なぜ歌だと覚えやすいのか
歌で覚えた言葉がいつまでも頭に残っている、という経験は多くの人にあるはずです。子どものころに歌った歌を、何年たっても口ずさめることがありますよね。
歌が暗記に向いている理由として、よく挙げられるのは次のような点です。
- リズムと音の高さが、言葉の並びを覚える手がかりになる
- くり返しが自然に入っているので、何度も聞いても飽きにくい
- 口に出しやすいので、聞くだけでなく自分でも言う練習になる
- 楽しい気持ちで取り組めるので、続けやすい
ポイント:歌は「順番」や「セット」を覚えるのが特に得意です。曜日、月、不規則動詞の3つの形など、決まった並びがあるものと相性抜群です。
一方で、歌だけでは「意味」や「使い方」までは身につきにくい、という弱点もあります。この記事の後半で、その補い方も紹介します。
つまり、歌は「覚える入口」として使い、そのあとで意味と使い方を固めるのがおすすめの使い方です。
テーマ別・歌で覚えやすい英語
曜日・月
英語を始めたばかりの人にぴったりです。つづりが長く、発音とずれている(Wednesday, February など)ものもあるので、歌で音を覚えてから、つづりを確認するのがおすすめです。
不規則動詞
go-went-gone、take-took-taken のような3つの形は、リズムに乗せて3拍子で言うと覚えやすくなります。学習ソングの多くは、この「原形・過去形・過去分詞」のセットをくり返す構成になっています。
前置詞
in, on, under, between, behind など、位置関係を表す前置詞は、アニメーション付きの歌が特に効果的です。映像で位置のイメージをつかみながら、言葉を覚えられます。
アルファベットとフォニックス
A は「エイ」だけでなく、apple の「ア」の音もある、というように、文字と音の関係を歌で覚えるフォニックスは、英語の読み書きの土台になります。
教養系(国名・大統領・元素など)
英語圏の学校でも使われる、知識を覚えるための歌もたくさんあります。英語で知識を学べる一石二鳥の教材です。
学習ソングの効果的な使い方5ステップ
学習ソングは、ただ流しているだけではもったいない教材です。次の5ステップで使ってみましょう。
- まず聞く:映像の文字を目で追いながら、1回通して聞く
- 一緒に歌う:2回目から、言えるところだけ一緒に口ずさむ
- 止めて言う:一時停止して、次に出てくる言葉を先に言ってみる
- 書き出す:歌を思い出しながら、紙に書き出す(不規則動詞なら3つの形を表にする)
- 歌なしでテスト:歌を流さずに、順番をバラバラにして言えるか確認する
ポイント:ステップ5がいちばん大切です。歌の順番どおりにしか思い出せない状態から、どこからでも取り出せる状態にすることがゴールです。
たとえば不規則動詞なら、歌で覚えた後に「buy の過去分詞は?」とランダムに聞かれても答えられるかを確認しましょう。
曜日・月の歌の場合
曜日や月の歌なら、ステップ5のテストは「Wednesday の次は?」「10月は英語で?」「May の2つ前の月は?」のように出題するのがおすすめです。順番どおりに言えるだけでなく、途中から取り出せるかどうかを確かめましょう。
歌だけに頼らない「定着のひと工夫」
歌で覚えた知識を本当に使える力にするには、次のひと工夫を加えましょう。
例文で使う
不規則動詞を覚えたら、自分で例文を作ります(例文は編集部作成)。
- I bought a new notebook yesterday.(buy-bought-bought)
- Have you ever seen a shooting star?(see-saw-seen)
- She has already gone home.(go-went-gone)
身の回りで使う
前置詞を覚えたら、部屋の中の物の位置を英語で言ってみます。
- My phone is on the desk.
- The cat is under the table.
- The clock is between the two windows.
日常の中で思い出す
曜日や月は、スマホのカレンダーを英語表示にしたり、手帳の日付を英語で書いたりすると、毎日自然に復習できます。
ポイント:歌は「入口」、例文と日常での使用が「定着」です。この2つをセットにすると、覚えた知識が長持ちします。
1週間の実践メニュー(不規則動詞編)
不規則動詞を歌で覚える場合の1週間メニューです。
- 1日目:不規則動詞の歌を選び、映像を見ながら2回聞く
- 2日目:一緒に歌う。言えなかった動詞に印をつける
- 3日目:印をつけた動詞を、原形・過去形・過去分詞の表に書き出す
- 4日目:歌を流さず、表を隠してランダムに言えるかテスト
- 5日目:苦手な動詞10個で例文を作る
- 6日目:歌をもう一度聞き、前回より言える部分が増えたか確認
- 7日目:最初から最後まで、歌なしで書き出すテスト
1日の目安は10〜15分。通学中に聞く、お風呂で歌う、など生活の中に入れると続けやすくなります。
よくある失敗と対策
- 失敗1:BGMとして流しっぱなし → 聞き流すだけでは、なかなか覚えられません。一緒に歌う・止めて言うなど、自分から声を出す時間を作りましょう。
- 失敗2:歌の順番でしか思い出せない → テストのときに「歌を最初から頭の中で流さないと出てこない」状態になりがちです。ランダムテストを必ず入れましょう。
- 失敗3:つづりを確認しない → 歌で音を覚えても、つづりは別に練習が必要です。書き出すステップを飛ばさないようにしましょう。
- 失敗4:歌詞をなんとなく覚える → 聞きまちがえたまま覚えてしまうこともあります。動画の文字や教科書で、正しい形を確認しましょう。
歌はあくまで覚えるきっかけです。最後は歌なしで使えるように仕上げましょう。
また、歌詞を丸ごと書き写して配布したり、ネットに載せたりしないことにも注意しましょう。歌詞には著作権があります。自分の学習ノートには、覚えたい単語や活用形だけをまとめれば十分です。動画は公式に公開されているものを、埋め込みや公式ページから見るようにしましょう。
歌の選び方のポイント
学習ソングを選ぶときは、次の3点をチェックしましょう。
- 公式チャンネルや教育チャンネルのもの:内容が正確で、画質・音質も安定しています
- 文字が画面に出るもの:音とつづりを同時に確認できます
- 自分のレベルに合った速さ:速すぎる歌は、慣れてから挑戦しましょう
STUDY HACKの「記憶術」コーナーでは、フォニックス、曜日・月、不規則動詞、前置詞などの学習ソングを、公式・教育チャンネルの動画から選んで紹介しています。まずは1曲、お気に入りを見つけてみてください。
ポイント:好きになれる曲を選ぶことも大切です。何度もくり返し聞きたくなる曲ほど、自然と覚えられます。



