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スヌーズは悪者じゃなかった? 「30分の二度寝」で頭が鈍らなかった実験の中身

スヌーズは悪者じゃなかった? 「30分の二度寝」で頭が鈍らなかった実験の中身

読む前に予想してみよう!

スヌーズを30分使っても、起きた直後の頭の働きは悪くならなかった実験がある

研究カード(どんな研究?)
対象
習慣的にスヌーズを使う成人・大学生
規模
実験は31人と10人(調査は約1700人・約300人・450人)
研究の種類
実験室での被験者内比較・質問紙調査
確かさ
★★☆☆☆
3秒でわかる

2023年の研究で、習慣的にスヌーズを使う人が30分スヌーズしても、起きた直後の頭の働きは悪くならなかった。ただし逆の結果の研究もあり、決着はまだ。

ひとことで言うとスヌーズは必ずしも悪くない。でも人によるかも!

もくじ
  1. スウェーデンでの「スヌーズ実験」
  2. でも、日本の研究では逆の結果も
  3. 上手にスヌーズとつきあうには
  4. まとめ

ピピピピ……(ポチッ)。あと5分。ピピピピ……(ポチッ)。あと5分だけ……。

スヌーズボタンとの朝のバトル、身に覚えがある人は多いはず。そして、「スヌーズは眠りを細切れにして、かえって頭がボーッとする」と、なんとなく罪悪感を持っていませんか?

ところが2023年、「スヌーズしても、起きた直後の頭の働きは悪くならなかった」という研究が発表され、話題になりました。

01スウェーデンでの「スヌーズ実験」

さらに面白いのは、スヌーズをすると深い眠りの最中にたたき起こされるのを避けられる傾向があったこと。

人は深い眠り(ノンレム睡眠の一番深い段階)から急に起こされると、「睡眠慣性」、つまり寝起きのボーッとした状態が強くなりやすいとされています。スヌーズの間に眠りが浅くなり、目覚めの準備が少しできるのかもしれません。

深い眠りから急浮上するより、ゆっくり浮かぶほうが楽なことも
深い眠りから急浮上するより、ゆっくり浮かぶほうが楽なことも

02でも、日本の研究では逆の結果も

ただし、話はここで終わりません。

広島大学の研究チーム(Ogawaさん、林光緒さんら)が2022年に報告した、大学生10人を対象にした実験では、スヌーズを使うと、起きる前の最後の20分ほどの眠りが浅くなり、目覚めた後のボーッとした状態がむしろ長引いたという結果が出ています。

ちなみに同じ論文のアンケートでは、大学生の約7割がスマホのスヌーズ機能をよく使っていて、主な理由は「寝過ごすのが不安だから」でした。

アメリカでも2022年に、450人を対象にした調査とウェアラブル端末の記録から、約57%がスヌーズ派で、スヌーズ派は起きる前の眠りが浅めだったという研究が出ています(Mattinglyさんら、『Sleep』誌)。

実験はどれも少人数なので、どちらが正しいとはまだ言えません。人によって合う・合わないがある可能性も考えられます。Sundelinさんたちも、対象は「もともとスヌーズを使っている人」で、スヌーズを使わない人に同じことが言えるかはわからないとしています。

「スヌーズすると、その数分で深い眠りに落ちてしまうから最悪」とよく言われます。しかし2023年の研究では、スヌーズ中の睡眠は浅い眠りが中心で、深い眠りに入り直すことはあまりありませんでした。

03上手にスヌーズとつきあうには

04まとめ

スヌーズは、「絶対悪」ではないかもしれない。少なくとも、もともとスヌーズ派の人が30分使うくらいなら、頭の働きは悪くならなかった、という研究がありました。

とはいえ、研究はまだ少なく、結果も割れています。大事なのは、スヌーズの有無より、そもそも夜にしっかり眠れているか。二度寝の罪悪感はちょっと手放しつつ、夜の睡眠を大切にしていきましょう。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerMany people feel guilty about pressing the snooze button, believing that it breaks up sleep and makes them… 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Many people feel guilty about pressing the snooze button, believing that it breaks up sleep and makes them groggy. However, a Swedish study published in 2023 found something surprising. Researchers asked 31 people who usually snooze to sleep in a laboratory. On one morning they snoozed for 30 minutes, and on another they got up at once.

