TEAP超絶テクニック集:
大学受験英語4技能試験 完全攻略ガイド
リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの各セクション別攻略法と、複数回受験戦略で目標スコアを確実に達成する方法
要約&エッセイ攻略
面接対策完全版
高得点テクニック
はじめに:TEAPとはどんな試験か
TEAP(Test of English for Academic Purposes)は、日本英語検定協会と上智大学が共同開発した大学入試向けの英語4技能試験です。リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4技能それぞれを100点満点で評価し、合計400点満点(2技能受験も選択可)となっています。成績にはCEFR(欧州共通参照枠)の指標も併記され、難易度の目安は英検準2級~準1級程度(高校卒業~大学初年度レベル、CEFR A2~B2)です。合格不合格ではなくスコアで評価され、取得後2年間有効なので、大学受験スケジュールに合わせて計画的に受験しましょう。
TEAP最大の特徴は、日本の高校生が大学で必要とするアカデミック英語力を測ることに特化している点です。例えば大学の授業・キャンパスで遭遇する場面やトピック(講義、プレゼン、留学生との会話、レポート執筆など)から問題が出題されます。高度に専門的な知識や難解な語彙は要求されませんが、実践的で幅広い英文に対応できる総合力が求められます。特に日本人が不得意としがちなスピーキング・ライティングを重視し、イギリスのCRELLA研究機関の監修のもと開発されているため、従来型の試験よりも実用英語に近いスキルが測定されるのも特徴です。
スコアリングと活用:TEAPは各技能100点ずつ独立採点されるため、技能ごとの長所短所が可視化されます。大学出願時には複数回受験した中から各技能の最高スコアを組み合わせて提出することも可能で、一度で終わりではなく複数回受験してベストスコアを狙える点は受験戦略上大きなメリットです。ただし有効期限(2年)に注意し、高2から計画的に受験して高3の出願に備えると良いでしょう。大学によってはTEAPスコア提出で英語試験が免除されたり、出願要件として各技能に基準点を設けている場合もあります。全技能バランスよく対策し、目標スコア(例えば合計300点以上や各技能70点以上など)を設定して臨みましょう。
以下、本ガイドではTEAPで高得点を狙うための超絶テクニックを総合戦略からセクション別に詳述します。TOEFLやIELTSとの違いを踏まえた戦略、各セクション(Reading, Listening, Writing, Speaking)の攻略法、そしておすすめの教材・リソースまで網羅しました。実践的な対策でライバルに差をつけ、TEAPを大学合格への強力な武器にしてください。
他の試験との違いと戦略:TEAP vs TOEFL/IELTSのポイント
TEAPは国内大学入試向けに設計されており、TOEFL iBTやIELTSと比べて試験時間が短く(TEAP約3時間弱、TOEFL iBT約3時間、IELTS約2時間45分)、難易度も高校生レベルに合わせられています。一方で出題形式や評価方法に独自の特徴があるため、他試験とは異なる戦略が必要です。以下に主要な違いと対策上のポイントをまとめます。
• 試験目的と内容
TOEFL/IELTSが留学・移住向けで高度な学術英語力を測るのに対し、TEAPは日本の大学受験生が大学で使う実用英語力を測ります。例えばTOEFL/IELTSでは専門的な講義や論文レベルの英文が出ますが、TEAPでは大学の教科書やキャンパス生活での話題が中心です。
戦略: TEAP対策では高校英語+αのアカデミック語彙(シラバス、レジュメ、奨学金など)を重点的に習得し、大学生活に関する英文・会話に慣れることが重要です。
• リーディング出題形式
TEAPリーディングは多彩な設問形式で、語彙・語法問題や図表・Eメール読解、段落穴埋め、長文読解まで含まれます。TOEFL/IELTSでは長文読解中心で文章量も多いですが、TEAPは短文~長文まで混在し問題数も60問と多めです。
戦略: 幅広い形式に対応するため、図表の読み取りやEメール文面の読解といった実用問題に慣れておきましょう。また、TOEFLのような超長文は出ませんが制限時間70分で60問とタイトなので、速読力が問われます(後述のリーディング攻略参照)。
• リスニング再生回数とアクセント
TOEFL/IELTSリスニングは一度しか流れない点はTEAPと共通ですが、TOEFLは北米英語主体、IELTSは様々なアクセントが出ます。TEAPも音源は1回のみ再生で、しかも英米豪など複数アクセントの会話が含まれる場合があります。
戦略: 日頃から色々な英語アクセントに耳を慣らすこと、そして一度で内容を捉える集中力を鍛えましょう。TOEFLと違いメモ用紙は提供されませんが(リスニング中のメモは自己判断でマークシート余白に可)、音源の先読み時間を活用し設問と選択肢に目を通す習慣をつけると効果的です。
• ライティング課題
IELTSは「グラフや図表の説明」と「意見エッセイ」の2課題、TOEFL iBTは「統合型(読聴要約)エッセイ」と「独立型エッセイ」です。TEAPライティングは「要約 (Task A)」+「統合型エッセイ (Task B)」という構成で、与えられた文章・図表の要約能力と自分の意見を含めた英文エッセイ構成力が測られます。文字数指定もTask A約70語、Task B約200語と比較的明確です。
戦略: 要約力が鍵になる点が他試験と異なります。自分の意見を書くTask Bでも、まず資料の内容を的確にまとめることが重視されます(自由英作文要素は最終段落のみ)。したがって、英文要約の練習と図表を含む情報整理に重点を置きましょう。またIELTS/TOEFLと違い字数超過や不足にも厳密ですので、普段から字数内で書き切る訓練が必要です。
• スピーキング形式
TOEFLはPC録音、IELTSは試験官と対面ですが、TEAPスピーキングは面接官1対1の対面試験で約10分間、Part1~4まで明確に区切られています。特にPart2で受験者が面接官に質問する(ロールプレイ)形式はTEAP独自です。IELTSには受験者から質問するパートはなく、TOEFLも独り語り形式なので、ここはTEAPならではの難所と言えます。
戦略: Part2対策として、与えられた設定で適切な質問文をとっさに組み立てる練習を積みましょう。例えば「図書館員にインタビュー」という指示カードなら、「勤務年数は?仕事内容は?」など formalな疑問文を即興で作る練習です。さらに対面面接での第一印象もスコアに影響します。「姿勢・表情」「ハキハキとした声量」「丁寧な挨拶」で面接官に好印象を与えることが大切です(後述スピーキング攻略で詳述)。
