複数の文書の問題とは
IIBCの公式案内によると、Part 7は54問で、そのうち1つの文書を読む問題が29問、複数の文書を読む問題が25問です。複数の文書の問題は、2つの文書(いわゆるダブルパッセージ)または3つの文書(トリプルパッセージ)を読み、1セットにつき複数の設問に答える形です。
複数の文書の問題の設問には、大きく2種類があります。
- 1つの文書だけで答えられる設問
- 2つ以上の文書の情報を組み合わせて答える設問
前者は、1つの文書の問題と同じように解けます。難しいのは後者で、片方の文書だけ読んで選ぶと、もっともらしい不正解に引っかかりやすくなります。
ポイント:複数の文書の問題では、「どの設問が組み合わせ問題か」を見抜くことが得点のカギです。
よく見られる文書の組み合わせ
複数の文書の問題では、ビジネスや日常の場面でよくある組み合わせが使われます。編集部が作った例で、どんな関係になりやすいかを見てみましょう。
- お知らせ+申込みメール:イベントの案内と、それに参加を申し込むメール
- 求人広告+応募メール+面接の日程連絡:条件と応募者の経歴を照らし合わせる
- 商品カタログ+注文書+苦情メール:注文内容と届いた商品の違いを見つける
- 日程表+変更のお知らせ:元の予定と、変更後の予定を比べる
- ウェブページ+レビュー:サービスの説明と、実際に利用した人の感想
組み合わせのパターンに慣れておくと、「この2つの文書は、きっとこの点でつながっている」と予想しながら読めるようになります。たとえば、求人広告と応募メールなら、応募条件と応募者の経歴がつながる点になりやすい、と考えられます。
組み合わせ問題の見つけ方と解き方
組み合わせ問題を見つけるヒントは、設問の言葉づかいにあります。
- 「What is suggested about ~?」「What is most likely true?」のように、推測を求める設問
- 2つ目・3つ目の文書に登場する人や物について、1つ目の文書の情報が必要になる設問
- 表や一覧(料金表、日程表など)が含まれるセットの設問
自作の例で考える
- 文書1(料金表):Standard room: $90 / Deluxe room: $130 / Suite: $200
- 文書2(予約確認メール):Thank you for booking a room for two nights. Your total is $260.
- 設問:What type of room did the guest reserve?
メールには部屋の種類が書かれていません。2泊で260ドルなので、1泊130ドル、つまり Deluxe room だとわかります。文書2だけでは答えが出ないのが、組み合わせ問題の特徴です。
解く手順
- 設問を読み、答えがどの文書にありそうかを予想する
- 必要な文書から読み、関係する情報に印をつける
- 組み合わせ問題では、もう一方の文書の対応する情報を探して照らし合わせる
読む順番と時間の使い方
複数の文書の問題は、すべての文書を最初から最後まで精読していると、時間が足りなくなります。おすすめの読み方は次のとおりです。
読む順番の目安
- すべての文書の種類とタイトルに目を通す(メールか、広告か、表か)
- 設問を読み、それぞれの設問がどの文書に関係しそうかを予想する
- 1つ目の文書を読み、解ける設問から解く
- 2つ目、3つ目の文書を読み、組み合わせ問題に取り組む
時間の目安
自分の練習記録をもとに「1セットに何分まで」と上限を決めておくと、本番で1セットに時間を使いすぎるのを防げます。上限を超えそうなら、迷っている設問は選んでマークし、次のセットへ進みましょう。
Part 7の最後にある複数の文書の問題までたどり着けない人は、まずPart 5・6の時間配分を見直すことも大切です。
1週間の練習メニュー
月曜:組み合わせ問題を探す
公式問題集の複数の文書のセットを1つ解き、どの設問が組み合わせ問題だったかに印をつけます。
火曜:矢印で情報をつなぐ
前日のセットを見直し、組み合わせ問題で使った情報同士を矢印で結びます。
水曜:新しいセットを2つ
時間を計りながら解き、1セットの所要時間を記録します。
木曜:文書の種類と関係を言葉にする
解いたセットについて「お知らせ+申込みメール、つながりは参加費」のように、関係を一言でメモします。
金曜:トリプルパッセージに挑戦
3つの文書のセットを解き、どの文書から読むと効率的だったかを振り返ります。
土曜:通しで練習
Part 7の複数の文書のセクションを、本番と同じ流れで解きます。
日曜:見直し
1週間で間違えた設問だけを解き直します。
設問のタイプ別の考え方
複数の文書の問題の設問は、いくつかのタイプに分けて考えると解きやすくなります。
目的を問う設問
「Why was the e-mail sent?」のように文書の目的を問う設問は、多くの場合、文書の冒頭を読めば答えがわかります。
詳細を問う設問
日付、金額、場所などを問う設問は、設問のキーワードを本文から探す「スキャニング」で解きます。
推測を問う設問
「What is suggested about ~?」「What will most likely happen?」は、本文にはっきりとは書かれていないことを推測する設問です。組み合わせ問題になっていることも多いので、複数の文書を照らし合わせましょう。
語彙の意味を問う設問
「The word "~" in paragraph 1, line 2, is closest in meaning to」のような設問は、その単語の辞書的な意味ではなく、文脈の中での意味を選びます。自作の例で言えば、The committee will address the concerns raised by residents. の address は、「住所」ではなく「対処する」に近い意味です。
設問のタイプがわかると、どこを読めば答えが見つかるかの予想がつき、読む時間を短くできます。
文書の書き手と読み手を確認する
メールやレターが含まれるセットでは、誰が誰に書いたものかを最初に確認しましょう。From / To の欄や署名を見るだけで、登場人物の関係がわかります。複数の文書に同じ人物が登場する場合、その人の立場(客、社員、担当者など)を把握しておくと、組み合わせ問題を解くときに迷いにくくなります。
よくある失敗
失敗1:1つ目の文書を完璧に読もうとする
1つ目の文書を丁寧に読みすぎて、2つ目・3つ目を読む時間がなくなるケースです。まず設問を見て、必要な情報を探しに行く読み方を心がけましょう。
失敗2:組み合わせ問題に気づかない
片方の文書に答えらしきものがあると、すぐに選んでしまいがちです。推測を求める設問では、「もう一方の文書に条件がないか」を確認する習慣をつけましょう。
失敗3:難しいセットにこだわる
複数の文書のセットは、内容によって難しさが違います。どうしても時間がかかりそうなセットは、解ける設問だけ解いて先に進むのも1つの判断です。
複数の文書の問題は、最初は大変に見えますが、「つながりを探すパズル」だと思うと楽しくなってきます。まずは今日、1セットを解いて組み合わせ問題に印をつけるところから始めましょう。



