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<51> Constitution Memorial Day: A Birthday for a Country’s Promise 憲法記念日:国の約束のお誕生日 ~英文を楽しく&音声つきで読もう!~

原田英語マン
原田英語マン
今日のテーマは「憲法記念日」です。1947年5月3日に施行された日本国憲法。実は世界最古の「改正されていない憲法」だってご存じでしたか?意外なドラマと豆知識をお届けします!

📖 英文(229 words)

Today is May 3, and it is a Japanese national holiday called Constitution Memorial Day. On this day in 1947, Japan’s new constitution started working. A constitution is the most important set of rules for a country. It is like the king of all laws. In Japan, no other rule can be stronger than the constitution.

Surprisingly, this is not the day the constitution was made. It was actually made and announced on November 3, 1946. So why do we celebrate on May 3? The government waited six months before using the new rules. They wanted everyone to study and understand them first. November 3 became another holiday called Culture Day.

The Japanese constitution has three big ideas. First, the people are the boss of the country, not the emperor. Second, all people have basic rights, like freedom and equal treatment. Third, Japan promises never to fight a war again. This third idea is in a famous part called Article 9.

Here is something amazing. Japan’s constitution has never been changed since 1947. Not even one word! It is the oldest unchanged constitution in the world. America’s constitution is older but has been changed 27 times.

Funny enough, Poland also celebrates its Constitution Day on May 3, but for a different document from 1791. Two countries, one date, one big promise to their people.

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📝 重要語句

constitution:憲法
the most important set of rules for a country(国の最も重要なルール)
memorial:記念の
made to remember an important event or person(重要な出来事や人を覚えておくために作られた)
surprisingly:驚くことに
in a way that makes you feel amazed(びっくりさせるような感じで)
announced:発表された
told to many people in public(多くの人に公の場で伝えられた)
government:政府
the group of people who lead a country(国を導く人々の集まり)
basic rights:基本的人権
the most important freedoms every person has(すべての人が持つ最も大切な自由)
equal treatment:平等な扱い
being treated the same as others(他の人と同じように扱われること)
promise:約束
words you give that you will do something(何かをすると言ってあげる言葉)
Article:条
a numbered part of a law or rule(法律やルールの番号のついた部分)
unchanged:変わっていない
still the same as before(前と同じままで)
document:文書
an important piece of writing on paper(紙に書かれた重要な書きもの)

🇯🇵 日本語訳

5月3日は、日本の祝日「憲法記念日」。1947年のこの日、日本の新しい憲法が動き始めました。憲法とは、国にとって何より大切なルールの集まりです。いわば「すべての法律の王さま」のような存在で、日本ではどんな決まりも憲法より上には立てません。

ちょっと意外な話ですが、実はこの日、憲法が作られた日ではないんです。憲法そのものが完成して世に出されたのは、前の年の1946年11月3日のこと。ではなぜ、お祝いするのは5月3日なのでしょう? その答えは「準備期間」にあります。新しいルールをいきなり使い始めるのではなく、政府は半年かけて国民にじっくり中身を理解してもらおうと考えたのです。そして11月3日のほうは、「文化の日」というまた別の祝日になりました。

日本の憲法には、大きな3つの柱があります。1つめは、国の主人公は天皇ではなく国民であるということ(国民主権)。2つめは、誰もが自由や平等といった、生まれながらの権利を持っているということ(基本的人権の尊重)。そして3つめは、日本は二度と戦争をしないという誓い。これが、有名な「第9条」に書かれている平和への約束(平和主義)です。

そして驚くべきことに、日本の憲法は1947年に動き出してから今日まで、一文字も変わっていません。「世界でいちばん古い、変わらずに使われている憲法」なのです。アメリカ憲法のほうが古いのですが、これまでに27回も書き換えられてきました。

おもしろい偶然もあります。実はポーランドも5月3日を「憲法記念日」としてお祝いしているんです。あちらは1791年の別の憲法を記念したもの。違う国、違う時代——それでも、同じ日に、国民への大きな約束を祝っている。なんだか不思議で、素敵な話ですね。

