休憩は「サボり」ではない
長時間ぶっ通しで勉強すると、だんだん集中力が落ちていきます。同じ文を何度も読み返したり、単語が頭に入らなくなったりするのは、頭が疲れてきたサインです。
休憩は、この疲れを回復させ、次の勉強の効率を上げるための大切な時間です。休憩を取らずに3時間勉強するより、適度に休憩を入れながら3時間勉強するほうが、中身の濃い時間になりやすいのです。
また、学んだ直後に静かに休む時間が、記憶の定着を助ける可能性を示した研究もあります。新しいことを覚えた直後に、すぐに別の情報(動画やSNSなど)を大量に入れるより、ぼんやりと休むほうが、覚えたことが残りやすいかもしれない、という考え方です。
25分勉強して5分休む「ポモドーロ・テクニック」のように、勉強と休憩を区切る方法はよく知られています。この記事では、そうした時間の区切り方ではなく、休憩中に「何をするか」に注目します。
ポイント:休憩は、勉強の一部です。「どう休むか」を決めておくと、勉強の質も上がります。
休憩中に避けたいNG行動
まずは、休憩中にやりがちで、実はおすすめできない行動を見ていきましょう。
NG1:SNSや動画を見る
いちばんやりがちなのがこれです。SNSや動画には「次へ、次へ」と見続けたくなる仕組みがあるため、5分のつもりが30分になりやすいのです。さらに、大量の新しい情報が頭に入ってくるので、頭は休まっていません。
NG2:ゲームを始める
ゲームは区切りがつきにくく、「あと1回だけ」が続きます。また、勝ち負けで気持ちが高ぶると、勉強に戻ったあとも頭がゲームのことでいっぱいになりがちです。
NG3:横になってしまう(短い休憩のとき)
5分休憩で、ベッドやソファに横になると、そのまま眠ってしまったり、起き上がるのがおっくうになったりします。短い休憩は、座ったままか立って過ごしましょう。
NG4:勉強の続きを考え続ける
休憩中も問題集の続きのことを考えていると、頭は休まりません。休憩は、しっかり頭を切り替える時間にしましょう。
ポイント:休憩中にスマホを見るなら、見る時間をタイマーで区切りましょう。ただし、できれば勉強中と同じく、スマホは遠ざけておくのがおすすめです。
5分休憩:体を動かして目を休める
25〜50分ほど勉強したあとの短い休憩では、「体を動かす」「目を休める」「水分をとる」の3つを意識しましょう。
5分休憩メニュー
- 立ち上がって、両手を上に伸ばす
- 窓の外など、遠くを20秒ほど眺めて目を休める
- 水やお茶を1杯飲む
- 肩を回す、首をゆっくり倒すなど、軽いストレッチ
- トイレに行く
- 次にやる勉強を確認して、机に戻る
目を休めるコツ
勉強中は、ノートや画面など近くのものを長時間見続けています。休憩中は、できるだけ遠くを見るようにしましょう。スマホの画面を見てしまうと、目はまったく休まりません。
「ぼんやり」も立派な休憩
窓の外をぼんやり眺める、目を閉じて深呼吸する、といった「何もしない時間」も立派な休憩です。何かをしなければと思わず、頭を空っぽにする時間を楽しみましょう。
15〜30分の休憩:しっかりリフレッシュ
2〜3時間ほど勉強したら、少し長めの休憩を取りましょう。
おすすめの過ごし方
- 散歩:外の空気を吸いながら、10〜15分ほど歩く。気分転換になり、体もほぐれる
- 軽い家事:洗い物や片づけなど、手を動かす作業。頭を使わないので、よい切り替えになる
- おやつ休憩:小腹がすいていたら、ここで食べる(食べすぎに注意)
- 音楽を聴く:好きな音楽を2〜3曲。曲数で区切ると、時間を守りやすい
- 家族や友だちと話す:ちょっとした会話は、気分を明るくしてくれる
短い昼寝
昼食後などに眠気が強いときは、短い昼寝も効果的です。厚生労働省の睡眠に関する指針でも、午後の早い時間に30分以内の短い昼寝をすることは、眠気を減らして作業の効率を上げるのに役立つとされています。
- 時間は15〜20分くらいを目安にする(長く寝すぎると、起きたあとにかえってぼんやりしやすい)
- 横になるより、机にうつぶせや、椅子にもたれて寝る
- アラームを必ずセットする
- 夕方以降の昼寝は、夜の睡眠に影響しやすいので避ける
休憩のあと、スムーズに勉強に戻るコツ
休憩で一番難しいのは、休憩を「終わらせる」ことです。休憩から勉強に戻るためのコツを紹介します。
コツ1:休憩の前に「次にやること」を書く
休憩に入る前に、「休憩のあと、問題集の23ページ、問3から」とメモしておきます。戻ったときに何をするかが決まっていると、すぐに再開できます。
コツ2:キリの悪いところで休憩する
意外かもしれませんが、問題を解き終えた「キリのいいところ」より、問題の途中など「キリの悪いところ」で休憩に入ると、戻りやすくなることがあります。続きが気になるので、自然と机に戻りたくなるのです。
コツ3:タイマーを使う
休憩の開始と同時にタイマーをセットします。スマホではなく、キッチンタイマーを使うのがおすすめです。スマホでタイマーをセットすると、そのままスマホを見てしまいがちです。
コツ4:戻ったら簡単な作業から
休憩明けは、いきなり難しい問題に取りかかるより、単語の復習や音読など、簡単な作業から始めると勉強モードに戻りやすくなります。
1日の休憩スケジュール例とよくある失敗
休日に6時間勉強する場合の例
- 9:00〜9:50:勉強(単語・文法)→ 5分休憩(ストレッチ・水)
- 9:55〜10:45:勉強(長文読解)→ 5分休憩(遠くを見る)
- 10:50〜11:40:勉強(リスニング)→ 20分休憩(散歩)
- 12:00〜13:00:昼食と自由時間
- 13:00〜13:20:短い昼寝
- 13:30〜14:20:勉強(英作文)→ 5分休憩
- 14:25〜15:15:勉強(過去問)→ 20分休憩(おやつ・音楽)
- 15:35〜16:25:勉強(間違いの解き直し)→ 終了
よくある失敗
- 休憩を取らずに頑張りすぎる:「休んだら負け」と思って休憩なしで続けると、後半の集中力が大きく落ちます。疲れを感じる前に休むのがコツです。
- 休憩のたびにスマホを見る:休憩のつもりが、SNSや動画で頭がさらに疲れてしまいます。休憩中はスマホ以外の過ごし方を選びましょう。
- 休憩が長すぎる:30分以上の休憩を何度も取ると、勉強のリズムが崩れます。長めの休憩は2〜3時間に1回程度にしましょう。
- 昼寝が長すぎる:1時間以上寝てしまうと、起きたあとぼんやりして、夜も眠れなくなることがあります。アラームを必ずセットしましょう。
まとめ:上手に休んで、上手に戻る
休憩は、勉強をサボる時間ではなく、次の勉強のために頭と体を整える時間です。短い休憩では体を動かして目を休め、長めの休憩ではしっかりリフレッシュする。そして、休憩の前に「次にやること」を書いておけば、スムーズに勉強に戻れます。
今日の勉強では、次の休憩でスマホを見る代わりに、立ち上がって伸びをし、窓の外を20秒眺めてみてください。そして休憩に入る前に、次にやることを1行メモ。それだけで、休憩明けの勉強がぐっと楽になるはずです。



