのがコツです。
- 意味:日本語の内容がすべて入っているか(抜けている部分はないか)
- 動詞:すべての動詞に印をつけ、時制と主語との一致を確認
- 名詞:すべての名詞に印をつけ、冠詞と数を確認
- 語法:動詞と前置詞の組み合わせ、自動詞・他動詞を確認
- つづり:よく使う単語のつづりを確認
- 句読点:文の最後のピリオド、カンマの位置
時間の目安
1題(2〜3文)につき、見直しは2〜3分。見直しの時間を最初から計画に入れておくことが大切です。
よくある失敗
- 書き終えて安心し、見直しをしない
- 見直しで表現を大きく変えて、新しいミスを作る
- 難しい構文を使おうとして、文の構造が崩れる
見直しは「表現をよくする」時間ではなく、「ミスを見つけて直す」時間と割り切りましょう。
07見直しで迷ったときに開くサイト4つと、ミスノートの作り方
チェックリストで「あやしい」と思った所は、勘で直さずに辞書や英文データで確かめるのが確実です。家での練習では、次のサイトを使いましょう。
| 迷う所 | 使うサイト | 使い方 |
|---|---|---|
| 数えられる名詞か | Oxford Learner's Dictionaries | 名詞を引くと、数えられる・数えられないの表示がある。information や advice を引いて確かめる |
| 自動詞か他動詞か・後ろの形 | Longman Dictionary | discuss や reach を引き、例文で後ろに前置詞が来るかどうかを確かめる |
| 前置詞の組み合わせ | Netspeak | 迷った前置詞の所を記号にして穴あき検索し、よく使われる形を比べる |
| 日本語の言い回しの英訳例 | Reverso Context | 日本語と英語の対訳例文を検索できる。機械的に集めた例文なので誤訳もまじる。複数の例を見比べ、辞書で確かめてから使う |
自分専用のミスノートの作り方
- 添削や模範解答との比較で見つかったミスを、「時制・冠詞と数・一致・語法・意味の抜け」の5つに分けて記録する
- 1つのミスにつき、「書いた文」「正しい文」「なぜ違うか(1行)」の3行で書く
- 正しい文を、このサイトの センテンスマイニング のように例文ストックとして集め、声に出して覚える
- 1か月たったら、5つの分類で一番多いものを本番用チェックリストの1番目に移す
ミスの分類が偏っている所が、あなたの答案で採点者に見つかりやすい所です。本番の見直しは、その項目から始めましょう。
081週間の練習メニュー
1日20分のトレーニング
- 日本文1〜2文を英訳(8分)
- チェックリストで自己点検(4分)
- 模範解答と比べ、違いを確認(5分)
- ミスをミスノートに記録(3分)
1週間メニュー
- 月:時制がポイントになる文を3つ英訳
- 火:冠詞・名詞の数がポイントになる文を3つ
- 水:主語を変える発想が必要な文を3つ
- 木:過去問の和文英訳1題
- 金:木曜の答案を先生に添削してもらう、または模範解答と比較
- 土:ミスノートを見直し、同じミスをした文をもう一度英訳
- 日:例文暗記(自分で使いたい表現を5つ)
例文暗記のすすめ
和文英訳では、自分が確実に書ける例文のストックが武器になります。英文解釈や長文で出会った「使える文」を暗記しておくと、本番で表現に迷う時間が減ります。
今日やることは、自分が最近書いた英作文を1つ取り出し、動詞と名詞にすべて印をつけてみること。見落としていたミスがきっと見つかります。
このコラムで使うサイト・アプリ
もっと見たい人へ
今日やること
よくある質問
和文英訳で難しい単語を使ったほうが点は高くなりますか?
採点基準は大学ごとに異なりますが、一般的には正確さが大切だと考えられます。自信のない難しい単語より、確実に使える単語で正しく書くほうが減点を防げます。
日本語の意味を少し変えて英訳してもいいですか?
英語にしやすく言い換えることは有効ですが、日本文の内容が抜けたり意味が変わったりしないように注意しましょう。言い換えたら、元の日本文と意味が一致しているか確認します。
見直しの時間がとれません。
試験全体の時間配分で、最初から見直しの時間を確保しておきましょう。1題につき2〜3分でも、動詞と名詞の確認をするだけで多くのミスを防げます。
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