やさしい英語で多読!【音声つき】

【やさしい英文de多読!】<45> Cornflakes Were Invented to Stop People from Having Fun コーンフレークは「楽しみを奪う」ために発明された ~英文を楽しく&音声つきで読もう!~

原田英語マン
原田英語マン
今日のテーマは「コーンフレークの意外すぎる誕生秘話」です。朝食の定番・コーンフレークは、実は人々の”ある欲望”を抑えるために作られた!? ケロッグ博士の驚きの思想と、その後の兄弟ゲンカまで、知るとコーンフレークの見方が変わります。

📖 英文(223 words)

Every morning, millions of people around the world eat cornflakes for breakfast. It is a simple, popular cereal. But the story behind cornflakes is very strange. They were invented in 1894 by Dr. John Harvey Kellogg, and his reason was not about health or taste. He wanted to make people less excited.

Dr. Kellogg was a doctor at a health center in Michigan, USA. He believed that exciting or flavorful food made people think too much about physical pleasure. He thought bland, boring food could calm people down and help them focus on more serious things. So he created cornflakes as the most boring breakfast possible.

At first, cornflakes had no sugar and almost no flavor. They were hard and plain. Dr. Kellogg served them to patients at his health center as part of a strict diet. He believed this simple food could change people’s behavior.

But Dr. Kellogg’s brother, Will Keith Kellogg, had a different idea. He wanted to add sugar to make cornflakes taste better and sell them to everyone. The two brothers fought about this for years. Eventually, Will started his own company, the Kellogg Company, and added sugar to the cereal. It became a huge success.

Today, Kellogg’s is one of the biggest cereal brands in the world. But most people have no idea that their favorite breakfast was designed to be as boring as possible!

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📝 重要語句

cereal:シリアル
a breakfast food made from grains, usually eaten with milk(穀物で作られた朝食用の食品、通常牛乳と一緒に食べる)
invented:発明した
created something new for the first time(初めて新しいものを作り出した)
flavorful:風味豊かな
having a strong, pleasant taste(強くて心地よい味がある)
physical pleasure:肉体的な快楽
enjoyment related to the body(身体に関する楽しみ)
bland:味気ない
having very little flavor; not exciting(ほとんど味がない、面白みがない)
calm down:落ち着かせる
to become or make someone less excited or upset(興奮や動揺を鎮める)
strict:厳しい
having very firm rules(とても厳格なルールのある)
behavior:行動
the way a person acts(人の振る舞い方)
eventually:最終的に
in the end, after a long time(長い時間の後、ついに)
designed:設計された
made or planned for a specific purpose(特定の目的のために作られた、計画された)

🇯🇵 日本語訳

毎朝、世界中の何百万人もの人がコーンフレークを朝食に食べています。シンプルで人気のシリアルです。しかし、コーンフレークの裏にある物語はとても奇妙なものです。1894年にジョン・ハーヴェイ・ケロッグ博士が発明しましたが、その理由は健康や味のためではありませんでした。彼は人々の”興奮”を抑えたかったのです。

ケロッグ博士はアメリカ・ミシガン州の健康施設の医師でした。彼は、刺激的で風味豊かな食べ物が人々に肉体的な快楽について考えすぎさせると信じていました。味気ない退屈な食べ物を食べれば人を落ち着かせ、もっと真面目なことに集中させられると考えたのです。そこで彼は、できるだけ退屈な朝食としてコーンフレークを作りました。

当初、コーンフレークには砂糖が入っておらず、ほとんど味もありませんでした。硬くて、そっけない代物でした。ケロッグ博士は厳格な食事療法の一環として、健康施設の患者にこれを出していたのです。彼はこのシンプルな食べ物が人々の行動を変えられると信じていました。

しかし、ケロッグ博士の弟であるウィル・キース・ケロッグは違う考えを持っていました。彼は砂糖を加えてコーンフレークをおいしくし、みんなに売りたかったのです。二人の兄弟はこの件で何年も争いました。最終的にウィルは自分の会社「ケロッグ・カンパニー」を設立し、シリアルに砂糖を加えました。それは大成功を収めたのです。

今日、ケロッグは世界最大のシリアルブランドのひとつです。しかし、ほとんどの人は、自分のお気に入りの朝食が「できるだけ退屈であるように」設計されたものだとは知りません!

🥣 コラム:ケロッグ博士の「禁欲」朝食と、シリアル戦争の裏側

コーンフレークが「人の欲望を抑えるため」に作られたというのは、現代の感覚からすると信じがたい話です。しかし、19世紀末のアメリカでは、健康と道徳が密接に結びついていました。

🔸 ケロッグ博士の過激な健康思想

ジョン・ハーヴェイ・ケロッグ博士が運営していたのは、ミシガン州バトルクリークにあるセブンスデー・アドベンチスト教会系の療養施設「バトルクリーク・サナトリウム」でした。彼は「自制的な生活こそ健康の源」と信じ、患者に菜食主義、禁酒、運動、そして刺激のない食事を徹底させました。コーンフレークの他にも、グラノーラやナッツバターなど、多くの健康食品を開発しています。

🔸 兄弟の裁判沙汰にまで発展した「砂糖論争」

弟のウィル・キースは、コーンフレークに砂糖を加えて商品化したいと考えましたが、兄のジョンは断固反対。二人の対立は裁判にまで発展し、最終的に弟のウィルが「ケロッグ」の名前をシリアルに使う権利を勝ち取りました。以降、兄弟は二度と和解することなく生涯を終えたと言われています。

🔸 バトルクリーク——シリアルの聖地

この兄弟ゲンカの舞台となったバトルクリークは、その後「シリアルの首都」と呼ばれるようになります。ケロッグ社の本社が今もここにあるだけでなく、C.W.ポストという別の起業家もここでシリアル会社を興し、後のポスト・シリアル(現在のポスト・コンシューマー・ブランズ)となりました。小さな町から二大シリアルブランドが生まれたのです。

朝食テーブルのコーンフレークが、実は「禁欲」と「兄弟の確執」から生まれたものだと思うと、ちょっと不思議な気持ちになりますね。