国際教養(SILS)

【早稲田大学国際教養(SILS)英語徹底研究】過去5年分析&2027年度 超絶入試予想|Reading90分+Writing60分の完全攻略

WASEDA / SCHOOL OF INTERNATIONAL LIBERAL STUDIES
早稲田 国際教養の英語は
Reading 90分+Writing 60分
2022〜2026年の全30大問を1問単位で解剖。
段落要旨型15本皆勤・日本語要約5年連続・2026年度の制度変更まで
早稲田国際教養学部(SILS)の英語は、早稲田で最も長く、最も特殊な試験です。
Reading 90分+Writing 60分=計150分。他学部が60分〜90分の一発勝負なのに対し、SILSだけが2部構成です。
しかもWritingには、英文を読んで日本語で要約するという設問が5年連続で入っています。英語の試験なのに、日本語で書かせる。ここがSILS最大の特徴です。
この記事では過去5年(2022〜2026)の全30大問を1問単位で数え直し、Readingの設問が3種類しかないこと、Writingの3タスクが完全固定であることを示したうえで、2027年度の予想までを渡します。
CONTENTS / この記事の中身

SECTION 01

まず全体像。英語は200点中80点+外部検定20点
国際教養学部の一般選抜は、共通テスト+独自試験+英語4技能テストの3本立てです。試験日は2月13日
区分
配点
内容
大学入学共通テスト
100点
必須科目1教科1科目(50点)+選択科目1教科1科目(50点)
外国語(独自試験)
80点
英語|Reading 90分+Writing 60分
英語4技能テスト
20点
出願時に提出。未提出でも出願可(その場合は0点)
合計200点満点。英語だけで独自試験80点+外部検定20点=100点、実に50%を占めます。早稲田の中で英語の比重が最も高い学部です。
Reading 90分+Writing 60分=150分。早稲田で最長
他学部の英語は60分か90分の一発勝負です。SILSだけが2部構成で計150分
Readingで1,150語級の英文を3本読み、そのあとWritingで英作文2本と日本語要約1本を書く。実質的に「読解試験」と「作文試験」を2つ受けるようなものです。
この構造を知らずに「英語90分の学部」と思って対策すると、Writing対策がまるごと抜け落ちます。
英語4技能テスト20点は「取れるなら取る」
出願時にスコアを提出すると、最大20点が加点されます。未提出でも出願できますが、その場合は0点。200点満点のうち20点=10%を、まるごと捨てることになります。
GTECの場合、加点の最大値はCBTで20点、検定版Advancedで14点、検定版Basicで7点と、テストの種類によって上限が異なります。
どのテストをどのレベルで受けるかが、そのまま加点上限を決めます。受験するテストの選択は早い段階で決めておいてください。
なお対象テストや加点基準は変更されることがあります(TOEFL iBTのスコア形式変更に伴う改定も公表されています)。出願前に必ずその年度の入試要項で確認してください。

SECTION 02

2026年度の変更点|共通テストで数学が選べるようになった
2026年度入試から、共通テストで課す科目が変わりました。英語の試験そのものは変更なしですが、出願設計に直結する変更です。
区分
2025年度まで
2026年度以降
必須科目
(50点)
国語のみ
国語 または 数学(数学Ⅰ・A/数学Ⅱ・B・Cのいずれか1科目)
選択科目
(50点)
地歴・数学・理科・情報から1科目
国語・数学・地歴・公民・理科・情報から1科目
(必須科目で選んだ教科は除く)
外国語
Reading 90分/Writing 60分/80点
変更なし
「国語が苦手な理系」に道が開いた変更
2025年度までは国語が必須でした。2026年度からは国語の代わりに数学で受験できます。必須科目で数学を選び、選択科目で理科や情報を選べば、国語なしで出願できる計算です。
加えて選択教科に「公民」が追加されました(公共・倫理/公共・政治経済)。
国語は200点満点を50点に、それ以外は100点満点を50点に換算します。圧縮率が違うので、どの科目を選ぶかは戦略的に決めてください。
なお必須科目・選択科目のどちらでも複数科目を受験している場合は、最高得点の科目が自動的に抽出されます(必須科目→選択科目の順)。地歴・公民/理科を2科目受験した場合は第1解答科目が使われます。

