Odd One Out(仲間はずれさがし)― 4つの単語から1つ選び、理由を英語で言う語彙の帯活動
banana, apple, carrot, grape。仲間はずれはどれ? 答えは1つとは限りません。「筋のとおる理由を言えれば正解」にするだけで、単語の意味・品詞・つづりを比べて考える、深い語彙の復習になります。
- ⏱ 時間
- 5-10分
- 🧰 準備
- 少し
- 👥 形態
- 個人→ペア→全体
- 🎯 技能
- 帯活動・語彙・スピーキング・復習・ゲーム
- 📶 CEFR
- A1-B1

- 単語を「日本語訳」だけでなく、意味のグループ・品詞・発音・つづりなど、いろいろな面から見直す。
- 「… is the odd one out because …」で、理由を英語で言う。
- 答えが1つでないことを楽しみ、友だちの理由を聞いて考えを広げる。
Odd One Out ってなに?
ひとことで言うと、4つの単語の中から「仲間はずれ」を1つ選び、"… is the odd one out because …" と理由を英語で言う活動です。語の事実に合った、筋のとおる理由なら、ちがう答えでも正解にします。
タンスの服の仕分けです。色で分けるか、季節で分けるか、素材で分けるかで、「仲間はずれ」になる服は変わります。大事なのは、どの見方で分けたのかを言葉にすること。単語でも、意味・品詞・発音・つづりのどれで比べたかを理由として言います。
単語リストを眺めるだけの復習とちがい、Odd One Out では4つの単語を並べて「どれが仲間はずれか」を判断します。その途中で、単語の意味・品詞・つづりを比べることになります。「筋のとおる理由ならどれでも正解」にすると、ひとつのお題から3つも4つも答えが出て、話し合いが生まれます。
単語リストを眺める復習とのちがい
| 単語リストを眺める復習 | Odd One Out | |
|---|---|---|
| すること | 英語と日本語訳を見る | 4語を比べて1つ選び、理由を言う |
| 見る面 | 主に意味(訳) | 意味のグループ・品詞・発音・つづり |
| 答え | 1つ | 筋のとおる理由なら、いくつもある |
やり方を3ステップで
- 1人で考える:4つの単語を見て、30秒で仲間はずれを1つ選ぶ。
- ペアで理由を言う:I think … is the odd one out because … と理由を言い合う。答えがちがったら、相手の理由も聞く。
- 広げる:全体で別の答えを集め(Another answer?)、最後は自分で4語を選んで問題を作る。
授業の流れ(分ごと)
| 時間 | 活動 | 先生の動き |
|---|---|---|
| 0:00〜1:00 | 例題で先生が実演 | 理由の型を板書 |
| 1:00〜2:00 | 1題目を個人で考える(30秒)→ペアで理由を言う | 机の間を回りながら、何人かの理由を聞く |
| 2:00〜4:00 | 全体で答えを共有。別の答えも募集 | 「Another answer?」で複数の答えを引き出す |
| 4:00〜7:00 | ワークシートで2〜3題(個人→ペア) | 品詞・発音の観点を示す |
| 7:00〜10:00 | 生徒が問題を作って隣のペアと出し合う | 良い問題を次回のお題に採用 |

- お題を用意:単元の語彙から4語を選ぶ。最初は意味のグループで答えやすいもの(banana / apple / carrot / grape)から。
- 実演:「Carrot is the odd one out because the others are fruits.」と先生が言い、型を板書。
- 個人で考える(30秒):まず1人で選ばせる。すぐ話させないことで、全員が自分の答えをもつ。
- ペアで理由を言う(1分):「I think … is the odd one out because …」。相手と答えが違ったら、その理由も聞く。
- 全体で共有:最初の答えを確認したら、「Another answer? Who chose a different word?」と聞く。「Grape だけ1音節だから」「Apple だけ母音字で始まるから」など、別の観点の答えをほめる。
- ワークシートで練習:2〜3題をペアで。品詞や不規則動詞など、文法の観点が入ったお題も混ぜる。
- 問題づくり:最後に生徒が4語を選んで問題を作り、隣のペアに出題する。先生は良い問題を集めて次回の帯活動に使う。
中1(意味のグループ)
- banana / apple / carrot / grape
- dog / cat / rabbit / tulip
- Monday / June / Friday / Sunday
- red / blue / big / green
- bus / train / bike / road
中2(品詞・文法の観点も) 6. run / swim / happy / write(品詞) 7. went / ate / played / saw(不規則動詞) 8. teacher / doctor / school / nurse(人と場所) 9. quickly / slowly / friendly / carefully(-ly でも形容詞) 10. bigger / better / taller / longer(比較級の作り方)
