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🌍 英語学習

🧗 生徒の自己調整学習を育てる方法|英語の授業で使える目標設定と振り返りの型

✍️ 原田英語が厳選・執筆🗓 2026-09-28📖 6分🎁 読了で +10XP
「テスト前に何を勉強すればいいかわからない」「言われたことはやるけれど、自分からは動かない」。そんな生徒の姿に、もどかしさを感じたことはありませんか。自分で目標を立て、学び方を工夫し、結果を振り返って次に生かす力を「自己調整学習」と呼びます。評価の観点「主体的に学習に取り組む態度」とも深く関わるこの力は、生まれつきのものではなく、授業の中で育てることができます。この記事では、英語の授業でそのための具体的な型を紹介します。

自己調整学習の3つの段階

教育心理学者のバリー・ジマーマンらの研究では、自己調整学習は次のような循環する段階で説明されています。

  1. 予見(計画):目標を立て、どう学ぶかを計画する
  2. 遂行(実行):学習に取り組みながら、自分の状態をモニターし、やり方を調整する
  3. 自己省察(振り返り):結果を振り返り、うまくいった理由・いかなかった理由を考え、次の計画に生かす

この3つがぐるぐると回ることで、生徒は少しずつ「自分で学べる人」になっていきます。

英語の授業に当てはめると、例えば次のようになります。

  • 予見:「この単元の終わりに、自分の週末について5文で話せるようになる」と目標を立てる
  • 遂行:練習しながら「過去形がまだ言えない」と気づき、動詞の過去形リストを作る
  • 自己省察:「5文話せたが、つなぎの言葉が使えなかった。次は and や so を使う」と振り返る

ポイント:自己調整学習は「生徒に任せる」ことではなく、「計画→実行→振り返り」のサイクルを回す型を先生が教えることから始まります。

予見:目標設定の型

多くの生徒は、「英語をがんばる」のような漠然とした目標を立てがちです。具体的で、自分で確かめられる目標を立てる練習をさせましょう。

目標設定シートの例(単元の始めに)

  • この単元のゴール(先生から提示):I can talk about my summer vacation.
  • 自分の目標:夏休みの出来事を、理由も入れて5文以上で話す
  • そのためにやること:
  1. 教科書の新出単語を毎日5個練習する
  2. 本文を毎日3回音読する
  3. 自分の夏休みの話を先に日本語でメモしておく
  • 今の自分の自信度:1 2 3 4 5

目標の立て方のポイント

  • 行動レベルで書く:「単語をがんばる」ではなく「毎日5個練習する」
  • 確かめられる形にする:「5文以上」「10問中8問」など
  • 少し背伸びする:今の力で確実にできることより、少しだけ上を

最初は先生が例を多めに示し、2、3単元経験するうちに、自分で立てられるよう支えを減らしていきます。

遂行:学習方略を教える

自己調整がうまくいかない理由の一つは、生徒が「学び方」の選択肢を知らないことです。英語の学習方略を明示的に教えましょう。

教えたい学習方略の例

  • 単語:見て書くだけでなく、意味から英語を思い出すテスト形式で練習する。忘れかけたころに復習する
  • 音読:リピート、オーバーラッピング(音声と同時に読む)、シャドーイング(音声を追いかけて言う)など段階をつける
  • リスニング:聞く前に何を聞き取るかを決める。聞けなかった部分をスクリプトで確認し、もう一度聞く
  • ライティング:書く前にアイデアをメモする。書いた後に、主語と動詞、時制をチェックリストで確認する

モニタリングの声かけ

活動の途中で、生徒が自分の状態を確認する習慣をつけます。

  • 「今のやり方で覚えられている?10点満点で何点くらい?」
  • 「うまくいかない時は、別のやり方に変えていいよ」
  • 英語で:How is it going? Is this way working for you?

