複雑系(ダイナミック・システム)理論 ― 英語の力はまっすぐ伸びない、を授業に生かす
先週できたことが今週はできない。正確になったと思ったら、文が短くなった。英語の伸びはギザギザで、生徒ごとにまるで違う。複雑系理論は、その「揺れ」を発達を読み解く手がかりと考えます。点数の上下に一喜一憂しない見方と、授業への生かし方をまとめました。
エビデンスの強さ:言語発達をとらえる理論的な枠組み。個人の発達が非線形で揺れを伴うことは多くの縦断研究で示されているが、研究の多くは少人数の事例研究で、予測や一般化のしかたには批判もある。

- 複雑系理論:英語の力は、多くの要素が影響し合いながら時間とともに変わるシステム。だから伸び方は直線にならない。
- 停滞・後退・急な伸びをくり返し、複雑さと正確さが競い合うことも。生徒ごとに道すじが違います。
- 授業では、1回の点数で判断しない。同じ課題の記録を時系列で見て、「下がった時期」もすぐに失敗と決めつけず、前後の記録や使った表現とあわせて見ます。
複雑系理論ってなに?
ひとことで言うと、「英語の力は、いろいろな要素が影響し合いながら、行ったり来たりして伸びていくもの」と考える理論です。
毎週の英作文。A さんは4月から順調に語数が増えていたのに、7月に急に短くなりました。読んでみると、関係代名詞や because を使った長い文に挑戦していて、そのぶん誤りも増えています。B さんは、ずっと正確だけれど、いつも I like... I think... の短い文ばかり。C さんは、3か月ほとんど変わらなかったのに、秋のある週から急に書けるようになりました。
私たちは、学習の伸びを「右肩上がりの直線」でイメージしがちです。でも、教室で実際に見えるのは、こういうギザギザで、人によってばらばらの線です。このギザギザを単なる「誤差」として捨てず、発達について何かを教えてくれるかもしれない手がかりとして正面から扱おうとするのが、複雑系(ダイナミック・システム)理論(Complex Dynamic Systems Theory:CDST)です。
この考え方を第二言語習得に持ちこんだのが、応用言語学者ダイアン・ラーセン=フリーマン(Larsen-Freeman)氏の1997年の論文です。物理学などで発展した、非線形のシステムの研究(カオス・複雑系の科学)が、「状態」よりも「なっていく過程」を扱う学問であることに注目し、第二言語習得の昔からの難問を新しい光で照らせると論じました 1。
その後、第二言語の発達を研究するケース・ド・ボット(de Bot)氏らは、言語を「時間とともに互いに影響し合う変数の集まり(ダイナミック・システム)」とみなし、言語の発達には次のような特徴があると整理しました 2。
| 特徴 | 意味 | 教室にたとえると(筆者の例) |
|---|---|---|
| 初期条件への敏感さ | 出発点の小さな違いが、後で大きな違いになる | 中1の最初の数か月の差が、思った以上に後まで響く |
| 下位システムのつながり | 語彙・文法・発音・やる気などが互いに影響する | 単語が増えると、文法の使い方も変わる |
| アトラクター状態 | システムが落ち着きやすい「くぼみ」がある | いつも同じ型の文に戻ってしまう |
| 個人内・個人間の変動 | 同じ人でも日によって揺れ、人によって道すじが違う | 先週できたことが今週できない/クラスの全員が違う伸び方 |
英語の力の伸びは、満ち潮の波打ち際に似ています。1つ1つの波は、寄せたり引いたりして、さっきより手前で止まることもあります。でも、しばらく見ていると、水の届く線は少しずつ上がっていく。1回のテストの点は「1つの波」にすぎません。そして、波打ち際の形は、砂の固さや風向き(生徒の背景・やる気・クラスの雰囲気)によって、場所ごとにまったく違います。
ふつうの見方とのちがい
| よくある見方 | 複雑系理論の見方 | |
|---|---|---|
| 伸び方 | 右肩上がりの直線 | 停滞・後退・急な伸びをくり返す(非線形)3 |
| 揺れ(ムラ) | 誤差・たまたま | 発達についての情報。揺れの大きさと伸びが関連した研究もある 34 |
| 見るもの | ある時点の状態(1回の点数) | 時間とともに「なっていく」過程 1 |
| 力の中身 | 語彙・文法・発音を別々に見る | 語彙・文法・発音・やる気などが互いに影響し合う 2 |
中間言語の考え方も学習者の「途中の姿」を見ますが、複雑系理論は、とくに時間の中での揺れや、要素どうしの影響し合いに目を向けるところに特徴があります。
この理論が言っていることを3つで
- 英語の力は、要素が影響し合うシステム:語彙・文法・発音・やる気などがつながり合い、出発点の小さな違いが後で大きな違いになることもあります 2。
- 伸び方は直線にならず、揺れは情報になる:前進と後退をくり返すのがふつうで、揺れが最も大きかった学習者が最も伸びた研究もあります 34。
- あちらを立てればこちらが立たない時期がある:長く書いた回ほど誤りが多いといった形で、複雑さと正確さが競い合うことがあります。ただし、後の段階では支え合う関係に変わることもあります 56。
「揺れ」は発達についての情報になる
この理論のいちばん大きな発想の転換は、揺れ(変動性:variability)を情報として扱うことです。複雑系理論の研究者は、一人の学習者の中で起きる揺れそのものを、発達についての情報源として分析します 3。
さらに、揺れの大きさと伸びとの関連を示した研究もあります。ある実験では、個人差の要因がよく似た学習者どうしでも時間とともにはっきり違う伸び方をし、揺れが最も大きかった学習者が、習熟度も最も大きく伸びていました 4。ただし、これは関連であって、揺れが伸びを引き起こしたとまでは言えません。それでも、「最近ムラがある」が悪いしるしとは限らない、とは言えそうです。
研究ではどうなってる?
