定年後の英語は「自分のための学び」
学生時代の英語はテストのため、働いていたころの英語は仕事のため、という人が多いかもしれません。定年後の英語は、そうした「しなければならない」から解放された、自分のための学びです。
だからこそ、目標も自由に決められます。
- 海外旅行で、ガイドなしで街歩きを楽しみたい
- 海外に住む孫と、英語で少し話してみたい
- 好きな映画を、字幕を少し気にしながら英語で楽しみたい
- 外国人観光客に道を教えられるようになりたい
- 英語の本を1冊読み切ってみたい
目標は大きくなくてかまいません。「1年後に英語でこれをやってみたい」という具体的なイメージがあると、毎日の学習に意味が生まれます。
ポイント:定年後の英語に「遅すぎる」はありません。楽しみながら続けることが、何よりの目標です。
時間がある今だからこそできる学び方
定年後の大きな強みは、まとまった時間をとりやすいことです。忙しい現役世代にはなかなかできない学び方ができます。
朝のゆったりした時間に音読
朝の頭がすっきりした時間に、20〜30分の音読タイムをとるのがおすすめです。英文を声に出して読むと、目・口・耳を同時に使うので、記憶に残りやすくなります。
たとえば、こんな短い文から始めてみましょう。
- I take a walk every morning.(毎朝散歩をしています)
- I enjoy gardening in my free time.(時間があるときはガーデニングを楽しんでいます)
- I want to visit Canada someday.(いつかカナダを訪れたいです)
多読でたくさん読む
語彙を制限したやさしい英語の本(Graded Readers)を使って、たくさん読む「多読」も、時間のある今にぴったりです。辞書を引かずに読めるやさしい本から始めて、1冊読み終えるたびに記録をつけると、達成感が積み重なります。
好きなものを英語で深める
歴史、美術、園芸、音楽など、これまで培ってきた趣味や関心を英語で深めるのも楽しい学び方です。背景知識があるので、英語が少し難しくても内容を推測しながら読めます。
学んだ記録を残す
時間のある定年後は、学習の記録をつけるのもおすすめです。読んだ本のタイトル、覚えた表現、英語で話せたことなどを、ノートに日付と一緒に書いていきます。記録が増えていくと、それ自体が大きな励みになります。家族に見せたり、仲間と見せ合ったりするのも楽しいものです。
目や耳の負担を減らす工夫
長く学び続けるためには、体への負担を減らす工夫も大切です。
目の負担を減らす
- 文字を大きく表示できる電子書籍やタブレットを使う
- 紙の本なら、文字の大きい版や拡大鏡を活用する
- 長時間の画面学習は避け、30分ごとに目を休める
耳の負担を減らす
- イヤホンの音量を上げすぎない
- 聞き取りにくいときは、再生速度を少し落とせるアプリを使う
- 字幕やスクリプトを併用して、目と耳の両方で確認する
体を動かしながら学ぶ
散歩しながら英語の音声を聞く、ストレッチをしながら英語の指示に従う動画を見るなど、体を動かしながらの学習もおすすめです。気分転換にもなります。
無理なく、心地よく学べる環境を整えることが、長続きの秘訣です。
仲間をつくると、英語はもっと楽しくなる
定年後の英語で、ぜひ意識したいのが仲間づくりです。一人で黙々と学ぶのもいいですが、仲間がいると続けやすく、学ぶ楽しさも広がります。
仲間と学べる場の例
- 地域の公民館やカルチャーセンターの英会話講座:同じ世代の仲間と出会いやすい
- 地域の国際交流協会:外国出身の人と交流できるイベントがある場合も
- 英会話サークルや読書会:自主的な集まりが見つかることも
- オンライン英会話:自宅から海外の先生と話せる
最初は緊張するかもしれませんが、同じように英語を学ぶ仲間は、励まし合える心強い存在です。
会話で使える自己紹介を準備しておく
新しい場に参加するときのために、英語の自己紹介を用意しておきましょう。
- Hello, I'm Takashi. I retired last year.(こんにちは、たかしです。昨年退職しました)
- I started learning English again this spring.(この春から英語をまた学び始めました)
- My hobby is traveling. I'd like to go to Europe next year.(趣味は旅行です。来年はヨーロッパに行きたいと思っています)
1週間メニュー(1日40分)
時間のある定年後向けに、少しゆったりしたメニュー例です。
- 月曜:朝の音読20分 → 単語の復習10分 → 英語日記3文10分
- 火曜:多読20分 → 散歩しながらリスニング20分
- 水曜:公民館などの英会話講座やサークル(または朝の音読+オンライン英会話)
- 木曜:朝の音読20分 → 趣味に関する英語の記事や動画20分
- 金曜:多読20分 → 単語の復習10分 → 英語日記10分
- 土曜:好きな英語の映画や音楽を楽しむ
- 日曜:お休み、または家族や孫に英語で一言話しかけてみる
学習時間は、体調や予定に合わせて柔軟に調整しましょう。「今日は10分だけ」の日があっても大丈夫です。
よくある失敗
失敗1:昔の勉強法にこだわる
学生時代のように、単語を何十回も書いて覚えようとすると、疲れて続かないことがあります。音読や多読、会話など、楽しみながら触れる方法を中心にしましょう。
失敗2:「もう年だから」と自分を責める
覚えたことを忘れるのは、どの年代でも同じです。忘れたら、また覚えればいいのです。間隔をあけて何度も復習すれば、少しずつ定着していきます。
失敗3:目標が遠すぎて挫折する
「ペラペラになる」のような大きすぎる目標は、達成感を得にくいものです。「今月は多読の本を3冊読む」「旅行先でコーヒーを英語で注文する」のように、小さく具体的な目標を立てましょう。
失敗4:一人で抱え込む
わからないことがあっても聞ける人がいないと、行き詰まりやすくなります。講座やサークル、オンライン英会話など、質問できる場を一つ持っておくと安心です。
失敗5:学習を1日休んだだけで全部やめてしまう
旅行や通院、家族の用事などで学習できない日は当然あります。1日休んだら、次の日にまた再開すればいいだけです。「毎日やらなければ意味がない」と考えず、「1週間で4日できれば上出来」くらいの気持ちで続けましょう。
今日からできること
定年後の英語ライフは、今日から始められます。
- 「1年後に英語でやってみたいこと」を1つ紙に書く
- 近くの公民館や図書館で、英語の講座や本があるか調べる
- 英語の自己紹介を3文作って、声に出してみる
学ぶことに年齢の上限はありません。新しい単語を1つ覚えるたびに、新しい世界の扉が少しずつ開いていきます。どうぞ、ゆっくり、楽しみながら英語との時間を過ごしてください。