• スコア運用と受験戦略
TOEFLやIELTSは一発勝負で各回独立のスコアですが、前述の通りTEAPは複数回受験で技能別最高点を合算提出可能です。また各大学が定める基準も「4技能合計〇点以上かつ各技能〇点以上」といった形で用いられることが多いです。
戦略: 計画的に複数回受験し、苦手技能のスコアを徐々に底上げしていくと良いでしょう。例えば初回でリスニング以外は基準を超えたなら、次回はリスニング対策に集中し高スコアを狙うといった作戦です。4技能のバランスを整えることも重要で、例えばTOEFL満点のバイリンガル帰国子女でも、TEAPスピーキングで高得点を取るには試験形式への慣れと論理的な話し方が必要だと言われています。純粋な英語力だけでなく試験ごとの攻略法が得点を左右する点も心得ておきましょう。
以上のように、TEAPは他のメジャー試験と比べ「日本の大学入試」という目的に最適化されています。その分、出題形式への的確な対策がスコアアップの鍵となります。他試験経験者も「TEAPならでは」のポイントを押さえて準備してください。では次章から、具体的な超絶テクニック集に入ります。
高得点を狙う総合戦略&試験当日の心構え
1
全技能バランス学習
TEAPは4技能すべて基準点を課す大学が多く、一つでも弱点を放置できません。まず自分の得意・不得意を分析し、苦手技能を重点補強しつつ得意技能は確実に得点源にしましょう。例えば「長文読むのは速いがスピーキングが不安」なら、毎日の音読・スピーキング練習時間を多めに確保する、といった計画です。また4技能均等100点配点なので、どれか1技能を捨てて他でカバーはできません。満遍なく対策を進めることが高スコアへの第一歩です。
2
目標スコアと計画
志望校の利用基準を調べ、「総合◯点・各技能◯点以上」を目標に設定しましょう。例えば「総合320点以上・各技能70点以上」など具体的な数値目標があると勉強の指針になります。複数回受験の計画も重要です。前述の通り技能別に最高点を組み合わせ提出できるため、高2のうちに試験慣れを兼ねて1度受験し、弱点把握と試験形式に慣れておくのも有効です。高3では夏までに目標スコアをクリアするつもりで、必要なら7月・9月・11月の3回フル活用しましょう(11月が出願に間に合う最終回の場合が多いです)。
3
模擬演習と時間配分
試験本番と同じ順序・時間で通し演習を必ず経験してください。リーディング70分→リスニング50分(休憩なしで連続)→ライティング70分→スピーキング10分という長丁場をあらかじめ体験しておくと、本番での集中力配分や疲労度が予測できます。各セクションの時間配分戦略も事前に決めましょう。本ガイドの各セクションで詳述しますが、例えばリーディングでは各Partに使う目安時間を決めておく、ライティングではTask Aに◯分・Task Bに◯分と配分する、といった計画が必要です。練習段階でタイマーを使い、常に時間を意識した解き方を習慣づけてください。
4
ケアレスミス対策
マーク式のReading/Listeningではケアレスミス防止も高得点テクニックです。具体的には、マークシート記入を小分けにして(例えばリーディング大問ごとにマークする)、マークずれを防ぐ、設問の指示に合った記入(例えば選択肢記号の書式)を確認する、といった基本動作を徹底しましょう。また設問の見落としを防ぐため、大問の最初に問題数をチェックし飛ばし過ぎていないか確認するクセを。これら地味なテクニックが数点の差を生みます。
5
メンタル・コンディション
「落ち着き」と「自信」を演出することが試験全体の隠れた鍵です。特にスピーキング面接では第一印象が重視されます。「大きな声ではきはきと挨拶」「姿勢を正し笑顔で臨む」ことで、試験官からの好感度が上がり余裕があるように見えます。たとえ内心緊張していても堂々と振る舞うことが大切です。試験当日は早めに会場入りし、英文を音読したりリスニング音源を軽く聞いたりしてウォーミングアップすると良いでしょう。深呼吸をして心拍数を整え、「いつも通りやれば大丈夫」と自己暗示をかけて臨んでください。リーディングやリスニング中に難問に出会っても焦らず一旦飛ばす勇気を持ちましょう。スピーキングで質問が聞き取れなければ、”Pardon me?“と落ち着いて聞き返せば減点はありません。焦らず冷静に全力を出し切るメンタル管理も高得点には不可欠です。
以上の総合戦略を踏まえ、次章からはいよいよセクション別の攻略法を解説します。リーディングからスピーキングまで、それぞれの出題形式・よくある失敗・高得点テクニックを具体的に見ていきましょう。
リーディング攻略:スピードと正確さが命
●試験形式と特徴
リーディングは60問・70分で、内容は多岐にわたります。大問構成はPart1 語彙・語法(20問)、Part2A 図表読解(5問)、Part2B 掲示やEメール読解(5問)、Part2C 短めの文章読解(10問)、Part3A 長文穴埋め(8問)、Part3B 図表付き長文読解(12問)です。大学生活や講義に関するアカデミック語彙や、掲示・メールなど実用文書の理解力も問われるのが特徴です。指示文や設問もすべて英語で書かれるため、日本語訳に頼らない読解力が必要になります。
●高得点テクニック
時間配分と速読力の強化
「リーディングは時間との闘い」と心得ましょう。60問を70分で解くには1問あたり平均1分強ですが、長文はそれ以上かかるため手早く解ける問題から処理する戦略が重要です。例えばPart1の語彙問題20問は一つ数秒~20秒程度で解き、Part2の図表・メール問題も短文なので素早く対処し時間を稼ぎます。その分、時間がかかる長文(Part3)に余裕を回す配分が鍵です。
普段から長文速読の訓練をしましょう。具体的には、英文を頭からそのまま理解する直読直解の練習です。絶対に逐語訳しない!頭の中でいちいち日本語に訳していると時間切れになります。教科書や参考書の英文を使い、英文の語順どおり理解する練習を積みましょう(音声に合わせて音読するトレーニングが効果的です)。読むスピードと同時に内容把握の正確さも維持する必要があるため、精読と速読をバランスよく練習してください。「速く正確に読む力」がリーディング8割超えの鍵になります。
Part別攻略法
《Part1 語彙・語法》