- 言語の発達は、初期条件への敏感さ、下位システムどうしの完全なつながり(語彙・文法・発音などがすべて互いに影響し合うこと)、アトラクター状態の出現、個人内・個人間の変動といった、ダイナミック・システムの特徴を示す 2。
- 否定文の習得の古典的な縦断データを見直すと、発達は非線形で、途中に後退の山が現れていた。上級学習者の事例でも、全体としては伸びつつ、前進と後退をくり返していた 3。
- 個人差の要因がよく似た学習者でも、時間とともに違う学習の道すじをたどり、揺れが最も大きかった学習者が最も伸びた。集団の研究と個人の縦断研究は補い合うものだと論じている 4。
- 日本の大学1年生2人の1年間・20回の英作文では、複雑さ・正確さ・流暢さがどれも非線形に発達し、互いに正の相関をもたないことが多く、大きく揺れた時期のあとに伸びが見られた指標もあった。ただし、揺れの山はどれも統計的には偶然の範囲(有意でない)と判定されており、2人の事例から「揺れが伸びの前ぶれ」とまでは言えない 5。
- 英語を外国語として学ぶ大学生2人が毎週の時間制限つき英作文を1年間(30回)続けた研究では、2人とも流暢さが不連続にジャンプする「相転移」を少なくとも1回経験していた 7。
- 中国の英語学習者の話す英語では、複雑さと正確さが、初めは競い合う関係だったのが、後の段階では支え合う関係に変わっていった 6。
- 授業中のやる気を4人について細かく記録した研究では、やる気は授業の中で揺れ動きながらも、予測できる安定した局面をもち、教室の文脈と切り離せなかった 8。
- 25年分・158件の研究をまとめたレビューは、方法の質に改善の余地があるとして、今後の研究のための「9つの原則」を提案している 9。
複雑さと正確さは「同時に」伸びにくい
上の研究で、先生にとってとくに大事なのは、複雑さ・正確さ・流暢さ(CAF)が競い合うことがある、という点です。日本の大学生の研究では、ある学生の流暢さ(15分で書いた語数)と正確さ(誤りのない節の割合)は、1年を通じて競い合うように動いていました 5。この学生では、長く書いた回ほど誤りが多いという関連が見られたのです(学生の意図や注意の向け方までを測ったわけではありません)。冒頭の A さんと B さんも、これに似た状態かもしれません。
ただし、この関係はずっと同じではありません。中国の学習者の話す英語では、はじめは競い合っていた複雑さと正確さが、後の段階では手をつないで伸びるようになっていました 6。すべての学習者が同じ道すじをたどるとは限りませんが、「長く書くと誤りが増える」時期は、伸びる途中の一場面である可能性があります。
「伸び悩み」は落ち着いたくぼみ(アトラクター)かもしれない
複雑系理論には、アトラクター状態という考え方があります。システムが、しばらくのあいだ落ち着いてしまう「くぼみ」のような状態のことです 2。日本の大学生の作文の研究でも、ある学生の節の長さが、ある時期ずっと同じ幅の中にとどまっていたことが、アトラクター状態の例として報告されています 5。
教室でいえば、「いつも I think ... because ... の型で書く」「会話はいつも Yes, I do. で終わる」といった、生徒が落ち着いてしまうパターンです。くぼみに落ちたボールは、少し押しただけでは戻ってきてしまいます。抜け出すには、新しいお題、新しい相手、新しい条件(時間を短くする、語数の目標を上げる)といった、システムをゆさぶる変化が必要かもしれません。これは 中間言語 のページで扱った「停滞」や「化石化」を、別の角度から見たものともいえます(ここは研究の直接の結果ではなく、理論からの教室への読みかえです)。
日本の教室で
