「10回ずつ書く」だけでは満点が取れない理由
単語を覚えるとき、ノートに1つの単語を10回ずつ書く人は多いと思います。でも、この方法には落とし穴があります。
同じ単語を続けて10回書くと、2回目以降は、1つ前に書いたつづりを「写している」だけになりがちです。手は動いていても、頭の中で「思い出す」作業はほとんど起きていません。テストで必要なのは、何も見ずにつづりを思い出す力です。
学習研究では、読み返しや書き写しよりも、何も見ずに思い出す練習(想起練習)のほうが記憶に残りやすいことが繰り返し示されています。また、同じ回数を練習するなら、1日にまとめてやるより、日を分けて復習したほうが長く覚えていられることも知られています(間隔反復)。
ポイント:満点への近道は「たくさん書く」ではなく「何度も思い出す」。そして「日を分ける」。
この2つの考え方をもとに、次から具体的な覚え方を紹介します。
覚え方①:まず「音」から入る
単語を覚えるとき、最初にやってほしいのは発音を確認することです。
つづりだけを見て覚えようとすると、読み方があいまいなままになり、結果としてつづりも覚えにくくなります。英語のつづりと発音には、ある程度のルールがあるからです。
音から覚える手順
- 教科書の音声や辞書アプリで、正しい発音を聞く
- 声に出して3回言う
- 音とつづりの関係を確認する
たとえば、次のような単語は、音とつづりの関係に気づくと覚えやすくなります。
- cake / make / take:a_e のつづりは「エイ」と読むことが多い
- night / light / right:igh は「アイ」と読む
- know / knife / knee:語頭の k は発音しない
このように、音のルールをグループで覚えると、初めて見る単語でもつづりが推測できるようになります(これはフォニックスと呼ばれる考え方です)。
読み方とつづりがずれる単語
一方で、Wednesday、February、friend のように、音とつづりがずれる単語もあります。こうした単語は「特別枠」として、わざとローマ字読みで区切って覚えるのも一つの方法です。
- Wed-nes-day(ウェド・ネス・デイ)
- fri-end(フリ・エンド)
覚え方②:日本語から英語を書くテストを自分でする
単語テストの多くは、日本語を見て英語を書く形式です。だから練習も、同じ形でやるのが一番です。
自分テストのやり方
- ノートの左に日本語、右に英語を書いた単語リストを作る
- 右側を手や紙で隠す
- 日本語を見て、別の紙に英語を書く
- 答え合わせをして、間違えた単語に印をつける
- 印がついた単語だけ、もう一度テストする
ポイントは、正解した単語は何度も書かないことです。すでに書ける単語に時間を使うより、書けなかった単語に集中したほうが効率的です。
例文ごと覚えると忘れにくい
単語は、短い例文の中で覚えると、意味と使い方がセットで頭に入ります。
- I forgot my umbrella at school.(学校にかさを忘れた)
- Please be quiet in the library.(図書館では静かにしてください)
- My grandfather is eighty years old, but he is very healthy.(祖父は80歳だがとても健康だ)
小テストで例文の穴埋めが出る場合は、例文ごと覚えることが直接の対策になります。
満点を取る「3日間サイクル」
単語テストが決まったら、テストの3日前から次のサイクルで準備しましょう。1日15分程度で取り組めます。
3日前:覚える日
- 範囲の単語の発音を確認し、声に出して読む
- 意味とつづりを確認する
- 自分テストを1回やり、間違えた単語に印
2日前:思い出す日
- 前日の印がついた単語だけでなく、全部の単語をもう一度テスト
- 1日たつと忘れている単語が出てくるので、それに新しく印をつける
- 印がついた単語は、声に出しながら3回書く
前日:仕上げの日
- 全部の単語をもう一度テスト
- 間違えた単語だけを繰り返し、全部正解するまで続ける
- 寝る前に、印が多い単語だけをさっと見直す
テスト当日の朝
- 印が多かった単語を5分だけ確認
ポイント:「覚える→1日あけて思い出す→もう1日あけて思い出す」。この間隔が、テスト本番で思い出せる力を育てます。
テストが終わったら、間違えた単語を「苦手単語リスト」に書き写しておきましょう。1週間後にもう一度テストすると、定期テストや高校入試まで忘れにくくなります。
つづりミスを防ぐチェックポイント
単語テストで満点を逃す原因の多くは、「意味はわかっているのに、つづりを1文字間違えた」というミスです。よくあるパターンをチェックしておきましょう。
よくあるつづりミス
- 重ねる文字:beginning(n が2つ)、swimming(m が2つ)、different(f が2つ)
- 読まない文字:climb(最後の b)、listen(t)、hour(h)
- 似ている単語:quiet(静かな)と quite(かなり)、desert(砂漠)と dessert(デザート)
- 語尾の変化:study → studies、happy → happier、stop → stopped
見直しのコツ
テスト中に見直すときは、単語を頭の中で「発音しながら」1文字ずつ確認しましょう。書いた文字と、頭の中の音がずれていれば、そこがミスの可能性があります。
保護者や友だちとのテストもおすすめ
家族に日本語を読み上げてもらい、英語を書いて答える方法も効果的です。人に出題してもらうと、自分では気づかなかったミスが見つかることもあります。
単語ノートの作り方:シンプルが一番
単語テスト対策のノートは、きれいに作ることより、テストに使いやすいことが大切です。
おすすめの形
ノートを縦に3つに分けます。
- 左:日本語の意味
- 真ん中:英単語
- 右:短い例文や、間違えた日付
真ん中を隠せば「日本語→英語」、左を隠せば「英語→日本語」のテストがすぐにできます。
書きこむのは最小限に
色ペンを何色も使ったり、イラストを描いたりすると、作るだけで時間がかかってしまいます。色は「間違えた単語に赤で印」の1色だけで十分です。
ポイント:単語ノートは「作品」ではなく「テスト用の道具」。作る時間より、使う時間を長くしましょう。
よくある失敗と、今日から始めること
よくある失敗
- 前日の夜だけ勉強する
一夜漬けでもテストには間に合うことがありますが、すぐに忘れてしまいます。定期テストや高校入試で同じ単語が出たとき、また覚え直しになります。
- 全部の単語を同じ回数練習する
書ける単語と書けない単語を区別せず、全部を10回ずつ書くのは時間のむだです。
- 日本語→英語の練習をしない
英語を見て意味がわかっても、日本語から英語が書けるとは限りません。テストの形式に合わせた練習をしましょう。
- 音を確認しない
つづりだけで覚えると、発音があいまいになり、リスニングでも聞き取れません。
小テストは「満点の積み重ね」が自信になる
毎週の単語テストで満点が続くと、英語そのものへの自信がついてきます。そして、小テストの単語は、定期テストや高校入試の単語でもあります。
今日は、次の単語テストの範囲を確認して、全部の単語の発音を声に出して確かめてみましょう。それが3日間サイクルの1日目です。


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