まず全体像:4パート×10問、音声は1回だけ
IELTSのリスニングは4つのパートで構成され、各パート10問、合計40問です。所要時間は約30分。公式の案内でも、音声は1回だけ流れると明記されています。聞き逃した箇所を取り戻すチャンスはないので、「全部を聞き取る」より「聞くべき場所で確実に拾う」発想が大切です。
各パートのおおまかな性格は次のとおりです。
- Part 1:日常的な場面の2人の会話(申し込み、問い合わせなど)
- Part 2:日常的な場面の1人の話(施設の案内、イベントの説明など)
- Part 3:教育・研修の場面での複数人の話し合い(課題の相談など)
- Part 4:学術的なテーマの講義(1人が話す)
後半に進むほど語彙が抽象的になり、話のスピード感も増していきます。また、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、北米など、さまざまな英語のアクセントが使われる点もIELTSらしいところです。
設問形式は、多肢選択、組み合わせ、地図・図の名称記入、フォームやメモ・表の穴埋め、文の完成、短答問題などさまざまです。形式ごとに「何を先に見ておくか」が変わるので、次の章から具体的に見ていきましょう。
ポイント:Part 1〜2は「取りこぼさない」、Part 3〜4は「流れを見失わない」。パートごとに目標を変えると、演習の質が上がります。
先読みのやり方:設問から「何が来るか」を予測する
IELTSでは各パートの音声が始まる前に、設問に目を通す時間があります。この時間を「なんとなく眺める」で終わらせるか、「答えの形を予測する」に使うかで、正答率が大きく変わります。
先読みでやる3つのこと
- 空欄に入る品詞と種類を予測する:数字か、名前か、名詞か、動詞か。例えば「Cost: £____」なら数字、「Bring a ____」なら名詞が来ると分かります。
- キーワードに印をつける:コンピューター版では画面上の語句をハイライトできます。聞き取りの目印になる語(日付、固有名詞、比較の語など)を押さえます。
- 言い換えを予想する:設問の語がそのまま聞こえるとは限りません。「cheap」とあれば「doesn't cost much」「affordable」など別の言い方で出てくる可能性を頭に置きます。
自作の例
設問:The library is closed on ______.
予測:曜日か祝日が入る。音声では「open every day except...」のように、closed を使わずに言われるかもしれない。
このように「どんな言い方で来そうか」まで準備しておくと、言い換えに気づけるようになります。
ポイント:先読みは「答えの型」と「言い換え候補」を持っておく作業。単語を訳すだけでは足りません。
ひっかけの定番:言い直し・訂正・候補の列挙
IELTSのリスニングで多い失点パターンは、最初に聞こえた情報をそのまま書いてしまうことです。会話では、話し手が情報を訂正したり、いくつかの候補を挙げてから1つに決めたりします。
例1:言い直し
"The meeting is on Tuesday... oh no, sorry, they moved it to Thursday."
最初に出た Tuesday ではなく、訂正後の Thursday が答えです。sorry、actually、I mean、wait などは「この後に訂正が来る」サインです。
例2:候補の列挙
"We thought about the museum and the park, but in the end we chose the aquarium."
選択肢に museum、park、aquarium が全部並んでいたら、but や in the end の後が本命です。
例3:数字と名前のつづり
Part 1では、名前や住所を1文字ずつ読み上げる場面がよく出ます。アルファベットの聞き分け(B と V、M と N、G と J など)や、「double L」のような言い方にも慣れておきましょう。数字では fifteen と fifty のような聞き分けも要注意です。
ポイント:「but」「actually」「sorry」が聞こえたら要注意。答えを書きかけても、次の一言まで耳を離さないことです。
答えの書き方:語数制限とつづりで落とさない
穴埋め問題には「NO MORE THAN TWO WORDS AND/OR A NUMBER」のような語数制限がつきます。公式の説明では、語数制限を超えて書くとその問題は得点になりません。内容が合っていても、書き方で失点するのは本当にもったいないですよね。
押さえておきたい書き方のルール
- 指示文の語数制限を毎回確認する(設問ごとに変わることがあります)
- ハイフンでつながった語は1語として数えると公式に説明されています
- 設問文にすでにある語を、答えの中でくり返さない
- 単数・複数を文脈で判断する(「two ____」なら複数形の -s を忘れない)
つづりミスを減らす練習
リスニングの穴埋めは、正しいつづりで書けてはじめて得点になります。日ごろから、よく出る語を「書いて覚える」練習をしておきましょう。例えば、次のような語は日常場面でよく使われるのに、つづりを間違えやすい語です。
- accommodation(c と m が2つずつ)
- necessary(c が1つ、s が2つ)
- environment(n を落としやすい)
- Wednesday / February(発音しない文字がある)
ポイント:演習の丸つけでは「聞き取れたか」と「正しく書けたか」を分けて記録しましょう。後者のミスは練習でほぼゼロにできます。
コンピューター版で気をつけたいこと
日本英語検定協会の案内では、IELTSのペーパー版は終了し、現在はコンピューター版での受験となっています。リスニングもヘッドホンで聞き、答えはキーボードで入力します。
公式の練習コンテンツでは、コンピューター版のリスニングは最後に2分間の見直し時間があると案内されています。紙の試験のように答えを書き写す時間はない前提で、聞きながら直接入力していくイメージを持っておきましょう。
練習しておきたい操作
- 聞きながら短い単語をすばやく打つ(名前・数字・日付など)
- 画面のスクロールと設問の移動
- ハイライト機能で先読みのキーワードに印をつける
また、タイピングに慣れていないと「聞き取れたのに打つのが間に合わない」ことが起こります。公式サイトにはコンピューター版の練習問題があるので、本番前に一度は画面の操作感を体験しておくと安心です。
ポイント:紙の問題集で練習するときも、答えはパソコンに打ち込む。これだけで本番のギャップがぐっと減ります。
独学向け1週間メニューとよくある失敗
リスニングは「問題を解く」だけではなかなか伸びません。解いた後の復習で、聞き取れなかった理由を突き止めることが大切です。
1週間メニュー(1日30〜40分)
- 月:Part 1を1セット解く→つづりと数字のミスを確認
- 火:月曜の音声をスクリプトを見ながら聞き、聞き取れなかった箇所に印をつける
- 水:Part 2を1セット→地図・図の問題で位置表現(opposite, next to, at the end of)を確認
- 木:Part 3を1セット→誰が何を言ったかを整理し、意見の変化を追う
- 金:Part 4を1セット→講義の構成(導入・例・まとめ)をメモしながら聞く
- 土:今週の音声から好きな部分をシャドーイング(5分×2回)
- 日:間違えた問題だけを解き直し、言い換えのペアをノートにまとめる
よくある失敗
- 答え合わせだけで終わる:なぜ間違えたか(聞き取り・言い換え・つづり・語数)を分類しましょう。
- Part 4ばかり練習する:Part 1〜2の取りこぼしを減らすほうが、スコアへの近道になることも多いです。
- スクリプトを最初から見る:まず自力で聞き、あとで答え合わせする順番を守りましょう。
今日はまず、Part 1を1セット解いて、ミスを「聞き取り」「つづり」「語数」の3つに分けてみてください。自分の弱点の形が見えてきますよ。



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