まずはこの3つ
- まず内容:問いに答え、条件を全部満たしているか
- 構成:主張→理由→まとめが一本の線でつながるか
- 語彙・文法:意味が通じなくなる誤りほど重く見られる
英作文の評価では、観点ごとに段階で採点する表(ルーブリック)がよく使われる。英検のライティングは内容・構成・語彙・文法の4観点、IELTS のライティングも課題への応答・一貫性とまとまり・語彙・文法の4観点で評価される。大学入試の基準は大学ごとに違い、多くは非公表だが、「問いに答えた中身を、筋道立てて、正しい英語で」という見方はほぼ共通している。下のチェックリストは、その一般的な観点で自分の答案を見直すためのもの。
4観点の早見表
| 観点 | 見られること | よくある失点 |
|---|---|---|
| 内容 | 問いに答えているか・理由と例が具体的で説得力があるか・条件を守ったか | 立場があいまいな両論併記、理由が主張の言い換え、指定の条件漏れ |
| 構成 | 主張→理由→まとめの流れ・段落のまとまり・つなぎ言葉 | 結論で立場が変わる、つなぎ言葉の誤用 |
| 語彙 | 語の意味と使い方が正しいか・書き言葉か・表現に幅があるか | 口語・和製英語、同じ語のくり返し |
| 文法 | 文の構造・時制・冠詞・単複・語順が正しいか | 文の断片、カンマ接続、三単現の s |
内容のチェック6
内容がずれると、英語が正しくても点が伸びない。最優先で見る。
- 1問いにまっすぐ答えたか冒頭で問いに対する立場・答えをはっきり示したか。条件つきの立場なら条件を具体的に書いたか(「場合による」だけで逃げない)。
- 2条件を全部満たしたか理由の数・具体例・語数・段落数・使う語の指定など。問題文の条件に下線を引き、答案と1つずつ照合する。
- 3理由が理由になっているか「良いから良い」の循環になっていないか。理由に「なぜ?」ともう一度問い、答えが書いてあるか。
- 4具体例が理由の証拠か例が理由を支えているか。誰が・どんな場面で・どうなるか、が見えるか。
- 5理由2つの角度が違うか「安い」と「お金がかからない」は同じ理由。個人⇔社会、短期⇔長期など別の角度か。
- 6作った数字・極論がないか出典のない統計、everyone・never の断定は説得力を下げる。most・may で守る。
構成のチェック5
- 1最初と最後が一致するか1文目の立場と最終文の立場が同じか。まとめは言い換えで、新しい理由を足していないか。
- 2理由の数が見えるかFirst / Second などで、理由の区切りが採点者に一目でわかるか。
- 31つの理由に1つのまとまり理由1の途中に理由2の話が混ざっていないか。1つのブロックで1つのことだけを言う。
- 4つなぎ言葉の向きは正しいかOn the other hand は対照、In addition は追加、Therefore は結果・帰結。意味の向きと合っているか。
- 5譲歩の後に戻ったかIt is true that 〜 の後に However で自分の立場に戻っているか。譲歩が長すぎないか。
語彙のチェック5
- 1書き言葉になっているか改まった論述では、短縮形・kids・lots of・stuff・gonna・感嘆符を避けているか。
- 2語の組み合わせは正しいかmake a mistake / heavy rain / high price のような決まった組み合わせか。自信がなければ確実な語へ。
- 3和製英語がないかSNS・mansion・smart(細い)など、英語で意味が違う語を使っていないか。
- 4同じ語をくり返していないかI think・good の連発は、意味を変えない言い換え(I believe など)や文の組み替えで減らす。中心となる語はくり返してよい。
- 5難語で誤用していないか覚えたての難語は誤用の危険が大きい。正確な平易語の方が点になる。
文法のチェック6
- 1全部の文に主語と動詞Because 〜. や For example, 名詞. だけの文の断片がないか。
- 2文と文のつなぎ方カンマだけで2文をつないでいないか。2文をつなぐ however の前はピリオドかセミコロンか。
- 3主語と動詞の一致三単現の s、everyone has、the number of 〜 is など、主語の単複と動詞が合っているか。
- 4時制がぶれていないか意見は現在形、特定の過去の体験は過去形。yesterday・last year など終わった過去の時点と現在完了を一緒に使っていないか。
- 5名詞の数と冠詞数えられる名詞を裸の単数で使っていないか。不可算名詞に s を付けていないか。
- 6語順間接疑問(where the station is)、頻度の副詞の位置、enough の位置。
学習者の誤りは、文全体の意味がわからなくなるグローバルな誤り(語順の崩れ、文の構造の破たん、つなぎ言葉の取り違え)と、意味は通じるローカルな誤り(冠詞・三単現の s・単複)に分けて考えられる(Burt & Kiparsky, 1972)。一般に、読み手の理解を妨げる誤りほど評価への影響が大きいと考えられる。だから見直しは「意味が通じるか」の確認を先に、冠詞やスペルの点検を後にする。ただし小さな誤りも数が多いと積み重なる。
同じ主張でも評価が分かれる2つの答案
問:Should high school students have part-time jobs?(一部)
| 例 | 英文 | 観点別の見え方 |
|---|---|---|
| A | I think part-time job is good. Because students can get money. Money is important. So I agree. | 内容:理由が浅い/文法:裸の単数・文の断片/語彙:good・money が漠然、文頭 So はややくだけた印象 |
| B | I believe that part-time jobs can benefit high school students. First, working teaches them how hard it is to earn money, so they spend it more carefully. | 内容:理由の先まで書く/構成:First で区切り/文法・語彙:正確 |
採点観点からの見直しの順番4
- 11分:問いと条件1文目と最終文を読み、問いに答えているか、条件(数・語数・指定語)を満たしたかを確かめる。
- 21分:論理の線理由ごとに「なぜ?」「例は証拠になっているか」を確かめる。つなぎ言葉の向きも見る。
- 32分:1文ずつ文法主語と動詞、時制、名詞の数と冠詞、文のつなぎ方を1文ずつ。指で追うと見落としが減る。
- 430秒:表記スペル・大文字・ピリオド、短縮形の有無、語数。
確認テスト
- 14観点のうち「問いに答えているか」を見るのは?正解は 内容。答えていなければ他の観点も生きない。
- 2次のうち、意味の理解を最も妨げやすい誤りは?正解は 語順の崩れ。文の構造が崩れると意味が通じにくい。
- 3「構成」の失点になるのは?正解は 結論で新しい理由を出す。結論で新しい理由は出さない。
- 4Studying abroad is good because it is valuable. の問題点は?正解は 理由が主張の言い換え。valuable は good の言い換えで循環。
- 5「語彙」の観点で直すべきなのは?正解は lots of stuff。会話の語は many things などに。
書いたら採点してもらう1
参考にした資料
採点観点チェックを一覧にまとめ、A4 2枚で印刷できる無料PDFにしました。Web版は赤シート・覚えたチェック・カード・4択テストつき。