中3〜高校(発音・意味の深い比較) 11. heard / word / bird / heart(母音の発音) 12. happy / glad / sad / pleased(意味:気持ちのプラス・マイナス) 13. borrow / lend / give / rent(お金のやり取りの有無など、答えが複数) 14. environment / pollution / recycle / beautiful(品詞・テーマ) 15. although / because / however / since(接続詞と副詞)
理由で使える語:noun / verb / adjective / animal / color / job / place / vowel / syllable / irregular / past tense / the others are …
- 小学校:単語ではなく絵カード4枚で。理由は「Not animal!」「Color!」など短くてよい。答えは指さしで。
- 中学:単元の新出語でお題を作ると、テスト範囲の復習になる。品詞の観点(noun / verb)を教える入り口にもなる。
- 高校:コロケーション(make a mistake / do homework / make a decision / do a favor)や、意味が近い語(look / see / watch / stare)でやると語の使い分けの学習になる。
- 大人数クラス:理由を言いたい生徒は多いので、ペア→班→全体の順で、班で一番面白い理由を1つだけ発表させる。
- 苦手な生徒が多いクラス:理由の型を穴埋め(… is the odd one out because the others are ____.)にし、選択肢(fruits / animals / colors)を板書する。
- オンライン・タブレット:共有ボードに各自の答えと理由を書き込み、同じ答えでも理由が違うものを並べて比べる。
帯活動では「指導に生かす評価」として、理由の言い方と単語の理解を見ます。下の表は小学校高学年の教科「外国語」と中学・高校で使う場合の例です。小学校3・4年の外国語活動では、活動中のようすを指導の改善や文章で記録する材料にします。単語テストに「仲間はずれを選び、理由を英語で書きなさい」という問題を1題入れると、暗記だけでなく語の理解を測れます。
| 観点 | 見るところ | A(十分満足) | B(おおむね満足) | C への手立て |
|---|---|---|---|---|
| 知識・技能 | 単語の意味・品詞・発音・つづりの理解と、理由を言う表現 | 語の意味・品詞などを正しく理解し、The others are … などの既習表現で理由を正確に言える | 語の意味はわかり、短い語で理由を言える | 単語の意味をまず確認させる |
| 思考・判断・表現 | 比べる観点を選び、根拠が伝わるように説明する | 共通点・相違点を自分で選び、相手が納得できる根拠を、筋道立てて伝えている | 根拠は妥当だが、説明が短く相手に伝わりにくいところがある | 「どこが同じ?どこがちがう?」と問いかける |
| 主体的に学習に取り組む態度 | 理由の見直し | 友だちの理由をふまえて自分の分け方や説明を見直し、より伝わる言い方を選ぼうとしている | 支えを使いながら理由を伝え、ふり返ろうとしている | 友だちの理由を聞いてまねさせる |
答えを見つけた数は、語彙の知識や発想の広さにも左右されるので、態度の評価には使いません。帯活動1回で評定を決めず、継続的な記録の一つにします。
- 答えが1つだと思いこみ、「正解は?」と聞いてくる→ 最初に「語の事実に合った、筋のとおる理由なら、ちがう答えでも正解」と宣言する。先生が意外な答えを1つ出して見せると伝わる。
- 理由が日本語になる→ 理由の型と、使える語(noun, verb, fruit, color)を板書しておく。最初は語だけ(Fruit!)でもよい。
- 単語の意味がわからない生徒が置いていかれる→ お題の単語は既習の語だけにする。わからない語は先生がジェスチャーで意味を示してから考えさせる。
- こじつけの理由で盛り上がりすぎる→ ペアで理由が伝わるかを確かめ(That makes sense. は「わかった」の合図)、語の事実に合っているか(品詞・発音など)は辞書や先生と確かめる。伝わることと、事実として正しいことは分けて考える。
- 問題づくりで同じパターンばかり→「品詞で仲間はずれ」「発音で仲間はずれ」など、観点を指定して作らせる。
語彙研究では、ある課題で単語が覚えやすくなるかを、その課題がどれだけ「必要(need)・検索(search)・評価(evaluation)」をともなうかで説明する関与負荷仮説(involvement load hypothesis)が提案されています 1。ここでいう「評価」は、複数の語(または1つの語の複数の意味)を比べて、ある文脈に合うかどうかを判断することです。自分で作った文脈の中で語を使う場合は、より強い評価とされます。
