最短ルートは「基礎から」
英語が苦手な人がTOEICの勉強を始めるとき、つい「TOEIC対策の本」から手に取りがちです。しかし、中学英語の文法や基本単語があいまいな状態でTOEICの問題を解いても、なぜ間違えたのかがわからず、学習が空回りしてしまいます。
英語が苦手な人の最短ルートは、次の順番です。
- 中学英語の文法を一通り見直す
- 基本単語とTOEIC頻出単語を覚える
- やさしい音声でリスニングに慣れる
- TOEICの形式に慣れる
遠回りに見えますが、1と2がしっかりしていると、3と4の伸びがまったく違います。
ポイント:社会人の英語のやり直しは、「中学英語を大人の頭でもう一度理解する」ところから始めると、驚くほどすっきり頭に入ります。
ステップ1:中学英語の文法を見直す
中学英語の文法は、TOEICの文法問題の土台です。社会人向けのやり直し英文法の本や、中学英語をまとめた薄い参考書を1冊選びましょう。
特に大切な単元
- be動詞と一般動詞の区別
- 時制(現在・過去・未来・進行形・現在完了)
- 受け身(is made / was sent など)
- 不定詞と動名詞(to do / doing)
- 関係代名詞(who / which / that)
- 比較(more ~ than / the most ~)
自作の例文で確認
- The report was sent to all members yesterday.(受け身・過去)
- I have worked here for three years.(現在完了)
- The man who called you is my manager.(関係代名詞)
これらの文を見て「なぜこの形になるのか」を自分の言葉で説明できれば、その単元は大丈夫です。説明できないものに印をつけて、そこだけ重点的に復習しましょう。
1日30分で、1〜2単元ずつ進めれば、1か月ほどで一通り見直せます。
ステップ2:単語は「基本→TOEIC頻出」の順で
英語が苦手な人は、いきなり難しい単語帳を使うより、まず基本単語を確認するのがおすすめです。
単語の覚え方のコツ
- 1日の数を決めて毎日回す:1日30語など、少なめでも毎日
- 音声を聞いて声に出す:目だけで覚えた単語は、リスニングで気づけません
- 例文で覚える:単語だけでなく、短い例文ごと覚える
TOEICでよく見る基本単語の例(自作例文)
- schedule:The meeting is scheduled for Monday.(会議は月曜日に予定されている)
- available:Is this room available tomorrow?(この部屋は明日空いていますか)
- employee:All employees must attend the training.(全従業員は研修に参加しなければならない)
- customer:The customer asked for a discount.(客は値引きを求めた)
仕事で使っている言葉(meeting, schedule, customer など)は、すでにカタカナで知っているものも多いはずです。知っているカタカナ語の英語の音とつづりを確認するだけで、覚える単語の負担はぐっと減ります。
ステップ3・4:リスニングとTOEIC形式への慣れ
リスニングはやさしい音声から
いきなりTOEICの音声を聞いても、速すぎて何も聞き取れないと感じるかもしれません。最初は、学習者向けのやさしい英語の音声や、単語帳の例文音声から始めましょう。
聞く→スクリプトで確認→音読→もう一度聞くという流れを繰り返すと、少しずつ聞き取れる部分が増えていきます。
TOEICの形式に慣れる
文法と単語の基礎が固まってきたら、公式問題集で実際の形式に触れます。最初は点数を気にせず、次のことを確認しましょう。
- Part 1〜7がどんな問題か
- どのくらいのスピードで音声が流れるか
- リーディングの75分がどれくらいの長さに感じるか
最初はPart 1、Part 2、Part 5など、比較的短い問題から取り組むと、形式に慣れやすくなります。
最初の3か月のロードマップ
1か月目:中学英語の総復習
- 平日:文法の参考書を1日1〜2単元(30分)
- 通勤:基本単語の音声を聞く(15分)
- 週末:1週間の復習
2か月目:単語とリスニングの土台
- 平日:TOEIC向けの単語帳を1日30語(20分)、やさしい音声の音読(15分)
- 週末:文法の苦手な単元の復習
3か月目:TOEIC形式に慣れる
- 平日:Part 1・2・5を中心に公式問題集を解く(30分)
- 通勤:解いたPart 1・2の音声を聞き直す
- 週末:Part 3・4やPart 7の短い文書に挑戦
3か月目の終わり頃に、公式問題集の1回分を通しで解いてみましょう。最初に比べて、解ける問題が増えていることを実感できるはずです。
平日の時間の作り方
社会人は、まとまった時間を取るのが難しいもの。朝の通勤、昼休みの10分、寝る前の15分など、すでにある生活の時間に勉強をくっつけると習慣になりやすくなります。
「わかる」を増やす音読のやり方
英語が苦手な人ほど効果を実感しやすいのが、意味がわかった英文を声に出して読む音読です。
音読の手順
- 英文と日本語訳を確認し、意味を理解する
- 音声を聞いて、発音とリズムを確認する
- 英文を見ながら、音声と同じように声に出して読む(3回)
- 意味を思い浮かべながら、もう一度読む
自作の短い文で練習
- I'm sorry, but I'm busy today. Can we meet tomorrow?
- The printer on the second floor is out of order.
- Please send me the file by three o'clock.
ポイントは、意味がわからない英文は音読しないことです。意味がわかったうえで声に出すと、英語の語順のまま意味が頭に入る感覚が少しずつ身についていきます。
1日10分、文法の参考書の例文や単語帳の例文を音読するだけでも、1か月後にはリスニングでの聞こえ方やリーディングでの読みやすさが変わってくるはずです。
挫折しないためのコツとよくある失敗
失敗1:最初から難しい問題集を使う
解けない問題ばかりだと、やる気が続きません。自分のレベルに合った教材から始めましょう。
失敗2:毎日2時間などの無理な計画を立てる
仕事が忙しい日に計画が崩れ、そのままやめてしまうパターンです。1日30分を毎日の方が、週末に3時間より続けやすく、定着もしやすくなります。
失敗3:他人のスコアと比べる
同僚のスコアが気になるかもしれませんが、比べるべきは過去の自分です。
続けるためのコツ
- 勉強した日をカレンダーに記録する
- 1か月ごとに「できるようになったこと」を書き出す
- 疲れた日は「単語10語だけ」など、最低ラインを決めておく
英語が苦手でも、正しい順番で続ければ、少しずつ確実に力はついていきます。今日は中学英語の参考書を1冊選ぶところから始めましょう。