🗳️ コラム:知ればちょっと自慢できる!憲法記念日トリビア

憲法記念日と聞くと、なんだか堅苦しい話に聞こえるかもしれません。でも、その背景には意外なドラマや人間くさいエピソードがたっぷり詰まっています。今日は、思わず誰かに話したくなるトリビアをいくつかご紹介しましょう。

🔸「11月3日 vs 5月3日」記念日争奪バトル

「憲法記念日を5月3日にするか、11月3日にするか」——実は、これは国会で大論争になったテーマでした。衆議院は施行日の5月3日を推し、参議院は公布日の11月3日を推して、最後まで揉めたのです。最終的には参議院が折れる形で5月3日に決定。妥協案として11月3日は「文化の日」となりましたが、当時の参議院文化委員長・山本有三(『路傍の石』で有名な作家)は、議事録に「本当は11月3日を憲法記念日にしたかった」と本音をポロリと漏らしています。

🔸 11月3日が選ばれた、ちょっと言いにくい理由

ではなぜ、もともと11月3日が公布日になったのでしょう? 実はこの日、戦前は明治天皇の誕生日「明治節」という大きな祝日でした。新しい民主主義の憲法を、よりによって明治天皇の誕生日に重ねる——GHQ内部からも「ふさわしくないのでは」という声があったといいますが、最終的にはそのまま決定。「11月3日にこだわったのは日本側」という記録もあり、ちょっとした政治的駆け引きが見え隠れする選択でした。

🔸 70年以上、一字一句変わっていない「奇跡の憲法」

日本国憲法のすごさは、なんといっても「不変」であること。1947年から現在まで、ただの一度も改正されていません。原文を見ると、今ではあまり使われない旧字体や歴史的仮名遣いがそのまま残っており、まるでタイムカプセルのよう。世界中の憲法学者から「世界最古の現行憲法(改正されていないもの)」として注目されています。ちなみにアメリカ憲法(1788年発効)は世界最古ですが、これまでに27回の修正条項が加えられています。

🔸 1948年生まれは「憲ちゃん」だらけ?

新憲法ブームに沸いた1948年、生まれた赤ちゃんに「憲」の字をつける親が急増しました。「憲一」「憲太郎」「憲子」——新しい時代への期待が、子どもの名前にも込められていたのです。今も活躍する政治家や文化人にこの世代の「憲」さんが多いのも、決して偶然ではありません。新憲法の施行は、命名トレンドにまで影響を与える「国民的お祭り」だったと言えるでしょう。

🔸 偶然? ポーランドと同じ「5月3日」

そして冒頭にも書いた通り、ポーランドの憲法記念日も5月3日。1791年に制定された「5月3日憲法」は、ヨーロッパ初の近代成文憲法でアメリカ憲法に次ぐ古さを誇ります。その後ポーランドは分割や占領で記念日を奪われ続けましたが、1990年に正式に復活。中世の鎧と羽根飾りの衣装をまとったパレードが、今も毎年華やかに行われます。日本もポーランドも、それぞれの歴史の中で「国民との約束」をこの日に重ねている——地球の反対側で、同じ日に同じ思いを胸に祝っているなんて、なんだか胸が熱くなりますね。

🔸 政府主催の式典は、たった一度きり?

意外なことに、戦後すぐの数年を除いて、政府による憲法記念日の式典はほとんど開かれていません。1976年に三木武夫内閣が24年ぶりに記念式典を開催したのが目立つくらい。改憲・護憲をめぐる立場の違いから、政府が前面に出にくいテーマになっているのです。その代わり、毎年この日には全国各地で護憲派・改憲派それぞれの集会や講演会が開かれ、新聞各紙も社説で大きく取り上げます。「お祝い」というより「考える日」として根づいているのが、日本の憲法記念日のユニークなところかもしれません。

ゴールデンウィークの真ん中、お休みを楽しむのはもちろん大切。でもほんの少しだけ、「自分たちの国の約束」について考えてみる——憲法記念日は、そんな静かな贅沢ができる一日なのかもしれません。

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