800点台の課題は「精度」と「集中の持続」
800点台の人は、リーディングを最後まで解き切れることが多く、基本的な文法や語彙で迷うことも少なくなっています。それでも900点に届かない理由は、次のようなところにあります。
- 意図を問う設問(話し手がある発言をした意図は何か)での判断ミス
- NOT問題(本文に書かれていないものを選ぶ)での見落とし
- 難しめの語彙問題での、なんとなくの選択
- 2時間の後半での集中力の低下
ここで必要なのは、新しい知識を増やすことよりも、正解の根拠を毎回はっきりさせる習慣です。
ポイント:900点を目指すなら、正解した問題でも「本文のどこが根拠か」を指で示せるかを確認しましょう。示せない正解は、次は落とすかもしれない正解です。
4週間のプラン(平日90分・休日3時間)
1週目:根拠チェック付きの通し練習
- 休日:公式問題集1回分を通しで解き、全問に「根拠あり/勘」の印をつける
- 平日:「勘」で正解した問題と不正解の問題を、根拠を探しながら解き直す
2週目:Part 3・4の意図問題と図表問題
- 平日:Part 3・4を毎日2セット。意図問題は、発言の前後の流れを書き出す
- 毎日:シャドーイング15分
3週目:Part 7のNOT問題と言い換え
- 平日:Part 7を毎日2〜3文書。NOT問題は選択肢1つずつに根拠の行番号を書く
- 毎日:言い換えノートの見直し
4週目:通しの集中力トレーニング
- 休日:本番と同じ時間帯に、休憩なしで通し練習
- 平日:後半に集中が切れたパートを重点的に復習
意図問題は「発言の前後」で判断する
Part 3・4には、ある発言について「なぜそう言ったのか」を問う設問があります。発言そのものの意味だけで選ぶと、引っかかりやすくなります。
自作の会話で考えてみましょう。
- M: Could you review the sales report before the client meeting?
- W: I have three interviews this afternoon.
設問が「What does the woman imply when she says, "I have three interviews this afternoon"?」なら、答えは「面接の予定があるから手が回らない=依頼を引き受けにくい」という意図です。「面接官として働いている」といった、発言をそのまま言い換えただけの選択肢は、意図の説明になっていません。
意図問題の復習法
- 問われた発言の直前の発言を書き出す
- 問われた発言が、それに対する「承諾・断り・提案・驚き」のどれかを判断する
- 選択肢がその働きと合っているかを確認する
NOT問題と難しめの語彙問題
NOT問題は「消去法の証拠集め」
「What is NOT mentioned about the event?」のような設問は、選択肢4つのうち3つが本文に書かれています。1つずつ本文の該当箇所を探し、見つかったものに印をつけて消していくのが確実です。時間はかかりますが、800点台では確実に取りたい問題です。
語彙問題は「コロケーション」で判断
難しめの語彙問題では、意味が近い選択肢が並びます。自作の例です。
- The contract will be ( ) for another two years.
(A) renewed (B) refreshed (C) restored (D) repeated
「契約を更新する」は renew a contract という組み合わせで使われることが多く、答えは (A) renewed です。refresh(気分・画面などを新しくする)や restore(元の状態に戻す)も「新しくする」系の意味ですが、contract との組み合わせとしては自然ではありません。
語彙問題の復習では、正解の単語を名詞とのペアで覚えることを意識しましょう(renew a contract、meet a deadline、address an issue など)。
図表問題と平日の時間割
図表問題は「表のどこを見るか」を先に決める
Part 3・4には、図や表を見ながら答える問題があります。800点台で落としやすいのは、音声で聞こえた情報をそのまま答えにしてしまうケースです。
自作の例で考えます。表には「Room A:10名」「Room B:20名」「Room C:30名」と定員が書かれています。音声では次のように話されます。
- We'll have about twenty-five people, so we need a bigger room than we originally planned.
設問が「Look at the graphic. Which room will the speaker most likely book?」なら、25名が入れる Room C が答えです。音声には「C」という言葉は出てきません。音声で聞いた情報(25名)を、表の別の列(部屋名)に変換するのが図表問題の基本です。
先読みの段階で、設問の選択肢に並んでいる項目(ここでは部屋名)と、表のもう一方の列(定員)を確認し、「音声では定員の話が出るはず」と予想しておきましょう。
平日90分の時間割
- 朝(20分):言い換えノートと、前日の「勘」問題の見直し
- 通勤・通学(25分):シャドーイングと、前日のPart 3・4の聞き直し
- 夜(45分):新しい問題を解き、全問の根拠を確認
800点台の人は仕事や学業も忙しい時期であることが多いので、平日に時間が取れない日は、朝と通勤だけでも続けることを優先しましょう。
Part 6の文挿入問題も「根拠」で解く
800点台で意外に残りやすいのが、Part 6の文を挿入する問題です。空所に入る文を4つから選ぶ問題で、なんとなくの流れで選ぶと外しやすくなります。
根拠を探すときは、空所の直前と直後の文とのつながりを確認します。自作の例で考えてみましょう。
- 直前の文:We have decided to extend our business hours.
- 空所
- 直後の文:We hope this change will make shopping more convenient for you.
空所には「新しい営業時間の具体的な内容」を述べる文、たとえば Starting next month, the store will stay open until 10 P.M. が入ると自然です。直後の this change が、空所の内容を指していることがヒントになります。
this / these / such などの指示語や、however / therefore などのつなぎの言葉は、空所の前後をつなぐ根拠になりやすいので、必ず印をつけて読みましょう。
よくある失敗と本番での意識
失敗1:正解した問題を復習しない
900点を目指す段階では、正解した問題の中にこそ次の失点が潜んでいます。「勘」で正解した問題は、不正解と同じ扱いで復習しましょう。
失敗2:難問にこだわりすぎる
高得点を目指すほど1問を落としたくなくなりますが、1問に粘って後半の時間や集中力を失うのは本末転倒です。
失敗3:体調管理を軽く見る
2時間の試験で最後まで同じ精度を保つには、睡眠や食事も大切です。本番の数日前から、試験の時間帯に頭が働くよう生活リズムを整えましょう。
1か月後の目標は、「根拠あり」の正解の割合が増えていることです。それが900点という数字につながる、いちばん確かな道です。