SECTION 03

過去5年 出題マップ──30大問を1枚に並べる
Reading 3本+Writing 3タスクが5年分で30大問。構成は5年間まったく揺れていません。
年度
区分
テーマ/出典
2026
R1
机上の「役に立たない機械」が問いかけるもの/The New York Times Magazine, 2016年8月31日
R2
フラクタルと海岸線の長さ(数学)
R3
徳川期の博物学者たちの知の再構成/F. Marcon『Early Modern Japan』2015
W1〜3
意見英作文(20歳で貧乏か60歳で裕福か)/近視人口のグラフ/日本語要約(サンデル『実力も運のうち』)
2025
R1
東西で思考様式はどう違うか/BBC Future, 2017年1月19日
R2
生物学は実験科学であるべきか/C. Bernard『実験医学序説』
R3
世界はいかにして砂糖に依存したか/TIME, 2023年10月31日
W1〜3
意見英作文(大学教育の目的)/教育費の公私負担の2図表/日本語要約(WHO 食品安全)
2024
R1
バーナムのサーカスと動物の権利/The Atlantic, 2017年5月10日
R2
18世紀の電気研究とライデン瓶/J. L. Heilbron 1982
R3
リテラシーと非識字をめぐる日本社会言語学/Routledge Handbook, 2012
W1〜3
意見英作文(大阪のカジノ)/1人あたりエネルギー消費のグラフ/日本語要約(タコスの歴史)
2023
R1
思想の自由と「無批判の同意」/J. S. Mill『自由論』1859
R2
遺伝学者バーバラ・マクリントックの歩み/E. F. Keller 1983
R3
世界諸英語と地域文化/Routledge Handbook, 2019
W1〜3
意見英作文(ドッジボールは禁止すべきか)/地域別GDPの2チャート/日本語要約(トンガ海底火山)
2022
R1
アダプテーション(翻案)の理論/L. Hutcheon 2012
R2
昆虫はいかに遍在するか/M. S. Engel『Innumerable Insects』2018
R3
感覚の表象をめぐる神経科学/E. Kandel『記憶を求めて』2007
W1〜3
意見英作文(高校生のボランティア義務化)/プラスチック廃棄のグラフ/日本語要約(狩猟採集社会と市場神話)
この表から読み取れる3つの事実
Readingの出典は学術書が主役です。ミル『自由論』、カンデル『記憶を求めて』、ハッチオン『アダプテーションの理論』、ベルナール『実験医学序説』。古典と現代の学術書が半分以上を占め、そこにThe Atlantic、TIME、BBC Futureといった質の高いジャーナリズムが混ざります。
文理の壁がない。フラクタル幾何、18世紀の電気研究、神経科学、昆虫学、遺伝学。同じ年に政治哲学と自然科学が並びます。リベラルアーツ学部らしい選定です。
Writingの3タスクは1ミリも動いていない。意見英作文/グラフ・図表/日本語要約。5年とも同じ順番で同じ形式です。
なお過去問データベースでは、著作権処理の都合によりReading 15本のうち2本の本文が省略されています(2026年度R2、2025年度R3)。本記事の語数などの実測値は、収録されている13本にもとづくものです。

SECTION 04

Reading|1本1,150語の英文を3本、90分で
Readingは3本固定。語数を実測すると、収録13本で918〜1,344語、平均約1,154語でした。年間合計はおおむね3,200〜3,600語です。
1本あたり30分。数字だけ見れば余裕がありそうですが、設問の作りが極めて重いので、実際にはまったく余りません。理由は次のセクションで説明します。
設問は3種類しかない
過去5年、Reading 15本の設問をすべて分類したところ、主要な型は3つだけでした。
設問の型
出現
設問文(ほぼ固定)
段落要旨型
15本すべて
Choose the best way to complete these sentences about paragraphs ① to ⑦.
内容一致(複数選択)
14本
Choose the FOUR statements that do NOT AGREE with what the passage says.
下線語型
12本
Choose the best way to complete these sentences, which refer to the underlined words in the passage.
(変化球)語彙補充型
4設問群
From the words in the list below, choose the most appropriate one …
(変化球)空所補充型
1設問群
Choose the best item to fill each of the numbered boxes [ 1 ] to [ 7 ]
段落要旨型は「15本すべて」に入っている
5年15本、1本の例外もなく段落要旨型が入っています。しかも各Readingの設問(1)、つまり最初に置かれるのが通例です。
これはSILSの読解観をそのまま表しています。「段落ごとに、筆者が何をしているかを言えるか」——これが問われているすべてです。
次のセクションで、この設問の攻略法を詳しく扱います。

