まずは「4つの地域」に分けて50を小さくする
50州を覚えるときの最初のコツは、いきなり50個に向き合わないことです。人間の記憶は、バラバラの情報よりもまとまりのある情報のほうが扱いやすいと言われています。
アメリカの国勢調査では、全米を次の4つの地域(region)に分けています。
- Northeast(北東部):9州。ニューヨークやマサチューセッツなど、東海岸の北側
- Midwest(中西部):12州。五大湖のまわりと大平原の州
- South(南部):16州。テキサスやフロリダ、首都ワシントンD.C.の周辺も含む
- West(西部):13州。カリフォルニアやアラスカ、ハワイなど
9+12+16+13=50。まずはこの4つの箱を用意して、「この州はどの箱?」と考えながら覚えていくと、頭の中に整理棚ができます。
ポイント:地域の数(9・12・16・13)を先に覚えておくと、「北東部はあと何州?」と自分でチェックできます。
なお、学校の教材によっては5地域(北東部・南東部・中西部・南西部・西部)に分けることもあります。どちらを使ってもOKですが、途中で混ぜないようにしましょう。
頭文字で数えると「抜け」がなくなる
次におすすめなのが、頭文字ごとの数を押さえる方法です。これを知っておくと、書き出したときに「あと1つ足りない」とすぐ気づけます。
- M で始まる州は8つ:Maine, Maryland, Massachusetts, Michigan, Minnesota, Mississippi, Missouri, Montana
- N で始まる州も8つ:Nebraska, Nevada, New Hampshire, New Jersey, New Mexico, New York, North Carolina, North Dakota
- A・I・W で始まる州は4つずつ:A は Alabama, Alaska, Arizona, Arkansas/I は Idaho, Illinois, Indiana, Iowa/W は Washington, West Virginia, Wisconsin, Wyoming
さらに、B・E・J・Q・X・Y・Z で始まる州は1つもありません。これも意外と記憶に残る豆知識です。
「ペア」で覚える州
- New がつく州は4つ(New Hampshire, New Jersey, New Mexico, New York)
- North と South のペアが2組(Carolina と Dakota)
- Virginia と West Virginia はお隣どうし
こうした「セット」は、1つ思い出すともう1つも芋づる式に出てきます。
歌で「音のまとまり」を耳に入れる
アメリカの子どもたちも、50州を歌で覚えることがよくあります。学校で歌われる定番曲や、教育チャンネルの州名ソングがたくさんあるので、STUDY HACKの動画ページからお気に入りを探してみてください。
歌で覚えるメリットは、リズムがあると順番ごと覚えやすいことと、正しい発音が同時に身につくことです。たとえば Arkansas(アーカンソー)や Illinois(イリノイ)は、つづりから想像する音と実際の発音がちがう代表例。歌で先に音を入れておくと、読み間違いを防げます。
使い方のコツは次の3つです。
- 1回目は映像の文字を目で追いながら聞く
- 2回目からは州名の部分だけ一緒に口ずさむ
- 慣れたら音声だけで流し、次の州名を先に言う
ポイント:歌は「思い出すきっかけ」を作る道具です。最後は歌なしで言えるかを必ず確認しましょう。
白地図で「場所」を結びつける
名前だけ言えても、地図の上で指させなければ半分しか覚えていません。そこで活躍するのが白地図です。インターネットで「アメリカ 白地図」と検索すれば、印刷できるものが見つかります。
やり方はシンプルです。
- 地域ごとに色を決める(北東部は青、中西部は緑…など)
- 1日1地域ずつ、州名を書き込みながら色をぬる
- 翌日、何も見ずに同じ地域の州名を書き込めるか試す
形に注目するのも効果的です。フロリダは南に突き出た半島、ミシガンはミトン(手袋)のような形、コロラドとワイオミングはほぼ長方形、というように、形の特徴を一言で説明してみましょう。英語で「Michigan looks like a mitten.」と言ってみれば、英語の練習にもなります。
1週間で50州を言えるようにするメニュー
ここまでの方法を組み合わせた、1週間のモデルメニューです。1日15〜20分を目安にしてください。
- 1日目:4地域の名前と州の数を覚える。歌を1曲通して聞く
- 2日目:北東部(9州)を白地図に書き込む。頭文字チェックも
- 3日目:中西部(12州)を書き込む。前日の北東部を思い出しテスト
- 4日目:南部(16州)を半分ずつ。北東部・中西部をもう一度テスト
- 5日目:西部(13州)を書き込む。歌を見ずに口ずさむ
- 6日目:白紙に50州を書き出し、頭文字の数で抜けをチェック
- 7日目:白地図に50州すべてを書き込むテスト。間違えた州だけ翌週に復習
毎日「前の日の分を思い出してから新しい分に進む」のがポイントです。読み返すよりも、何も見ずに思い出すほうが記憶に残りやすいことは、学習法の分野でよく知られています。
覚えた州名を英語の練習に変える
せっかく50州を覚えたなら、英語の練習にも活用しましょう。州名は、英語で説明する練習のネタとしてとても使いやすい素材です。
たとえば、次のような短い文を作ってみましょう。
- California is on the west coast.(カリフォルニアは西海岸にある)
- Texas is the second largest state.(テキサスは2番目に大きい州だ)
- Hawaii is made up of islands.(ハワイは島々でできている)
- Ohio is in the Midwest.(オハイオは中西部にある)
「どこにあるか(in the Midwest / on the east coast)」「どんな特徴があるか(famous for ~)」の2つの型を使うだけで、たくさんの文が作れます。
友達や家族とクイズを出し合う
覚えたことを人に説明したり、クイズを出し合ったりするのも効果的です。「M で始まる州を8つ言えるかな?」「五大湖に接している州は?」など、ゲーム感覚で出題してみましょう。思い出す回数が増えるほど、記憶はしっかりしていきます。
ポイント:英語で1文を作るたびに、州名・場所・特徴の3つがセットで記憶に残ります。
よくある失敗と対策
最後に、50州を覚えるときにありがちな失敗を紹介します。
- 失敗1:アルファベット順だけで覚える → 順番は言えても場所がわからない状態になりがち。必ず地図とセットにしましょう。
- 失敗2:つづりを後回しにする → Massachusetts や Mississippi はつづりが難しい州の代表。書いて覚える日を作りましょう。
- 失敗3:1日で全部やろうとする → 翌日にはほとんど忘れてしまいます。短時間を何日かに分けるほうが結果的に早く覚えられます。
50州を覚えると、英語ニュースで「a senator from Ohio」のような表現が出てきたときにすっと頭に入るようになります。地理の知識は、英語の理解を助ける背景知識にもなるのです。