日本の大学生の英作文の研究では、変化が見られた時期について、著者自身が「授業で作文を採点し始めた時期と重なる」と述べ、評価のしかたが書き方に影響した可能性に触れています 5。システムの中には、生徒の頭の中だけでなく、先生の評価やクラスの環境も入っている、ということです。
日本の大学の英語の授業で、先生が「質問→答え→評価」のパターンを避けて学生からの発言をうながした研究でも、学生が自分から話し始める回数の違いは、性格や習熟度といった持続的な特徴と、ほかの学生の反応やクラス全体の「話す・黙る」のパターンといった文脈の影響が、絡み合って生まれていました 10。個人の問題に見えることが、実はクラスというシステムの性質でもあるのです(→ 外国語不安と WTC)。
明日の授業でこうする
- 同じ課題を定期的にくり返して記録する:「10分間で何語書けるか」「1分間で何語話せるか」を、月に2〜4回、同じ条件で。研究でも、くり返しの時間制限つきライティングが発達の追跡に使われています 75。
- 折れ線グラフで見る(生徒にも見せる):1回の点数ではなく流れを見ます。「下がった回」があっても、前後の流れで判断します。
- CAF を一度に全部求めない:今日の活動のねらいを「たくさん書く(流暢さ)」「長い文に挑戦(複雑さ)」「正確に書く(正確さ)」のどれか1つに絞り、生徒にも伝えます。
- 「挑戦して崩れた」をほめる:関係代名詞に挑戦して誤りが増えた作文は、後退ではなく前進のしるしかもしれません。評価の基準にも「新しい形への挑戦」を入れます。
- クラスの「波」も見る:やる気は1時間の授業の中でも揺れ動くことが、細かい記録から示されています 8。授業の終わりに数分の振り返りカードで「今日の手ごたえ」を書いてもらっておくと、クラス全体のやる気が下がっている時期に気づけるので、次の授業の活動の量や順番を変える判断がしやすくなります。
- 中学校:毎週金曜の授業のはじめに「3分間ライティング」。お題は「週末の予定」「好きなもの」など同じ系統のものを順番に使い、時間や辞書なしなどの条件をそろえ、お題といっしょに語数を各自のグラフに記録します(お題によって語数は変わるので、1回の増減より数回分の流れを見ます)。学期末に、グラフを見ながら「いちばん伸びた週はいつ?そのとき何があった?」を振り返ります。
- 高校:意見文の評価で、ルーブリックに「正確さ」だけでなく「新しい表現・構文への挑戦」の観点を入れます。正確さが一時的に下がっても、挑戦が評価されるので、生徒は安全な短文に逃げにくくなります。
- 小学校:「先週より言えた・言えなかった」で一喜一憂しない声かけを。Can-do の自己評価は学期ごとに比べ、長い目で伸びを確かめます。
❓ よくある質問
Q. 複雑系(ダイナミック・システム)理論とは何ですか?
英語の力を、語彙・文法・発音・やる気など多くの要素が時間とともに影響し合いながら変わるシステムとみなす考え方です。応用言語学者のラーセン=フリーマン氏が第二言語習得に持ちこみ 1、第二言語の発達を研究するド・ボット氏らが初期条件への敏感さや個人内・個人間の変動などの特徴を整理しました 2。
Q. 英語の成績が伸び悩んだり、一時的に下がったりするのはなぜですか?
この理論では、発達は直線ではなく、停滞・後退・急な伸びをくり返すものと考えます。否定文の習得データを見直すと途中に後退の山が現れていました 3。日本の大学生の英作文でも、大きく揺れた時期のあとに伸びた指標がありました(2人の事例で、揺れの山は統計的には偶然の範囲でした)5。
Q. 長い文に挑戦させると誤りが増えるのは、悪いことですか?
悪いしるしとは限りません。複雑さと正確さは競い合うことがあり、日本の大学生の事例でも、長く書いた回ほど誤りが多いという関連が見られました 5。ただし中国の学習者の研究では、はじめは競い合っていた複雑さと正確さが、後の段階では支え合う関係に変わっていました 6。