SECTION 05

段落要旨型|15本すべてに出る最重要設問
形式はこうです。本文の段落に①②③…と番号が振られ、設問には「In paragraph ① the writer ___」という書き出しが段落数だけ並びます。そしてA〜Kの選択肢から、その段落に合うものを選ぶ
2026年度 Reading 1 の選択肢(抜粋)
A claims that the device is a metaphor for complete subjugation to ownership…
B describes a device with no distinguishing features except for a small switch.
C explains that he developed a fondness for the device…
D expresses respect for the machine’s comically self-referential nature.
E points out that the machine resembles bureaucratic mechanisms…
F recounts the invention of the Useless Machine.
G relates the emotional impact of observing the machine in action.
選択肢の「動詞」が決め手になる
よく見てください。選択肢はすべて動詞で始まっています。describes(描写する)、explains(説明する)、recounts(語る)、claims(主張する)、points out(指摘する)、expresses(表明する)、relates(伝える)。
これは「その段落で筆者が何をしているか」を問う設問です。内容が合っていても、動作が違えば不正解になります。
たとえば同じ機械の話でも、「特徴を描写している段落(describes)」と「発明の経緯を語る段落(recounts)」と「主張を述べる段落(claims)」は別物です。読みながら各段落に「何をしているか」の動詞を1語メモする——これが最強の対策になります。
段落数は⑦〜⑨。選択肢はそれより多い
5年15本の段落数を並べると、⑦が4本、⑧が6本、⑨が5本。つまり1本あたり7〜9問がこの設問だけで出ます。選択肢はA〜KやA〜Jなど、段落数より2つ前後多く用意されています。
Reading 3本合わせると、段落要旨型だけで20問以上。Readingの得点の中核です。
段落要旨型の攻略|「筆者の動作」を表す動詞30

コピー

【説明・提示】
describes /描写する、様子を述べる
explains /説明する
introduces /導入する、紹介する
outlines /概略を述べる
defines /定義する
illustrates /例で示す
recounts /(出来事を)語る
relates /伝える、関連づける
summarizes /要約する
traces /(経緯を)たどる

【主張・評価】
claims /主張する
argues /論じる
asserts /断言する
maintains /(一貫して)主張する
contends /論争的に主張する
suggests /示唆する
implies /ほのめかす
emphasizes /強調する
stresses /力説する
points out /指摘する

【比較・対比・批判】
compares /比較する
contrasts /対比する
distinguishes /区別する
challenges /異議を唱える
questions /疑問を呈する
refutes /論駁する
criticizes /批判する
concedes /(譲歩して)認める
qualifies /条件をつけて限定する
acknowledges /認める

【感情・態度】
expresses /(感情・敬意を)表明する
admits /認める
regrets /残念に思う
warns /警告する
speculates /推測する

【解き方】
1. 本文を読む前に、選択肢の動詞だけを縦に読む
  → その英文に「描写」「主張」「対比」のどれが多いかが分かる
2. 各段落を読み終えたら、余白に動詞を1語だけ書く
  例)① describes ② recounts ③ claims ④ contrasts …
3. 全段落を読み終えてから、動詞メモと選択肢を突き合わせる
4. 動詞が同じ選択肢が2つあるときだけ、内容で切り分ける

【最大の罠】
内容は合っているが「動作」が違う選択肢。
段落が具体例を挙げているだけなのに、
「主張している(claims)」を選ぶと外れる。

SECTION 06

FOUR型内容一致|11回がNOT AGREE型だった
2つめの柱は、複数の記述から該当するものを選ぶ設問です。5年15本のうち14本に入っていました(2025年度Reading 1のみ例外)。
聞かれ方
回数
意味
FOUR … do NOT AGREE
11回
本文と一致しないものを4つ選ぶ
FOUR … AGREE
3回
本文と一致するものを4つ選ぶ
TWO … do NOT AGREE
1回
2024年度Reading 2のみ。個数が変わった唯一の例
4分の3以上が「一致しないもの」を選ばせている
15回中11回がNOT AGREE型。SILSは「本文に書いていないもの」を探させるのが基本です。
ただし3回はAGREE型(一致するものを選ぶ)で、しかも同じ年の別の英文で向きが変わることがあります。2022年度はReading 1がNOT AGREE、Reading 2と3がAGREEでした。
設問文のNOT / AGREEに必ず丸をつける。年度で覚えず、その場で読む。これだけで防げる失点です。
4つ選ぶ問題は消去法でしか解けない
選択肢は通常8〜10個あり、そのうち4つが正解です。正解を探すより、確実に切れるものを消すほうが速い。切る根拠は3つに絞れます。
①言い過ぎ|本文が「多くの場合」なのに選択肢が always / all / never / only。
②本文にない|学術書が出典なので、「一般論として正しいが本文にない」選択肢が最大の罠です。
③すり替え|本文の語をそのまま使いながら、主語と目的語、原因と結果を入れ替えている。