頻出語彙の暗記がものを言います。大学教材に出てくるアカデミック語彙や時事用語を重点的に押さえましょう(例えばdepartment(学部), term(学期) など)。英検準1級レベルの単語まで網羅できると万全です。過去問や公式問題集から知らない単語をピックアップし、自作単語帳で復習するのも効果的です。また文法・語法問題も含まれるので、高校英語文法を一通り見直し、特によく問われる時制・態・接続詞・前置詞の用法を確認しましょう。語彙問題は確実に満点を狙う勢いで臨んでください。
《Part2A 図表読解》
図やグラフ付きの短文問題です。先に図表に素早く目を通し、タイトルやラベルから内容を予測しておくと解答の手がかりになります。例えばグラフのタイトルを読めば話題の概要が掴めるので、音声や文を読む前に頭出ししておくイメージです。図表問題は比較的易しい文章で満点を狙いやすいパートです。取りこぼしがないよう、消去法も駆使して確実に正解を選びましょう。普段から新聞や参考書のグラフ・表を見て英文説明をつける練習をすると、データ読み取りの力がつきます。
《Part2B・2C 掲示/Eメール・短文読解》
掲示板のお知らせ文やEメール、短めのパラグラフ読解です。設問数は少ないものの、ここを素早く正確に解くことが高得点のカギとなります。TOEICの短文読解問題集などを利用して、多様な実用文を数多く読み込んでおきましょう。内容一致問題では選択肢のひっかけに注意し、本文のキーワードと照合して正誤判断してください。日時や固有名詞など細部まで確認を。掲示文ではレイアウト(箇条書きや表現の強調)にも注目すると必要情報を見落としません。
《Part3A 長文穴埋め(論説文)》
論理展開を問う文章完成問題です。英検準1級の長文空所補充問題に類似しており、段落の流れを把握する力が必要です。対策として、段落構成の理解を深めましょう。各段落のトピックセンテンス(主題文)を特定し、サポーティングセンテンス(支援文)がどう繋がっているか分析する訓練が有効です。英文構造を掴むことで空所にふさわしい文の内容が見えてきます。過去問演習時には、なぜその選択肢になるのか論理的に説明できるようにすると実力が上がります。
《Part3B 図表付き長文読解》
分量の多い長文読解の最難関パートです。大学の講義や研究内容に関する文章で、途中に図表が挿入されていることもあります。文章量・難易度ともに高いので、ここで点差がつきます。対策の王道は「場数を踏むこと」です。英検準1級の長文問題集や過去のTEAP長文を繰り返し解き、専門用語が出ても怯まない読解耐性をつけましょう。時間短縮のため、設問先読み→該当箇所精読のメリハリをつける読み方も必要です。文章全体を読む時間がなくとも、設問が指す段落や文を探して集中的に読むスキルを練習してください。また音読やシャドーイングも有効です。難しい文章ほど声に出して読むと理解が進むことがありますし、英語語順での処理能力向上にも繋がります。
英語を英語のまま理解する
前述の通り、逐語訳は厳禁です。英文のまま内容をイメージする訓練を重ねましょう。おすすめは「聞き読み」訓練です。英語音声を流しながら手元のスクリプトを黙読する方法で、音声のスピードに合わせ頭から英文を理解していく練習になります。公式問題集などのリーディング素材を使い、一時停止や巻き戻しをせず音声についていって読むことで、英語を日本語に翻訳せず捉える力が養われます。これに慣れてきたら音声なしでも英語のままスッと頭に入る感覚が掴めるはずです。
見直しとケアレスミス防止
時間に余裕があれば必ず全問見直しましょう。特にマークミス(ずれや二重マーク)は致命的なので、終了3分前にはマーク欄をチェックする習慣を。迷った問題は消去法で選択肢を減らし、最後はマークを埋めておくこと(空欄は絶対に作らない)。また設問の指定に従った解答になっているか再確認してください。例えば図表選択問題で「Choose TWO」とあれば2つマーク、文挿入問題で記号を記入とあれば指示通り記号をマークする等、基本的な確認を怠らないようにします。
●よくある失敗例と回避法
落とし穴1: 「時間が足りない!」
長文に時間をかけすぎて後半の問題が塗り絵…という失敗が多発します。
回避法: 各大問に配分時間の目安を決めましょう(例:Part1=10分、Part2全体=15分、Part3A=15分、Part3B=30分など)。演習段階から時間内に収める練習を繰り返し、本番も腕時計で進捗をチェックしつつ解答します。割り切りも大事で、長文の難問にこだわりすぎず飛ばす勇気も持ちましょう。
落とし穴2: 「全文和訳しようとして間に合わない」
前述のように逐語訳していると時間が溶けます。
回避法: 普段から英語を英語の語順で理解する読みを徹底しましょう。不安なら語順ノートを作り、英文の構造をチャンクごとに区切って和訳せず理解する練習を。どうしても難しい場合、設問が問う部分だけ精訳する意識に切り替え、すべてを訳そうとしないことです。
落とし穴3: 「ケアレスミス・マークミス」
内容は分かっていたのに選択肢番号を書き間違えた、マークを一段ずらした…は避けたい失点です。
回避法: 問題冊子にしっかりメモをとり、確定した答えにはチェックを入れるなどして見直し時に検算しましょう。マークは溜めずに小まめに行い、終了直前に気付いて慌てる事態を防ぎます。見直しでは各大問の最初と最後の番号を読み上げて、全問塗りつぶしているか確認するクセをつけてください。
リーディングは演習量がものをいいます。「早く正確に」読む練習を日々積み重ね、上記テクニックを体に染み込ませましょう。語彙力増強と速読訓練によって、きっとリーディングはTEAPの強みになります。
リスニング攻略:一発勝負の集中力と聞き取りテクニック
●試験形式と特徴
リスニングは約50分間で50問、全セクション音声は一度しか流れません。構成はPart1A 短い会話(学生生活場面)10問、Part1B 短い講義・ニュース10問、Part1C 短い会話+図表5問、Part2A 長い会話(2~3人)9問、Part2B 長い講義(図表含む)16問という内訳です。大学のキャンパスでありがちな対話(教授や留学生との会話)や、ミニ講義・プレゼン、学内アナウンスなどが題材となり、時には図表を参照しながら解答する問題もあります。音源は英語ネイティブのナチュラルスピードで、会話ではイギリス英語やオーストラリア英語のアクセントが混ざることもあります。放送回数は各音源1回きりなので、その場の集中力と聞き取りテクニックが試されます。
●高得点テクニック
先読み命:設問と選択肢を予習
リスニングは「いかに音声が流れる前に準備できるか」が勝負です。音源の指示や問題文読み上げの時間に、設問文と選択肢に目を通しておく習慣を必ず身につけましょう。各Partの音声前に数秒~十数秒の間があります。その間に「誰がどんな話をするのか」「何を問われそうか」を予測します。例えば会話問題なら選択肢から話題や答えの候補をイメージしておきます。図表問題ならグラフのタイトルや項目に目を通して、話の方向性を掴みます。こうした先読みによって、音声が流れ始めた瞬間から内容に集中でき、重要ポイントを聞き逃すリスクを減らせます。
