高得点帯で差がつくのは「精度」と「自然さ」
IELTSのバンド記述では、8.0がVery good user、9.0がExpert userと説明されています。7.0と8.0の違いは、ミスの頻度と、言葉選びの自然さです。
7.0の答案でよく見られる課題は次のようなものです。
- 冠詞・単複・前置詞など小さな文法ミスが数か所ある
- 単語の意味は合っているが、組み合わせ(コロケーション)が少し不自然
- 論理は通っているが、段落ごとの結論がややぼやける
- スピーキングで難しい語を使うと言いよどむ
どれも「知らない」というより「気をつけきれていない」レベルの問題です。高得点を目指すなら、自分のミスを種類ごとに記録するノートを作ることが一番の近道です。
ミスの根絶:エラーログを作る
書いたエッセイや録音を見直すたびに、ミスを1行ずつ記録していきます。
エラーログの例
- 冠詞:~~the~~ society as a whole → society as a whole(抽象名詞の society に the は不要なことが多い)
- 前置詞:discuss ~~about~~ the issue → discuss the issue
- 単複:a large amount of ~~people~~ → a large number of people
- コロケーション:~~do~~ a mistake → make a mistake
4週間続けると、自分が繰り返しやすいミスの傾向が見えてきます。本番前は、このログを見直すだけで大きな効果があります。
ポイント:高得点帯では、新しい表現を10個覚えるより、自分のミスを1種類なくすほうが点に直結しやすいです。
自然なコロケーションを増やす
7.5以上を狙うなら、単語を「組み合わせ」で覚えることが大切です。
テーマ別コロケーション例(自作の例文つき)
- pose a threat to:Plastic waste poses a serious threat to marine life.
- raise awareness of:Campaigns can raise awareness of mental health issues.
- bridge the gap between:Scholarships help bridge the gap between rich and poor students.
- have far-reaching consequences:Changes in trade policy can have far-reaching consequences.
覚えるときは、英英辞典やコロケーション辞典で例文を確認し、自分でも1文作ってみましょう。読んだ記事から自然な組み合わせを拾う習慣も役立ちます。
注意したいのは、ことわざや慣用句を無理に入れることです。It's raining cats and dogs のような表現は、エッセイではかえって不自然になります。
論理の精度とスピーキングの余裕
ライティング:段落の最後で結論を締める
上級者の答案でも、段落が具体例で終わって「だから何?」が曖昧なことがあります。段落の最後に、主張へ戻る1文を入れましょう。
例:This example suggests that government funding, rather than individual effort alone, is key to reducing inequality in education.
スピーキング:難しい語より「ちょうどいい語」
8.0を目指すと難しい語彙を使いたくなりますが、言いよどむくらいなら、確実に使える語で流れるように話すほうが評価されやすいです。慣用的な表現は、会話で自然に使えるものだけを選びます。
- I'd say it depends on the situation.
- It's a bit of a double-edged sword.
- To be honest, I've never really thought about it that way.
録音を聞き直して、「読み上げているように聞こえないか」を確認しましょう。
12週間の計画
- 1〜3週目:エラーログの作成 ライティング週3本、スピーキング録音毎日。すべてのミスを記録する。
- 4〜6週目:コロケーション強化 テーマ別に30個ずつ、例文つきでノート化。英語の新聞や論説を毎日1本読む。
- 7〜9週目:時間内の完成度 ライティングは本番と同じ60分で2タスク。見直しの時間を5分確保する。
- 10〜11週目:フル模試 週1回の通し練習。各技能の最低点と平均を記録。
- 12週目:最終調整 エラーログの総復習と睡眠リズムの調整。
読む素材の選び方
英字新聞の社説や解説記事、大学の公開講座の資料など、論理的な文章を選びましょう。読みながら、使えるコロケーションに印をつけていきます。
リーディング・リスニングで8.0以上を狙う
総合7.5以上を狙う場合、リスニングとリーディングで8.0〜8.5を取ると、ライティング・スピーキングが7.0でも総合が上がりやすくなります。受容技能で高得点を取るには、ほぼミスなく解くことが必要です。
リーディング:Not Givenの判断を厳密に
上級者でも迷いやすいのが、True/False/Not Given の False と Not Given の区別です。本文と矛盾するならFalse、本文から判断できないならNot Givenです。自分の常識で補ってしまうと間違えます。答え合わせで迷った問題は、根拠の文を書き写し、なぜその答えになるかを一文で説明する練習を続けましょう。
リスニング:つづりと形の最終確認
高得点帯の失点で多いのは、聞き取れていたのに書き方で落とすケースです。
- 数字と単位(15 percent / 15%)の書き方が指示に合っているか
- 複数形・所有格の抜け
- 固有名詞のつづり(会話中に一文字ずつ読み上げられることがある)
読む・聞く量を落とさない
上級者ほど問題演習に偏りがちですが、英語の論説記事やポッドキャストなどの生の素材に毎日触れることで、語彙の自然さと処理スピードが保たれます。
Task 1で7.5以上を狙う書き方
高得点帯では、Task 1の完成度も総合点を左右します。7.0前後の答案と、より高い評価を目指す答案の違いは、次のような点に表れます。
- 特徴の選び方:数字を多く並べるより、最も重要な特徴を選び抜いている
- 比較の質:2つのデータを1文で比較し、関係を明確にしている
- Overviewの明快さ:図表全体の傾向が2文程度で的確にまとめられている
例文(自作)
- 平凡:Sales of product A were 20 and sales of product B were 40.
- 改善:Sales of product B were double those of product A, at 40 and 20 units respectively.
数字を並べるだけの文を、関係を示す文に変えることを意識しましょう。Task 1はTask 2より配点が小さいとはいえ、ここで安定して高い評価を得られると、ライティング全体のスコアが底上げされます。
よくある失敗と今日やること
- 高得点を狙うあまり、珍しい単語や慣用句を詰め込む
- 見直しの時間を取らず、最後まで書き続ける
- 模試で一度7.5が出て安心し、ミスの記録をやめてしまう
- 読む量が減り、語彙の自然さが伸び悩む
7.5以上は、細かな積み重ねの勝負です。今日は、最近書いたエッセイ1本を読み直し、見つけたミスをエラーログの最初の5行として記録してみましょう。