SECTION 07

下線語型と、たまに出る語彙補充型
3つめの柱が下線語型です。15本中12本に入っていました。形式は完全に固定で、Here ○○ means という書き出しに、A〜Eの5択が並びます。
2026年度 Reading 1 の実出題
Here flick means → A clip/B flip/C movie/D open up/E twist
Here ascendancy means → A ancestor/B aspiration/C climb/D dominance/E evilness
Here superseded means → A controlled/B enriched/C replaced/D supervised/E suppressed
Here paradoxical means → A accepted/B anticipated/C contradictory/D ironic/E principled
Here defiance means → A command/B defeat/C ignorance/D insistence/E resistance
綴りの似た語で惑わせてくる
ascendancy の選択肢にancestor(祖先)climb(登る)が並んでいるのが典型です。ascend(登る)から連想させて、正解の dominance(優位)から遠ざける設計。
superseded に対しては supervised、defiance に対しては defeat。語源や見た目で選ぶと確実に外れます。
対策は明快で、準1級〜1級レベルの語を「英語の言い換え」で覚えること。paradoxical=contradictory、supersede=replace、defiance=resistance という結びつきを作っておけば即答できます。
下線語型の代わりに出る「変化球」2種
15本中3本では、下線語型の代わりに別の形式が入りました。
語彙補充型(2026年度R2・2022年度R3)|From the words in the list below, choose the most appropriate one to complete the following four sentences.
→ リストから語を選んで文を完成させる形式。1本の中に2設問群置かれました。

空所補充型(2023年度R1)|Choose the best item to fill each of the numbered boxes [ 1 ] to [ 7 ] found in the passage.
→ 本文中の空所を埋める形式。

どちらも問われている力は同じです。文脈に合う語を選べるか。下線語型の対策がそのまま効きます。「知らない形式が出た」と焦る必要はありません。

SECTION 08

Writing 3タスク|5年間まったく同じ
Writingは60分で3タスク。5年間、順番も形式も1ミリも変わっていません。
タスク
形式
指示文(ほぼ固定)
W1
意見英作文
Write a paragraph in ENGLISH giving your opinion on the statement below, with appropriate reasons to support your position.
W2
グラフ・図表
Write a paragraph in ENGLISH answering the question below.(グラフや図表の傾向を説明・分析させる)
W3
日本語要約
Read the following passage and briefly summarize it in JAPANESE.
出題テーマを並べると、SILSが何を測ろうとしているかが見えます。
年度
W1 意見英作文
W2 グラフ・図表
W3 日本語要約
2026
20歳で貧乏か、60歳で裕福か
近視人口の推移
サンデル『実力も運のうち』
2025
大学教育の目的とは何か
教育費の公私負担(2図)
WHO 食品安全と健康被害
2024
大阪のカジノ開業への賛否
1人あたりエネルギー消費
タコスの歴史(ブリタニカ)
2023
ドッジボールは禁止すべきか
地域別GDPと成長率(2図)
トンガ海底火山の調査報告
2022
高校生のボランティア義務化
プラスチック廃棄の管理状況
狩猟採集社会と市場の神話
W1のテーマは「高校生が意見を持てること」
ドッジボール、ボランティア義務化、カジノ、大学教育の目的、20歳と60歳。専門知識を必要とするテーマは1つも出ていません。
つまり測られているのは知識ではなく、「立場を決めて、理由を2〜3つ挙げて、英語で筋を通せるか」という一点です。
2026年度は指示文が「Answer the following questions in ENGLISH」とやや簡素になりましたが、求められているものは同じです。
解答例が示す「型」は驚くほど素直
2023年度W1(ドッジボール)の解答例は、こう始まります。
I am of the opinion that dodgeball should be banned in all schools. I have three reasons for this. First, … Second, …
2022年度も2026年度もほぼ同じ書き出しです。「立場を1文で言い切る → 理由の数を予告する → First, Second, Third で並べる」。凝った構文は一切使われていません。この型を暗記して、あとは内容を入れるだけです。

