時制の一致は「話している今」から見る
日本語では、従属節の時制を「その場面の時点」から見ます。
- 彼は「疲れている」と言った → 言った時点で疲れている
英語では、主節の動詞が過去形になると、従属節の時制も話し手の今から見た時間に合わせてずらすのが基本です。
- He says he is tired.(彼は疲れていると言っている。)
- He said he was tired.(彼は疲れていると言った。)
said の時点で「疲れている」状態は、話している今から見れば過去のこと。だから was になります。
ポイント:主節が過去なら、従属節も「一段階、過去側にずらす」のが基本ルール。
ずらし方の基本パターン
主節が過去形のとき、従属節の時制は次のようにずれます。
- 現在形 → 過去形
- 過去形 → 過去完了形(または過去形のまま)
- 現在完了 → 過去完了
- will → would
- can → could
- may → might
例文
- I think she is right. → I thought she was right.
(彼女は正しいと思う → 彼女は正しいと思った。)
- He says he will call me. → He said he would call me.
(彼は電話すると言っている → 彼は電話すると言った。)
- She says she has finished the report. → She said she had finished the report.
(彼女はレポートを終えたと言っている → 彼女はレポートを終えたと言った。)
- I know you can do it. → I knew you could do it.
(君ならできるとわかっている → 君ならできるとわかっていた。)
- He told me that he had lost his wallet the day before.
(彼は前日に財布をなくしたと私に言った。)
→ 言った時点よりさらに前の出来事なので過去完了。
会話では、前後関係がはっきりしていれば、過去完了にせず過去形のまま言うことも多くあります。
時制の一致を受けない4つの例外
時制の一致にはよく出る例外があります。試験でも狙われやすいポイントです。
① 今も変わらない真理・習慣
- Our teacher said that water boils at 100℃.
(先生は、水は100度で沸騰すると言った。)
→ 今も成り立つ事実なので現在形のままでよい。
② 今も続いている事実
- She told me that she lives in Kobe.
(彼女は神戸に住んでいると言っていた。)
→ 今も住んでいることを強調したいなら現在形でもよい。lived も正しく、話し手の意識で選べます。
③ 歴史上の事実
- We learned that the war ended in 1945.
(その戦争は1945年に終わったと習った。)
→ 歴史的事実は過去完了にせず、過去形のままが基本。
④ 仮定法
- He said that if he were rich, he would travel around the world.
(もしお金持ちなら世界一周するのに、と彼は言った。)
→ 仮定法の形はそのまま。
ポイント:例外はどれも「今も変わらない」または「形が決まっている」もの。ずらす必要がない理由を理解すると忘れにくくなります。
直接話法を間接話法に書き換える手順
時制の一致は、話法の書き換えで特に大事になります。手順を分けると迷いません。
- 伝える動詞を決める(say → said、say to → told)
- 引用符を外して that でつなぐ(省略も可)
- 人称代名詞を話し手の立場に合わせて変える
- 時制を一段階ずらす
- 時や場所の言葉を変える(now → then、today → that day、tomorrow → the next day、here → there)
例文
- He said to me, "I will see you tomorrow."
→ He told me that he would see me the next day.
(彼は翌日私に会うと言った。)
- She said, "I am busy now."
→ She said that she was busy then.
(彼女はそのとき忙しいと言った。)
- My mother asked me, "Did you clean your room?"
→ My mother asked me if I had cleaned my room.
(母は私が部屋を掃除したかどうか尋ねた。)
→ 疑問文は if / whether を使い、語順を「主語+動詞」に戻します。
英作文・会話でそのまま使える時制の一致フレーズ
時制の一致は、試験のためだけのルールではありません。日常の会話やメールでも毎日のように使います。
- I thought you were coming today.
(今日来ると思ってたよ。)
- I didn't know you could play the guitar.
(ギター弾けるなんて知らなかった。)
- She told me she was feeling sick.
(彼女は気分が悪いと言っていた。)
- I was sure that we would win.
(私たちが勝つと確信していた。)
- He mentioned that he had already read the book.
(彼はその本をもう読んだと言っていた。)
特に「I didn't know ...」「I thought ...」は、驚きや勘違いを伝える定番の言い方です。自分の体験にあてはめて1つ作っておくと、会話ですぐに使えます。
ポイント:「知らなかった」「思ってた」の後ろは過去形に。これだけでも時制の一致の感覚が育ちます。
よくある間違いと1週間の練習メニュー
よくある間違い
- × I didn't know that he is a doctor.
- ○ I didn't know that he was a doctor.(彼が医者だとは知らなかった。)
→ 今も医者であっても、この文では was が自然です。
- × She asked me where did I live.
- ○ She asked me where I lived.(彼女は私にどこに住んでいるか尋ねた。)
→ 間接疑問は語順を平叙文に。
1週間メニュー(1日10〜15分)
- 月曜:ずらし方の表を書き、例文を音読する
- 火曜:I think / I thought で始まる文を3組作る
- 水曜:直接話法の文を3つ作り、間接話法に書き換える
- 木曜:例外4つを1文ずつ自作する
- 金曜:昨日誰かに言われたことを He said / She told me で3文書く
- 土曜:英語の記事で said / told の後ろの時制に注目して読む
- 日曜:1週間分の文を見直し、語順と時制をセルフチェック
今日、誰かに言われたひとことを英語で「He said that ...」と書いてみてください。それだけで時制の一致の練習になります。



