コロケーションとは何か
コロケーション(collocation)とは、ある単語と一緒によく使われる単語の組み合わせのことです。日本語でも「雨が降る」「風が吹く」「傘をさす」と言い、「雨が落ちる」「傘を開く」とはあまり言いません(通じなくはないけれど、少し不自然)。
英語にも同じように「決まった相方」があります。
- heavy rain(大雨)――big rain とはふつう言わない
- strong coffee(濃いコーヒー)――thick coffee ではない
- make a mistake(間違える)――do a mistake ではない
- take a shower(シャワーを浴びる)
- catch a cold(風邪をひく)
- pay attention(注意を払う)
どれも、日本語から1語ずつ訳すと間違えやすい組み合わせです。「大きい雨」だから big rain、「濃い」だから thick、と考えてしまうのです。
ポイント:コロケーションは「意味の理屈」より「慣習」で決まっていることが多いので、セットのまま覚えるのが近道です。
コロケーションの主なパターン
コロケーションにはいくつかの型があります。型を知っておくと、単語帳や長文で見つけやすくなります。
動詞+名詞
- make a decision(決定する)
- do business(商売をする)
- give a presentation(発表をする)
- keep a promise(約束を守る)
- break a rule(規則を破る)
形容詞+名詞
- heavy traffic(交通渋滞)
- a high price(高い価格)――expensive price とはふつう言わない
- a close friend(親しい友人)
- a narrow escape(間一髪の脱出)
副詞+形容詞
- highly recommended(強くおすすめされる)
- deeply moved(深く感動した)
- fully aware(十分にわかっている)
名詞+of+名詞
- a piece of advice(1つの助言)
- a sense of humor(ユーモアのセンス)
特に 動詞+名詞 は、英作文や会話で最もよく使うので、優先して覚えましょう。
make・do・take・have の使い分け
日本語の「する」にあたる基本動詞は、コロケーションで最も間違えやすいグループです。完全なルールではありませんが、傾向をつかむと覚えやすくなります。
make:何かを作り出す
- make a plan(計画を立てる)
- make a noise(音を立てる)
- make friends(友達をつくる)
- make money(お金をかせぐ)
do:作業・仕事・義務をこなす
- do homework(宿題をする)
- do the dishes(皿洗いをする)
- do your best(ベストを尽くす)
- do research(研究・調査をする)
take:行動を1回取る
- take a break(休憩する)
- take a walk(散歩する)
- take a test(試験を受ける)
- take notes(メモを取る)
have:経験する・食べる・過ごす
- have lunch(昼食を食べる)
- have a good time(楽しく過ごす)
- have a look(ちょっと見る)
- have an argument(口論する)
take a walk と have a walk のように、地域や話し手によって両方使われるものもあります。迷ったら辞書の例文を確認しましょう。
ポイント:make は「生み出す」、do は「こなす」。この2つの違いだけでも、作文の間違いがかなり減ります。
コロケーションの覚え方
1. 単語帳の例文から「相方」を抜き出す
単語帳の例文を読むときに、覚える単語だけでなく、一緒に使われている動詞や形容詞に線を引きます。decision を覚えるなら、例文の中の make とセットで覚える、という具合です。
2. 辞書の「コロケーション欄」を見る
学習者向けの英和辞典や英英辞典には、よく一緒に使われる語がまとめて載っていることがあります。1つの名詞に対してどんな動詞が使われるかが一覧できるので便利です。
3. 自分の生活で例文を作る
- I made a big mistake in my math test yesterday.(昨日の数学のテストで大きなミスをした)
- I usually take a short break after dinner.(夕食のあとはたいてい少し休憩する)
- My mother does the dishes while listening to the radio.(母はラジオを聞きながら皿洗いをする)
自分に関係のある文は思い出しやすく、そのまま会話や作文で使えます。
4. 声に出してかたまりで言う
make a decision を「メイク・ア・ディシジョン」と1語ずつ区切らず、ひとかたまりのリズムで言う練習をします。口がかたまりを覚えると、話すときにすっと出てきます。
よくある間違いとチェック方法
英作文でよく見かける不自然な組み合わせと、自然な言い方です。
- 誤:do a mistake → 正:make a mistake
- 誤:make homework → 正:do homework
- 誤:big rain → 正:heavy rain
- 誤:strong rain → 正:heavy rain
- 誤:high tall building → 正:a tall building(人や建物の背の高さは tall)
- 誤:expensive price → 正:a high price
- 誤:say a lie → 正:tell a lie
- 誤:open the light → 正:turn on the light
自分の英文をチェックする方法
- 書いた英文の中から「動詞+名詞」「形容詞+名詞」の組み合わせに線を引く。
- 自信がない組み合わせを辞書の例文で探す。
- 見つからなければ、別の言い方に変えるか、先生や添削サービスに確認する。
最近は、英文をAIに見せて「不自然なコロケーションがあれば指摘して」と頼む方法もあります。ただし、AIの指摘も完全ではないので、辞書での確認と組み合わせると安心です。
1週間のコロケーション練習メニュー
1日10分で続けられるメニューです。
- 月曜:make と do――それぞれ5つずつコロケーションを集め、表にする。
- 火曜:take と have――それぞれ5つずつ集め、自分の1日の行動を英語で言ってみる(I take a shower. I have breakfast.)。
- 水曜:形容詞+名詞――heavy / strong / high / close を使った組み合わせを2つずつ集める。
- 木曜:単語帳から抜き出し――今週の単語帳の例文から、コロケーションを5つ抜き出してノートに書く。
- 金曜:日本語→英語テスト――「間違える」「休憩する」「宿題をする」などを日本語で見て、英語のかたまりで言う。
- 土曜:日記3文――今週のコロケーションを3つ以上使って、短い日記を書く。
- 日曜:見直し――言えなかったコロケーションに印をつけて、来週もう一度練習する。
ポイント:金曜の「日本語→英語」テストは、実際に使える力を試す一番の練習です。
まとめ:単語は「相方」と一緒に覚えよう
コロケーションを意識すると、英語は「単語の暗記」から「使える表現の暗記」に変わります。
- 単語を覚えるときは、一緒に使われる動詞や形容詞もセットにする
- make は「生み出す」、do は「こなす」
- 自分の生活で例文を作り、かたまりで声に出す
今日の夜、寝る前に自分の1日を英語で3文だけ言ってみてください。I did my homework. I took a bath. I had dinner with my family. それだけで、コロケーションの練習になります。



