必要なスコアは「大学と課程」で決まる
TOEFLのスコア要件は、国や大学、さらに同じ大学の中でも学部・大学院・プログラムによって異なります。同じ大学でも、学部よりも大学院、理系よりも文系の一部のプログラムのほうが高い要件を設けている、といったことがあります。
また、要件の書き方にもいくつかのパターンがあります。
- 総合スコアの最低点のみを示す
- 総合に加えて、セクションごとの最低点を示す
- スコアが足りない場合に、語学プログラムを受講する条件付き入学を用意している
「〇〇大学はTOEFL何点」という情報をネットで見かけても、それがいつの情報で、どの課程の要件なのかはわかりません。必ず志望先の公式ページで最新の要件を確認しましょう。
ポイント:スコアの目安は「人から聞く」ものではなく「公式ページで調べる」もの。
新スコアの読み方:1〜6と0〜120の関係
2026年1月から、TOEFL iBTのスコアは1〜6の0.5刻みになりました。一方で、大学の要件ページには、まだ0〜120のスコアで書かれていることも多いはずです。
そこで、2026年1月から2年間の移行期間は、成績表に次の3つが併記されます。
- 1〜6の総合スコアとセクションスコア
- 0〜120に相当する総合スコア
- CEFRレベル
公式に示されている対応の目安は次のとおりです。
- 6:0〜120換算で114以上(C2)
- 5.5:107以上(C1)
- 5:95〜106(C1)
- 4.5:86〜94(B2)
- 4:72〜85(B2)
- 3.5:58〜71(B1)
- 3:44〜57(B1)
たとえば、志望校の要件が「0〜120で90以上」だった場合、1〜6のスコアでは4.5がその近くの帯にあたります。ただし、帯には幅があることに注意しましょう。成績表に表示される0〜120相当のスコアで要件を満たしているか、大学が新スコアでの要件を別に示していないかを確認することが大切です。
スコアの目安をどう考えるか
大学ごとの要件はさまざまですが、自分の目標を考えるときの大まかな指針として、CEFRとの対応が役立ちます。
- B2(バンド4〜4.5):大学の授業についていく土台ができた段階。学部留学や交換留学の要件を考えるときに、一つの目安になりやすい帯
- C1(バンド5〜5.5):英語で行われる授業に自信を持って参加できる段階。競争の激しい大学・大学院や奨学金の選考を目指すときの目標になりやすい帯
ただし、これはあくまで考え方の目安です。実際の要件は大学ごとに異なるので、目標スコアは必ず志望先の要件から逆算して決めましょう。
要件ギリギリより「少し上」を目標に
要件ちょうどを目標にすると、本番の調子しだいで届かないことがあります。また、要件を満たしていても、留学先の授業についていくには十分でないと感じる人もいます。要件より少し上を目標にしておくと、出願にも留学後の生活にも余裕が生まれます。
スコアの「中身」も考える
同じ総合スコアでも、留学先でどんな場面に困りやすいかは、セクションごとのバランスによって変わります。
- リーディングが低い→授業の課題の文献を読むのに時間がかかりやすい
- リスニングが低い→講義や友人との会話についていくのが大変になりやすい
- スピーキングが低い→ディスカッションやグループワークで発言しにくい
- ライティングが低い→レポートやメールで考えを伝えるのに苦労しやすい
留学先で何を学び、どんな授業を取るのかを想像しながら、自分の弱点を補っておくことが、スコア以上に大切な準備になります。たとえば、議論中心の授業が多い分野に進むなら、要件に関係なくスピーキングを重点的に鍛えておくと、留学してからの安心感が大きく変わるはずです。
要件を調べるときのチェックリスト
志望先の要件ページを見るときは、次の点を確認しましょう。
スコアについて
- 総合スコアの最低点はいくつか
- セクションごとの最低点はあるか(特にスピーキングやライティング)
- 1〜6の新スコアでの要件が示されているか