メモと集中力の維持
音声中にメモを取るかは人それぞれですが、要点を書き留めておくと記憶違いや選択肢の混同を防げます。特にPart2の長い会話・講義ではメモ推奨です。発言者ごとの主張、日時・数値などを書き留め、後から照合しましょう。ただしメモに気を取られすぎて内容を逃すことがないよう注意が必要です。訓練としてディクテーション(書き取り)練習をすると、短時間で要点を掴む筆記スキルが磨かれます。
また50分間聞き続ける集中力を養うことも大切です。最初のうちは15分程度の音源でも注意力が切れることがありますが、過去問や模試音源を通しで聞く練習を重ね、長時間でも集中を保てる耳を作りましょう。「演習段階で集中力が途切れなくなれば本番も怖くない」という状態が理想です。
Part別攻略法
《Part1A・B:短い会話&短文》
1~2ターンの短い対話や、数文程度のアナウンス/スピーチを聞き取る問題です。内容は学生生活に関する簡単なやりとり(授業日程、課題、留学生との会話等)や、大学関連の短いニュースなど。ポイントは「一度しか読まれない」ことを常に意識し、選択肢を先読み&メモして臨むこと。特に会話では男女の発言を追い、質問文(設問)が最後に読み上げられる形式なので、何を問われそうか予想しながら聞くと効果的です。
演習法: 過去問音源でディクテーションを行い、聞き取れなかった箇所を洗い出しておきます。頻出表現(大学の日常表現や口語表現)もチェックして暗記しましょう。
《Part1C:短い会話+図表》
図表(グラフや表)に関する会話を聞き、その情報と図を照らし合わせて答える問題です。文章自体は全パート中もっとも易しく、高得点者はここを確実に満点にします。
コツ: 音声前に図表のタイトル・項目を確認し、何についての図か推測します。「○○の統計」といったタイトルなら、その増減や比較が問われるはずなので、値の大小や差異に注目しながら聞くと良いでしょう。また消去法との相性が良いパートでもあります。図から明らかに誤っている選択肢は排除し、残った候補を会話内容と照合して答えましょう。
《Part2A:長い会話(複数話者)》
学生と教授、または複数の学生同士などによる少し長めの対話を聞いて3問程度答える形式です。会話者が2人とは限らず、3人のこともあります。内容は学生生活の具体的な場面(履修相談、留学相談、キャンパスイベントの計画など)で、専門的な単語は少ないですが情報量が多いです。
コツ: 「誰が何を言っているか」を追うことが最重要。登場人物ごとに話の役割をメモし、意見や提案の流れを把握しましょう。加えて、話者によってアクセントが違う場合があります。日頃からBBCやオーストラリア英語の音源も聞き、様々な発音に慣れておくことが得点アップにつながります。
《Part2B:長い講義・プレゼン》
リスニング最難関のパートです。大学の講義やプレゼンテーションに近い形式で、一つの音源に対し3~4問が課されます。話者は基本1人(モノローグ)で、トピックは科学・社会・歴史など多岐にわたり、図表を参照する問題もあります。
コツ: 「とにかくこの速さに慣れる」ことが攻略の鍵です。公式問題集の音源を内容を覚えるほど繰り返し聞くくらいでちょうど良い鍛錬になります。またシャドーイング(音声にかぶせて復唱)やオーバーラッピング(スクリプトを見ながら音声と同時読み)を繰り返し、速い独白にもついていけるリスニング筋力を付けましょう。
聞き取り力向上のトレーニング
リスニング力を伸ばすには多角的な練習が有効です。「聞き読み」(音声を流しながらスクリプト黙読)や「オーバーラッピング」(音声に合わせ音読)を段階的に行い、最終的には英語を英語のまま理解できるまで訓練しましょう。Part1など短めの音源から始め、慣れたらPart2の長文にチャレンジする形で徐々にレベルアップします。
また、シャドーイングは発音・イントネーションに慣れるのに効果抜群です。毎日5分でも続けると、いつの間にかナチュラルスピードの英語がクリアに耳に入るようになります。さらに「英語のまま理解」を目指して、聞こえた内容を頭の中で日本語に翻訳せず情景や意味イメージで捉える意識を持ちましょう。
多様なアクセントへの対応
TEAPでは複数の英語アクセントに触れる可能性があります。試験直前までにアメリカ英語だけでなくイギリス英語・オーストラリア英語の発音にも耳を慣らしておくと安心です。BBCニュースやオーストラリアのニュース番組のポッドキャストなどがおすすめです。複数の話者が登場するPart2Aでは特に、性別や出身による発音の違いに注意し「誰が喋っているか」を正確に把握しましょう。
●よくある失敗例と回避法
落とし穴1: 「内容は聞こえたのに設問で混乱」
音声内容を理解したつもりでも、設問を読み違えて不正解…というケース。
回避法: 先読み時に設問のポイントをマークし、「何を問う問題か」をはっきり意識して聞くようにします。例えば「男性が次に何をするか?」という設問なら、男性話者の発言を特に注意して聞く、といった具合です。また選択肢先読みでキーワードに下線を引き、音声中でそれに相当する言い換え表現が出たらチェックする習慣をつけましょう。
落とし穴2: 「一度聞き逃したらパニック」
先の内容が気になり集中が途切れる悪循環です。
回避法: 「今聞こえた部分」だけを追う意識を持ち、聞き逃しは潔く諦めましょう。聞き逃した単語に固執すると次の文も逃します。万一重要箇所を逃しても、選択肢を見れば推測できることも多いです。焦って先読みを怠ると更に聞き取れなくなるので、「次に集中!」と気持ちを切り替え、残りの内容把握に全力を注ぎましょう。
落とし穴3: 「集中力が続かず後半ボーッとする」
普段英語を50分聞き通す経験がないと起こりがちです。
回避法: 前述のとおり、模試音源での通し練習を積んでスタミナをつけます。リスニング中は姿勢を正し、緊張感を保つことも大事です。部屋の雑音対策(エアコンの音など)も心掛け、普段から静かな環境で集中する訓練を。もし本番中に一瞬意識が飛んでも、深呼吸してすぐに立て直し、次の問題に影響を最小限に留めましょう。
TEAPリスニングは「一発勝負の緊張感」がありますが、しっかり対策すれば8割超えも十分可能です。ご紹介した黄金ルールと学習法を参考に、日々コツコツ耳を鍛えてください。繰り返しの練習が自信につながり、本番でも落ち着いて聞き取れる力となるでしょう。
ライティング攻略:要約+論理的エッセイで満点を狙え!