Q. ダイナミック・システム理論を授業にどう生かせばいいですか?
「10分間で何語書けるか」など同じ課題を定期的にくり返して記録し、1回の点数ではなく折れ線グラフで流れを見ます。活動のねらいは流暢さ・複雑さ・正確さのどれか1つに絞り、新しい形に挑戦して崩れた作文はほめ、評価の基準にも挑戦の観点を入れます。
🎓 もう一歩深く(大学院レベル)
🎓院生モードエルゴード性の問題:集団の平均は個人を語るか
第二言語の発達を研究する Wander M. Lowie 氏と Marjolijn H. Verspoor 氏(2019)は、個人差研究が暗に前提としてきたエルゴード性(集団から得た知見が個人にもそのまま当てはまること)を問題にしました。彼らは、第二言語学習者はエルゴード的な集合をなさず、言語学習のデータは安定性を欠くと主張します。実験では、個人差の点でよく似た学習者どうしでも時間とともに明らかに異なる学習の軌跡を示し、一方で、変動が最も大きかった学習者が最も習熟度を伸ばしていました。結論は、集団研究と個人の縦断事例研究は補完的だというもので、集団研究は要因の相対的な重みを、縦断事例研究は個々の学習者の発達過程を明らかにする、という役割分担です 4。
この議論は、適性・ワーキングメモリと個人差 で紹介するような相関研究の読み方にも関わります。「動機づけと成績に正の相関がある」という結果は、集団の中での個人の並び方について述べたものであって、ある1人の生徒の中で動機づけが上がれば成績が上がる、という個人内の関係を直接示すものではありません。教室の先生にとっては、「平均的な知見」と「目の前の1人」をつなぐには、その生徒自身の時系列の記録が必要だ、という実践的な示唆になります。
方法面では、Verspoor ら(2008)が、発達心理学の微視発生的研究(変化が起きている時期を短い間隔で細かく観察する研究)の手法を取り入れ、移動最小・最大グラフなどの可視化で個人内変動を分析する道を開きました 3。日本の大学生の作文データにこれらの手法(移動最小・最大グラフ、移動相関、モンテカルロ分析)を適用した研究もあります 5。
🎓院生モード批判と応答:「何でも複雑」で理論になるのか
複雑系理論には根本的な批判もあります。第二言語習得の研究者 Gabriele Pallotti 氏(2022)は、「すべては複雑で動的だ」という考えに完全に忠実であろうとすれば、沈黙するしかなかったという古代ギリシャの哲学者クラテュロスを引き合いに出し、CDST 研究の記述・予測・一般化の問題を論じました。代案として、理論化と実証研究に一定の限定をかける「言いすぎずに言う」道を示し、建設的な研究プログラムのためには「CDST」というラベルを捨てることさえありうると提案しています 11。
これに対して、処理可能性理論 の立場から、第二言語の発達を研究する Bronwen Dyson 氏(2022)は、還元主義的に(現象を要素に分けて単純化して)モデル化することで、予測可能な段階を進みつつ変異にも制約がある「複雑で動的な」第二言語の体系を記述できると論じました 12。CDST の内側からも、第二言語習得の研究者 Phil Hiver 氏ら(2022)が25年分・158件(学術誌論文89件・博士論文69件)の研究をスコーピング・レビューし、研究の質に改善の余地があることを示したうえで、研究のための「9つの原則」を提案しています 9。
つまり現在の論点は、「言語発達は複雑か」ではなく、「複雑さを認めたうえで、どの程度の予測と一般化が可能か」に移っています。教室の先生にとっての落としどころは、大きな流れ(発達の順序や平均的な効果)は既存の研究で予測し、個々の生徒の道すじは記録で読むという二段構えでしょう。
🎓院生モード動機づけと WTC も「動く」
複雑系の見方は、言語そのものだけでなく、動機づけや話す意欲の研究も変えました。動機づけを研究する Freerkien Waninge 氏ら(2014)は、「モトメーター」という道具で授業中のやる気を学習者4人について2週間にわたって細かく記録し、教室観察と質問紙を組み合わせて分析しました。やる気は授業中に揺れ動く一方で、予測可能で安定した局面ももち、学習者の個々の学習文脈と切り離せないこと、そして異なる時間スケールが相互作用することが示されています 8。
日本の大学の EFL 授業(21人)を対象にした研究も、性格のような特性としての WTC と、その場の状態としての WTC を組み合わせ、個人とクラスを「入れ子のシステム」として分析しました 10。これらの研究は、動機づけ理論 が描く「安定した個人差」と、教室で毎時間目にする「今日はノっている/ノっていない」とを、同じ枠組みの中で扱う道を示しています。
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📑 出典(12件)
本文の上付き数字に対応。✔ は DOI / ISBN / 公式ページを書誌データベースと機械照合した印です。
- Larsen-Freeman, D. (1997). Chaos/complexity science and second language acquisition. Applied Linguistics, 18(2), 141-165. doi:10.1093/applin/18.2.141 ✔ DOI照合済第二言語の発達を複雑系(非線形のシステム)として捉えることを提案した論文
- de Bot, K., Lowie, W., & Verspoor, M. (2007). A Dynamic Systems Theory approach to second language acquisition. Bilingualism: Language and Cognition, 10(1), 7-21. doi:10.1017/S1366728906002732 ✔ DOI照合済言語の発達を、時間とともに相互作用する変数の集まり(ダイナミック・システム)として捉えることを提案した代表的な論文
