🔍
🎲 授業アクティビティ集小学校中学校📖 約9分

英語かるた ― 聞いて取る楽しさを「言ってみる」につなげる進め方

読み手の英語を聞いて、絵札をパッと取る。日本の子どもになじみのあるかるたは、英語をたくさん聞かせるのにぴったり。最後に「取った札を英語で言う」を足すのがコツです。

⏱ 時間
10-15分
🧰 準備
少し
👥 形態
グループ(3〜4人)
🎯 技能
小学校・ゲーム・リスニング・語彙
📶 CEFR
Pre-A1-A1
🛡️
このページのウラ取り 出典 3 件 ― 原田英語.comが集めて読んだ論文・専門書・公的資料。DOI・ISBN・公式ページは書誌データベースとも照合済み 原田英語.comと校閲担当が、主張と出典を1つずつ照合・AI(Codex)による独立チェック済み(2026-10-18) ウラ取りの仕組み →
英語かるた ― 聞いて取る楽しさを「言ってみる」につなげる進め方のイメージ
💡ねらい
  • 単元の単語・表現を、ゲームの中で何度も聞かせる。
  • 聞いてわかる語を、最後に自分で言ってみる練習につなげる。
  • 単語だけ→ヒント→文、と段階を上げて、聞く英語の量を増やす。

英語かるたってなに?

ひとことで言うと、先生(や読み手の子ども)が言う英語を聞いて、机に並べた絵札をすばやく取るゲームです。このページでは、最後に「取った札を英語で言う」まで行います。

🎈たとえるなら

サッカーで、まずパスを「受ける」練習をたくさんしてから、最後に自分でシュートを「打つ」練習をするようなものです。受ける練習(聞いて取る)も大切な練習ですが、試合では自分で打つ(言う)場面もあるので、打つ練習の機会もつくっておきたいところです。聞いてわかる語を、最後に自分の口で言ってみるのが、この進め方の大事なところです。

ふつうのかるたとのちがい

ふつうのかるた このページの英語かるた
読み上げ 決まった読み札を読む 単語だけ → 英語のヒント → 文の中にキーワード、と段階を上げる
終わり方 取った枚数で勝ち負け 取った札を英語で言えたら得点
主にねらう力 聞いて見つける速さ 聞いてわかる語を増やし、自分で言ってみる機会もつくる

やり方を3ステップで

  1. 確かめる:3〜4人のグループで絵札を広げ、札の名前を全員で言う。
  2. 聞いて取る:単語だけ → ヒント → 文、の順に読み上げを難しくしていく。
  3. 言う:最後に、取った札をグループに見せて英語で言う("Cat!" "I like cats.")。

授業の流れ(分ごと)

時間 先生 子ども
0:00〜2:00 グループに札を配り、表を上にして広げさせる 札を並べる
2:00〜3:00 札の名前を全員で確認 くり返して言う
3:00〜6:00 1回戦:単語だけ読み上げ 聞いて札を取る
6:00〜9:00 2回戦:ヒント(英語の説明)で読み上げ 考えて取る
9:00〜12:00 3回戦:文の中にキーワード 文を聞いて取る
12:00〜15:00 取った札を英語で言わせる(仕上げ) 札を見せて "This is a dog." "I like dogs."
英語かるた ― 聞いて取る楽しさを「言ってみる」につなげる進め方の教室の配置と動き方
🗺️ 教室の配置と動き方(イメージ)
👣手順
  1. 3〜4人のグループに絵札を1セット配る。 札は8〜12枚。机をくっつけ、表を上にして広げます。ワークシートを切って作ってもかまいません。
  2. 札の名前を全員で確認する。 先生が1枚ずつ言い、子どもがくり返します。
  3. 読み上げ1回戦:単語だけ。 "Cat." 子どもは聞いて、札に指1本でさわります。最初にさわった子が、その札を取って手元に置きます。お手つきは1回休み。手はひざの上から。各回、3分の中で札を1枚ずつ順に読み、全部の札を読み終えるか、3分たったら、その回は終わりにします。
  4. 2回戦:ヒントで。 始める前に、取った札をグループの中央に戻し、全員で表を上にして並べ直します。"It's an animal. It says 'meow.'" 単語そのものを言わずに説明します。
  5. 3回戦:文で。 2回戦と同じように、札を中央に戻して並べ直してから始めます。"I have a cat." "Do you like cats?" のように、単元の表現の中にキーワードを入れます。
  6. 仕上げ:取った札を英語で言う。 3回戦で取った札を1枚ずつグループに見せて "Cat!" "I like cats." と言えたら得点に。
  7. 読み手を子どもに交代(高学年)。 グループで1人が読み手になります。読み手には、札の名前・ヒント・読む順番を書いた「読み札の一覧」(下の素材のレベル2を写したもの)を渡し、その順に読ませます。このときの札は、ヒントがそろっている8枚(dog・rabbit・lion・panda・elephant・giraffe・penguin・koala)にします。読み手は、答えの札を指さしたり見たりしないことを約束にします。
🗣️先生の英語(そのまま使える)
TPut the cards face up in the middle of your table.
THands on your knees. Listen carefully. When you hear the word, touch the card with one finger. Then take it.
TRabbit.
S(札を取って) Yes!
THere's a hint. It's an animal. It's black and white. It lives in China.
SPanda!
TLet's count your cards. Show each card to your group and say the word.
SThis is a panda. I like pandas.
TGood job! You can listen AND speak.
🏫そのまま使える素材

