ゲームが英語学習に役立つ理由
英語が「わからないと進めない」
ゲームでは、クエストの指示、アイテムの説明、登場人物のセリフなど、英語を理解しないと先に進めない場面がたくさんあります。「わかりたい」という強い動機が生まれるので、自然と英語を読もうとします。
同じ単語に何度も出会う
ゲームの中では、同じ単語やフレーズが繰り返し登場します。たとえば、equip(装備する)、quest(任務)、inventory(持ち物)、defeat(倒す)などは、一度覚えるとゲーム中に何十回も目にします。繰り返し出会うことで、意識して暗記しなくても定着していきます。
状況と言葉が結びつく
「この扉を開けるには鍵が必要だ」という場面で You need a key to open this door. という文を読めば、状況と英語がセットで記憶に残ります。これは単語帳では得られない体験です。
自分のペースで読める
映画やドラマと違い、多くのゲームでは会話やテキストを自分のペースで読み進められます。わからない単語があれば、立ち止まって調べることもできます。
ポイント:ゲームは「英語を読む・聞く」を、目的のある行動にしてくれる教材です。
ジャンル別:身につく英語の力
ゲームのジャンルによって、英語の触れ方は大きく違います。
RPG(ロールプレイングゲーム)
ストーリーが長く、会話やテキストの量が非常に多いのが特徴です。リーディング力と語彙力を伸ばすのに最も向いています。ただし、ファンタジー世界の独特な単語(呪文やアイテム名など)も多いので、日常英語とは分けて考えましょう。
アドベンチャー・ノベル系
会話が中心で、選択肢によって物語が変わる作品も多くあります。選択肢を読んで判断する必要があるので、じっくり読む力がつきます。
シミュレーション・生活系
街づくりや農業、日常生活を送るタイプのゲームは、日常的な語彙(料理、天気、買い物など)が多く、生活英語を学ぶのに向いています。
パズル・アクション
テキストは少なめですが、操作説明やメニュー画面で基本的な英語に触れられます。英語学習の効果は控えめなので、「英語に慣れる入り口」と考えましょう。
オンライン対戦・協力ゲーム
他のプレイヤーとチャットやボイスで交流できる場合、実際に英語を使う経験になります。ただし、知らない人との交流には注意が必要です(後述)。
選び方のヒント
英語学習に使うなら、一度日本語でクリアしたゲームを英語でもう一度遊ぶのが最もおすすめです。ストーリーを知っているので、英語がわからなくても迷子になりません。
言語設定を英語にするときの注意点
設定の場所はゲームや機種によって違う
ゲームの言語は、ゲーム内のオプションで変えられる場合と、ゲーム機本体の言語設定に従う場合があります。また、そもそも英語が収録されていないソフトもあります。まずはゲームの説明書や公式サイトで、対応言語を確認しましょう。
本体の言語を変える場合の注意
ゲーム機本体の言語を英語にすると、メニュー画面や設定画面もすべて英語になります。元に戻す方法がわからなくなると困るので、設定を変える前に、言語設定の画面までの手順をメモしておきましょう。
音声と字幕を分けられるか確認
ゲームによっては、音声と字幕の言語を別々に選べることがあります。
- 英語音声+英語字幕:リスニングとリーディングを両方鍛えられる
- 日本語音声+英語字幕:リーディング中心、入り口として使いやすい
- 英語音声+日本語字幕:リスニング中心、ストーリー理解を優先したいとき
自分のレベルに合わせて組み合わせを選びましょう。
ポイント:設定を変える前に「元に戻す手順」をメモ。これだけで安心して英語設定に挑戦できます。
遊びながら学ぶためのメモ術
ゲームの英語をただ流し読みするだけでは、なかなか身につきません。少しだけ「学ぶ工夫」を加えましょう。
1プレイ3単語ルール
1回のプレイで、気になった単語やフレーズを3つだけメモします。スマホのメモでも紙でもかまいません。3つだけなら、ゲームの楽しさを邪魔しません。
ゲーム単語ノートの例(自作)
- restore:回復する(HP is restored. = HPが回復した)
- unlock:解除する(A new area has been unlocked. = 新しいエリアが解放された)
- obtain:手に入れる(You obtained a shield. = 盾を手に入れた)
- Are you sure?:本当によろしいですか?(セーブや削除の確認画面で)
日常の例文に変える
ゲームの単語を、日常の場面に置きかえて例文を作ると、使える英語になります。
- obtain → I obtained a new library card today.(今日、新しい図書館カードを手に入れた)
- unlock → I unlocked my phone with my fingerprint.(指紋でスマホのロックを解除した)
画面を写真に撮る
わからない表現が出てきたとき、画面を撮影しておいて、あとでまとめて調べる方法もあります。プレイを中断せずに済むので、ゲームの流れを保てます。
ゲーム×英語の1週間メニュー
平日30分、週末60分のプレイを想定したメニュー例です。
- 月曜(30分):英語設定でプレイ。気になった単語を3つメモ。
- 火曜(30分):プレイ前に昨日の3単語を見ずに言えるかチェック。プレイ後に新しく3単語メモ。
- 水曜(10分):プレイはお休み。メモした単語を辞書で調べ、例文を1つずつ作る。
- 木曜(30分):プレイ。登場人物のセリフで気に入ったものを1つ声に出して読む。
- 金曜(30分):プレイ。新しく3単語メモ。
- 土曜(60分):じっくりプレイ。ストーリーの展開を英語で1〜2文にまとめてみる。
- 日曜(15分):1週間分の単語を見返し、覚えていないものに印をつける。
土曜のまとめの例(自作)
- I finally defeated the boss in the castle. Now I can go to the next island.
簡単な英語で十分です。ゲームの展開を英語で説明できるようになると、「読んだ英語」が「使える英語」に変わっていきます。
よくある失敗と注意点
失敗1:遊ぶだけで何も残らない
ゲームに夢中になると、英語のことを忘れてしまいます。「1プレイ3単語」のような小さなルールを決めておきましょう。
失敗2:勉強時間がゲームに置きかわる
ゲームは楽しいぶん、時間を使いすぎてしまいがちです。「英語設定のゲームは1日30分まで」のように時間を区切り、単語学習や問題演習の時間はきちんと確保しましょう。タイマーを使うのもおすすめです。
失敗3:難しすぎて楽しめない
最新の大作RPGを英語で始めて、テキスト量に圧倒されるケースがあります。最初は日本語でクリア済みのゲームや、テキストが少なめのゲームから始めましょう。
注意:オンラインでの交流
オンラインゲームで海外のプレイヤーと英語でやりとりするのは貴重な経験ですが、個人情報(本名、学校名、住所、写真など)は絶対に教えないでください。また、ゲーム内のチャットには乱暴な言葉が使われることもあります。未成年の人は、保護者と相談してルールを決めてから利用しましょう。
ゲームは、正しく使えば英語学習の強い味方になります。「楽しい」を大切にしながら、少しずつ英語を持ち帰りましょう。



