ビジネス英語は「型」を覚えれば怖くない
ビジネス英語で最初に知っておきたいのは、よく使う型があるということです。日本語のビジネスメールにも「いつもお世話になっております」「よろしくお願いいたします」のような定型文があるように、英語にも決まった言い回しがあります。
もう一つ大切なのが、丁寧さの調整です。英語には日本語のような敬語の体系はありませんが、言い方によって丁寧さが大きく変わります。
- Send me the file.(ファイルを送って)→ 命令に聞こえ、ビジネスでは強すぎる
- Can you send me the file?(ファイルを送ってくれる?)→ 同僚どうしならOK
- Could you send me the file?(ファイルを送っていただけますか?)→ 丁寧で使いやすい
- Would you mind sending me the file?(ファイルを送っていただいてもよろしいでしょうか?)→ さらに丁寧
迷ったら Could you ...? を使えば、ほとんどの場面で失礼になりません。
メールの基本表現
書き出し
- Dear Mr. Smith,(取引先など、改まった相手)
- Hi Emma,(すでにやりとりのある相手、社内)
- I hope this email finds you well.(お元気でお過ごしのことと思います)
- Thank you for your email.(メールありがとうございます)
用件を伝える
- I'm writing to ask about the delivery schedule.(納期についてお伺いしたくご連絡しました)
- I'm writing to confirm our meeting on Friday.(金曜日の打ち合わせの確認でご連絡しました)
添付・依頼
- Please find attached the revised proposal.(修正した提案書を添付しております)
- Could you let me know by Wednesday?(水曜日までにお知らせいただけますか?)
結び
- Please let me know if you have any questions.(ご不明な点があればお知らせください)
- I look forward to hearing from you.(お返事をお待ちしております)
- Best regards,(署名の前の結びの言葉)
ポイント:日本語の「よろしくお願いします」に完全に対応する英語はありません。場面に合わせて「お返事を待っています」「ご協力ありがとうございます」など、具体的に言いかえます。
例:短い依頼メールを組み立てる
表現を覚えたら、実際に1通組み立ててみましょう。取引先に資料の送付をお願いする場面です。
Dear Ms. Brown,
Thank you for your time on the phone yesterday.
I'm writing to ask if you could send me the latest price list.
Could you send it by Friday, June 12?
Please let me know if you have any questions.
Best regards,
Kenji Yamada
構成を分解すると、次の5つのパーツでできています。
- 宛名(Dear + 名前)
- お礼やひとこと(Thank you for ...)
- 用件(I'm writing to ...)
- 具体的なお願いと期限(Could you ... by ...?)
- 結びと署名(Please let me know ... / Best regards,)
この5パーツを「自分用テンプレート」として保存しておけば、用件の部分を入れかえるだけで、たいていの依頼メールが書けます。英語のメールは、日本語より短く、用件を早めに書くのが一般的です。前置きを長くしすぎないように気をつけましょう。
電話・オンライン通話の基本表現
電話は相手の顔が見えないぶん、緊張しやすい場面です。最初の一言と、聞き返しの表現を覚えておくだけで安心感が違います。
電話を受ける・取り次ぐ
- Hello, this is Tanaka from ABC Company.(はい、ABC社の田中です)
- May I ask who's calling?(どちら様でしょうか?)
- Could you hold on a moment, please?(少々お待ちいただけますか?)
- I'm afraid he's not at his desk right now.(あいにく席を外しております)
- Could I take a message?(ご伝言を承りましょうか?)
- I'll call you back later.(後ほど折り返します)
聞き取れなかったとき
- Sorry, could you say that again?(すみません、もう一度おっしゃっていただけますか?)
- Could you speak a little more slowly?(もう少しゆっくり話していただけますか?)
- Could you spell that for me?(つづりを教えていただけますか?)
聞き返すのは失礼ではありません。わからないまま話を進めるほうが、あとで大きな問題になります。名前や数字は、最後に Let me confirm. Your name is ... and the number is ...(確認させてください)と復唱すると安心です。
挨拶・自己紹介・スモールトーク
初対面
- Nice to meet you. I'm Yuki Sato from the sales team.(はじめまして。営業チームの佐藤ゆきです)
- I'm in charge of the Asian market.(アジア市場を担当しています)
久しぶりの相手
- It's good to see you again.(またお会いできてうれしいです)
- How have you been?(お元気でしたか?)
スモールトーク(雑談)
会議の前のちょっとした雑談は、英語圏のビジネスでは大切なコミュニケーションです。
- How was your weekend?(週末はどうでしたか?)
- Did you have any trouble finding the office?(オフィスはすぐわかりましたか?)
- It's really hot today, isn't it?(今日は本当に暑いですね)
答えるときは、一言で終わらせず、一文だけ付け足すと会話が続きます。
- It was great. I went hiking with my family.(よかったです。家族でハイキングに行きました)
日本人がやりがちな失敗
失敗1:please をつければ丁寧だと思う
Please send me the data. は、丁寧なようでいて「データを送ってください」という指示の響きが残ります。目上の人や取引先には Could you send me the data? のほうが柔らかく聞こえます。
失敗2:I'm sorry を使いすぎる
日本語の「すみません」の感覚で I'm sorry を多用すると、必要以上に謝っている印象になることがあります。待たせた場面では Thank you for your patience.(お待ちいただきありがとうございます)のように、感謝で言いかえると好印象です。
失敗3:難しい単語を使おうとする
ビジネス英語は、難しい単語よりわかりやすさが大事です。短く、明確な文で書くほうが、相手にとって読みやすいメールになります。
失敗4:返信が遅い
英語で書くのに時間がかかり、返信が遅れてしまうことがあります。まずは Thank you for your email. I'll get back to you by Friday.(メールありがとうございます。金曜日までにお返事します)と短く返しておくと安心です。
1週間で基本表現を身につける練習メニュー
1日15分で、この記事の表現を使えるようにするメニューです。
- 月曜:メールの書き出しと結びの表現を5つ、声に出して読む
- 火曜:実際の仕事を想定して、依頼メールを1通書いてみる(Could you ...? を使う)
- 水曜:電話の表現を声に出して、受ける側・かける側の両方を一人で演じる
- 木曜:自己紹介を英語で3文作り、30秒で言えるように練習する
- 金曜:スモールトークの質問に、一文付け足して答える練習
- 土曜:月曜〜金曜の表現を、日本語を見て英語で言えるかテスト
- 日曜:お休み
今日は、自分の仕事に合わせて英語の自己紹介を3文作ってみましょう。名前、部署、担当業務の3つが言えれば十分です。