SECTION 09

日本語要約|大学が公表した「出題の目的」
SILSの英語で最も特殊なのが、このW3・日本語要約です。英語の試験なのに、日本語で書かせる。5年連続で出ています。
そして2022年度の資料には、大学側がこの設問の目的を明記した一文が残っています。
出題意図(原文)
The purpose of Question III is to evaluate the ability of candidates to distinguish between central and peripheral information when reading, by writing a brief Japanese summary (NOT a translation) of a much longer passage in English.

要約すると、「中心的な情報と周辺的な情報を区別する力」を測るための設問であり、求めているのは翻訳ではなく要約だということです。
NOT a translation とわざわざ大文字で書いてある。つまり訳そうとする答案が多いということです。ここが最大の分かれ目になります。

解答例の長さと構造を見る
2024年度(タコスの歴史)の解答例は、日本語でおよそ200字。構造はこうです。
定義|タコスはメキシコ生まれの軽食で、味付けした肉や野菜をトルティーヤで包んだもの
起源|メキシコでの小麦の栽培は少なくとも9,000年前から
変化|スペイン人到来の前後で、使われる肉が変わった
現在|今日では世界中で人気に
2026年度(サンデル『実力も運のうち』)も同じ作りです。①実力主義とは何か → ②何が問題か → ③その帰結 → ④具体例 → ⑤処方箋英文の論理展開をそのまま日本語の骨格に移しているのが分かります。
具体例と数字は、原則として落とす
解答例を見ると、固有名詞や細かい数字はほとんど残っていません。2024年度で残ったのは「9,000年前」だけ。2023年度(トンガ火山)で残ったのは「少なくとも10の海底火山」だけです。
これがまさにcentral と peripheral の区別です。論旨の骨格に不可欠な数字だけを残し、例示のための数字は落とす。
逆に言えば、数字や固有名詞を並べた答案は「周辺情報を選んでしまった」と判定されます。字数は限られているので、何を捨てるかが得点を決めます。
日本語要約の書き方手順(15分版)

コピー

【大学が明示した出題意図】
「読解において中心的な情報と周辺的な情報を区別する能力」を測る。
求めているのは要約であって、翻訳ではない(NOT a translation)。

【0〜5分】英文を読み、段落ごとに1行メモ(日本語)
 各段落の役割を書く:定義/背景/問題提起/根拠/反論/結論
 この時点では日本語に訳さない。「何の話か」だけ書く

【5〜7分】骨格を決める(ここが勝負)
 □ 筆者の主張は何か(1文で言えるか)
 □ その主張を支える柱は何本か(2〜4本)
 □ 落とすもの:具体例・人名・地名・例示のための数字
 □ 残すもの:論旨に不可欠な数字、対比の軸、因果関係

【7〜13分】書く
 文型:「Aによると、Bである。その理由は…。その結果…。」
 ・1文を短く。60字を超えたら切る
 ・英語の語順に引きずられない(訳文にしない)
 ・「〜と述べている」「〜という」で筆者の主張だと示す

【13〜15分】見直し
 □ 具体例を書きすぎていないか(=周辺情報を選んでいないか)
 □ 主張が最初か最後に明示されているか
 □ 訳文になっていないか。日本語として自然に読めるか
 □ 指定の枠に収まっているか

【減点されやすい答案】
× 冒頭から順に訳していき、途中で字数が尽きる
× 固有名詞と数字が並び、筆者の主張が書かれていない
× 英語の構文をそのまま写した不自然な日本語
× 本文にない自分の意見を足している

【練習法】
英字メディアの800〜1,200語の記事を読み、200字で要約する。
書いたあと、必ず「主張・理由・結論が入っているか」を自分で採点する。
週3本で十分に伸びる。

SECTION 10

意見英作文とグラフ英作文のテンプレート
W1とW2は、型を暗記しておけば書き出しで悩まずに済みます。解答例から抽出したテンプレートを渡します。
W2は「傾向を2つ挙げて、理由を添える」
2026年度の設問は「グラフが示す最も重要な事実や傾向は何か。少なくとも2つ挙げ、自分の立場を根拠づけよ」でした。解答例もそのとおりの構造です。
This graph shows two important trends. First, the total number of people with myopia is expected to increase radically from 2000 to 2050 in almost all age groups. This may be mainly because people today, both young and old, spend more time on the screen and less time on outdoor activities. Second,

