中学英語は「4本柱」で考える
中学の英語は、教科が1つに見えて、実は中身が4つに分かれています。
- 単語:意味がわかる・書ける・発音できる
- 文法:文の組み立てルールを知り、使える
- 教科書本文:単語と文法が合わさった「生きた英文」を読める
- リスニング:音で聞いてわかる
テストで点が取れない人の多くは、このうち1〜2本だけに偏っています。たとえば「単語帳はやっているのに文法問題で落とす」「問題集は解けるのに本文の和訳が書けない」というパターンです。
中学の学習指導要領では、小学校で学ぶ600〜700語に加えて、中学3年間で1,600〜1,800語程度を扱うとされています。つまり高校入試までに2,000語を超える単語に触れるということ。これを文法・本文・音と結びつけずに覚えようとすると、どうしても忘れてしまいます。
ポイント:4本柱を「毎日少しずつ全部」触るのが、中学英語のいちばんの近道です。
単語:1日10語を「3回」見る
単語は量より回数です。1日に50語を1回見るより、10語を3日に分けて何度も見るほうが記憶に残りやすいことが、学習研究で繰り返し確かめられています(間隔をあけた復習=間隔反復)。
おすすめのやり方
- 今日の10語を、声に出して読む(発音もセットで)
- 英語を隠して、日本語から英語を言ってみる
- 言えなかった語だけ、3回書く
- 翌日と3日後に、同じ10語をもう一度テストする
書く練習は「言えなかった語だけ」に絞るのがコツです。全部を10回ずつ書くと時間ばかりかかり、手が覚えても頭が覚えていない状態になりがちです。
例文で覚える
単語は短い例文ごと覚えると、文法と本文にもつながります。
- I borrowed a pen from Ken.(ケンにペンを借りた)
- This bag is too heavy for me.(このかばんは私には重すぎる)
- We practice soccer after school.(放課後にサッカーを練習する)
自分の生活に近い例文を1つ作ってノートに書くと、さらに忘れにくくなります。
文法:「説明できる」まで理解して、例文を丸ごと覚える
文法は、問題集を解く前に「このルール、友だちに説明できる?」と自分に聞いてみてください。説明できないまま問題を解くと、正解しても理由がわからず、少し形を変えられただけで間違えます。
文法の3ステップ
- 理解:教科書や参考書で、ルールを一文で言えるようにする
- 例文暗記:そのルールを使った短い例文を1つ丸ごと覚える
- 演習:問題集で10問ほど解き、間違えた問題に印をつける
たとえば比較の単元なら、次の3文を覚えておくと、ほとんどの問題に対応できます。
- Tom is taller than my brother.(トムは私の兄より背が高い)
- This book is the most interesting of the five.(この本は5冊の中でいちばんおもしろい)
- My cat is as old as your dog.(私のネコはあなたの犬と同じ年だ)
ポイント:文法は「ルール1行+例文1つ」をセットで持っておく。テスト前は例文を言えるかどうかだけでチェックできます。
教科書本文とリスニング:音読でまとめて伸ばす
教科書本文は、定期テストの出題の中心です。そして、単語と文法が実際に使われている場所でもあります。ここを押さえるいちばんの方法が音読です。
音読の基本メニュー
- 教科書付属の音声やデジタル教科書で、まず1回聞く
- 1文ずつ止めながら、音声のまねをして読む
- 意味を考えながら、止めずに3回通して読む
- 日本語訳を見て、英文が言えるか確かめる
音読は、声に出すことで「目・口・耳」を同時に使うので、本文の暗記・発音・リスニングがまとめて伸びます。1回の音読は1〜2分で終わるので、スキマ時間にも向いています。
リスニングは、教科書の音声に加えて、学習者向けのやさしい英語の動画を短く聞くのもおすすめです。いきなり字幕なしで長い動画を見るより、1〜3分の短い動画を、字幕ありで1回→字幕なしで1回と繰り返すほうが効果的です。
学年別:今いちばん力を入れたいこと
4本柱は全学年共通ですが、学年によって「今いちばん力を入れたい柱」は少しずつ変わります。
中1:音と文の骨組み
中1は、単語を正しい発音で読めることと、「主語+動詞」の文の骨組みを身につけることが最優先です。教科書の音声をまねして読む習慣を、この学年でつけておきましょう。
- I am from Osaka.(私は大阪出身です)
- My sister likes cats.(姉はネコが好きです)
中2:文法の積み上げ
中2は、不定詞・比較・受け身など、文を長くする文法が一気に増えます。例文暗記を中心に、単元ごとの「ルール1行」をためていくことが大切です。
- I went to the store to buy some eggs.(卵を買うために店へ行った)
中3:総復習と実戦
中3は、新しい単元に加えて中1・中2の総復習、そして長文・リスニング・英作文の実戦練習が加わります。音読で鍛えてきた力が、長文を読むスピードとして効いてくる時期です。
ポイント:どの学年でも、音読と単語は毎日の「土台メニュー」。その上に、学年ごとの重点を乗せていきましょう。
1日30分の毎日メニューと1週間プラン
4本柱を毎日回すための、基本メニューです。部活がある日でも続けられるように、30分にまとめました。
毎日30分メニュー
- 5分:単語10語(新しい語+前日と3日前の復習)
- 10分:文法(今の単元の例文暗記+問題5問)
- 10分:教科書本文の音読(今の範囲を3回)
- 5分:リスニング(教科書音声か短い動画)
1週間プランの例
- 月:新しい単元の文法を理解する(ルールを1行で書く)
- 火:文法問題を解き、間違えた問題に印
- 水:教科書本文の音読+わからない単語を調べる
- 木:本文の日本語訳を見て英文を言う練習
- 金:1週間分の単語テスト(自分でテスト)
- 土:印をつけた問題だけ解き直す
- 日:休み、または短い英語動画を楽しむ
日曜日をあえて「ゆるい日」にしておくと、平日にできなかった分の調整日にもなります。
ポイント:毎日のメニューは固定し、週の中で「何を重点にするか」だけを変える。これで迷う時間がなくなります。
よくある失敗と、その直し方
最後に、中学生がハマりやすい失敗を4つ紹介します。
- ノートをきれいにまとめることが目的になる
色ペンで丁寧に書いて満足してしまうパターン。まとめノートは最小限にして、「何も見ずに言える・書ける」練習に時間を回しましょう。
- わからない単元を飛ばして進む
英語は積み上げ型の教科です。be動詞と一般動詞の区別があいまいなまま進むと、疑問文・否定文・過去形・進行形のすべてでつまずきます。わからなくなったら、1つ前の単元に戻るのが結局いちばん早い道です。
- テスト前だけ勉強する
2週間前から一気にやると、単語も本文も覚えきれません。毎日の30分が、テスト前の負担を減らしてくれます。
- 音を聞かずに単語を覚える
つづりだけで覚えると、発音があいまいになり、リスニングで聞き取れません。単語は必ず音声とセットにしましょう。
今日からできることは1つだけで十分です。まずは教科書の今の範囲を、音声に合わせて3回音読してみましょう。それだけで、明日の授業の聞こえ方が変わるはずです。



