夢の時間割 ― 「What do you have on Monday?」で聞き合い、理想の1日を伝える
月曜の1時間目から体育と音楽ばかり……。自分だけの「夢の時間割」を作り、友だちと聞き合って、理由をつけて紹介します。教科名・曜日・好き嫌いの表現が、自分の思いを伝える道具に変わります。
- ⏱ 時間
- 30-45分
- 🧰 準備
- 少し
- 👥 形態
- 個人→ペア→グループ
- 🎯 技能
- 小学校・やり取り・スピーキング・リスニング
- 📶 CEFR
- Pre-A1-A1

- 曜日と教科の表現を使って、時間割について尋ねたり答えたりする。
- 自分の好きな教科や理想の1日について、理由をつけて考えや気持ちを伝える。
- 友だちの紹介を聞いて、共感や質問で反応する。
夢の時間割ってなに?
ひとことで言うと、クラスの時間割を英語で聞き合って完成させたあと、好きな教科を好きなだけ入れた「自分だけの時間割」を作り、理由をつけて友だちに紹介する活動です。
旅行の前に、まず駅で「何時の電車があるか」を調べ(事実を集める)、そのあと「自分ならこう回りたい」という旅のプランを友だちに話す(自分の思いを伝える)ようなものです。どちらも同じ「時刻」や「場所」の言葉を使いますが、使う目的がちがいます。同じ表現を、事実を聞くときと、自分の気持ちを伝えるときの2回使うのがこの活動の大事なところです。
ふつうの時間割の聞き合いとのちがい
| ふつうの時間割の聞き合い | 夢の時間割 | |
|---|---|---|
| 話す内容 | 実際の時間割(答えが1つに決まる) | 自分で作った理想の時間割(答えは人それぞれ) |
| 主な表現 | What do you have on Monday? / I have ... . | My favorite day is ... . / I have ... . / I like ... . It's ... . |
| 聞き手の役割 | 聞き取って表を埋める | 「Why?」「Me, too!」と反応し、質問する |
やり方を3ステップで
- 聞き合う:A・B で空欄の場所がちがう時間割シートを持ち、What do you have on Monday? と聞き合って表を完成させる。
- つくる:好きな教科を入れて「夢の時間割」を作り、いちばん好きな曜日を選ぶ。
- 紹介する:4人グループで、時間割を見せながら理由をつけて紹介し、聞き手は反応・質問する。
授業の流れ(分ごと)
| 時間 | 先生 | 子ども |
|---|---|---|
| 0:00〜5:00 | 先生の「夢の時間割」を見せて紹介 | 聞いて、先生の好きな教科を当てる |
| 5:00〜10:00 | 曜日・教科の表現の確認 | 言う・ジェスチャーゲームで確認 |
| 10:00〜18:00 | A・B シートで時間割の空欄を聞き合う | ペアで聞き合って空欄を埋める |
| 18:00〜28:00 | 夢の時間割づくり | 教科を入れ、紹介文を選んで書く |
| 28:00〜40:00 | 4人グループで紹介し合う | 発表・反応・質問 |
| 40:00〜45:00 | 「クラスで人気の教科」を集計・ふりかえり | 手を挙げて集計・記入 |

- 先生のモデル:先生が「夢の時間割」を見せ、"My favorite day is Friday. I have music, music, and music! I like music." と紹介。子どもに "What subject do I like?" と聞いて当てさせる。
- 表現の確認:教科カードで語を確認。曜日はチャントで。教科のジェスチャー(P.E. は走る、music は歌う)をつけると覚えやすい。
- 情報の差のあるペア活動:A・B で空欄の位置が違うクラスの時間割シートを配る(A には月・水の空欄、B には火・木の空欄)。"What do you have on Monday?" と聞き合って、全部埋める。シートは相手に見せない。
- 答え合わせ:先生が全体に "What do we have on Tuesday?" と聞いて確認。ここで1回、表現を全体で言う。
- 夢の時間割づくり:ワークシートの表に好きな教科を入れる(同じ教科を何回入れてもよい、給食や休み時間を増やしてもよい)。いちばん好きな曜日を選び、紹介文を語群から選んで書き写す(5・6年)。3・4年の外国語活動では書くことは扱わないので、時間割は絵カードを貼るか絵で描き、紹介は口頭だけにする。
- グループで紹介:4人グループで、時間割を見せながら紹介。聞き手は "Why?" "Me, too!" で反応し、1つ質問する。
- 集計:"Who likes P.E.? Raise your hand." とクラスの人気教科を数え、ふりかえりにつなげる。
教科の語:Japanese / English / math / science / social studies / music / P.E. / arts and crafts / home economics / calligraphy / moral education / lunch / recess / club activities
理由の言い方(It's ... .)
- It's fun.
- It's interesting.
- It's exciting.
- It's easy for me.
- I'm good at it.
- I like my teacher.
- I like singing / running / drawing.
- I want to be a scientist.
紹介の型(5・6年) 9. My favorite day is Thursday. 10. I have science and P.E. on Thursday. 11. I like science. It's interesting. 12. I don't have math. Sorry, math!
聞き手の反応 Me, too! / Really? / Why? / Nice timetable! / I like math, too.
