大学受験でTOEFLが使われる主な場面
日本の大学入試でTOEFL iBTのスコアが使われる場面は、大学・学部・入試方式によってさまざまです。一般的には、次のような使われ方があります。
- 出願資格として――「一定のスコア以上」が出願の条件になる
- 得点換算として――スコアに応じて、英語の試験を満点扱いにしたり、点数を加算したりする
- 評価の参考として――書類審査の中で、英語力を示す資料の一つとして使われる
利用される入試方式も、総合型選抜、学校推薦型選抜、一般選抜、帰国生入試など多岐にわたります。特に国際系の学部や、英語で授業を行うプログラムでは、TOEFL iBTを含む英語試験のスコアが重視される傾向があります。
ただし、どの大学がどのように使うかは、毎年の募集要項で決まります。前の年と変わっていることもあるので、必ずその年度の募集要項で確認しましょう。
ポイント:「TOEFLが使える大学」を探すより、「志望校がTOEFLをどう使うか」を調べることが大切です。
募集要項で必ず確認したい6つのポイント
志望校の募集要項を読むときは、次のポイントを確認しましょう。
① 対象となる試験の種類
TOEFL iBTのスコアが使えるか、TOEFL ITP(学校などで団体受験するテスト)は対象外か、Home Edition(自宅受験)のスコアを認めているかを確認します。TOEFLという名前でも、iBTとITPでは扱いが違うことがあるので注意が必要です。
② 必要なスコア
出願資格の最低スコアや、得点換算の基準を確認します。2026年1月の改訂でスコアが1〜6に変わったため、募集要項がどちらのスコアで書かれているかも見ておきましょう。
③ スコアの有効期間
TOEFL iBTのスコアは受験日から2年間有効ですが、大学が「出願前〇年以内に受験したもの」など、独自の期間を設けていることがあります。
④ マイベストスコアの扱い
複数回の受験から各セクションの最高点を組み合わせたマイベストスコアを認めるかどうかも、大学によって異なります。
⑤ 提出方法
ETSから大学へ公式スコアを送付する必要があるのか、成績表の写しを提出するのかを確認します。公式送付が必要な場合は、送付にかかる日数も考えて早めに手続きしましょう。
⑥ 提出の締切
スコアの提出締切が出願締切と同じとは限りません。締切から逆算して、受験日を決める必要があります。
高校生がTOEFLを受けるときの準備
TOEFL iBTは大学レベルのアカデミックな英語を測る試験なので、高校生にとっては難しく感じる部分もあります。でも、準備のしかたを工夫すれば、十分に対策できます。
高校の英語との違いを知る
- 講義や学術的な文章など、大学の授業を想定した題材が多い
- スピーキングとライティングがあり、自分の意見を英語で表現する力が問われる
- パソコンで受験し、ライティングはタイピングで解答する
高校生におすすめの準備
- 教科書レベルの英語を確実に――単語と文法の土台が、TOEFLの題材を理解する力になる
- アカデミックな語彙を少しずつ――生物、歴史、環境など、理科や社会で習った内容を英語で読んでみる
- 英語で意見を言う練習――「〇〇に賛成か反対か、理由は?」という問いに、英語で答えてみる
- タイピングの練習――英語配列のキーボードで、記号の位置にも慣れておく
自作の練習例
たとえば、次のような問いに英語で答える練習をしてみましょう。
Should high schools require students to do volunteer work?
I think volunteer work should be encouraged, but not required. Students can learn a lot from helping others, but if it is required, some students may do it without real interest.
意見・理由を短くまとめるこの練習は、TOEFLのスピーキングとライティングの両方に役立ちます。
受験計画は「逆算」で立てる
大学受験でTOEFLを使う場合、スケジュールの管理がとても重要です。
受験計画の立て方
- 志望校の締切を確認――出願締切とスコア提出の締切
- スコアが届くまでの期間を考える――公式スコアは受験後およそ3日でアカウントに反映。大学への公式送付が必要な場合は、さらに日数がかかる
- 受験回数を決める――1回で目標に届かないことも考えて、2〜3回受けられるようにする
- 最初の受験日を決める――締切からさかのぼって、余裕を持った日程にする
高3の秋までに目標スコアを
総合型選抜や学校推薦型選抜は、一般選抜より出願の時期が早い傾向があります。こうした入試でTOEFLを使う予定なら、高2から高3の前半に受験を始めておくと、再受験の余裕が生まれます。
他の教科とのバランス
一般選抜でスコアを使う場合、TOEFLの対策だけに時間を使いすぎると、他の教科の勉強がおろそかになることがあります。英語の外部試験の対策は、早めに始めて早めに終わらせ、そのあとは他の教科に集中する、という計画が立てやすい方法です。
高校生のための1週間メニュー
部活や学校の課題で忙しい高校生でも続けやすい、1日30〜40分の1週間メニューを紹介します。
平日メニュー(1日30分)
- 月:単語15分+英語ニュースを1本読んで要点を1行でメモ(15分)
- 火:単語10分+リスニング(講義系の音声を聞いてメモ)20分
- 水:単語10分+Build a Sentence 10問+リピーティング10分
- 木:単語10分+メールを7分で書く+見直し
- 金:単語10分+インタビュー形式の質問に2問答えて録音
休日メニュー(1日60分)
- 模試の1セクションを本番の時間で解く
- 1週間の間違いを見直し、弱点をメモする
学校の勉強とつなげる
英語の授業で習った単語や文法は、そのままTOEFLの土台になります。また、理科や社会の授業で習った内容(生物、地学、歴史など)は、TOEFLの講義や学術文の題材と重なることがあります。学校の勉強とTOEFLの対策を別々のものと考えず、つなげて考えると効率が上がります。理科や社会の教科書の太字の用語を、英語で何と言うか調べてみるだけでも、アカデミックな語彙が少しずつ増えていきます。
英検など他の試験との使い分け
日本の大学入試では、TOEFL iBTのほかに、英検やIELTS、TEAPなど、さまざまな英語試験が利用されています。どの試験を選ぶかは、次の点から考えましょう。
- 志望校がどの試験を認めているか――最も大切な判断基準
- どの試験で高い評価を得やすいか――大学によって、試験ごとの換算基準が異なる
- 受験のしやすさ――受験料、会場、日程、受験回数
たとえば、英検は高校生にとって受験しやすく、学校で受ける機会がある人も多いでしょう。一方で、海外の大学への進学も視野に入れているなら、TOEFL iBTやIELTSのスコアはそのまま海外出願にも使えるというメリットがあります。
迷ったときは
志望校が複数の試験を認めている場合は、自分がすでに受けたことがある試験や、得意な形式の試験を選ぶのが効率的です。海外進学も考えている人は、TOEFL iBTやIELTSを選んでおくと、国内・海外の両方の出願に活用できる可能性があります。
まとめ:募集要項を読むことから始めよう
大学受験でTOEFL iBTを使うときのポイントをまとめます。
- 大学・学部・入試方式によって、TOEFLの使い方はさまざま
- 募集要項で、対象試験・必要スコア・有効期間・提出方法・締切を確認
- 高校生は、教科書レベルの土台とアカデミックな語彙、意見を言う練習から
- 締切から逆算して、2〜3回受けられる計画を立てる
入試の情報は毎年変わることがあります。この記事の内容は一般的な考え方なので、最終的には必ず志望校の最新の募集要項で確認してください。今日はまず、志望校(または気になる大学)の入試情報のページを開いて、「英語外部試験」の項目を探してみましょう。



