「1日何個」に正解がない理由
英単語の1日のノルマは、人によって大きく変わります。
- 試験までの残り日数
- 覚えたい単語の総数
- 1日に使える時間
- すでに知っている単語の割合
たとえば、試験まで1年ある人と1か月しかない人では、同じ単語帳でも1日の量はまったく違います。また、同じ「1日50個」でも、半分以上がすでに知っている単語ならすぐ終わりますが、全部初めての単語なら大変です。
だから、「○個が正解」と決めるのではなく、自分の条件から逆算して決めるのがいちばん確実です。
もう1つ大切なのが、「覚える」の意味をはっきりさせることです。この記事では、1日のノルマを「新しく目を通す単語の数」と考えます。1回見ただけで完全に覚えられる人はいないので、新しく見た単語を、その後の復習で何度も思い出して定着させていく、という前提で計画を立てます。
逆算の3ステップ
ステップ1:覚えたい総数を決める
使う単語帳の見出し語数を確認します。そこから、すでに知っている単語を引きます。最初の100語をざっとテストして、知っていた割合で全体を見積もると簡単です。
例:単語帳1,800語、最初の100語のうち30語を知っていた → 1,800 × 0.7 ≒ 1,260語 が新しく覚える単語。
ステップ2:使える日数を決める
試験日までの日数から、復習だけにあてる最後の期間と、予備日を引きます。
例:試験まで120日 → 最後の20日は総復習、週1日は予備日 → 実際に新しい単語を見る日は約 85日。
ステップ3:割り算して「1周目の新規数」を出す
1,260 ÷ 85 ≒ 15 → 1日の新規は 約15語。
ただし、これは「1周するだけ」の数字です。単語は1回見ただけでは定着しないので、実際には1周目を早めに終わらせ、2周目・3周目の時間を作るほうが安全です。上の例なら、1周目を1日30語・約40日で終え、残りの期間で周回を重ねる計画もおすすめです。
ポイント:逆算した数は「最低ライン」。そこに余裕を持たせて、周回の時間を確保しましょう。
新規と復習のバランス
1日の単語学習は「新しい単語」と「復習」の2つでできています。新規を増やすほど、あとで復習すべき単語も増えていきます。
目安の考え方
新しい単語1つにつき、その後に数回の復習が必要になります。そのため、学習を続けるほど1日の時間の多くが復習になるのが自然です。
- 始めたばかりの週:新規が多め、復習は少なめ
- 2〜3週目以降:復習の割合がどんどん増える
- 復習が1日の時間の半分を超えてきたら:新規を少し減らすサイン
1日20分の配分例
- 5分:前日に見た単語を、意味を隠してテスト
- 5分:数日前・1週間前の単語をテスト
- 10分:新しい単語を見る
復習を先にするのがコツです。新規を先にすると、時間切れで復習が抜けやすくなります。
忙しい日の最低ライン
部活や仕事で時間がない日は、新規はゼロでかまいません。前日の単語のテストだけやりましょう。5分でも「思い出す」ことを途切れさせないのが大切です。
試験別の計算例
あくまで考え方の例です。自分の単語帳と日数に当てはめて計算してください。
例1:英検2級まで3か月の高校生
- 級別単語帳のうち、新しく覚える単語が約1,000語
- 新規を見る日:約70日
- 1周目:1日約30語で約35日 → 残りで2〜4周目
例2:大学受験まで1年の高2生
- 受験用単語帳のうち、新しく覚える単語が約1,500語
- 平日は1日30語、週末は復習だけ
- 約10週で1周 → 1年でも余裕を持って周回できる
- 残りの期間は、過去問で出会った単語の追加と多義語の確認に使う
例3:TOEICで600点→730点を目指す社会人
- 目標スコア帯の単語約800語
- 平日の通勤時間に1日20語、週末に復習
- 約8週で1周 → 次の試験までに2〜3周
ポイント:社会人や部活生は「平日は少なめ・週末に復習」のように、曜日ごとに量を変えると続けやすくなります。
「1日の時間」から考える方法もある
日数ではなく、1日に使える時間から考える方法もあります。まず5分間で新しい単語を何語見られるかを計ってみましょう。たとえば5分で15語見られるなら、新規に10分使える日は約30語が目安になります。そこに復習の時間を足して、1日の合計が生活に収まるかどうかを確認します。
日数から出した数と、時間から出した数のうち、少ないほうを採用すると無理のない計画になります。足りない分は、総復習期間を少し短くしたり、通学・通勤のスキマ時間を足したりして調整しましょう。
よくある失敗
失敗1:最初の3日で飛ばしすぎる
やる気のある最初の数日に1日100語を詰め込むと、4日目以降に復習がたまって、結局ペースが落ちます。最初の1週間は逆算した数の通りに進め、慣れてから増やしましょう。
失敗2:新規だけ数えて達成感を得る
「今日も50語進んだ」と新規の数だけを記録していると、復習が抜けていても気づきません。記録するなら「前日の単語を何語言えたか」も書きましょう。
失敗3:遅れを1日で取り戻そうとする
2日サボったから今日は3日分、とすると負担が大きく、また続かなくなります。遅れたら予備日で調整するか、計画全体を少し後ろにずらしましょう。そのための予備日です。
失敗4:計画を一度も見直さない
2週間やってみて、ペースがきつい・余裕がある、どちらでも計画を修正してかまいません。計画は守るためではなく、進み具合を確かめるための道具です。
1週間の計画表を作ろう
今日、次の手順で1週間の計画表を作ってみましょう。
- 単語帳の見出し語数を書く
- 最初の100語をテストして、知っている割合を出す
- 試験日までの日数から、総復習期間と予備日を引く
- 「新しく覚える語数 ÷ 日数」で1日の新規を出し、少し多めに調整する
- 曜日ごとの表を作る
表の例(新規30語の人)
- 月:新規30語(1〜30番)+前日分なし
- 火:前日30語テスト+新規30語(31〜60番)
- 水:前日テスト+新規30語
- 木:前日テスト+新規30語
- 金:前日テスト+新規30語
- 土:今週150語のうち間違えた単語だけテスト
- 日:予備日(遅れの調整、または休み)
毎晩、表に「言えた数」を書き込むだけで、自分の成長が目に見えるようになります。
まとめ:ノルマは自分で決める
英単語の1日のノルマは、人と比べるものではありません。
- 総数と日数から逆算する
- 1周目は早めに終わらせ、周回の時間を作る
- 復習を先に、新規はあと
- 忙しい日は「前日のテストだけ」で途切れさせない
計画どおりにいかない日があっても大丈夫です。大切なのは、ゼロの日を作らないこと。5分の復習だけでも、記憶の糸はつながり続けます。
さっそく今日、単語帳の最初の100語をテストして、自分の「1日の数」を計算してみてください。数字が決まると、毎日の単語学習がぐっと迷わなくなります。



