自己紹介カード ― 例文から語を「選んで書く」から始めて、カードを見せながら話す
名前・誕生日・好きなもの・できること。例文を見ながら自分に合う言葉を選んで入れかえて書き、絵を添えたカードを作ります。カードを見せながら話せば、書くことと話すことが1枚でつながります。
- ⏱ 時間
- 30-45分
- 🧰 準備
- 少し
- 👥 形態
- 個人→ペア→グループ
- 🎯 技能
- 小学校・ライティング・スピーキング
- 📶 CEFR
- Pre-A1-A1

- 自分のこと(名前・誕生日・好きなもの・できること)を、音声で慣れ親しんだ表現を使って伝える。
- 例文を参考に、自分に合う語を選んで入れかえ、語と語の区切りに気をつけて書く(文の型の部分は見本を見ながら書く)。
- カードを見せながら話し、友だちの紹介を聞いて質問する。
自己紹介カードってなに?
ひとことで言うと、例文を見ながら自分に合う言葉を選んで入れかえ、名前・誕生日・好きなもの・できることを英語で書き、絵を添えたカードを作って、見せながら友だちに紹介する活動です。
5・6年の「書くこと」では、音声で十分に慣れ親しんだ表現について、見本をそのまま「書き写す」活動と、例の中から言葉を「選んで書く」活動が分けて示されています 1。このカードの中心は後者です。たとえば My favorite food is curry. を例に、curry のところだけを自分の好きなものに替えて書きます。
穴うめ式の年賀状のようなものです。「あけましておめでとう」の決まった部分は見本どおりに書き、「ことしの目標は __」の部分だけ自分のことばを入れる。決まった型があるから安心して書け、入れかえる部分があるから「自分のこと」になるのがポイントです。
似た活動とのちがい
| 書き写し | 自己紹介カード(選んで書く) | Show & Tell | |
|---|---|---|---|
| 書くもの | 見本の語句や文をそのまま | 例文の一部を自分の語に入れかえた文(カードを書くことが活動の中心) | 中心ではない(準備のメモの量は実施のしかたによる) |
| 話すこと | なし | カードを見せながら紹介する | 物や写真を見せ、それについて話す(時間や質疑の有無は実施のしかたによる) |
| 主な対象 | 小学校5・6年 | 小学校5・6年(3・4年は絵だけのカード) | 小学校〜高校 |
やり方を3ステップで
- 音声で慣れ親しむ:My name is ... / I like ... などを、チャンツや先生とのやり取りなど、聞く・話す活動で何度も使っておく。
- 選んで書く:例文を見ながら自分に合う語を選んで入れかえ、4線に書く。絵も描く。
- 見せて話す:ペア、そしてグループで、カードを見せながら紹介し、聞いた人は1つ質問する。
授業の流れ(分ごと)
| 時間 | 先生 | 子ども |
|---|---|---|
| 0:00〜5:00 | 先生が自分のカードを見せながら自己紹介 | 聞いて、先生の好きなものなどを当てる |
| 5:00〜10:00 | 表現の確認(言ってから、文字を見る) | 言う→例文の文字を目で追う |
| 10:00〜25:00 | カード作り(選ぶ→書く→絵) | 語群から選び、例文の一部を入れかえて4線に書く |
| 25:00〜30:00 | ペアで読み合い、書いた文を確認 | 語の区切り・大文字を見合う |
| 30:00〜40:00 | グループで紹介(カードを見せながら) | 発表・質問・交代 |
| 40:00〜45:00 | ふりかえり | ワークシートに記入 |

- 前の時間までに:My name is ... / My birthday is ... / I like ... / I can ... を、チャンツや先生とのやり取りなど、聞く・話す活動で何度も使っておく。書く前に、音声と意味に十分慣れ親しませておくのが前提です。カードや先生のモデルを見ながら言える段階でかまいません。
- 先生のモデル:先生が自分のカードを見せながら話す。子どもに "What do I like?" と聞き、内容を聞き取らせる。
- 選ぶ:ワークシートの語群や、教科書の絵辞典のページから、自分に合う語を選んで○をつける。語群にない語は、授業で何度も聞いて言えるようになっている語に限って先生に聞き、先生が付箋に書いて渡す(まだ聞いたことのない語は、この時間は絵で表す)。
- 書く:例文を見ながら、選んだ語を入れて4線の上に1文ずつ書く。最初の文字は大文字、語と語の間は指1本分あける、文の終わりにピリオド、の3点を板書しておく。
- 絵を描く:好きなものやできることの絵を描く。絵は「話すときの手がかり」になるので、文字より大きく描いてよい。
- ペアで確認:となりの子と交換し、3点ができているか見合う。直すのは本人。
- 紹介する:4人グループで、カードを見せながら紹介。聞いた人は1つ質問(Do you like ...? / What sport do you like?)。最後に全員のカードを掲示する。
文の型(( )の中から選んで、空欄に入れる)
- My name is ______.
