Graded Readersとは
Graded Readers は、英語学習者のために語彙や文法の範囲をレベル別に制限して書かれた本のシリーズです。日本語では「段階別読み物」と呼ばれることもあります。
ふつうの洋書との大きな違いは次の3つです。
- レベルがはっきりしている:シリーズごとに段階が分かれ、各レベルで使う語数や文法の目安が決められている
- 長さがちょうどいい:低いレベルほど短く、数十ページで1冊読み切れるものが多い
- ジャンルが豊富:オリジナルの物語のほか、有名な小説を学習者向けに書き直したもの、伝記やノンフィクションなどもある
多読入門でよく言われる「やさしい本をたくさん読む」を実践するうえで、もっとも使いやすい素材のひとつです。
ポイント:Graded Readers は「子ども向けの本」ではありません。大人の学習者が楽しめる内容を、やさしい英語で読めるように作られた本です。
定番シリーズとそれぞれの特徴
Graded Readers は複数の出版社から出ています。ここでは、日本の書店や図書館でも見かけやすい代表的なシリーズを紹介します。
Oxford Bookworms Library(Oxford University Press)
Starter から Stage 6 までの段階に分かれた、歴史のある定番シリーズです。古典的な名作の書き直しからオリジナル作品まで幅広く、多読を取り入れている学校や図書館でもよく置かれています。多くの本に音声が用意されているのも特徴です。
Penguin Readers(Pearson)
有名な小説や映画の原作などを学習者向けにした作品が多いシリーズです。レベルごとにCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)の目安が示されているので、英検やTOEICのスコアと照らし合わせて選ぶ際の参考になります。
Macmillan Readers
Starter から Upper まで、段階的に難しくなる構成のシリーズです。サスペンスや冒険もの、名作の書き直しなど、物語性の強い作品が多くそろっています。
Cambridge English Readers(Cambridge University Press)
学習者向けに書き下ろされたオリジナル作品が中心のシリーズです。ミステリーやドラマ仕立ての作品があり、「書き直しではない、新しい物語を読みたい」人に向いています。
シリーズ名やレベル区分、価格などは改訂されることがあるので、購入の前に出版社のサイトで最新の情報を確認しましょう。
自分に合うレベルの見つけ方
「低すぎるかな」から始める
多読の失敗で一番多いのは、レベルを高く設定しすぎることです。「これは簡単すぎるかも」と思うレベルから始めるのが鉄則です。
目安として、次のように考えてみてください。
- 中学英語に不安がある → シリーズの一番下のレベル(Starter など)
- 中学英語はだいたいわかる → 下から2つ目くらい
- 高校英語を学習中・英検準2級〜2級程度 → 中間レベルから試す
ただし、これはあくまで出発点です。最終的には、実際に読んでみた感覚で決めます。
合っているかのチェックポイント
- 辞書なしで話の流れの8〜9割がわかる
- 1ページに知らない単語が数個以内
- 途中で止まらずに読み進められる
- 「続きが気になる」と感じる
この4つが揃っていれば、今のあなたにぴったりのレベルです。
3冊お試し法
どのレベルがいいか迷ったら、次のように3冊を並べて試してみましょう。
- 「これは簡単すぎるはず」と思うレベルの本を1冊
- 「ちょうどよさそう」と思うレベルの本を1冊
- 「少し難しそう」と思うレベルの本を1冊
それぞれの最初の数ページを読み、一番「止まらずに楽しく読めた」ものを選びます。意外なことに、多くの人は1冊目か2冊目を選ぶことになります。自分で思っているより1段階下のレベルが、多読にはちょうどいいことが多いのです。
書き直し版とオリジナル作品の違い
Graded Readers には、大きく分けて2種類の本があります。
- 書き直し版(リトールド):有名な小説や物語を、そのレベルの語彙と文法で書き直したもの。話の筋が面白いことが保証されている反面、長い原作を短くまとめているため、細かい描写が省かれていることもあります。
- オリジナル作品:学習者向けに最初から書き下ろされた作品。そのレベルの英語で自然に読めるように作られているので、文章の流れがなめらかなものが多いです。
どちらが良いというより、好みで選んで問題ありません。「知っている話で安心したいときは書き直し版、新しい話を楽しみたいときはオリジナル」と使い分けるのもおすすめです。
Graded Readersの読み進め方
同じレベルをたくさん読む
1つのレベルで1〜2冊読んで、すぐに次のレベルへ進みたくなるかもしれません。でも、同じレベルで5冊、10冊と読むほうが力がつきます。同じ語彙に何度も違う文脈で出会うことで、知っている単語が「すぐにわかる単語」に変わっていくからです。
違うシリーズで同じくらいのレベルを読む
1つのシリーズばかりだと、飽きることがあります。同じくらいのレベルで、別のシリーズやジャンルを混ぜると新鮮さを保てます。
音声を活用する
音声つきの本なら、次のような使い方ができます。
- まず音声なしで読む
- 音声を聞きながら、もう一度読む
- 気に入った章は音声だけで聞いてみる
読む力と聞く力を一緒に伸ばせるのが、Graded Readers のうれしいところです。
レベルを上げるタイミング
次のサインが出たら、1つ上のレベルを試してみましょう。
- 今のレベルの本がほとんど止まらずに読める
- 読むスピードが明らかに上がった
- 「ちょっと物足りない」と感じる
上げてみて難しすぎたら、すぐに戻ってかまいません。上のレベルと今のレベルを交互に読む「行ったり来たり」の期間があるのは自然なことです。
1週間の読書メニューとよくある失敗
1週間メニュー(1日20分)
- 月曜:新しい本を開始。最初の章を読む
- 火曜〜木曜:毎日1〜2章ずつ読み進める
- 金曜:読み切る。読書記録にタイトル・レベル・一言感想を書く
- 土曜:気に入った章を音声つきで読み直す
- 日曜:次に読む本を選ぶ(同じレベルで別シリーズ・別ジャンルを1冊)
よくある失敗
- レベル上げを急ぐ:難しい本に早く移っても、止まってばかりでは多読の効果が出にくくなります。
- 内容に興味がない本を選ぶ:レベルだけで選ばず、あらすじを読んで「面白そう」と思う本を選びましょう。
- 巻末の問題に時間をかけすぎる:巻末に練習問題がついている本もありますが、多読が目的なら、やるかどうかは自由です。
まとめ:Graded Readersは多読の最強の相棒
Graded Readers は、「自分に合う難しさの英語をたくさん読む」ための、とても使いやすい道具です。
- 「簡単すぎるかな」というレベルから始める
- 同じレベルで何冊も読む
- 音声も活用して読む・聞くを同時に伸ばす
- レベルは行ったり来たりでOK
今日は、図書館やネット書店で、一番下のレベルから1冊選んでみてください。