傾向 → 理由の推測 → 次の傾向 → 理由。この繰り返しだけです。グラフを読む力より、読み取った事実に因果の説明を足せるかが測られています。

W1・W2 テンプレートと使える表現

コピー

■ W1:意見英作文のテンプレート
I am of the opinion that ______.
I have three reasons for saying so.
First, ______.
Second, ______.
Third, ______.
For these reasons, I believe ______.

【立場を示す言い換え】
I am of the opinion that .../To my mind, ...
I am quite opposed to .../I strongly support ...
While I acknowledge that ..., I believe ...(譲歩から入る型)

【理由をつなぐ】
First / Second / Third
More importantly, .../In addition, ...
This is because .../The reason is that ...
For example, .../A case in point is ...

【反対意見に触れる(加点されやすい)】
Some people may argue that ...
However, this view overlooks ...
Admittedly, ..., but ...

■ W2:グラフ・図表のテンプレート
This graph shows two important trends.
First, ______ increased/decreased significantly from ____ to ____.
This may be mainly because ______.
Second, in contrast, ______.
This suggests that ______.

【増減を表す】
increase radically/rise sharply/grow steadily
decrease significantly/decline gradually/remain stable
peak at .../bottom out/level off
double/triple/halve

【比較・対比】
In contrast, .../Meanwhile, .../Compared with ...
While A increased, B decreased.
The gap between A and B widened/narrowed.

【推測と解釈】
This may be mainly because ...
One possible explanation is that ...
This suggests / indicates / implies that ...
It is likely that ...

【複数の図を比べる問題(2023・2025年度に出題)】
The two charts represent ______.
In general, both indexes ______. However, there were differences.
For example, in ______, ... In contrast, in ______, ...

■ 共通の作法
・1パラグラフで書く(段落を分けない)
・解答欄の枠内に収める
・凝った構文は不要。解答例はすべて平易な英語で書かれている
・時間切れでも白紙にしない。立場を1文書くだけでも違う

SECTION 11

150分の時間配分と、解く順番
Reading 90分とWriting 60分は別々に実施されます。それぞれの中での配分を決めておきます。
Reading 90分
目安
狙い
0〜2分
下見
3本の長さと設問数を確認し、短い順に解く順番を決める
2〜30分
1本目
段落メモを取りながら読む。読了時に段落要旨型が半分解ける状態に
30〜58分
2本目
28分。同じ手順を繰り返す
58〜85分
3本目
27分。残り時間をすべて使う
85〜90分
見直し
FOUR型で4つマークしたか、段落要旨型で重複がないかを確認
Writing 60分
目安
狙い
0〜18分
W1
意見英作文。立場を決めるのに2分、書くのに16分
18〜36分
W2
グラフ。傾向を2つ拾うのに3分、書くのに15分
36〜55分
W3
日本語要約。読解と骨格決めに7分、書くのに12分
55〜60分
見直し
スペルと三単現、枠からのはみ出しを確認
Writingは「3タスクを均等に埋める」が最優先
60分で3タスク。1つ空白にすると3分の1を失います。W1に35分かけて完璧に書いても、W3が白紙なら合計点は下がります。
だから18分でタイマーを切る意識を持ってください。書き切れていなくても次へ進む。あとで戻れば済みます。
とくにW3の日本語要約は日本語で書けばよいので、時間さえあれば必ず埋まります。ここを白紙にするのは最ももったいない失点です。
本番用タイムテーブル(過去問演習でそのまま使う)

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■ READING 90分
 0分 ─ 3本の長さと設問数を確認(2分)
 2分 ─ 1本目(28分)
 30分 ─ 2本目(28分)
 58分 ─ 3本目(27分)
 85分 ─ 見直し(5分)

【1本28分の内訳】
 0〜2分   設問(1)の選択肢の「動詞」だけ縦に読む
 2〜16分  本文を通読。各段落の余白に動詞を1語メモ
      例)① describes ② recounts ③ claims ④ contrasts
 16〜22分 段落要旨型を処理(動詞メモと突き合わせる)
 22〜26分 下線語型を処理
 26〜28分 FOUR型を消去法で処理

