Would You Rather(どっちがいい?)― 二択のお題で「理由を言う」を毎時間の習慣に
「Would you rather live in the city or in the country?」。どちらか選んで、理由を1つ言うだけ。内容に正解のない二択なので、英語が苦手な生徒も口を開くきっかけを作りやすく、意見と理由のやり取りの入口になります。
- ⏱ 時間
- 5-10分
- 🧰 準備
- なし
- 👥 形態
- ペア(全体)
- 🎯 技能
- 帯活動・スピーキング・やり取り
- 📶 CEFR
- A1-B1

- 二択から選び、「because …」で理由を1つ言う。意見と理由をセットで言う習慣をつける。
- 相手の答えに「Why?」「How about you?」と返し、やり取りを1往復のばす。
- 内容に正解のないお題で、答え始めやすくし、英語を使う不安をやわらげる雰囲気をつくることをめざす。
Would You Rather ってなに?
ひとことで言うと、「Would you rather A or B?(AとB、どっちがいい?)」という二択のお題に、"I'd rather +動詞の原形 … because …"(例:I'd rather have a dog because …)と自分の選択と理由を英語で答え、相手にも聞き返す帯活動です。
「What do you think about …?」と聞かれると、中学生は固まります。考えを一から組み立てる必要があるからです。Would You Rather は、選択肢が2つしかないので、まず選んだ方を言えばスタートできます。I'd rather のあとには動詞の原形から始まる形を続け(I'd rather eat sushi.)、そこに「because …」を足せば、意見と理由の文が完成します(名詞だけで答えるなら I'd choose sushi because … の形)。お題がばかばかしいほど盛り上がり、毎時間の帯活動に向いています。
レストランで「ラーメンとカレー、どっちにする?」と聞かれたら、だれでもすぐ答えられます。「なんで?」と聞かれれば、「寒いから」くらいは言えます。大事なのは、選択肢がしぼられていると答え始めやすく、そこから理由を足すのは意外とかんたん、という点です。
似た活動とのちがい
| Would You Rather | 意見の線(Agree/Disagree ライン) | ミニ・ディベート | |
|---|---|---|---|
| 意見の示し方 | 二択から1つ選ぶ | 賛成〜反対の線の上に立つ | 肯定・否定の側を割りあてられる |
| 理由の量 | because で1つ(慣れたら2つ) | 立った位置の理由を話す | 立論・質問・反論で何度も |
| かかる時間 | 5〜10分の帯活動 | 12〜15分 | 25〜50分 |
やり方を3ステップで
- お題を出す:「Would you rather eat sushi or pizza?」を板書し、先生が答え方のお手本を見せる。
- ペアで聞き合う:I'd rather … because … と答え、相手に Why? / How about you? と返す。
- 全体で少し共有:手を挙げて多数決をとり、話してもよい人に理由を聞く。
授業の流れ(分ごと)
| 時間 | 活動 | 先生の動き |
|---|---|---|
| 0:00〜1:00 | お題を投影、先生が自分の答えを実演 | I'd rather … because … を板書 |
| 1:00〜1:30 | 個人で考える(A か B、理由を1つ) | 30秒、黙って考える時間をとる |
| 1:30〜3:30 | ペアで話す(1人1分) | 机の間を回りながら、よかった理由の言い方をメモする |
| 3:30〜5:00 | 数人に発表、手を挙げてクラスの多数決 | 面白い理由を全体に紹介 |
| (+2〜3分) | 2題目、またはパートナーを替えてもう一度 | 「さっきより長く」と声をかける |

- お題を出す:スライドか黒板に1題。「Would you rather eat sushi or pizza every day?」
- 先生の実演:先生が自分の答えを言い、理由を1つ、さらに一言つけ足す(I'd rather eat sushi because I love fish. My favorite is salmon.)。
- 考える時間(30秒):すぐ話させず、黙って選び、理由を考えさせる。英語の言い方がわからない語はジェスチャーか日本語でメモしてよい。
- ペアで話す(1人1分):A さんが答えたら、B さんは必ず「Why?」または追加の質問を1つ。そのあと「How about you?」で交代。
- 全体で共有:「Who chose sushi? Raise your hand.」と多数決。少数派の中から、話してもよい人に理由を聞く(ペアで話している間に机の間を回り、「あとで理由を紹介してもいい?」と本人の了解を取っておくと安心)。
- 言えなかった表現をみんなで英語に:「英語で言いたかったけど言えなかった理由ある?」と聞き、1〜2個を先生が英語にして板書する。
- 継続:毎時間1題。月末に、生徒自身にお題を作らせて出題させる。
中1〜中2向け(身近な二択)
- Would you rather eat sushi or pizza every day?