受験方法について
- Home Edition(自宅受験)のスコアを認めているか
- マイベストスコア(複数回の受験から各セクションの最高点を組み合わせたもの)を認めているか
提出について
- スコアの有効期限(TOEFL iBTのスコアは受験日から2年間有効だが、大学が独自の期限を設けていることもある)
- 出願締切までにスコアが届く必要があるか
- スコアの送付方法と、大学の送付先コード
例外・代替について
- 他の英語試験(IELTSなど)も認めているか
- 英語圏の学校で学んだ経験があれば免除されるか
これらをまとめた「志望校要件シート」を作っておくと、複数の大学を比較するときに便利です。調べた日付も一緒にメモしておくと、あとで要件が更新されていないかを見直すときに役立ちます。
交換留学・奨学金の場合
大学の交換留学や奨学金の選考でも、TOEFLのスコアを求められることがよくあります。
交換留学
交換留学では、自分の大学が定める学内選考の要件と、派遣先の大学が定める要件の両方を確認する必要があります。学内の選考ではTOEFL ITP(団体向けのテスト)のスコアで応募できる場合でも、派遣先の大学がTOEFL iBTを求めることがあります。大学の国際交流の窓口や募集要項で、どの試験のスコアが必要かを確認しましょう。
奨学金
奨学金によっては、応募条件として一定のスコアを求めたり、スコアを選考の参考にしたりするものがあります。応募時期が出願より早い場合もあるので、スケジュールには特に注意が必要です。
スケジュールの逆算
- 出願・応募締切を調べる
- スコアが届くまでの期間を考慮する(公式スコアは受験後およそ3日でアカウントに反映)
- 最低2回は受験できるように、最初の受験日を決める
スコアが届かないときの選択肢
目標のスコアに届かないまま締切が近づいてくることもあります。そんなときにも、いくつかの選択肢があります。
① 弱点セクションに集中して再受験
総合スコアは4セクションの平均なので、一番低いセクションを上げるのが効率的です。特に、セクションごとの最低点を設けている大学では、苦手なセクションが足を引っ張ることがあります。直近の成績表で一番低いセクションを確認し、残りの期間はそこに集中しましょう。
② マイベストスコアを活用する
複数回受験している場合、各セクションの最高点を組み合わせたマイベストスコアが成績表に表示されます。提出先がマイベストスコアを認めていれば、それで要件を満たせることもあります。ただし、認めていない大学も多いので、必ず確認しましょう。
③ 条件付き入学や語学プログラム
一部の大学では、英語の要件に届かない場合でも、大学付属の語学プログラムを修了することを条件に入学を認める制度があります。留学期間や費用が増えることもあるので、メリットとデメリットを比べて考えましょう。
④ 他の英語試験を検討する
大学によっては、TOEFL以外にIELTSなどの英語試験のスコアも認めています。試験の形式によって得意・不得意が分かれることもあるので、提出先が複数の試験を認めている場合は、自分に合った試験を選ぶのも一つの方法です。
⑤ 出願時期を見直す
どうしても間に合わない場合は、出願を次の学期や翌年に回すという判断もあります。焦って準備不足のまま留学するより、英語力を十分につけてから出発したほうが、留学生活を充実させやすくなります。
まとめ:今日から始める情報収集
留学に必要なTOEFLスコアを考えるときの流れを整理しましょう。
- 志望する国・大学・課程を決める
- 公式ページで要件を調べ、「志望校要件シート」にまとめる
- 1〜6の新スコアと0〜120換算の関係を確認する
- 要件より少し上を目標スコアに設定する
- 締切から逆算して受験計画を立てる
要件を調べることは、面倒に感じるかもしれません。でも、目標がはっきりすると、毎日の勉強のモチベーションも大きく変わります。今日はまず、志望校(または気になる大学)を1校選び、英語要件のページを探してメモを取ってみましょう。