【見直しで必ず確認すること】
 □ FOUR型で4つマークしたか(TWOの年もあるので設問文を再確認)
 □ 段落要旨型で同じ記号を2回使っていないか
 □ NOT AGREE か AGREE か、向きを取り違えていないか

■ WRITING 60分
 0分 ─ W1 意見英作文(18分)
 18分 ─ W2 グラフ・図表(18分)
 36分 ─ W3 日本語要約(19分)
 55分 ─ 見直し(5分)

【鉄則】
18分でタイマーを切る。書き切れなくても次へ進む。
1つ空白にすると3分の1を失う。均等に埋めるのが最優先。

【W3を最後にしない選択肢もある】
日本語で書けるW3は確実に埋まる。
英作文に不安があるなら、W3を先に片付けて
残り時間をW1・W2に回す設計でもよい。
過去問演習で両方試し、自分に合うほうを本番の型にする。

SECTION 12

2027年度 超絶入試予想
ここから先は過去5年の実測と大学の公式発表からの推定です。的中を保証するものではありません。
予想①|Reading 3本+Writing 3タスクは動かない(確度:極めて高い)
5年30大問、構成に一切の揺れがありません。2026年度の制度変更でも外国語は「変更なし」と明記されました。2027年度もReading 90分3本+Writing 60分3タスクで来るとみて間違いありません。
予想②|段落要旨型は必ず出る(確度:極めて高い)
15本すべてに入っており、しかも各Readingの最初の設問です。選択肢が動詞で始まる形式も変わっていません。「筆者がその段落で何をしているか」を動詞1語で言える訓練が、そのまま得点になります。
予想③|日本語要約も継続する
5年連続で出ています。大学が「中心的な情報と周辺的な情報を区別する能力を測る」という明確な目的を掲げている以上、簡単には外さないでしょう。SILS対策で最も差がつくのがここです。英語だけ勉強していても伸びません。
予想④|Readingの出典は学術書とジャーナリズムの混成
ミル、カンデル、ハッチオン、ベルナールといった古典・学術書が半分以上。そこにThe Atlantic、TIME、BBC Future、The New York Times Magazineが混ざります。
文理の区別なく出るのがSILSの特徴で、フラクタル幾何・神経科学・昆虫学・遺伝学が政治哲学や文学理論と並びました。「理系だから」「文系だから」で読む分野を絞らないこと。
予想⑤|W1のテーマは「高校生が意見を持てること」
ドッジボール、ボランティア義務化、カジノ、大学教育の目的、20歳と60歳。専門知識を要求するテーマは1つも出ていません。2027年度も、身近な社会的論点から出るとみています。下の予想トピックを押さえてください。
予想⑥|共通テストの科目選択が合否を左右する
2026年度から必須科目で国語か数学を選べるようになりました。国語は200点満点を50点に、それ以外は100点満点を50点に換算します。圧縮率が違うので、得意科目の選び方がそのまま点差になります。出願前に必ず、その年度の入試要項で確認してください。
2027年度 予想トピック20(Reading+Writing両対応)

コピー

【Reading 対策|学術系10領域】
01 科学史と知の成立 history of science/paradigm
02 言語と社会 World Englishes/literacy/multilingualism
03 心理学と文化差 cognition/individualism vs collectivism
04 神経科学と記憶 neuroscience/representation/plasticity
05 進化生物学と生態 evolution/biodiversity/adaptation
06 数学・幾何の思想 fractal/dimension/infinity
07 政治哲学と自由 liberty/tolerance/public reason
08 文学理論と翻案 adaptation/intertextuality/canon
09 日本研究(歴史・思想) Edo/natural history/modernity
10 メディアとテクノロジー批評 automation/attention/AI

【Writing 対策|社会的論点10】
11 大学教育の目的と学費 tuition/access/liberal arts
12 若者の労働と働き方 part-time work/gap year
13 SNS規制と表現の自由 regulation/free speech
14 生成AIと学習・評価 AI in education/academic integrity
15 環境政策と個人の責任 carbon footprint/policy vs behavior
16 観光と地域社会 overtourism/local economy
17 移民と多文化共生 immigration/integration
18 スポーツと教育 compulsory PE/competition
19 医療と自己決定 informed consent/public health
20 都市と住みやすさ housing/green space/transport