レベル2(英語のヒント):動物の札用

  1. It says "woof." → dog
  2. It has long ears. It likes carrots. → rabbit
  3. It's the king of animals. → lion
  4. It's black and white. It eats bamboo. → panda
  5. It's very big. It has a long nose. → elephant
  6. It has a very long neck. → giraffe
  7. It's a bird, but it can't fly. It can swim. → penguin
  8. It lives in Australia. It sleeps a lot. → koala

レベル3(文の中にキーワード) 9. I have a dog at home. 10. Do you like cats? 11. I saw a lion at the zoo. 12. My favorite animal is the koala. 13. Can a penguin swim? Yes, it can.

ほかの単元の札セット 14. 食べ物:rice, bread, curry, pizza, salad, ice cream, sushi, noodles 15. 天気:sunny, rainy, cloudy, snowy, windy, hot, cold

🔁アレンジ
  • 小学校:低学年は札を6枚くらいに減らし、1回戦だけでも十分。高学年は3回戦の「文」まで進め、最後は読み手を子どもに交代します。
  • 中学:札を「絵」ではなく「文の一部」にして、聞いた英文に合う札を取る形にすると、文法(例:三単現・過去形)の聞き取りになります。
  • 高校:導入やALTとの授業で、地名・人物・時事語の写真札にして、英語の説明を聞いて取る「説明かるた」に。
  • 大人数クラス:グループごとに札を配れば同時進行できます。読み上げは先生が全体に向けて1回だけ、と決めておくと、グループごとに聞き直しを求められて止まることがなくなります。
  • 苦手な子が多いクラス:1回戦をたっぷり。読み上げのあと、先生が札の絵を指さして答えを見せ、全員で言い直します。
  • オンライン・タブレット:札の絵を画面に番号つきで並べ、聞こえた札の番号をチャットで送る早押し形式にします。
📊評価のポイント
  • 知識・技能:単語や表現を聞いて、意味(絵)と結びつけられているか。仕上げで、取った札の語を英語で言えるか("This is a panda.")。
  • 思考・判断・表現:取った札を定型文で言う仕上げは、主に「知識・技能」の確認です。この観点を見るなら、「友だちに自分の好きな動物を知ってもらう」という目的で、札から1枚を選び、好きかどうかや理由を伝える("I like pandas. They are cute.")別の活動にします。
  • 主体的に学習に取り組む態度:聞き取れなかったときに、絵や知っている語を手がかりに聞き方を工夫したり、読み手のときに相手に伝わるようにゆっくり言い直したりしながら、英語で伝え合おうとしているか。ふりかえりをもとに、次の回で聞き方・言い方を変えてみようとしているか。ルールを守ることは活動の約束として扱い、評価とは分けます。短いゲーム1回では決めず、何回かの様子から判断します(この観点は、粘り強い取組の中で自分の学習を調整しようとしているかを含めて見るものです 1)。

かるたで取った枚数は、反応の速さや座る位置、ほかの子が先に取ったかどうかにも左右されます。そのため、取った枚数は評価には使わず、指導の参考にする観察にとどめます。聞き取りを評価するときは、かるたのあとに、全員に同じ絵の一覧(番号つき)を配り、先生の英語を聞いて合う絵の番号を一人ひとりが書く、という確認を別に行います。単語・ヒント・文は、聞いて考えることがちがう別の課題として、それぞれ記録します。

見る点 よくできている できている もう少し
聞き取り(番号を書く確認) 文やヒントを聞いても、合う絵の番号を書ける 単語を聞けば、合う絵の番号を書ける 単語を聞いても、合う絵を選べないことが多い
仕上げで言う 自分のことを文で言える 単語で言える 言えない
⚠️よくあるつまずきと対処
  • 取り合いが激しくなりすぎたら → 「札は指1本でさわる。最初にさわった子が取る」「同時なら じゃんけん」を最初に決めます。
  • 毎回単語だけで飽きてきたら → 単語だけを聞く練習にとどまり、ヒントや文のまとまりを聞く機会がつくれません。2回戦・3回戦に進みます。
  • 取った枚数だけで終わってしまったら → 仕上げの「言う」を省くと、言う機会がないまま終わってしまいます。最後の3分は、できるだけ残します。
  • いつも同じ子がたくさん取ったら → 取った枚数が多い子は次の回は読み手になる、などのルールで、ほかの子も札を取れるようにします。
  • 読み手の子の英語が聞き取りにくかったら → 先生がそばについて一緒に言い、読み方のお手本を見せます。
🔬なぜ効く?

