受動態は「主語を変えたいとき」に使う
受動態の基本形は be動詞+過去分詞 です。
- Many people love this song.(多くの人がこの歌を愛している。)→ 能動態
- This song is loved by many people.(この歌は多くの人に愛されている。)→ 受動態
意味はほぼ同じですが、何を話題の中心(主語)にしているかが違います。英語では、文の最初に「すでに話題になっているもの」を置き、新しい情報を後ろに回すのが自然な流れです。
- This is my favorite song. It was written by my brother.
(これは私の大好きな曲です。兄が書いたんです。)
→ 話題の「曲」を主語に保つために受動態を使っています。
ポイント:受動態は「書き換え練習」ではなく、「話題の中心を主語に置くための道具」。
受動態がぴったりの3つの場面
① 誰がしたかわからない・言う必要がない
- My bike was stolen last night.
(昨夜自転車を盗まれた。)→ 犯人は不明。
- English is spoken in many countries.
(英語は多くの国で話されている。)→ 話す人は「人々」で当たり前。
② 行為を受けたものに注目したい
- The new library was built in 2020.
(新しい図書館は2020年に建てられた。)
- The meeting has been canceled.
(会議は中止になった。)
③ 客観的・フォーマルに伝えたい
- Applications must be submitted by June 30.
(申込書は6月30日までに提出しなければならない。)
- It is said that sleep helps memory.
(睡眠は記憶を助けると言われている。)
レポートや案内文、ニュースで受動態が多いのは、「誰が」より「何が起きたか」を伝えたいからです。
by はたいてい書かない
実際の英文では、by 〜 を付けない受動態のほうがずっと多いと言われます。by を付けるのは、「誰がしたか」が新しい大事な情報のときです。
- This picture was painted by my grandfather.
(この絵は祖父が描いたものだ。)→ 誰が描いたかがポイント。
日本人がやりがちな不自然な受動態
日本語の「〜された」をそのまま英語にすると、不自然になることがあります。
① 自動詞を受け身にしてしまう
- × The accident was happened yesterday.
- ○ The accident happened yesterday.(その事故は昨日起きた。)
happen、occur、appear、disappear は目的語をとらない自動詞なので、受動態にできません。
② 「被害の受け身」を直訳する
- × I was stolen my wallet.
- ○ My wallet was stolen.(財布を盗まれた。)
- ○ I had my wallet stolen.(財布を盗まれた。)
盗まれたのは「私」ではなく「財布」です。
③ 感情の受け身を能動にしてしまう
- × I was exciting about the trip.
- ○ I was excited about the trip.(旅行にわくわくしていた。)
- The movie was exciting.(その映画はわくわくするものだった。)
excite は「わくわくさせる」なので、人は excited(させられた)、物は exciting(させる)です。
④ 必要のない受け身で文が重くなる
- △ The window was opened by me.
- ○ I opened the window.(私が窓を開けた。)
自分がしたことは、能動態で言うほうが自然です。
by 以外の前置詞をとる受動態
感情や状態を表す受動態は、by 以外の前置詞とセットになることが多いです。フレーズで覚えましょう。
- be interested in(〜に興味がある)
- be surprised at / by(〜に驚く)
- be satisfied with(〜に満足している)
- be covered with(〜におおわれている)
- be known to(〜に知られている)
- be made of / from(〜でできている)
例文
- I'm interested in Japanese history.
(日本史に興味がある。)
- The mountain was covered with snow.
(山は雪におおわれていた。)
- This desk is made of wood.
(この机は木でできている。)→ 材料が見てわかる
- Cheese is made from milk.
(チーズは牛乳から作られる。)→ 原料が変化している
get を使った受け身と、いろいろな時制
get +過去分詞
会話では、be の代わりに get を使う受け身もよく使われます。「変化」や「思いがけない出来事」のニュアンスが出ます。
- I got caught in the rain.
(雨に降られた。)
- He got injured during the game.
(彼は試合中にけがをした。)
- We got married last spring.
(私たちは去年の春に結婚した。)
時制ごとの形
- 進行形:The road is being repaired.(道路は修理中だ。)
- 完了形:The tickets have been sold out.(チケットは売り切れた。)
- 助動詞:This room can be used for free.(この部屋は無料で使える。)
形に迷ったら、「be動詞をその時制にして、過去分詞を後ろに付ける」と考えればOKです。
受動態を使いこなす1週間メニュー
1日15分のメニューです。
- 月曜:身の回りの物について「It was made in ___.」「It was given to me by ___.」で3文書く
- 火曜:ニュース記事の見出しや本文から受動態を3つ探し、なぜ受け身なのか考える
- 水曜:happen・appear など自動詞5つを使って正しい能動の文を作る
- 木曜:感情の -ed / -ing ペア(excited / exciting など)で3組作る
- 金曜:be interested in などの前置詞セットを5つ例文にする
- 土曜:get +過去分詞で最近の出来事を2文書く
- 日曜:1週間分の英作文を見直し、不要な受け身を能動態に直す
今日は、持ち物を1つ選んで「This ___ was made in ___.」と書いてみましょう。受け身が「情報を伝えるための自然な形」だと実感できるはずです。