●試験形式と特徴
ライティングは70分で2問です。Task A(要約問題): 与えられた説明文や評論文(約250~300語)を70語程度で要約します。Task B(エッセイ問題): 2つの図表と2つの文章から情報を読み取り、それらを引用しつつ自分の意見を加えたエッセイ(200語程度)を書く課題です。要約力+英文エッセイ構成力の両方が試され、特にTask B後半では自分の意見を述べる自由英作文要素も含まれます。
評価ポイントは主に(1)内容の的確さ(要点をきちんと網羅しているか)、(2)構成の論理性(パラグラフ構成・つなぎ表現等)、(3)言語の正確さ(文法・語法ミスの少なさ、語彙の豊かさ)です。字数制限が明示されており、Task A約70語・Task B約200語の目安から大きく逸れると減点の可能性があります。また、試験官による人の目での採点ですので、内容・構成・文法・語彙を総合的にチェックされます。
●高得点テクニック
時間配分の計画
70分で2つの英文を書くため、時間の使い方が極めて重要です。理想的にはTask Aに約20分、Task Bに約50分を充てるつもりで進めましょう。要約は分量が少ないため20分程度で書き切り、残りの50分弱をエッセイに投入するイメージです。
もちろん個人の得手不得手で調整可能です。要約が苦手な人は少し多めに時間を割き、エッセイを急ぐ、逆に作文に自信がある人はTask Aを手早く終わらせTask Bに十分時間を確保する、といった柔軟な配分も一つの戦略です。いずれにせよ事前に練習で時間配分をシミュレーションしておき、本番で計画倒れにならないようにしましょう。
Task A 要約の攻略
「要約は自分の意見を書かない」が鉄則です。与えられた文章の主張・要点を漏れなく簡潔にまとめることに徹しましょう。高得点の要約を書くポイントは次の通りです。
要点抽出
まず原文を読み、主張・結論となる文(トピックセンテンス)とそれを支える主要なポイントを下線部チェックします。パラグラフごとに「この段落のテーマは何か?」を考え、重要な情報を拾い上げます。具体例や余談は省いてOKですが、筆者の主張に関わる点は見逃さないように。メモ用紙や問題冊子に箇条書きで要点を書き出すと整理しやすいです。
言い換えと表現
原文の表現をそのままコピペしないよう注意しましょう。高得点を狙うなら、語彙や文構造を自分の言葉で置き換えてまとめることが求められます。例えば”increase significantly”という表現があれば、”grow rapidly”のように別の言い方に変えてみます。文型を変えるテクニックも有効です。原文の複数文を一つにまとめる際、第3文型(SVO)2文を第4文型(SVOO)の1文にするなど構造を変えて情報を圧縮する練習をしておくと、語数削減に役立ちます。
ディスコースマーカーの活用
短い要約文でも論理のつながりを明示することが大切です。接続詞や論理展開語句(ディスコースマーカー)を適切に使い、文と文の関係をわかりやすく示しましょう。例えば「例示」には for example, such as、「対比」には however, on the other hand、「因果」には because, as a result といった表現を使うと、短い文章にメリハリと一貫性が生まれます。
要約チェック
書き終えたら原文と付き合わせて漏れや不要な部分がないか確認しましょう。特に主張部分がきちんと反映されているか、細部に偏りすぎて肝心の論点が抜けていないかを見直します。語数も必ず確認し、指定の±10語程度に収まっているよう調整してください。要約は短い分ちょっとした減点が響くので、丁寧に仕上げましょう。
Task B エッセイの攻略
Task Bは与えられた複数資料の統合+自分の意見という複合タスクです。難易度はCEFRでB1以上(中級)に設定されており、Task Aよりレベルが高いことに注意しましょう。高得点エッセイ作成のポイントは以下の通りです。
資料読解とメモ
まず2つの図表と2つの短い文章(例えば調査結果グラフ×2、コメント文×2など)を素早く読み、そこから読み取れる情報を整理します。エッセイで書く主張の土台になるので、資料の数字やキーワードをメモしましょう。例えば「図表1:若者のSNS利用率→増加傾向」「文章B:専門家のコメント→SNSは学習に有益」といった具合に、エッセイ内で引用すべきポイントを押さえます。
自分の立場と構成決め
資料から得られた情報を踏まえ、自分の意見を「賛成 or 反対」など立場を明確に決めます(設問で質問形式になっている場合もあります)。エッセイ構成は「序論→本論→結論」が基本です。
具体的には序論で問いに対する自分の立場(主張)を述べ、本論で資料から読み取れる事実や理由をいくつか提示しつつ自分の意見を展開し、結論で自分の主張をまとめて再提示する流れが望ましいです。先に構成メモを作り、書く内容の骨子(例:序論=自分の立場、理由1=○○、理由2=△△、結論=もう一度主張)を30秒ほどで考えてから書き始めましょう。
論旨展開と根拠
「主張→理由→具体例→結論」の型を意識すると書きやすく、読み手にも伝わりやすいです。例えば「私は○○に賛成だ(主張)。なぜなら△△だからだ(理由)。例えばデータXは△△を示している(資料から具体例)。以上の理由により○○すべきだと考える(結論)。」という流れです。
時間が許せば理由は2つ挙げると説得力が増すでしょう(例えば経済的理由と社会的理由の2点など)。資料中のデータも適宜引用し、自分の意見の裏付けに使います。「Graph1によれば~」「文章Bが指摘するように~」といった形で根拠づけすると論理性が評価されます。
重要: 自分の意見ばかり書いて資料に言及しないのはNGです。資料を最低でも1つ2つ取り上げ、それに対する自分の考えを述べる形にしましょう。
明快で簡潔な英語
長文を書こうとするとつい日本語的に冗長になりがちです。シンプルで明快な英文を心がけましょう。主語と動詞がはっきりした文で、自信のある表現を使うことです。無理に難しい単語を使って誤用するより、易しくても正確な語句で書く方が得点につながります。