- Would you rather have a dog or a cat?
- Would you rather play outside or play video games?
- Would you rather live somewhere warm all year or somewhere cold all year?
- Would you rather go to the sea or to the mountains?
- Would you rather wake up early or stay up late?
- Would you rather be a teacher or a student for one day?
- Would you rather have a big room or a small, cozy room?
- Would you rather read a book or watch a movie?
- Would you rather eat ramen or curry for lunch?
中2〜中3向け(想像のお題) 11. Would you rather be able to fly or be invisible? 12. Would you rather travel to the past or to the future? 13. Would you rather be able to talk to animals or be able to speak every language? 14. Would you rather live without a smartphone or without TV for a month? 15. Would you rather meet a famous person or win a lot of money? 16. Would you rather live in Japan or abroad in the future?
高校向け(意見に近いお題) 17. Would you rather study alone or in a group? 18. Would you rather have a job you love with a low salary or a boring job with a high salary? 19. Would you rather live in a big city or a small town after graduation? 20. Would you rather read news on paper or online? 21. Would you rather wear a school uniform or your own clothes? 22. Would you rather learn a new language or a new musical instrument?
理由を広げる言い方:Because … / It's more … than … / For example, … / I have never …, so … / If I …, I could …
- 小学校:絵を2枚見せて「Which do you like, A or B?」の形で。答えは「A!」だけでよく、理由は先生が「Because it's cute?」と選択肢で助ける。
- 中学:単元の文法に合わせる(比較級の単元なら「Because it's more exciting.」、仮定法の前段階として「If I could fly, I would …」は高校で)。
- 高校:選んだ側に分かれて、反対側の人を説得する1分間ミニ討論に広げる。理由を2つ以上、例を1つ、のルールに。
- 大人数クラス:A を選んだ人は立つ・B は座る、で全員の意見を一瞬で見える化してから、近くの「反対を選んだ人」と話す。
- 苦手な生徒が多いクラス:理由の選択肢(Because it's fun / easy / delicious / cute)を板書し、選んで言えばよいことにする。
- オンライン・タブレット:投票ツールで A/B を投票 → 結果のグラフを見ながら、少数派の理由を、書いてもよい人がチャットで書く。
毎時間の帯活動なので、記録に残す評価より、意見+理由の言い方の定着を見る「指導に生かす評価」に使います。学期末のパフォーマンステスト(即興のやり取り)で、同じ形式のお題を1題出すと評価とつながります。
| 観点 | 見るところ | A(十分満足) | B(おおむね満足) | C への手立て |
|---|---|---|---|---|
| 知識・技能 | I'd rather … because … の文 | would rather +動詞の原形と because の文を、意味がそこなわれない程度に正確に使い、理由を2つ以上言える | would rather +動詞の原形と because の文で、選択と理由を1つ言える | 理由の選択肢を板書して選ばせる |
| 思考・判断・表現 | 相手に伝わる理由・具体例 | 相手や目的に合わせて、自分の経験や具体例を選び、選択の理由を分かりやすく伝えている | 一般的な理由で選択を伝えている | 「For example …」の型を示す |
| 主体的に学習に取り組む態度 | やり取りを続けようとする試みと調整 | 相手の発言に合わせて質問や話し方を自分で変え、その結果をふり返って次の工夫を具体的に決めている | 質問カードなどを使って最後までやり取りを続けようとし、ふり返りをもとに次に試す表現を選んでいる | 質問カード(Why? / Really?)を配り、次に試すことを一緒に決める |
- 理由が「Because I like it.」ばかり→ 「like を使わずに理由を言おう」ルールを足す。先生が「What do you like about it?」と1段深く聞いて見本を示す。
