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🌍 英語学習

🎧 英語リスニング指導のコツ|前・中・後活動で聞ける生徒を育てる

✍️ 原田英語が厳選・執筆🗓 2026-09-28📖 6分🎁 読了で +10XP
音声を流して、問題を解かせて、答え合わせ。これだけでは、リスニングは「テスト」にはなっても「指導」にはなりにくいものです。**聞く前・聞いている間・聞いた後**に目的のある活動を置くと、生徒は聞き方そのものを身につけていきます。

リスニングを「指導」にする3段階

リスニングの授業は、次の3段階で設計すると考えやすくなります。

  • 前活動(pre-listening):聞く内容への準備。話題への興味、背景知識、聞くポイントの確認
  • 中活動(while-listening):目的を持って聞く。概要をつかむ、具体的な情報を拾う、など回ごとに目的を変える
  • 後活動(post-listening):聞いた内容を使う。話す・書く・音声との照合など

特に大切なのは、1回目と2回目で聞く目的を変えることです。同じ問いで何度も聞かせるより、「1回目は全体」「2回目は細部」と目的を分けると、生徒は聞き方を意識するようになります。

ポイント:前活動がないリスニングは、準備運動なしで走らせるようなもの。1〜3分の前活動でも、聞き取りやすさは大きく変わります。

自作スクリプトで見る3段階の授業例

中学2〜3年を想定した、自作の短い会話で考えます。

スクリプト(オリジナル)

A: Hi, Ken. Are you free this Saturday?

B: In the morning, I have soccer practice. But I'm free after two.

A: Great. I'm going to the new library in the station building. Do you want to come?

B: Sure. What time should we meet?

A: How about three, in front of the ticket gate?

B: OK. I'll bring my math homework. I need help with it.

前活動(3分)

  • "Look at the picture. Where are they? What are they talking about? Guess with your partner."
  • 予想されるキーワードを板書(Saturday, library, meet)

中活動 1回目:概要(2分)

  • "Listen. What are they going to do this Saturday? Just one sentence."

中活動 2回目:細部(3分)

  • "Listen again. Write the time and the place they will meet."
  • 表を配り、「いつ」「どこで」「持っていくもの」を埋めさせる

中活動 3回目:確認(2分)

  • ペアで答えを比べ、違うところだけ意識して聞く。"Check your answers with your partner. Listen for the part you disagree on."

後活動(8分)

  • スクリプトを配って聞きながら黙読し、聞き取れなかった部分に下線
  • 会話をペアで音読したあと、曜日や場所を自分たちに置きかえて会話を作る

"Change the day and the place. Make your own plan with your partner."

1時間の時間配分モデル

リスニングを中心にした時間の目安です(50分授業のうち20分)。

  • 0〜3分 前活動:絵・題名・キーワードで予想
  • 3〜5分 1回目:概要をつかむ
  • 5〜8分 2回目:具体的な情報をメモする
  • 8〜10分 3回目:ペアで確認し、違う部分を集中して聞く
  • 10〜13分 スクリプト確認:聞き取れなかった部分を見つける
  • 13〜20分 後活動:音読・会話の置きかえ・感想を書く

聞き取れなかった部分をスクリプトで確認するとき、なぜ聞き取れなかったのかを分類させると効果的です。

  • 単語を知らなかった
  • 知っている単語だが、音がつながって聞こえなかった
  • 速くて追いつけなかった

この分類を続けると、生徒は自分の弱点を把握し、家庭学習でどこを練習すればよいかが見えてきます。

40人クラスでの工夫

音響環境を整える

教室の後ろの席まで音がはっきり届くか、授業前に確認しておきます。スピーカーの位置を教室の中央寄りにする、窓を閉めるなど、小さな工夫で聞き取りやすさが変わります。

答えの共有は一斉に

"Hold up your worksheet. Show me your answer for number two." のように、答えを一斉に見せる方法をとると、全員の理解状況を短時間で把握できます。指で選択肢の番号を示すのも有効です。

ペア確認で「聞き取れた生徒」を活用

1回目で聞き取れた生徒と、聞き取れなかった生徒がペアで話すと、聞くべきポイントが共有されます。ただし答えを教えるのではなく、"Tell your partner where the answer was, not the answer itself." と伝えると、もう一度聞く意味が生まれます。

苦手な生徒への配慮

2回目の前に、ワークシートにヒント(頭文字や選択肢)を載せた版を用意しておき、必要な生徒に配ると、全員が活動に参加できます。

高校では「目的別の聞き方」を明示する

高校になると、スピーチ、ニュース風の説明、講義のような長めの音声も扱います。長い音声ほど、「何のために聞くのか」を明示しないと生徒は途中で集中が切れてしまいます。

聞き方の種類を、生徒に分かる言葉で名前をつけておくと便利です。

  • 全体をつかむ聞き方:"Listen for the main idea. Don't worry about every word."
  • 特定の情報を拾う聞き方:"Listen only for numbers and names."
  • 話し手の考えを聞く聞き方:"Is the speaker for or against the idea? Listen for words like 'but' and 'I think.'"

長い音声では、段落ごとに一度止めて「今の部分を一言で言うと?」とペアで確認する方法もあります。"Pause. Tell your partner the main point of that part in one sentence." のように、止める箇所を事前に決めておくと、授業の流れがスムーズです。

メモの取り方も指導の対象です。キーワードだけを書く、矢印や記号を使うなど、例を一度見せるだけで、生徒のメモは見違えるほど整理されます。

よくある失敗

  1. 同じ問いで何度も聞かせる:生徒は飽きてしまい、集中が続きません。→回ごとに目的を変える。
  2. 前活動なしでいきなり流す:話題が分からず、最初の数秒で置いていかれる生徒が出ます。→絵や題名で予想させるだけでもOK。
  3. 答え合わせで終わる:正解・不正解の確認だけでは、次に生かせません。→聞き取れなかった理由を分類させる。
  4. 後活動がない:聞いた内容を使わないと、記憶に残りにくくなります。→音読や会話の置きかえで、聞いた英語を口に出す。

ポイント:リスニングの授業は「聞かせる」だけでなく「どう聞いたか」を振り返らせる時間があってこそ、指導になります。

今週から始める一歩

いきなり全部の段階を整えなくても大丈夫です。次の順番で、1つずつ加えてみてください。

  1. 次のリスニングで、1回目と2回目の問いを別にする
  2. 流す前に、絵や題名で30秒だけ予想させる
  3. スクリプトを配り、聞き取れなかった理由を3つに分類させる
  4. 聞いた会話をペアで置きかえて話す後活動を入れる

リスニングは、生徒が「聞き方」を意識した瞬間から伸び始めます。まずは次の授業で、1回目の問いを「概要だけ」にしてみましょう。

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よくある質問

音声は何回流すのが適切ですか?
内容や生徒の実態によりますが、目的を変えて2〜3回流す形が扱いやすいです。回数よりも、それぞれの回で何を聞くかをはっきりさせることが大切です。
スクリプトはいつ見せるべきですか?
聞く活動を終えてから配るのが一般的です。先に見せると読解になってしまうため、聞き取りに挑戦したあとに、確認と音読の材料として使うのがおすすめです。
教科書以外のリスニング素材を使ってもよいですか?
使えますが、著作権や利用規約の確認が必要です。自作の短い会話やALTに協力してもらって録音した音声なら、内容を生徒の実態に合わせやすいという利点もあります。
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英語の神動画図鑑 編集部(原田英語)
原田英語が、現場の英語教師の目で世界の英語学習動画と勉強法を厳選。紹介文・コラムはすべてオリジナルで書いています。運営者について・お問い合わせ

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