- Verspoor, M., Lowie, W., & van Dijk, M. (2008). Variability in second language development from a dynamic systems perspective. The Modern Language Journal, 92(2), 214-231. doi:10.1111/j.1540-4781.2008.00715.x ✔ DOI照合済学習者個人の中の「揺れ」を発達の情報源として分析し、伸びと後退をくり返す非線形の発達を示した研究
- Lowie, W. M., & Verspoor, M. H. (2019). Individual differences and the ergodicity problem. Language Learning, 69(S1), 184-206. doi:10.1111/lang.12324 ✔ DOI照合済集団の平均から個人の学びを推測することの限界(エルゴード性の問題)を論じ、よく似た学習者でも伸び方が違うことを示した論文
- Hokamura, M. (2018). The dynamics of complexity, accuracy, and fluency: A longitudinal case study of Japanese learners' English writing. JALT Journal, 40(1), 23-46. doi:10.37546/JALTJJ40.1-2 ✔ DOI照合済日本の大学1年生2人の1年間の英作文を追い、複雑さ・正確さ・流暢さが非線形に、しかも競い合いながら発達する様子を示した研究
- Yu, H., & Lowie, W. (2020). Dynamic paths of complexity and accuracy in second language speech: A longitudinal case study of Chinese learners. Applied Linguistics, 41(6), 855-877. doi:10.1093/applin/amz040 ✔ DOI照合済中国の英語学習者の話す英語で、複雑さと正確さが初めは競い合い、後に支え合う関係に変わったことを示した縦断研究
- Baba, K., & Nitta, R. (2014). Phase transitions in development of writing fluency from a complex dynamic systems perspective. Language Learning, 64(1), 1-35. doi:10.1111/lang.12033 ✔ DOI照合済大学生2人が1年間に30回書いた時間制限つき英作文から、流暢さが不連続にジャンプする「相転移」をとらえた研究
- Waninge, F., Dörnyei, Z., & de Bot, K. (2014). Motivational dynamics in language learning: Change, stability, and context. The Modern Language Journal, 98(3), 704-723. doi:10.1111/modl.12118 ✔ DOI照合済授業中のやる気を学習者4人について細かく記録し、やる気が授業の中で揺れながらも安定した局面をもつことを示した研究
- Hiver, P., Al-Hoorie, A. H., & Evans, R. (2022). Complex dynamic systems theory in language learning: A scoping review of 25 years of research. Studies in Second Language Acquisition, 44(4), 913-941. doi:10.1017/S0272263121000553 ✔ DOI照合済複雑系理論にもとづく言語学習研究158件をまとめたスコーピング・レビュー。研究の「9つの原則」を提案
- Yashima, T., MacIntyre, P. D., & Ikeda, M. (2018). Situated willingness to communicate in an L2: Interplay of individual characteristics and context. Language Teaching Research, 22(1), 115-137. doi:10.1177/1362168816657851 ✔ DOI照合済日本の大学の英語授業で、個人の性格・習熟度とクラスの状況がからみ合って発言が生まれる様子を分析
- Pallotti, G. (2022). Cratylus' silence: On the philosophy and methodology of Complex Dynamic Systems Theory in SLA. Second Language Research, 38(3), 689-701. doi:10.1177/0267658321992451 ✔ DOI照合済複雑系理論にもとづく第二言語習得研究の、記述・予測・一般化の問題を哲学的・方法論的に批判した論文
- Dyson, B. (2022). SLA as complex, dynamical and predictable: A Processability Theory perspective. Second Language Research, 39(4), 1279-1292. doi:10.1177/02676583221132726 ✔ DOI照合済複雑系理論への批判をふまえ、処理可能性理論なら発達の予測と揺れの両方を扱えると論じた論文
最終更新 2026-10-18 ・ 原田英語 まちがいのご指摘はこちら








