ジェネラル・トレーニングが使われる場面
IELTSの公式サイトでは、ジェネラル・トレーニングは、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、英国などへの移住や、英語圏での就労・研修などを目指す人向けの試験として紹介されています。日常生活や職場で必要になる英語力を測る内容です。
一方、アカデミックは大学・大学院への留学や、一部の専門職の登録などで使われます。同じ「海外で働く」でも、職種によってはアカデミックが求められる場合があるので注意が必要です。たとえば医療系などの専門資格の登録では、指定が異なることがあります。
ポイント:「移住=ジェネラル」と決めつけず、手続きごとに指定される試験の種類を確認しましょう。
要件の調べ方
移住や就労ビザの英語要件は、国・制度・職種によって大きく異なります。次の手順で調べましょう。
- 手続きの名前を特定する:ビザや移民プログラムの正式名称を確認
- 政府の公式サイトを確認する:各国の移民当局のページで、受け付ける英語試験と必要スコアを確認
- 試験の種類を確認する:アカデミックかジェネラルか、英国ならUKVIが必要か
- スコアの形を確認する:総合点だけでなく、各技能に最低点がある場合が多い
- 有効期限を確認する:申請時点でスコアが有効である必要がある
情報源の注意
移住に関する情報は、ブログや体験談で古い情報が残っていることがあります。要件は変わることがあるので、必ず政府の公式情報を最新の日付で確認しましょう。複雑な手続きの場合は、公的に認められた専門家に相談することも検討してください。
アカデミックとの違い:リーディングとライティング
IELTSのリスニングとスピーキングはアカデミックとジェネラルで共通ですが、リーディングとライティングは内容が異なります。
リーディング
ジェネラルでは、お知らせ、広告、職場の案内、新聞や雑誌の記事など、日常生活や仕事で目にする文章が中心です。文章は短めのものから始まり、後半にはより長く複雑な文章も出てきます。
ライティング
- Task 1:手紙を書く(情報を求める、状況を説明する、苦情を伝えるなど)
- Task 2:意見を述べるエッセイ(アカデミックと同じ形式)
ジェネラルのTask 1は、グラフの描写ではなく手紙です。相手との関係(友人・上司・会社など)によって、フォーマル・インフォーマルの書き分けが求められます。
手紙(Task 1)の準備
手紙のタスクでは、問題文に書くべき内容のポイントが示されます。すべてのポイントに触れることが最も大切です。
構成
- 書き出し(Dear...)
- 手紙の目的(I am writing to...)
- ポイント1〜3にそれぞれ触れる段落
- 結び(I look forward to hearing from you. など)
フォーマルな手紙の例文(自作)
Dear Sir or Madam,
I am writing to inform you about a problem with the washing machine I purchased from your store last week. When I used it for the first time, water leaked onto the floor...
インフォーマルな手紙の例文(自作)
Dear Sam,
Thanks so much for your letter! I'm really sorry I couldn't make it to your birthday party last weekend...
トーンの使い分け
- フォーマル:I would be grateful if you could... / I regret to inform you that...
- インフォーマル:Could you...? / I'm afraid I can't...
相手に合わない言葉づかい(上司に Hi mate! など)は評価を下げる原因になります。
仕事と生活の英語を同時に伸ばす
移住や就職のためにIELTSを受ける人は、試験のあとに実際に英語で生活し、働くことになります。試験対策と実用を両立させる学び方がおすすめです。
おすすめの練習
- 職場のメールを英語で書く練習:依頼、謝罪、日程調整など、ジェネラルの手紙にもそのまま役立つ
- 生活情報を英語で読む:現地の自治体や公共交通の案内、賃貸物件の広告など
- ニュースを聞く:学習者向けのニュースや、現地のラジオ・ポッドキャスト
- 自分の職業について話す練習:仕事内容、経験、今後の目標を英語で2分話す
スピーキングの例文(自作)
I've been working as a software engineer for five years. My main role is to develop and maintain booking systems for hotels. In the future, I'd like to work on projects that involve teams from different countries.
自分の職業に関する語彙は、面接や職場でもすぐに使えます。
スコアの有効期限と受験計画
移住や就労の手続きは、書類の準備から申請、審査まで時間がかかることがあります。IELTSの結果の有効期間は一般に試験日から2年間とされていますが、提出先によって扱いが異なる場合もあります。申請する時点でスコアが有効かどうかを逆算して受験日を決めましょう。
受験計画の立て方
- 申請予定日を決める
- 必要書類の準備期間を見積もる
- 目標スコアに届かなかった場合の再受験の時間を確保する
- そこから逆算して1回目の受験日を決める
コンピューター版の受験後60日以内なら、1技能だけを受け直せるOne Skill Retakeを利用できる場合があります。ただし、移住や就労の手続きでOne Skill Retakeの結果が認められるかどうかは制度によって異なるため、事前の確認が欠かせません。
リスニングとスピーキングは共通
リスニングとスピーキングはアカデミックと共通なので、IELTS全般の対策教材をそのまま使えます。移住や就職を目指す人は、スピーキングで仕事や生活の話題を多めに準備しておくと実用的です。
準備しておきたい話題
- 自分の仕事と経歴
- 海外で働きたい理由
- 住んでいる街と、住みたい街
- 休日の過ごし方
例文(自作)
The main reason I want to work abroad is to gain experience in an international environment. I've worked with overseas clients for several years, and I'd like to deepen that experience by living in another culture.
8週間の準備メニューとよくある失敗
よくある失敗
- アカデミック用の教材だけで準備し、手紙の練習をしていない
- 要件を古い情報で判断してしまう
- 総合点だけを見て、各技能の最低点を見落とす
- 手紙で問題文のポイントを1つ書き忘れる
8週間メニュー
- 1〜2週目:要件の確認と、公式サンプル問題で現状把握
- 3〜4週目:手紙を週3本(フォーマル・セミフォーマル・インフォーマル)
- 5〜6週目:ジェネラルのリーディングを週3セット。お知らせや広告の読み取りに慣れる
- 7週目:Task 2のエッセイとスピーキング(仕事・生活の話題)を集中練習
- 8週目:本番と同じ時間で通し練習
今日は、自分が目指す国の移民当局や就労ビザの公式ページを開いて、指定されている英語試験の名前をメモしてみましょう。