- すぐ日本語の雑談になる→ 1人1分をタイマーで区切り、話す前に30秒の考える時間をとる。言えなかった表現はあとでみんなで英語にする、と約束しておく。
- 選べない生徒がいる→ 「Both」「Neither」も可にする。どうしても選べない理由を言うのも立派な意見だと伝える。
- お題に飽きる→ 月に一度、生徒が作ったお題を使う。作ったお題はワークシートで回収して「お題ストック」にする。
- 答えにくいお題(家庭や体のこと)→ 家族構成・外見・経済状況に関わる二択は避ける。どちらを選んでも本人が不利益を受けたり、家庭の事情を明かしたりすることにならない、安全な二択にする。
Would You Rather の質問は、先生も相手も答えを知らない「本物の質問(参照質問)」です。大人の ESL 学習者24人を対象にした小規模な研究では、本物の質問を増やすよう訓練を受けた先生の授業で、学習者の答えが長く、文法的に複雑になりました 1。ただし、Would You Rather や日本の学校での効果を直接調べた研究ではありません。「どっちがいい? なぜ?」は、もっとも手軽な本物の質問の1つです。
外国語の授業の「楽しさ(foreign language enjoyment)」を世界の学習者1,746人で調べた研究では、楽しさは不安よりも高い水準にあり、楽しかった場面として、先生の関わり方や支え合う仲間の存在が多く挙げられました 2。また、日本の大学生297人を対象にした研究では、構造方程式モデルという統計の分析で、英語で話す自信から、英語で話そうとする気持ち(WTC:willingness to communicate)への有意なつながりが示されました(実験で自信を変えて確かめたものではありません) 3。正解のない二択を毎時間くり返すことは、こうした楽しさや自信の土台づくりにつながると期待できますが、確認した範囲では、この活動そのものが WTC を高めることを直接示した研究は見当たりません。
❓ よくある質問
Q. Would You Rather は、どう進めますか?
お題(Would you rather eat sushi or pizza every day?)を1題出し、先生が自分の答えと理由を実演します。30秒黙って考えたあと、ペアで1人1分話し、聞き手は必ず Why? か追加の質問を1つ返して How about you? で交代します。最後に多数決で全体共有します。
Q. 理由が「Because I like it.」ばかりになります。
「like を使わずに理由を言おう」というルールを足し、先生が What do you like about it? と1段深く聞いて見本を示します。苦手な生徒が多いクラスでは、理由の選択肢(Because it's fun / easy / delicious / cute)を板書し、選んで言えばよいことにします。
Q. 二択のお題は、どう選べばいいですか?
家族構成・外見・経済状況に関わる二択は避け、どちらを選んでも本人が不利益を受けたり、家庭の事情を明かしたりすることにならない二択にします。お題がばかばかしいほど盛り上がります。月に一度は生徒自身にお題を作らせ、「お題ストック」にしておくと飽きません。
Q. 二択の質問は、英語の授業で何がよいのですか?
先生も相手も答えを知らない「本物の質問」だからです。大人の ESL 学習者24人を対象にした小規模な研究では、本物の質問を増やすよう訓練を受けた先生の授業で、学習者の答えが長く、文法的に複雑になりました 1。ただし、Would You Rather や日本の学校での効果を直接調べた研究ではありません。内容に正解がないので、答え始めやすいのも利点です。
Q. どうしても選べない生徒がいます。
「Both」「Neither」も可にします。どうしても選べない理由を言うのも、立派な意見だと伝えます。英語で言えなかった理由は最後に回収し、先生が英語にして板書します。
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📑 出典(3件)
本文の上付き数字に対応。✔ は DOI / ISBN / 公式ページを書誌データベースと機械照合した印です。
- Brock, C. A. (1986). The effects of referential questions on ESL classroom discourse. TESOL Quarterly, 20(1), 47-59. doi:10.2307/3586388 ✔ DOI照合済答えを知らない「本物の質問(参照質問)」を増やすと、生徒の発話が長く複雑になることを示した研究
- Dewaele, J.-M., & MacIntyre, P. D. (2014). The two faces of Janus? Anxiety and enjoyment in the foreign language classroom. Studies in Second Language Learning and Teaching, 4(2), 237-274. doi:10.14746/ssllt.2014.4.2.5 ✔ DOI照合済外国語学習の「楽しさ(FLE)」と不安を世界の1,746人で調べた研究
- Yashima, T. (2002). Willingness to communicate in a second language: The Japanese EFL context. The Modern Language Journal, 86(1), 54-66. doi:10.1111/1540-4781.00136 ✔ DOI照合済日本の大学生297人で WTC を調べ、「国際的志向性」が動機づけと WTC につながることを示した研究
最終更新 2026-10-18 ・ 原田英語 まちがいのご指摘はこちら