学習方略は、一度紹介しただけでは使われません。授業の中で実際に試す時間をとり、「どのやり方が自分に合っていたか」を振り返らせることで、生徒の引き出しが増えていきます。

自己省察:振り返りの型

振り返りが「楽しかった」「がんばった」だけで終わると、次の学習に生かせません。振り返りにも型を示しましょう。

振り返りの3つの問い

  1. What did I learn?(何ができるようになったか)
  2. What was difficult?(何が難しかったか。なぜか)
  3. What will I do next?(次に何をするか)

振り返りの例

  • できるようになったこと:過去形を使って、週末の話を4文で話せた
  • 難しかったこと:went や ate など不規則な過去形がすぐに出てこなかった。練習が足りなかった
  • 次にやること:不規則動詞の過去形を10個、カードにして毎日練習する

振り返りを共有する

書いた振り返りを、ペアで見せ合う時間を1〜2分とるのも効果的です。「友達はこんな練習方法を試していたのか」と気づくことで、自分の学び方の引き出しが増えます。先生が「今日の振り返りから」として、いくつかの工夫をクラス全体に紹介するのもよいでしょう。

原因の考え方

振り返りで大切なのは、うまくいかなかった原因を「自分は英語の才能がない」ではなく、「練習の量ややり方」など変えられるものに求めることです。「なぜ難しかった?」と聞いた時に「頭が悪いから」と答える生徒には、「どんな練習をしたらできそう?」と問い直し、行動に目を向けさせます。

評価とのつなげ方

自己調整学習の力は、「主体的に学習に取り組む態度」の評価と関係が深いものです。ただし、振り返りシートの記述量や、提出したかどうかだけで評価するのは避けたいところです。

評価の考え方の例

  • 目標設定シートと振り返りシートを、単元の学習と一緒に見る
  • 振り返りで挙げた「次にやること」が、次の単元で実際に行われているかを見る
  • パフォーマンス課題の結果だけでなく、改善のプロセスが見えるかを見る

生徒へのフィードバック

振り返りシートには、短くても具体的なコメントを返します。

  • 「不規則動詞をカードで練習する計画、とてもいいですね。1週間後に成果を教えてください」
  • 「難しかった理由がはっきり書けています。そこがわかれば次は伸びます」

コメントで「計画→実行→振り返り」のサイクルを先生が一緒に回していることを示すと、生徒は振り返りを形式的な作業ではなく、自分の学びのための道具として使うようになります。

よくある失敗と1単元の実践プラン

よくある失敗

  1. 振り返りを書かせるだけで終わる:書いた内容を次の授業で取り上げない、コメントを返さないと、形だけの作業になります
  2. いきなり生徒に全部任せる:目標設定も学習方略も、最初は先生が型と例を示し、少しずつ任せていきます
  3. 振り返りの時間が毎回長すぎる:毎時間は1〜2分の短い振り返り、単元の終わりにじっくり、というメリハリを
  4. できなかったことばかり書かせる:できるようになったことを先に書かせ、成長を実感させます

1単元の実践プラン

  • 単元1時間目:単元のゴールを示し、目標設定シートを書く(10分)
  • 毎時間の最後:1〜2分で「今日できたこと」「次にやること」を一行ずつ書く
  • 単元の中盤:目標に対する進み具合を確認し、必要ならやり方を変える
  • 単元の最後:パフォーマンス課題の後、振り返りの3つの問いでじっくり振り返る(10分)
  • 次の単元の始め:前の単元の「次にやること」を見直してから、新しい目標を立てる

ポイント:自己調整学習は、先生が教える「型」と、毎時間の小さな振り返りの積み重ねで育ちます。まずは次の単元の始めに、目標設定シートを1枚配ってみてください。

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✅ 今日からやること

よくある質問

振り返りに「楽しかった」しか書かない生徒がいます。
振り返りの問いを具体的にしましょう。「今日できるようになったことを英語の例文で一つ書く」「難しかった単語を一つ書く」など、答え方が明確な問いにすると、内容のある振り返りが書けるようになります。
自己調整学習は、英語が苦手な生徒にもできますか?
できます。目標を「毎日単語3つ」のように小さくし、達成できた経験を積ませることが大切です。うまくいかない原因を才能ではなくやり方に求める声かけを続けると、苦手な生徒ほど変化が見えることがあります。
振り返りに時間をとると、授業の内容が終わりません。
毎時間は1〜2分の一行振り返りにとどめ、単元の最初と最後にだけまとまった時間をとる方法がおすすめです。振り返りが定着すると生徒が自分で学習を進められるようになり、長い目で見ると授業の効率も上がります。
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英語の神動画図鑑 編集部(原田英語)
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