A・B シートの作り方の目安 本物のクラスの時間割(または架空の学校の時間割)を使い、A は月・水、B は火・木の欄を空欄にする。金曜は両方に書いておき、最初の練習に使う。
- 小学校3・4年:外国語活動では、教科の語と I like ... . の紹介まで。時間割表は1日分(月曜だけ)にして、絵で描くか絵カードを貼る。英文を書き写す活動は5・6年で扱うので、紹介は先生が用意した文を見ながら口で言う形にする(ワークシートの「しょうかいしよう」欄は使わない)。
- 小学校5・6年:理由に I want to be ... を加えて将来の夢とつなげる。紹介を聞いた友だちが He likes ... . と他の人に伝える活動にもできる(中学の三人称の準備)。
- 中学:What subject do you like the best? / I have more P.E. classes than math. など比較の表現や、外国の学校の時間割との比較(調べ学習)に広げる。
- 大人数クラス:紹介はグループ内で同時に行い、各グループで「一番おもしろい時間割」を1つ選んで全体に紹介する。
- 苦手な子が多いクラス:紹介文は My favorite day is ___. I like ___. の2文に絞る。時間割の教科は絵カードを貼る形にして、書く負担を減らす。
- タブレット:表計算やスライドで時間割を作り、教科ごとに色を変える。画面を見せながら紹介すると、聞き手の理解を助ける。
- 知識・技能:曜日・教科の表現を使って、時間割について尋ねたり答えたりできる。
- 思考・判断・表現:自分の好きな教科や理想の1日について、理由をつけて伝えている。聞き手にわかるように時間割を見せながら話している。
- 主体的に学習に取り組む態度:聞き取れなかったときに聞き返したり、友だちの紹介に反応・質問したりして、伝え合おうとしている。
| 見取り | 目安 |
|---|---|
| ◎ | 好きな曜日・教科・理由を伝え、友だちの紹介に質問や反応ができる |
| ○ | 時間割を見せながら、好きな曜日と教科を伝えられる |
| △ | ペア活動で教科名を聞き取って埋められる(紹介は先生と一緒に) |
外国語(5・6年)では、紹介の場面を話すこと[発表]の、ペア活動を話すこと[やり取り]の評価場面として使えます。
- ペア活動で相手のシートをのぞいてしまう → シートをクリアファイルに入れて立てる、または背中合わせで座る。「英語で聞かないと埋まらない」ことを最初に強調。
- 教科名(social studies, home economics)が長くて言えない → 長い語は手を叩いて区切って練習。言えなければ絵カードを指してよいことにする。
- 全部 P.E. にして紹介が単調になる → 「理由を2つ言えたら全部 P.E. でもOK」とすると、理由の工夫が生まれる。
- 好きな教科がない、と言う子がいる → 給食・休み時間・クラブ活動を入れてよいことにする。I like lunch. も立派な紹介です。
- 紹介が日本語まじりになる → 理由の語群(It's fun. など)を黒板に貼っておき、そこから選んで言えればよい、とハードルを下げる。
学習指導要領の外国語(5・6年)では、話すこと[やり取り]の言語活動の例に「日常生活に関する身近で簡単な事柄について、自分の考えや気持ちなどを伝えたり、簡単な質問をしたり質問に答えたりして伝え合う活動」があり、話すこと[発表]には、学校生活など身近で簡単な事柄について自分の考えや気持ちなどを話す活動があります。3・4年の外国語活動でも、時刻や曜日、場所など日常生活の身近な事柄について、実物やイラストを見せながら話す活動が例に挙がっています 1。
前半のペア活動で空欄の位置をずらすのは、相手に聞かないと時間割が完成しない状況をつくるためです。情報のやり取りが必要なタスクとそうでないタスクを比べた古典的な研究では、必要なタスクの方が、聞き返し・確認・言い直しといった会話の調整がはっきり多く起き、少人数どうしの方が先生中心より調整が多くなりました 2。
同じ I have ... . でも、前半は時間割の事実を答えるため、後半は自分の理想を伝えるためと、使う目的が変わります。1時間の中で目的を変えて同じ表現を何度も使うことで、子どもは表現を「覚えた文」から「使える道具」として感じやすくなります。ただし、夢の時間割の活動そのものを他の活動と比べた研究はありません。
❓ よくある質問
Q. 夢の時間割は、学習指導要領のどの活動にあたりますか?
5・6年の外国語で、話すこと[やり取り]の「身近で簡単な事柄について質問をしたり答えたりして伝え合う活動」や、話すこと[発表]の「学校生活など身近な事柄について考えや気持ちを話す活動」にあたります 1。
Q. 前半のペア活動はどう進めますか?
A・B で空欄の位置が違う時間割シートを配ります(A は月・水、B は火・木が空欄)。"What do you have on Monday?" と聞き合って全部埋めます。シートはクリアファイルに入れて立てるか背中合わせで座り、相手に見せないようにします。
Q. 教科名が長くて言えない子には?
social studies や home economics のような長い語は、手を叩いて区切って練習します。言えなければ絵カードを指してよいことにします。P.E. は走る、music は歌うなど、教科のジェスチャーをつけると覚えやすくなります。
Q. 全部 P.E. にしてしまう子や、好きな教科がない子には?
「理由を2つ言えたら全部 P.E. でもOK」とすると、理由の工夫が生まれます。好きな教科がない子には、給食・休み時間・クラブ活動を入れてよいことにします。I like lunch. も立派な紹介です。
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📑 出典(2件)
本文の上付き数字に対応。✔ は DOI / ISBN / 公式ページを書誌データベースと機械照合した印です。
- 文部科学省 (2017). 小学校学習指導要領(平成29年告示) 公式ページ ✔ リンク確認済小学校の学習指導要領。外国語活動(3・4年)と外国語科(5・6年)の目標・内容を示している
- Doughty, C., & Pica, T. (1986). "Information gap" tasks: Do they facilitate second language acquisition?. TESOL Quarterly, 20(2), 305-325. doi:10.2307/3586546 ✔ DOI照合済情報交換が「必須」のタスクほど、聞き返し・言い直しなどの会話の調整が多く起きることを示した古典的研究
最終更新 2026-10-18 ・ 原田英語 まちがいのご指摘はこちら