日本の6〜8歳の子ども36人を対象にした実験では、言わせない「聞いて動く」インプット型の指導と、言わせる産出型の指導のどちらでも、単語の理解と産出の両方の力が伸びました。インプット型の方が、子どものやり取りが豊かだったと報告されています 2。

また、文法の指導について、理解中心と産出中心を直接比べた研究のメタ分析(35研究)では、どちらも大きな効果がありました。ただし、時間がたってからの産出(言う・書く)のテストでは、産出中心の指導の方が効果が大きくなっていました 3。単語のかるたとは対象がちがいますが、「聞いてわかる力」と「言える力」は同じではない、という点は参考になります。

これが、かるたの最後に「取った札を英語で言う」を入れる理由です。聞いてわかる力をかるたで育て、言う機会も確保する、という分担です。

「聞いて取るだけで英語を言っていないから、効果が薄い」とは限りません 2。一方、文法の研究では時間がたってからの産出テストで産出中心の指導が有利だったので 3、言える力の定着もねらうなら、言う機会も設けておくと安心です。ただし、かるたの最後に短く言う活動を足す効果そのものを確かめた研究はなく、これは研究から考えた授業上の工夫です。

❓ よくある質問

Q. 英語かるたは、どう読み上げればいいですか?

3段階で上げていきます。1回戦は単語だけ("Cat.")、2回戦は単語を言わないヒント("It's an animal. It says 'meow.'")、3回戦は文の中にキーワード("I have a cat.")。毎回単語だけだと、単語だけを聞く練習にとどまり、ヒントや文のまとまりを聞く機会がつくれません。各回の前に、取った札を中央に戻して並べ直します。

Q. 札は何枚くらい用意しますか?

3〜4人のグループに1セット、8〜12枚が目安です。ワークシートを切って作ってもかまいません。机をくっつけて表を上にして広げ、最初に札の名前を全員で確認してから始めます。

Q. 取り合いが激しくなりすぎるときは?

「札は指1本でさわる。最初にさわった子が取る」「同時ならじゃんけん」を最初に決めます。手はひざの上から、お手つきは1回休みにします。いつも同じ子がたくさん取るなら、取った枚数が多い子が次の回は読み手になるなどでバランスをとります。

Q. 聞いて取るだけで、英語を言えるようになりますか?

日本の6〜8歳の子どもの実験では、聞いて動くインプット型の指導でも、言わせる産出型の指導でも、単語の理解と産出の両方が伸びました 2。一方、文法の研究では、時間がたってからの「言う」テストで言わせる指導の方が有利でした 3。言える力の定着もねらって、最後の3分で取った札を英語で言わせます(この組み合わせの効果そのものは研究で確かめられていません)。

🎁 玉手箱で使えるツール

原田英語の「英語の先生の玉手箱」の無料ツール。登録なしで授業にそのまま使えます。

📑 出典(3件)

本文の上付き数字に対応。✔ は DOI / ISBN / 公式ページを書誌データベースと機械照合した印です。

  1. 文部科学省 (2019). 小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等における児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知) 公式ページ ✔ リンク確認済観点別学習状況の評価を「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点に整理した文科省の通知(2019年)
  2. Shintani, N. (2011). A comparative study of the effects of input-based and production-based instruction on vocabulary acquisition by young EFL learners. Language Teaching Research, 15(2), 137-158. doi:10.1177/1362168810388692 ✔ DOI照合済日本の6〜8歳36人。聞いて動くインプット型と言わせる産出型の語彙指導を比べ、どちらも効果。インプット型の方がやり取りが豊か
  3. Shintani, N., Li, S., & Ellis, R. (2013). Comprehension-based versus production-based grammar instruction: A meta-analysis of comparative studies. Language Learning, 63(2), 296-329. doi:10.1111/lang.12001 ✔ DOI照合済理解中心と産出中心の文法指導を直接比べた研究のメタ分析(35研究)。どちらも大きな効果

最終更新 2026-10-18 ・ 原田英語 まちがいのご指摘はこちら