- My birthday is ______.(January 1st / April 10th / December 25th)
- I like ______.(soccer / music / dogs / curry / math)
- I don't like ______.(snakes / natto / tomatoes)
- I can ______.(swim fast / play the piano / cook / draw pictures)
- I can't ______ well.(sing / ride a unicycle)
- My favorite food is ______.
- My favorite subject is ______.
- I want to go to ______.(Hokkaido / Italy / the moon)
- I want to be ______.(a doctor / a teacher / a soccer player)
話すときのつなぎの言葉 Hello. / Nice to meet you. / Thank you. / Any questions?
質問の例(聞く側)
- What sport do you like?
- When is your birthday?
- Can you ... ?
- Why do you like ...?
- 小学校3・4年:書くことはせず、絵だけのカードを作り、見せながら I like ... を言う。外国語活動の「実物などを見せながら話す」発表になる。
- 小学校5・6年:上の手順どおり。卒業前には I want to be ... を入れた「将来の夢カード」に発展できる。
- 中学1年:例文を参考に、自分で選んだ語で5文以上書く。語群にない語は辞書で調べる。紹介を聞いた側が He/She likes ... と三人称で報告する活動にもつながる。
- 大人数クラス:グループで紹介したあと、カードを班から班へ順に渡して読み、気に入った紹介に付箋でコメントを貼る。
- 苦手な子が多いクラス:文の型を2〜3文に絞り、語は「なぞり書き」から始めてよい。絵を描くことを重視し、話すときはカードを指さしながら単語で言えれば十分。
- タブレット:スライド1枚の自己紹介カードにし、写真を貼る。音声を録音してカードにつけると、書いた英語と自分の声が結び付く。
- 知識・技能:音声で慣れ親しんだ表現を使い、例文を参考に、語の区切り・大文字・ピリオドに気をつけて書ける。自分のことについて、基本的な表現を使って話せる。
- 思考・判断・表現:伝えたい自分の姿に合うように、例の中から語を選んでいる。聞き手を見て、カードを示しながら話している。
- 主体的に学習に取り組む態度:伝わり方をふりかえり、語の選び方やカードの見せ方を直しながら、粘り強く伝えようとしている。1回の質問や発言の回数だけで決めず、下書きからの直し・ふりかえりの記述・ペアとグループでの2回の発表をあわせて見ます。
下の表は、この時間に子どもの様子を見て次の指導に生かすための「観察の目安」です(公式の評価規準ではありません)。文の数は課題の目安で、観点別評価の記録は、単元の中のいくつかの場面(書いたカード・ペアやグループでの発表・ふりかえり)をあわせて判断します。なお、カードには英文が全部書いてあるので、カードを見ながらの発表は「読む」と「話す」がまざります。この時間の発表は次の指導に生かすための観察にとどめ、「話すこと」を記録に残すなら、絵とキーワードだけの面を見せて話す機会を別に設けます。カードを見ながら話す場合は、すらすら言えるかより、伝える内容の選び方や伝わり方を中心に見ます。
| 見るところ | よくできている | できている | 手助けが必要 |
|---|---|---|---|
| 書くこと(知識・技能) | 慣れ親しんだ表現を使い、例文を参考に語を入れかえて書けている | 例文を見ながら2〜3文書けている(小さな誤り可) | なぞり書きから一緒に始める |
| 伝える内容(思考・判断・表現) | 友だちに自分を知ってもらう目的に合う内容を選び、順序を考えて伝えている | 自分のことを2〜3文で伝えている | 「好きなものを1つ」など、伝えることを一緒に選ぶ |
| やり取り(思考・判断・表現) | 友だちのことをよりよく知るために、紹介の内容に合う質問をし、答えを受け止めながら伝え合っている | 友だちの紹介に合う質問をしたり、自分のことについての質問に答えたりしている | 先生の助けで、質問か答えのどちらかができる |
| 伝わり方のふりかえり(主体的に学習に取り組む態度) | 伝わり方をふりかえり、語や見せ方を直して2回目の発表に生かしている | ふりかえりで次にやってみたいことを書いている | 先生と一緒に「次はどうする?」を考える |
- 語と語をくっつけて書く(Mynameis) → 「指1本分のスペース」を合言葉に。最初の1文は先生が4線の黒板で書いて見せる。
- 音に慣れていない文を書いている → 書く前に、ペアで声に出して言ってみる段階を入れる。音を知らない文を写すのは、ただの図形のなぞりになりがちです。