Snoozing cost them only about six minutes of sleep, and their scores on thinking tests right after waking were the same or even better. Snoozing also seemed to help them avoid being woken from deep sleep. On the other hand, a 2022 Japanese study of ten university students found that snoozing made them feel groggy for longer. So the effect may depend on the person.

122 words ・ CEFR B1

和訳を見る

多くの人は、スヌーズボタンを押すと眠りが細切れになりぼんやりすると信じて、罪悪感を持っています。しかし、2023年に発表されたスウェーデンの研究は意外なことを発見しました。研究者たちは、ふだんスヌーズを使う31人に実験室で眠ってもらいました。ある朝は30分スヌーズし、別の朝はすぐに起きました。

スヌーズで失った睡眠は約6分だけで、起きた直後の思考テストの点数は同じか、むしろ良くなっていました。スヌーズは深い眠りから起こされるのを避ける助けにもなっているようでした。一方、大学生10人を対象とした2022年の日本の研究では、スヌーズによってぼんやりした状態が長引きました。だから、効果は人によるのかもしれません。

4択リーディングクイズ

Q1. How many people took part in the Swedish laboratory study?

Q2. What did the 2022 Japanese study find?

Q3. What is the writer's conclusion?

重要単語

  • snoozeB2
    動詞・名詞うたた寝する、スヌーズ機能を使う/うたた寝I snoozed my alarm three times this morning. hit the snooze button「スヌーズボタンを押す」。You snooze, you lose.「ぐずぐずしていると損をする」ということわざも。
  • alarmA2
    名詞目覚まし(の音)、警報Set your alarm for the time you really need to get up. set an alarm「目覚ましをセットする」。fire alarm「火災報知器」。
  • groggyC1
    形容詞(寝起きで)ぼんやりしたHe felt groggy after waking up from deep sleep. ボクシングの「グロッキー」の語源。名詞 grogginess。
  • cognitiveC1
    形容詞認知の、思考に関するThey took cognitive tests right after waking. cognitive ability「認知能力」。cognition(認知)の形容詞形。
  • habitualC1
    形容詞習慣的なHabitual snoozers took part in the study. habit(習慣)の形容詞形。habitual smoker「常習的な喫煙者」。
  • inertiaC1
    名詞慣性、惰性Sleep inertia makes the first minutes after waking difficult. 物理の「慣性」。比喩で「やる気が出ない惰性」にも使う。発音 /ɪˈnɜːrʃə/。

動画でもっと知る

「スヌーズは睡眠を細切れにするから最悪」と言われがちだけど、2023年の実験では、30分スヌーズしても起きた直後の頭の働きは悪くならず、少し良くなったテストもあったらしい。二度寝派、ちょっと安心?

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出典・参考文献(5件)タップで表示
  1. Sundelin et al. (2024) Is snoozing losing? Why intermittent morning alarms are used and how they affect sleep, cognition, cortisol, and mood, Journal of Sleep Researchdoi.org
  2. Ogawa et al. (2022) Effects of using a snooze alarm on sleep inertia after morning awakening, Journal of Physiological Anthropologydoi.org
  3. Mattingly et al. (2022) Snoozing: an examination of a common method of waking, Sleepdoi.org
  4. Hilditch & McHill (2019) Sleep inertia: current insights, Nature and Science of Sleepdoi.org
  5. Trotti (2017) Waking up is the hardest thing I do all day: Sleep inertia and sleep drunkenness, Sleep Medicine Reviewsdoi.org