また接続詞・論理語句はスピーキング同様に活用を。First, Second, Furthermore, However, Therefore といった表現で段落間・文間のつながりを示すと論旨が伝わりやすくなります。一方で、日本語的な冗長表現(It is thought that…の濫用など)は避け、能動態で端的に述べるクセをつけましょう。
推敲と見直し
エッセイを書き終えたら、時間を3~5分残して必ず見直しに充てます。文法ミス(単数複数、時制、冠詞など)はないか、語数は概ね規定内か、主張は明確か等をチェックしましょう。特に単語のスペルミスや冠詞抜けなどは減点されやすいので、初歩的な間違いを残さないよう注意深く推敲してください。
ライティング力向上の学習法
日々のトレーニングとして、英語で要約・意見文を書くことを習慣化しましょう。新聞記事を読んで英語70語でサマリーを書く、英検準1級や共通テストの英作文問題に挑戦する、などです。書いた英文は必ず第三者に添削してもらいましょう(学校の先生や塾講師、英語が得意な友人でもOK)。
自分では気づかない文法ミスの指摘を受け、次回は同じ間違いをしないよう復習することが上達への道です。また、お手本となる模範解答を音読・暗唱するのも効果的です。「この日本語なら英語でこう表現するのか」とパターンが身につき、実際に書く際に引き出しが増えます。
●よくある失敗例と回避法
落とし穴1: 「Task Aで書きすぎて時間がなくなった」
要約に凝りすぎて50分使ってしまい、Task Bが殴り書き…という事態。
回避法: 時間管理を徹底しましょう。20分経ったらたとえ要約が完璧でなくても一区切りつけ、Task Bに移る勇気が必要です。また要約力に不安がある人ほど普段の練習で短時間要約の練習を繰り返し、スピードアップを図りましょう。Task Aは満点でなくともある程度書けていれば部分点は期待できますが、Task B白紙は致命的です。
落とし穴2: 「要約に自分の考えを書いてしまった」
Task Aに自分の意見や感想を書いた場合、大きな減点になります。
回避法: 要約は客観的事実のみを書くルールを忘れないこと。原文にない情報(例:「これは重要だと思う」など自分視点の文)は一切入れないよう注意しましょう。練習の段階から、自分の書いた要約文をチェックし「これは原文から離れた内容では?」と確認する癖をつけてください。
落とし穴3: 「字数オーバー/不足」
規定語数とかけ離れた場合も印象が悪く減点の可能性があります。
回避法: 練習時から語数管理を意識しましょう。最初は語数を数えながら書き、徐々に感覚を掴むと良いです。目安として70語要約は英文5~6文程度、200語エッセイは15~20文程度でしょうか。本番は語数を明記する必要はありませんが、自分でだいたい何語か把握できるスキルを養いましょう。
TEAPライティングは「要約力」と「英語エッセイの型」を掴めば得点源にできます。効率よく対策を進めれば成果が出やすい分野でもあります。ここまで述べたポイントを参考に、自分なりのテンプレートや手順を確立してください。コツコツ練習+適切な参考書の活用で、ライティングをTEAPの高得点科目にしていきましょう。
スピーキング攻略:4パート面接を制し高得点をゲット!
●試験形式と特徴
スピーキングは試験官との1対1面接で、約10分間に4つのパートをこなします。順番に、Part1: 受験者自身に関する質問(複数)、Part2: ロールプレイ(受験者が試験官に質問)、Part3: 指定テーマでスピーチ(1分間)、Part4: 話題に関する質疑応答という構成です。
Part1では趣味や学校生活、将来の希望など身近な話題を聞かれます。Part2ではトピックカードに書かれた設定に沿い、受験者が面接官に英語で質問を投げかける一風変わった形式です。Part3はトピックカードのお題について30秒準備+1分スピーチを行い、Part4では社会性のあるテーマについて試験官から数問質問され、それに即答していきます。
TEAPスピーキングは英検面接とIELTS面接のハイブリッドのような構成で、日常的な内容から抽象的な議題まで幅広く意見を述べる力が求められます。評価は(1)内容の充実度(質問に的確に答えているか、自分の意見を論理立てて話せているか)、(2)発話の流暢さと量、(3)発音や文法の正確さ等が総合的に判定されます。
●高得点テクニック
全体戦略:試験官に好印象を与える
まずスピーキング全体を通じて意識したいのは、「自信と落ち着きを持ってコミュニケーションする」ことです。試験官も人間ですので、第一印象の良さや態度の落ち着きは評価にプラスに働きます。
入室時には笑顔で “Hello, nice to meet you.” と挨拶し、自分から雰囲気を和らげましょう。姿勢良く座り、相手の目を見る(アイコンタクト)ことも大切です。話す声ははきはきと大きめに、ジェスチャーも適度に交えてOKです。緊張していても焦って早口になると聞き取ってもらえないので、普段より意識してゆっくりめに話すくらいが丁度良いです。
また聞き取れなかった場合は慌てず “Could you repeat the question, please?” と丁寧に聞き返しましょう。落ち着いて丁寧な態度はそれだけで高評価につながる可能性があります。最後に退室前には “Thank you for your time.” とお礼を忘れずに。
Part別攻略法
Part1(ウォームアップ)対策
「自分自身について語る」最初のパートです。典型的な質問例は「休日に何をしますか?」「今年旅行に行きましたか?」「将来の夢は?」などです。ここは緊張をほぐす狙いもあるので、難しい内容は聞かれません。高得点狙いとしては、このPart1で確実にスムーズに答え、好スタートを切ることが大切です。
想定問答を準備: 事前によくある質問への回答例を用意して練習しておきましょう。例えば「趣味は?」「家族構成は?」など頻出トピックについて、自分ならこう答えるという英文をあらかじめ作り、暗唱できるくらい練習します。
