600点台から700点への壁は「時間」と「言い換え」
600点台の人の答案を振り返ると、多くの場合、リーディングの最後の10〜20問ほどを塗りつぶしで終えています。そこに正解できる問題が残っているとしたら、とてももったいないことです。
もう1つの壁が言い換え(パラフレーズ)です。本文に book a room とあるのに、正解の選択肢は make a reservation になっている――こうした同じ意味の別表現に気づけないと、本文の内容は理解できていても正解を選べません。
1か月の重点
- Part 7を時間内に最後まで読むための読み方と時間配分
- 言い換えに気づく語彙の増やし方
- Part 5の語彙問題(意味の近い単語の使い分け)
ポイント:600点台からは「知らないから解けない」より「時間が足りなくて解けない」「気づけなくて解けない」問題が増えます。練習の中心を処理スピードに移しましょう。
4週間のプラン(平日70分・休日2時間半)
1週目:現状把握と時間配分の決定
- 休日:公式問題集1回分を通しで解き、リーディングの各パートにかかった時間を記録
- 平日:Part 5・6を時間を計って解く(Part 5は1問あたりの目安を決める)
2週目:Part 7の1つの文書を速く読む
- 平日:Part 7の1つの文書を毎日4つ。設問を先に読んでから本文へ
- 毎日:言い換えノートに、本文と選択肢の言い換えペアを5つ追加
3週目:Part 3・4の言い換えと先読み
- 平日:Part 3・4を毎日2セット。正解の選択肢と、音声中の表現の対応を書き出す
- 復習:スクリプトを使ってオーバーラッピング(音声と同時に読む)を1セット
4週目:複数の文書と通し練習
- 平日:Part 7の複数の文書を1日1セット
- 休日:もう1回分を通しで解き、時間配分が守れたか確認
平日のうち1日は「復習だけの日」にして、その週に間違えた問題を解き直すと定着が進みます。
Part 7を速く読むための3つの習慣
1. 文書の種類と目的を最初に確認する
メールなら「誰から誰へ、何の用件か」、お知らせなら「何が変わるのか」を最初の数行でつかみます。目的がわかると、細部の情報がどこにありそうか予想できます。
2. 設問を先に読み、探す情報を決める
「What is indicated about ~?」のように広く問う設問は後回しにし、日付や人名など探しやすい設問から解くと時間を節約できます。
3. 返り読みを減らす
英文を後ろから訳し直すのではなく、前から意味のかたまりごとに理解します。自作の例で見てみましょう。
- The new policy, / which will take effect next month, / requires all staff / to submit expense reports / online.
「新しい方針は/来月から有効で/全スタッフに求める/経費報告書を出すことを/オンラインで」と、前から順番に意味を取っていきます。最初はぎこちなくても、スクリプトや問題文をこの区切りで音読していると、読むスピードは少しずつ上がっていきます。
言い換えノートの作り方
言い換えは、知識として持っているかどうかで正答率が変わります。問題を解いて復習するときに、次のようなノートを作りましょう。
| 本文・音声の表現 | 選択肢の表現 |
|---|---|
| book a room | make a reservation |
| The item is out of stock. | The product is unavailable. |
| We're running behind schedule. | A project is delayed. |
(表が書きにくい場合は、左右に並べてメモするだけで大丈夫です。)
ノートを使った復習法
- 左側だけを見て、右側の言い換えを言えるか試す
- 右側だけを見て、元の表現を思い出す
- 自分で3つ目の言い換えを考える(例:reserve a room)
1か月で100組ほど集まれば、本番で「どこかで見た言い換えだ」と気づける場面が確実に増えます。
平日70分の時間割と週末の振り返り
平日70分を、次のように分けると続けやすくなります。
- 朝(15分):言い換えノートの見直しと単語の復習
- 通勤・通学(20分):前日に解いたPart 3・4の音声を、スクリプトの内容を思い出しながら聞く
- 夜(35分):新しい問題(Part 7なら文書2〜4つ)を時間を計って解き、復習
Part 7の時間を計るときのコツ
1つの文書につき「設問数×1分」のように自分なりの目安を決め、タイマーで計ります。目安を超えたら、その場で答えを選んで次へ。最初は目安に収まらなくても、記録を取っていくと少しずつ短くなっていきます。
週末の振り返り(15分)
- 今週、目安時間に収まった文書の割合
- 言い換えノートに増えたペアの数
- 次週に重点を置くパート
振り返りを数字で残すと、「伸びていない気がする」という不安に振り回されにくくなります。600点台は、伸びを実感しにくい時期でもあります。記録を味方につけましょう。
Part 6も忘れずに
Part 6は、長めの文書の空所に語句や文を入れる問題です。Part 5と同じ感覚で空所の前後だけを見ると、文脈が必要な問題で間違えやすくなります。時制の問題でも、文書全体が「これから起きること」の話なのか「すでに起きたこと」の話なのかを確認してから選ぶ習慣をつけましょう。
リスニングの復習は「3回聞き」で
600点台の人は、リスニングの問題を解いたあと、答え合わせだけで終わらせがちです。次の「3回聞き」を試してみてください。
- 1回目:スクリプトを見ずに聞き、内容を日本語で一言まとめる
- 2回目:スクリプトを見ながら聞き、聞き取れなかった部分に線を引く
- 3回目:スクリプトを見ずにもう一度聞き、線を引いた部分が聞こえるか確認する
自作の例で言えば、I'll get back to you once I've checked with my supervisor. の once I've の部分が「ワンサイ」のようにつながって聞こえ、聞き取れないことがあります。こうした音のつながりに気づくと、次に同じ形が出たときに聞き取りやすくなります。
1セットあたり10分程度でできるので、平日の夜のメニューに組み込みましょう。
よくある失敗と本番の時間配分
失敗1:Part 5で難問に粘る
1問に時間をかけても、得られるのは1点分です。目安の時間を過ぎたら、選択肢を1つ選んでマークし、次へ進みましょう。
失敗2:Part 7の本文を全部精読する
すべての文を同じ丁寧さで読むと時間が足りなくなります。設問に関係する部分は丁寧に、関係なさそうな部分はさっと流す、という強弱をつけます。
失敗3:リスニングの復習が「答え合わせ」だけで終わる
正解だった問題でも、スクリプトを見ると聞き取れていない部分が見つかることがあります。自信のなかった問題は、正解でも復習しましょう。
本番の時間配分の考え方
リーディングは75分で100問です。自分の練習記録をもとに「Part 5・6を合わせて何分以内」と上限を決め、残りをPart 7に回すのが基本です。上限は人によって違うので、1週目の記録から決めてください。
1か月後、Part 7の最後まで目を通せたなら、それが700点への大きな一歩です。



