プランを立てる前に:3つの確認
勉強を始める前に、次の3つを確認しておきましょう。ここがあいまいだと、せっかくの3か月がずれた方向に進んでしまいます。
- 必要なスコア:総合(オーバーオール)だけでなく、各技能の最低スコアが指定されていないか
- モジュール:アカデミックかジェネラル・トレーニングか、IELTS for UKVIが必要か
- 提出期限から逆算した受験日:結果が出るまでの日数や、再受験の可能性も考慮する
日本英語検定協会のコンピューター版では、結果は試験の1〜5日後にウェブで確認できると案内されています。とはいえ、目標に届かなかった場合の再受験も考えると、提出期限ぎりぎりではなく、余裕をもって最初の受験日を設定するのが安心です。
ポイント:「総合6.5、各技能6.0以上」のように条件が複数あることは珍しくありません。一番低い技能が足を引っぱらないか、最初に確認しましょう。
第1週:現状を測り、差を見える化する
最初の1週間は、公式のサンプル問題や問題集の模試で4技能の現状を測ることに使います。ここを飛ばして勉強を始めると、得意な技能ばかりに時間を使ってしまいがちです。
第1週のメニュー
- 1日目:リスニング1セット(時間を計って)
- 2日目:リーディング1セット(60分で)
- 3日目:ライティングTask 1・Task 2(60分で)
- 4日目:スピーキングPart 1〜3を自分で録音
- 5日目:採点と分析。L・Rは正答数、W・Sは採点観点に照らして自己評価
- 6〜7日目:目標との差を表にまとめ、優先順位を決める
差の見える化の例
- リスニング:現状6.0 → 目標6.5(差0.5)
- リーディング:現状6.5 → 目標6.5(達成)
- ライティング:現状5.5 → 目標6.0(差0.5)
- スピーキング:現状5.5 → 目標6.0(差0.5)
W・Sの自己評価は難しいので、あくまで目安と考えましょう。可能なら、添削サービスやオンライン英会話の講師に一度見てもらうと、より正確な現状がつかめます。
ポイント:差が大きい技能に時間を多めに配分する。ただし、得意な技能も週1回は触れて感覚を保ちましょう。
1か月目:基礎固め(語彙・形式・型)
1か月目の目標は、試験形式に慣れ、各技能の「型」を身につけることです。
週ごとのテーマ
- 第2週:リスニングとリーディングの設問形式を一通り体験。言い換えノートを作り始める
- 第3週:ライティングTask 1の4段落構成、Task 2のタイプ判断を練習
- 第4週:スピーキングPart 1〜3の答え方の型を練習し、話の素材リストを作る
- 第5週:1か月の復習。弱点の設問形式を洗い出す
毎日続けること
- 語彙:アカデミック語彙とトピック別表現を15〜20分
- 音読またはシャドーイング:10分
1か月目は、スコアがすぐに上がらなくても焦らないことが大切です。型が身につくまでは、演習の点数よりも「解き方が安定してきたか」に注目しましょう。
ポイント:1か月目は「量より型」。1問をじっくり分析するほうが、後半の伸びにつながります。
2か月目:弱点の集中強化
2か月目は、第1週で見つけた差の大きい技能に時間を多く配分します。
ライティングが弱点の場合
- 週2〜3本のエッセイを書き、書いたものを見直す
- 序論と構成メモだけを作る短い練習を毎日入れる
- よく使う表現や言い換えを、自分の答案からストックしていく
スピーキングが弱点の場合
- 毎日10〜15分、Part 1〜3の質問に答えて録音する
- 週1〜2回はオンライン英会話などで人と話す
- 録音を聞き、つなぎ言葉や言い換えの幅をチェックする
リスニング・リーディングが弱点の場合
- 毎日1セット(または1パート・1パッセージ)を時間を計って解く
- 間違いの原因を「語彙」「言い換え」「時間」「つづり」に分類する
- 苦手な設問形式だけを集中して解く日を作る
ポイント:2か月目の終わりに、第1週と同じ条件でミニ模試をしてみましょう。伸びた技能と伸び悩む技能が見えてきます。
3か月目:本番形式の通し演習
3か月目は、本番と同じ時間・同じ順番での通し演習が中心です。コンピューター版で受験する場合は、公式サイトの練習コンテンツで画面操作にも慣れておきましょう。
週ごとのメニュー
- 第10週:通し模試1回+弱点の復習
- 第11週:通し模試1回+ライティング・スピーキングの仕上げ
- 第12週:通し模試1回+よく使う表現とミスの傾向を総復習
- 第13週(試験週):軽めの演習と体調管理。当日の流れを確認
1日の時間割の例(平日2時間の場合)
- 朝20分:語彙の復習
- 通勤・通学20分:リスニング(パート単位)
- 夜60分:その日の重点技能(W・S または R)
- 寝る前20分:その日のミスの見直し
ポイント:試験の直前は新しい教材に手を出さないこと。これまでの間違いノートを見直すほうが、得点に直結します。
技能別:1日の中での組み合わせ方
3か月のプランを毎日の行動に落とし込むときは、「短時間で毎日やるもの」と「まとまった時間でやるもの」に分けて考えると続けやすくなります。
毎日少しずつ(1回10〜20分)
- 語彙:アカデミック語彙とトピック別表現。間隔をあけて復習する
- リスニング:1パート単位で解き、つづりのミスをチェック
- スピーキング:Part 1の質問に1〜2問答えて録音
週に数回まとまった時間で(1回40〜60分)
- リーディング:パッセージ1本を20分で解き、残りの時間で根拠の確認
- ライティング:Task 2を40分、またはTask 1を20分+見直し
週1回の振り返り(20分)
- 1週間の間違いを「語彙・言い換え・時間・つづり・構成」に分類する
- 翌週に重点を置く技能を1つ決める
自作の週間スケジュール例(ライティングが弱点の人)
- 月・水・金:ライティング(Task 2を1本)+語彙
- 火・木:リーディング1本+リスニング1パート
- 土:スピーキングの対人練習+ライティングの見直し
- 日:週の振り返りと休息
ポイント:休みの日を最初から予定に入れておくこと。3か月走り切るには、休む日も計画の一部です。
よくある失敗と、今日やること
独学のよくある失敗
- 問題集を解くだけで復習しない:間違えた理由の分析が、伸びる人と伸びない人の分かれ目です。
- ライティングとスピーキングを後回しにする:アウトプットは上達に時間がかかるので、1か月目から少しずつ始めましょう。
- 模試の点数に一喜一憂する:1回の結果より、3か月の傾向を見ましょう。
- 計画を詰め込みすぎる:毎日5時間の計画は、たいてい続きません。無理のない時間で「毎日やる」ほうが強いです。
3か月で伸びる幅について
どれくらい伸びるかは、現状のレベルや学習時間によって大きく異なります。短期間で大幅な伸びを約束するような話には注意し、自分の現状と目標の差に合わせて、必要なら受験日の調整も考えましょう。
今日やることはシンプルです。提出先の必要スコアを確認し、第1週の現状チェックの日程をカレンダーに書き込んでください。計画は、最初の一歩を予定に入れたときから動き始めます。