瞬発力と量: Part1では約2分で3~4問とテンポ良く質問されます。考え込まず即答することがポイントです。長考して沈黙すると減点対象になる可能性があるため、完璧な答えでなくてもすぐ答え始めるよう心掛けましょう。
Part2(ロールプレイ)対策
「受験者が質問する側」というユニークなパートです。トピックカードにシチュエーションと質問事項の指示が書かれており(例:「あなたは◯◯に関するインタビューをします。○○について質問しなさい」など)、それに沿って面接官に英語で質問を投げかける役を演じます。
素早く状況把握: カードを渡されたら即座に与えられた役割と質問内容を理解しましょう。どんな相手に何を聞くのか、一瞬戸惑う場合もありますが焦らずキーワードに下線を引きます。
疑問文の正確さ: ここでは正しい疑問文を作れるかが重要です。普段から疑問文の型(Do you~?, What is~?, Could you~? 等)を素早く引き出せるよう訓練しましょう。
楽しむ余裕: ぜひ緊張しすぎず、会話をリードする感覚を楽しんでください。自分が面接官になったつもりで積極的に質問し、相手の回答に対して時折相槌を打つ(I see. That’s interesting. など)と自然な雰囲気になります。
Part3(1分スピーチ)対策
「与えられたテーマで1分間話す」パートです。トピックカードに具体的なお題(例:「子どもの頃からインターネットを使うことについてどう思うか」など)が書かれており、30秒で準備した後、試験官の合図で1分間ノンストップでスピーチします。
1分間話し続ける訓練: 「とにかく1分間、何かを話し続ける」練習を積みましょう。最初は難しく感じても、独り言でも構わないのでタイマーを1分にセットし、好きなテーマで話す訓練を繰り返します。
スピーチの構成: 短時間準備とはいえ、簡単なアウトラインを作ると格段に話しやすくなります。基本は「自分の立場(賛成/反対など)→理由→結論」の流れです。
接続詞と論理展開: 短いスピーチでも接続詞を活用して論理的につなぎましょう。”For example,…“”In addition,…“”However,…“といった表現を使うと、話にメリハリが出て伝わりやすくなります。
Part4(質疑応答)対策
「様々な話題について試験官から質問される」最後のパートです。内容はPart3のテーマに関連した社会的トピックが多く、質問に対し賛成or反対の立場を述べ、理由を簡潔に答える形式です。
結論から簡潔に答える: Part4では問われた一つ一つに対し1分程度で回答するイメージです。ここでも最初に自分の立場(Yes/No, 賛成/反対など)を明言し、続けて理由や根拠を1~2文付け足す形が望ましいです。
話を広げる工夫: できれば一問一答で終わらず、自分から話題を膨らませる姿勢を見せましょう。とはいえ長々と話す必要はなく、質問ごとに1~3文程度でOKです。
即答力の養成: Part4は準備時間ゼロの即興力勝負です。日頃から、ニュースで見た社会問題について自分の意見を英語で”一問一答”する練習をしましょう。
発音・流暢さについて
発音も評価項目ではありますが、強い日本語アクセントでも気にしすぎないことです。伝わる発音であれば減点されにくく、内容や構成の方が重視されます。ただし、聞き返されるほどの発音ミス(riceとliceを混同する等)は不利になるので、自信がなければ発音矯正アプリなどで練習しましょう。例えばELSA SpeakというAIアプリは自分の発音のネイティブ度を測定し、改善点を指摘してくれます。
また、流暢さ(言葉に詰まらずスムーズに話せるか)も評価されます。意味のない “er…”, “umm…” を連発するより、多少ゆっくりでも良いのではっきりと切れ目なく話すことを意識しましょう。
●よくある失敗例と回避法
落とし穴1: 「緊張で頭が真っ白」
特にスピーキングは緊張から実力を出せないケースが見られます。
回避法: 模擬面接をできる限り経験しましょう。学校の先生にお願いしたり、英会話スクールの面接対策を利用したり、友達同士で面接官役を交代して練習したりします。場数を踏むほど本番も平常心で挑めます。また、本番では開始前の深呼吸と笑顔の挨拶で緊張を和らげてください。
落とし穴2: 「質問を聞き逃した/意味を取り違えた」
特にPart4で起こりがちです。
回避法: 聞き取れなかったら素直に聞き返しましょう。”Pardon?” や “Could you please repeat that question?” とお願いすれば、減点されることはありません。変にハイレベルな単語を使った質問で意味がわからない場合も、一度聞き返すのは手です。それでもわからなければ、自分の解釈で答えてしまいましょう。沈黙するより何か言う方がマシです。
落とし穴3: 「言いたいことが英語で出てこない」
頭では意見があっても適切な英語表現が出ず沈黙…は惜しい失点です。
回避法: 日頃の独り言練習と語彙蓄積がものを言います。普段から英作文・英語スピーチで自分の言いたいことを表現する練習をしておきましょう。また、難しい表現に固執しないことも大切です。無理に専門用語をひねり出そうとして沈黙するより、平易な語でさらっと自分の意見を述べる方が印象は良いです。
スピーキングはどうしても構えてしまいがちですが、慣れと準備で大きく伸びるセクションです。本番同様の練習(録音して自己チェック、4技能通し演習)を経験しておくと自信になります。また、NHKラジオ英会話やBBCニュースのシャドーイングでアカデミックな表現や口慣しをするのもおすすめです。さらに、海外ドラマ(学園もの)を観て日常会話表現を学ぶと即席で使えるフレーズが増えます。最後はやはり「場慣れ」がものを言いますから、模擬面接や自主練習を重ね、どんな質問にもひるまないメンタルと瞬発力を養ってください。丁寧で落ち着いた態度と、論理的で豊富な内容を両立できれば、TEAPスピーキング満点も夢ではありません。自信を持ってチャレンジしましょう!