42研究・4,628人分のデータをまとめたメタ分析では、この仮説は語彙学習の成果を有意に予測し、3つの要素の中でも評価の要素がもっとも大きく学習に貢献していました(検索の要素は貢献していませんでした) 2。Odd One Out にも、4つの語を比べて判断し、その理由を言う過程があり、この「評価」の発想と通じるところがあります。ただし、この活動が関与負荷仮説でいう評価にあたるかどうかや、語が残りやすくなるかは、執筆時に確認できた研究からは言えません。
Odd One Out を直接扱った研究は少なく、執筆時に確認できたのは、インドネシアの小学5年生26人に Odd One Out のゲームで服に関する英単語を教え、平均点が49.69点から80点に上がったという報告などです 3。ただしこれは1クラスだけの事前・事後比較で、比べる対照群がないため、伸びがゲームによるものかどうかは判断できません。また、このページのように理由を英語で言い、複数の答えを認める形の効果や、日本の中学・高校での効果を確かめた研究は見当たりませんでした。
また、関与負荷仮説のメタ分析は主に「新しい語を偶然に覚える」場面の研究です 2。Odd One Out は既習語の復習に使うことが多いので、研究の結果がそのまま当てはまるとは限りません。新出語を覚える段階では、意味の確認や思い出す練習と組み合わせて使いましょう。
❓ よくある質問
Q. 仲間はずれの答えは、1つに決めなくていいのですか?
「語の事実に合った、筋のとおる理由なら、ちがう答えでも正解」と最初に宣言します。「Another answer?」と聞いて、「grape だけ1音節だから」「apple だけ母音字で始まるから」のような別の観点の答えをほめます。こじつけで盛り上がりすぎたら、ペアで理由が伝わるかを確かめ、語の事実に合っているかは辞書や先生と確かめます。
Q. 理由が日本語になってしまうときは?
「… is the odd one out because …」の型と、使える語(noun, verb, fruit, color など)を板書しておきます。最初は語だけ(Fruit!)でもかまいません。先生が例題で一度言ってみせてから始めます。
Q. お題の4語はどう選べばいいですか?
単元の既習語から選びます。最初は意味のグループで答えやすいもの(banana / apple / carrot / grape)から始め、慣れたら品詞や不規則動詞など文法の観点が入ったお題も混ぜます。最後は生徒に問題を作らせ、良い問題を次回の帯活動に使います。
Q. 仲間はずれさがしは、語彙の学習に効果がありますか?
関与負荷仮説の研究をまとめたメタ分析では、語をほかの語と比べて判断する「評価」の要素が、語彙学習にもっとも大きく貢献していました 2。この活動にも語を比べて判断する過程がありますが、仲間はずれ活動を直接扱った研究は、対照群のない小規模な事前・事後比較などに限られ 3、研究は主に新しい語を偶然覚える場面のものなので、既習語の復習にそのまま当てはまるとは限りません。
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📑 出典(3件)
本文の上付き数字に対応。✔ は DOI / ISBN / 公式ページを書誌データベースと機械照合した印です。
- Laufer, B., & Hulstijn, J. (2001). Incidental vocabulary acquisition in a second language: The construct of task-induced involvement. Applied Linguistics, 22(1), 1-26. doi:10.1093/applin/22.1.1 ✔ DOI照合済課題の「必要・検索・評価」の度合い(関与負荷)が語の定着を左右するという関与負荷仮説の論文
- Yanagisawa, A., & Webb, S. (2021). To what extent does the involvement load hypothesis predict incidental L2 vocabulary learning? A meta-analysis. Language Learning, 71(2), 487-536. doi:10.1111/lang.12444 ✔ DOI照合済関与負荷仮説(必要・検索・評価)が語彙学習をどこまで予測するかを調べたメタ分析(42研究)
- Naibaho, D. N., Fauzan, A., Fikri, M. S., Carolina, R. A., & Nastiti, D. F. W. (2025). The effect of Odd One Out game on primary students' vocabulary retention. English Journal of Indragiri, 9(2), 237-248. doi:10.61672/eji.v9i2.2959 ✔ DOI照合済インドネシアの小学5年生26人に Odd One Out ゲームで服の英単語を教えた1群の事前・事後比較(対照群なし)。平均点は49.69から80に上がった
最終更新 2026-10-18 ・ 原田英語 まちがいのご指摘はこちら