- 語群にない語を使いたがる → 大歓迎のサイン。先生が付箋に書いて渡し、その語を絵で説明させる。
- 絵に時間をかけすぎる → 絵は「話すときの手がかり」と位置づけ、時間を区切る。仕上げは休み時間や家でもよい。
- 誕生日や写真を掲示・共有してよいか迷う → 誕生日は月だけ(My birthday is in July.)にしてもよい。名前・誕生日・写真・音声の掲示や共有の範囲は学校の方針を確かめ、校外には公開しない。
- 人前で話すのが苦手な子がいる → 最初はペアで、次に4人グループで、と聞き手を少しずつ増やす。全体の前での発表は希望者だけでよい。
この活動は、学習指導要領の言語活動の例をそのまま形にしたものです。5・6年の外国語の書くことには「相手に伝えるなどの目的をもって、名前や年齢、趣味、好き嫌いなど、自分に関する簡単な事柄について、音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現を用いた例の中から言葉を選んで書く活動」があり、話すこと[発表]には自己紹介をする活動があります。3・4年の外国語活動でも、自分のことについて、人前で実物などを見せながら話すことが目標です 1。
ポイントは「音声で十分に慣れ親しんだ」という言葉です。学習指導要領の書くことの言語活動例は、慣れ親しんだ語句や表現を「書き写す」活動と、例の中から言葉を「選んで書く」活動を分けて示しています 1。この活動の中心は後者で、例文の一部を自分に合う語に入れかえて書きます。手順1で「書く前に、音声と意味に十分慣れ親しませる」と書いたのはこのためです。
公立2校・私立1校の3年生と6年生345人を同じ時期に比べた調査では、英語学習への内発的動機や外国への興味は、6年生の方が低くなっていました。研究者は、高学年の指導法を改善する余地があると述べています 2。ただし、これは学年の違うグループを比べた調査で、同じ子の意欲の変化を追ったものでも、低くなる原因を調べたものでもありません。そのうえでの筆者の提案ですが、高学年では「何のために英語を書くのか」が見える活動にしたいところです。自分のことを、友だちに知ってもらうために書いて話すカードは、その「目的」を手軽につくる方法の1つです。この活動が動機を高めると確かめた研究があるわけではありません。
❓ よくある質問
Q. 英語の自己紹介カードには、どんな文を書かせますか?
My name is ... / My birthday is ... / I like ... / I can ... など、聞く・話す活動で十分に使った表現です。例文の語群や教科書の絵辞典から自分に合う語を選び、例文の一部を入れかえて4線に書かせます。語群にない語は、先生が付箋に書いて渡します。
Q. 書く前に、何をしておけばいいですか?
聞いたり言ったりする活動で、音声と意味に十分慣れ親しませておきます。カードや先生のモデルを見ながら言える段階でかまいません。学習指導要領も、5・6年の書くことを、音声で十分に慣れ親しんだ表現を用いた例の中から言葉を選んで書く活動として示しています 1。音を知らない文を写すのは、ただの図形のなぞりになりがちです。
Q. 語と語をくっつけて書いてしまいます(Mynameis)。
「指1本分のスペース」を合言葉にし、最初の1文は先生が4線の黒板で書いて見せます。最初の文字は大文字、語の間は指1本分、文の終わりにピリオド、の3点を板書し、ペアで見合わせます。直すのは本人です。
Q. 3・4年生でも、自己紹介カードは作れますか?
3・4年は書くことはせず、絵だけのカードを作り、見せながら I like ... を言います。外国語活動の「実物などを見せながら話す」発表になります。卒業前の6年生なら、I want to be ... を入れた「将来の夢カード」に発展できます。
Q. 人前で話すのが苦手な子がいます。
最初はペアで、次に4人グループで、と聞き手を少しずつ増やします。全体の前での発表は希望者だけでかまいません。絵を大きく描かせ、カードを指さしながら単語で言えれば十分とします。
🎁 玉手箱で使えるツール
原田英語の「英語の先生の玉手箱」の無料ツール。登録なしで授業にそのまま使えます。
📑 出典(2件)
本文の上付き数字に対応。✔ は DOI / ISBN / 公式ページを書誌データベースと機械照合した印です。
- 文部科学省 (2017). 小学校学習指導要領(平成29年告示) 公式ページ ✔ リンク確認済小学校の学習指導要領。外国語活動(3・4年)と外国語科(5・6年)の目標・内容を示している
- Carreira, J. M. (2006). Motivation for learning English as a foreign language in Japanese elementary schools. JALT Journal, 28(2), 135-157. doi:10.37546/jaltjj28.2-2 ✔ DOI照合済日本の小学3年生と6年生345人の比較。内発的動機・外国への興味は6年生の方が低かった
最終更新 2026-10-18 ・ 原田英語 まちがいのご指摘はこちら