おすすめ参考書・オンラインリソース集
最後に、TEAP対策に役立つ厳選教材とリソースをご紹介します。4技能総合対策の問題集から、技能別強化に特化した参考書、さらには便利なアプリやサイトまで、高得点取得を後押しするツールを活用しましょう。
『TEAP実践問題集』(旺文社)
TEAP公式形式に準拠したスタンダード問題集。 4技能すべての対策問題と解答用紙が収録されており、本番形式で総合演習できます。音源は旺文社の無料アプリ「英語の友」に対応しており、スマホで手軽にリスニング音声を再生可能です。初めてTEAPを受ける人はまず本書で全体像を掴むのがおすすめです。マークシート式解答用紙付きなのでリーディング・リスニングのマーク練習にもなります。
『TEAP攻略問題集』(教学社)
過去問形式の模試2回分+詳細解説の問題集。 解説冊子に各問題のポイントや勉強法が丁寧にまとめられており、初学者にも親切なのが特徴です。実践問題で腕試ししつつ、解説で解き方のコツを吸収できます。関正生先生らが執筆に関わっており、効率的な攻略法が満載です。
『TEAP全パート徹底トレーニング』(三修社)
2回分の模試と充実したコラムを収録した総合対策書。 分厚い一冊で、各パートの解き方から学習コラムまで読み物的にも活用できます。問題演習を通じて実践力を養いながら、コラムでTEAPに頻出のトピック知識や効果的勉強法をインプットできるのが魅力です。
『TEAP技能別問題集 リーディング/リスニング』(旺文社)
リーディングとリスニングに特化した対策問題集。 分野別に問題がまとめられており、苦手技能を重点的にトレーニングできます。リスニング問題を数多くこなしたい人や、長文読解を集中的に練習したい人に最適です。こちらも「英語の友」対応で音声学習が便利です。解説には重要語彙の一覧や大学生活シーンのコラムもあり、背景知識の習得にも役立ちます。
『TEAP技能別問題集 ライティング/スピーキング』(旺文社)
ライティングとスピーキング対策に特化した問題集。 本番と同じ形式の良質な問題が豊富に掲載されており、練習量を積むには最適の一冊です。添削用の模範解答やワンポイントアドバイス、受験者コラムなども充実しており、独学で4技能対策しにくい部分を補える内容となっています。ライティングに絞って学習したい人や、スピーキングの予想質問をたくさん練習したい人に特におすすめです。
英検準1級・2級の参考書(語彙・長文など)
TEAPの難易度は英検準2~準1級相当です。そのため英検準1級レベルの単語集や長文問題はTEAP対策にも直結します。例えば語彙対策には『英検準1級 でる順パス単』で準1級単語をカバーし、長文対策には『英検準1級 過去6回全問題集』のReadingパートで読解練習するといった活用法があります。スピーキングも英検2級・準1級の面接問題集(音読→QAの流れ)で練習するとTEAP面接と共通点が多く効果的です。英検対策書は入手しやすく量も豊富なので、TEAP専用教材が少ない部分を補うのに活用しましょう。
TOEIC・共通テストの教材(短文読解・リスニング)
TEAPのReading Part2B/C(掲示・メール文)対策には、TOEIC Part7のシングルパッセージ(メールや広告文)が形式・難易度とも近いです。TOEICの問題集から該当タイプの文章を選び、時間を計って解く練習がおすすめです。また、Listeningで様々な日常会話に慣れるには、共通テスト英語リスニングの音源も使えます。共通テストも一度しか流れませんし、学園祭の案内や留学生との会話など大学関連のシチュエーションが出題されます。難易度はTEAPより易しめですが、ウォーミングアップには有用です。他試験の良問を代用することで演習量を補いましょう。
NHK語学講座・英字新聞
NHKラジオ講座『ラジオ英会話』は基礎~実用表現まで学べ、スピーキング力強化に向いています。特に「意見を述べる表現」や「会話のリアクション」などが身につきます。さらに英字新聞を読む習慣も付けましょう。The Japan TimesやBBCニュースサイトの短めの記事で構いません。新聞は議論の宝庫であり、文章構成や論点の展開の仕方が学べます。普段から英字新聞の論調に触れておけば、スピーキングでの意見構成やライティングでの論述に応用できます。
スピーキング練習アプリ・オンライン英会話
ELSA Speak(エルサ・スピーク)は先述の通り発音矯正に優れたアプリで、AIが発音の弱点を教えてくれます。隙間時間に楽しく発音練習したい人に◎。また、オンライン英会話で面接練習をするのも手です。Camblyなどでは英語試験対策のプランがあり、講師にTEAPのスピーキングパートを想定して練習相手になってもらうこともできます(事前に頼めば質問リストを用意してもらえたりします)。実際に第三者と英語で話す経験を積むことで、本番への抵抗感が減ります。英語を話す環境が身近にない場合、積極的にオンラインサービスを活用しましょう。
以上の教材・リソースを駆使しつつ、ぜひ自分に合った学習計画を進めてください。参考書で問題演習を積み、アプリやニュースでスキルを磨けば鬼に金棒です。
💡 まとめ:効果的なTEAP対策のポイント
- ★ライティングまとめ: Task A=70語要約、Task B=200語論述。コツ1: 接続詞で論理展開、コツ2: 語句と言い換え、コツ3: 簡潔に主張をまとめる。
- ★スピーキングまとめ: Part1=事前準備と即答練習、Part2=30秒で質問準備、Part3=1分スピーチ練習と構成工夫、Part4=一問一答を広げる練習。
参考書とテクニックを味方につけ、TEAP本番では自信を持って取り組みましょう。継続的な努力と正しい対策によって、必ずや目標スコアに到達できるはずです。健闘を祈ります!
🎯 最後のメッセージ
TEAPは日本の大学入試に特化した試験です。TOEFL/IELTSとは異なる独自の形式への対策が合否を分けます。
本ガイドで紹介したセクション別攻略法と複数回受験戦略を活用し、着実にスコアアップを目指してください。
4技能をバランスよく鍛え、大学合格への扉を開きましょう!