英文法の勉強がうまくいかない3つの原因
英文法でつまずく人には、共通するパターンがあります。
① 最初から完璧を目指す
1章ずつ完璧に理解しようとして、途中で力尽きてしまう。文法は単元どうしがつながっているので、後の章を読んで初めて前の章がわかることもよくあります。
② ルールだけ覚えて例文を覚えない
「現在完了は have+過去分詞」と言えても、実際に文が作れないのは、ルールと英文が結びついていないからです。
③ 解きっぱなしで復習しない
問題集を1周して「終わった」と感じても、間違えた問題を解き直さなければ、同じミスをくり返します。
ポイント:文法は「広く浅く何周も」+「例文で覚える」+「間違いを解き直す」の3つで伸びる。
参考書は1冊を決めて何周も回す
参考書を何冊も買うより、1冊を何度も回すほうが効率的です。同じ本をくり返すことで、どこに何が書いてあるかが頭に入り、知識がつながっていきます。
参考書選びのポイント
- 説明が自分にとって読みやすい(書店で1単元読んでみる)
- 例文が多く、和訳がついている
- 自分のレベルに合っている(中学文法があやしいなら中学文法の本から)
回し方の目安
- 1周目:わからない所があっても止まらず、全体をざっと読む(目標:全体像をつかむ)
- 2周目:例文を音読しながら、各単元のポイントを理解する
- 3周目以降:例文の日本語を見て、英語が言えるか確認する
1周目は2〜3週間など、期限を決めて一気に進めるのがコツです。わからない所には付せんを貼っておき、2周目で解消しましょう。
例文暗記が「使える文法」への近道
文法を使えるようにするには、ルールを例文ごと覚えるのが効果的です。例文は、文法ルールがそのまま詰まった「型」だからです。
例文暗記の手順
- 例文を見ながら、意味を確認して3回音読する
- 英文を見ずに、日本語訳だけを見て英語を言ってみる
- 言えなかった部分を確認して、もう一度言う
- 翌日・3日後・1週間後に、日本語から英語を言えるか確認する
自分用の例文に作り替える
覚えた例文の一部を、自分のことに入れ替えると記憶に残りやすくなります。
- 参考書:I have lived in Tokyo for five years.
- 自分版:I have played the piano since I was six.
(6歳のときからピアノを弾いている。)
- 参考書:If I were you, I would take the job.
- 自分版:If I were a cat, I would sleep all day.
(もし猫だったら、一日中寝ているのに。)
ポイント:日本語を見て英語が言えるなら、その文法は「使える状態」になっています。
問題集と間違いノートの使い方
参考書で理解したら、問題集で定着させます。ここでも大事なのは「回し方」です。
問題集の解き方
- 1周目:解いて、答え合わせ。間違えた問題に印をつける
- 解説を読み、なぜ間違えたかを一言メモする(「for と since の混同」など)
- 2周目:印のついた問題だけを解き直す
- 3周目:まだ間違える問題だけを解き直す
間違いノートの作り方
ノートに書くのは、問題を丸写しするのではなく、次の3つだけで十分です。
- 間違えた文(または正しい文)
- 正しい答えとその理由(一言)
- 自分で作った似た例文
例:
- × I have visited Kyoto last year.
- 理由:last year があるので過去形
- 自作:I went to Nara two weeks ago.(2週間前に奈良に行った。)
同じ単元の問題をまとめて解いたあとは、ときどき複数の単元を混ぜたテストで確認すると、本番のように「どの文法か」を見分ける練習になります。
レベル・目的別:どこから始めるか
同じ英文法でも、今のレベルや目的によって、力を入れるところが変わります。
中学文法があやしい人
be動詞と一般動詞の区別、三単現の s、過去形、疑問文の作り方からやり直しましょう。ここが固まると、高校文法の理解スピードが大きく上がります。
- 確認用の例文:Does your brother play tennis?(お兄さんはテニスをしますか?)
この文を何も見ずに作れるかが、1つの目安です。
高校生・受験生
学校の授業で習った単元を、その週のうちに参考書と問題集で復習するのが基本です。入試では、仮定法・関係詞・分詞構文・比較など、長文読解に直結する単元を特に重点的に回しましょう。
英検・TOEIC を受ける人
文法問題の形式に慣れることも大切です。英検は語彙・文法の穴埋め、TOEIC はPart 5 の短文穴埋めで文法が問われます。過去問や公式問題集で、どの単元がよく出るかを確認してから参考書に戻ると効率的です。
話せるようになりたい社会人
中学〜高校初級の文法を「日本語から英語ですぐ言える」レベルにすることを目標にしましょう。難しい構文より、現在完了・助動詞・比較などの基本を口から出せることのほうが、会話ではずっと役に立ちます。
ポイント:全部を同じ熱量でやらない。自分の目的に直結する単元から、優先順位をつけて回す。
英文法の1週間メニュー
1日30分を目安に、理解・定着・運用をバランスよく回すメニューです。
- 月曜:参考書を新しく1単元読む(10分)+例文を音読(10分)+問題集(10分)
- 火曜:新しい単元を1つ+前日の例文を日本語から英語で言う
- 水曜:新しい単元を1つ+問題集で月〜水の単元を解く
- 木曜:新しい単元を1つ+間違いノートの見直し
- 金曜:新しい単元を1つ+今週の文法を使って英語日記を3文
- 土曜:今週の5単元の問題を混ぜて解き直す(まとめテスト)
- 日曜:休み、または今週の例文を音読するだけの軽めの日
ポイント:「新しいことを学ぶ」と「前に学んだことを思い出す」を毎日セットにする。これだけで忘れにくさが大きく変わります。
時間がとれない日は、例文の音読5分だけでもOK。ゼロの日を作らないことが、1冊を最後までやり切るコツです。
文法を「読む・聞く・話す」につなげる
文法の勉強は、それだけで終わらせずに、実際の英語に結びつけると一気に楽しくなります。
- 多読:やさしい英文を読みながら、「あ、これ現在完了だ」と気づく
- リスニング:動画や音声で、習った文法が使われている場面を探す
- 英語日記:その週に学んだ文法を1つ使って、3文だけ書く
- 独り言:I should have ... や I wish I could ... など、覚えた型で今の気持ちを言ってみる
よくある失敗
- 参考書を3冊並行して、どれも最後まで終わらない
- 問題の答えを覚えてしまい、理由を説明できない
- 文法用語を覚えることが目的になってしまう
文法は、英語を正確に読み、書き、話すための地図のようなものです。完璧に暗記するより、何度も開いて使ううちに、自然と頭に入っていきます。
今日は、手元の参考書の目次を開いて、1周目を終える日付を決めることから始めましょう。



