本文暗記がテストに強い理由
定期テストでは、教科書本文からそのまま、または少し形を変えて出題されることがよくあります。
- 本文の一部が空欄になっていて、単語を入れる問題
- 本文の文を並べかえる問題
- 下線部を日本語にする問題
- 本文の内容について英語で答える問題
本文を覚えていれば、こうした問題は「思い出して書くだけ」になります。さらに、本文には新しい単語と文法がセットで入っているので、本文を覚えることは単語・文法・表現をまとめて覚えることでもあります。
もう一つの利点は、本文暗記が英作文の力になることです。覚えた文の単語を入れかえるだけで、自分の文が作れるようになります。
- 本文:I'm going to visit my grandmother this weekend.
- 自分の文:I'm going to clean my room this weekend.
ポイント:本文暗記は「テスト対策」であると同時に、英語を話す・書くための「文の在庫」を増やす作業です。
ただし、何も考えずに何十回も読むだけでは、なかなか覚えられません。次から紹介する5ステップで、効率よく覚えていきましょう。
ステップ1・2:意味をつかんで、チャンクで区切る
ステップ1:意味を完全に理解する
覚える前に、まず意味をすべて理解しましょう。意味がわからない文は、どれだけ読んでも覚えにくいものです。
- わからない単語を調べて、教科書に小さく書き込む
- 1文ずつ、日本語訳を言えるか確認する
- 訳せない文があれば、文法を確認するか先生に聞く
ステップ2:チャンク(意味のカタマリ)で区切る
長い文は、意味のカタマリごとにスラッシュ(/)を入れます。
- My uncle lives / in a small town / near the mountains.
(おじは/小さな町に住んでいる/山の近くの)
- When I was ten, / I started / playing the piano.
(10歳のとき/始めた/ピアノをひくことを)
区切る場所の目安は、次のとおりです。
- 前置詞(in, on, at, near, with など)の前
- 接続詞(when, because, if など)の前
- 不定詞(to+動詞)の前
- カンマのところ
チャンクで区切ると、1文を一気に覚えるのではなく、短いカタマリを順番につなげて覚えられます。人間が一度に覚えておける量には限りがあるので、小さく区切るのは理にかなった方法です。
ステップ3:音声をまねして音読する
音読は「聞いてから読む」
意味がわかってチャンクで区切れたら、音読です。自己流で読むのではなく、必ず教科書の音声を聞いてから読みましょう。
- 音声を1文ずつ止めて、同じように読む(リピート)
- 慣れたら、音声とほぼ同時に読む(オーバーラッピング)
- 最後に、音声なしで1人で3回読む
音読で意識したいこと
- 区切り:チャンクの切れ目で少し間をあける
- 強弱:大事な単語(名詞・動詞・形容詞)は強く、the や a は弱く
- 気持ち:会話文なら、登場人物になりきって読む
たとえば会話文の、
- A: Did you watch the game last night?
- B: Yes! It was so exciting.
は、Bの「Yes!」を本当に興奮した声で読むだけで、記憶に残りやすくなります。
ポイント:音読の回数の目安は、1課につき合計10回程度。1日で10回ではなく、数日に分けて読むほうが効果的です。
音読は、本文の暗記だけでなく、リスニング力と発音も同時に鍛えられる一石三鳥の練習です。
ステップ4・5:顔を上げて言う、訳から書く
ステップ4:リードアンドルックアップ
「読んで(read)、顔を上げて(look up)言う」練習です。
- チャンク1つ分を、黙って目で読む
- 顔を上げて、教科書を見ずに声に出して言う
- 言えたら次のチャンクへ。言えなかったらもう一度読む
見ずに言うことで、「思い出す練習」になります。思い出そうとすることが記憶を強くする、という考え方(想起練習)は、学習研究でも効果が確かめられてきた方法です。
ステップ5:日本語訳から英文を書く
最後の仕上げは、日本語訳だけを見て英文を書く練習です。
- ノートの左側に日本語訳、右側を空けておく
- 日本語を見て、右側に英文を書く
- 教科書と照らし合わせて、間違えた部分を赤で直す
- 間違えた文だけ、もう一度書く
ここで間違えやすいのは、a / the、単数・複数、動詞の形(過去形・三単現のs)などの細かい部分です。テストで減点されるのもまさにこうした部分なので、赤ペンで直したところは特に意識して覚えましょう。
- × I go to the museum with my friend yesterday.
- ○ I went to the museum with my friend yesterday.
1週間の本文暗記スケジュール
1つの課(Lesson)を1週間で覚えるスケジュールの例です。1日15〜20分が目安です。
- 1日目:意味の確認。わからない単語を調べ、1文ずつ訳す(ステップ1)
- 2日目:チャンクで区切る。音声に合わせて1文ずつリピート(ステップ2・3)
- 3日目:オーバーラッピング3回+1人で音読3回(ステップ3)
- 4日目:リードアンドルックアップで、本文を最後まで言う(ステップ4)
- 5日目:日本語訳を見て英文を書く(ステップ5)
- 6日目:5日目に間違えた文だけ、もう一度書く
- 7日目:日本語訳を見て、本文全体を声に出して言う。言えたら完成
テスト前に複数の課を覚えるとき
定期テストの範囲が3課ある場合は、1課目を仕上げながら2課目を始める、というように少しずつずらして進めると、2週間で3課を仕上げることができます。
忙しい日の最低ライン
部活などで時間がない日も、「音声に合わせて1回読む」だけはやりましょう。1回でも触れておくと、翌日の復習がぐっと楽になります。
よくある失敗と、本文暗記を続けるコツ
よくある失敗
- 意味がわからないまま読み続ける
意味がわからない文は、ただの音の並びになってしまいます。ステップ1を飛ばさないようにしましょう。
- 黙読だけで覚えようとする
目で読むだけでは、覚えたつもりになりやすいです。必ず声に出して、口と耳も使いましょう。
- 書く練習をしない
言えるようになっても、書くとつづりや細かい部分を間違えます。テストは書いて答えるので、ステップ5まで必ずやりましょう。
- 一気に何十回も読む
1日で30回読むより、3日間で10回ずつ読むほうが記憶に残ります。
続けるコツ
- 家族に「本文テスト」をしてもらう(日本語訳を読み上げてもらい、英語で答える)
- 音読の回数を教科書のすみに「正」の字で記録する
- 覚えた本文の一部を、自分のことに書きかえて日記にする
本文暗記は、最初の1課がいちばん大変です。2課目からは、やり方に慣れて早く覚えられるようになります。今日は、今の課の最初の3文を、チャンクで区切って音読してみましょう。
![シャドーイング100本ノック! #01 [初級 ] -Shadowing lesson-](https://i.ytimg.com/vi/REMyAsPC2So/mqdefault.jpg)