【使い方】
Reading側(01〜10):1トピック15分。日本語の解説を1本読み、
 キーワードを英語で書き出す。専門用語に怯えないことが目的。
Writing側(11〜20):1トピック10分。賛成・反対の理由を
 それぞれ2つずつ、日本語で書き出す。本番はこれを英訳するだけ。

【SILSだけの追加課題】
週3本、英字メディアの800〜1,200語の記事を「200字の日本語」で要約する。
書いたあと、主張・理由・結論が入っているか自分で採点する。
これがW3対策であり、同時にReadingの段落把握の訓練にもなる。

SECTION 13

逆算3か月ロードマップ
SILSはReading・Writing・英語外部検定の3本立てです。とくに外部検定は出願までにスコアが必要なので、逆算が要ります。
時期
目的
やること
1か月目
段落把握を作る
1,000語級の学術系英文を週4本。各段落に「筆者の動作」の動詞を1語メモする訓練
2か月目
Writingの型を固める
意見英作文とグラフ英作文を各週2本、添削を受ける。日本語要約を週3本
3か月目前半
通し演習
Reading 90分とWriting 60分を、必ず別々に計測して週2セット
3か月目後半
背景知識と共通テスト
予想トピック20を消化。共通テストの必須・選択科目を仕上げる
前日
確認だけ
「筆者の動作」動詞30とWritingテンプレートを眺める。新しい問題はやらない
英語4技能テストは「出願前」に間に合わせる
3か月の勉強とは別枠で、出願までに外部検定のスコアを確保しておく必要があります。未提出でも出願できますが、その場合は20点が0点になります。
GTECならCBTで最大20点、検定版Advancedで14点、検定版Basicで7点というように、受けるテストの種類で上限が決まります。どれを受けるかは早い段階で決めてください。
また対象テストや加点基準は変更されることがあります。必ずその年度の入試要項で確認してください。
過去問については、Reading 90分とWriting 60分を必ず分けて解くこと。まとめて150分で解くと、Writingの時間感覚が身につきません。とくにWriting 3タスクを60分で書き切る練習は、回数がそのまま得点になります。

SECTION 14

落ちる人に共通する7つのパターン
パターン1|Writing対策をしていない
SILSは英語だけで150分、うち60分がWritingです。読解対策しかしていないと、その60分がまるごと空白になります。
処方:意見英作文・グラフ英作文・日本語要約の3型を、それぞれ最低10本ずつ書いて添削を受ける。
パターン2|日本語要約を「翻訳」してしまう
大学がNOT a translationと明記しています。冒頭から順に訳していくと、途中で字数が尽きて主張にたどり着けません。
処方:読み終えてから骨格を決め、それから書き始める。具体例と細かい数字は落とす。
パターン3|段落要旨型を「内容」だけで選ぶ
選択肢は動詞で始まります。内容が合っていても、describes と claims では別物です。
処方:読みながら各段落に「筆者の動作」の動詞を1語メモする。読了時に半分は解ける状態にする。
パターン4|NOT AGREE と AGREE を取り違える
15回中11回がNOT AGREE型ですが、3回はAGREE型でした。しかも同じ年の別の英文で向きが変わることがあります。
処方:設問文のNOT / AGREEと個数(FOUR / TWO)に必ず丸をつける。
パターン5|Writingで1タスクに時間をかけすぎる
60分で3タスク。1つ空白にすると3分の1を失います。
処方:18分でタイマーを切って次へ進む。書き切れなくても戻ればよい。
パターン6|英語外部検定を後回しにする
200点満点のうち20点、実に10%です。未提出だと0点になります。
処方:受けるテストの種類(加点上限が違う)を早めに決め、出願までにスコアを確保する。
パターン7|読む分野を文系・理系で絞る
同じ年にフラクタル幾何と徳川期の博物学が並びます。神経科学と文学理論も同居します。
処方:リベラルアーツ学部だと割り切り、自然科学系の一般向け学術書にも触れておく。
この記事のまとめ
英語はReading 90分+Writing 60分=150分。早稲田で最長
200点中、独自英語80点+外部検定20点=100点。英語が半分
段落要旨型はReading 15本すべてに出る。選択肢は動詞で始まる
日本語要約は5年連続。大学は「翻訳ではない」と明記している
2026年度から共通テストの必須科目で国語か数学を選べる
読む力だけでは届きません。
書く力と、要約する力まで含めて対策です。