【最新研究】安眠用の「ピンクノイズ」、実はレム睡眠を削っていた?

読む前に予想してみよう!
実験では、騒音対策として耳栓よりピンクノイズの方が効果的だった
耳栓は騒音の悪影響をほぼ防いだが、ピンクノイズはレム睡眠を減らし、騒音と組み合わせると眠りの構造が悪化した。
- 対象
- 健康な成人(21〜41歳)
- 規模
- 25人
- 研究の種類
- 睡眠ラボでの被験者内実験(7晩・終夜睡眠ポリグラフ)
- 確かさ
- ★★☆☆☆
7晩の睡眠実験で、ピンクノイズはレム睡眠を減らし、騒音対策としても効果が薄かった。一方、耳栓は騒音の悪影響をほぼ防いだ。
ひとことで言うと眠るための「ザーッ」という音が、夢を見る眠りを減らしていたかも!
雨の音や、ザーッという換気扇のような音。眠るときに「ホワイトノイズ」や「ピンクノイズ」を流している人は多いのではないでしょうか。アプリや専用の機械もたくさんあります。
でも2026年、アメリカの睡眠研究チームが、ちょっと気になる結果を発表しました。ピンクノイズを一晩中流すと、レム睡眠が減ってしまうというのです。
01ピンクノイズってなに?
ピンクノイズは、ホワイトノイズの低い音を強めにしたような、やわらかい「ザー」という音。雨音や滝の音に近いとされ、「眠りが深くなる」「周りの雑音が気にならなくなる」と人気があります。
ただ、一晩中流し続けたときの影響を、ちゃんとした睡眠検査で確かめた研究は多くありませんでした。
027晩、睡眠ラボで泊まりこみ実験
夜ごとに条件を変えて、
- 飛行機などの環境騒音(一晩に93回、45〜65デシベル)
- ピンクノイズ(40または50デシベル)
- 騒音+ピンクノイズ
- 騒音+耳栓
- 何も音のない夜
などを比べました。
03ピンクノイズでレム睡眠が約19分減った
結果、音のない夜と比べて、
- 環境騒音は、いちばん深い眠り(N3)を減らした
- ピンクノイズ(50デシベル)は、レム睡眠を約19分減らした
さらに、騒音にピンクノイズを重ねると、細切れの目覚めが少しだけ減る効果はあったものの、全体としての眠りの構造はかえって悪化しました。
一方、耳栓は、騒音による悪影響をほぼ防いでいました(ただし一番大きな65デシベルの騒音では効き目が落ち始めた)。

04レム睡眠はなぜ大事?
レム睡眠は、夢を見ることが多い眠りの段階で、記憶の整理や感情のコントロール、そして子どもの脳の発達にも関わると考えられています。
研究チームは、レム睡眠の大切さを考えると、こうしたノイズを誰にでも・なんとなく一晩中使うことには慎重になるべきで、特に子どもなど影響を受けやすい人には注意が必要だと呼びかけています。赤ちゃんや子どもは、眠りの中でレム睡眠が占める割合が大人より大きいからです。
なお、翌朝の認知テストや血圧などの心血管の指標、聴力には、はっきりした影響は見られませんでした。ただし、騒音やピンクノイズのある夜の後は、本人が感じる眠りの質や気分が悪かったと報告されています。
05まとめ
「眠りのための音」が、実は大事な眠りを削っていたかもしれない――。
騒音が気になって眠れないなら、まずは耳栓を試してみる。音を流すなら、できるだけ小さな音で、タイマーで切れるようにする(この方法自体は研究で確かめられたものではありませんが、一晩中の連続再生を避ける工夫です)。それが今のところ、いちばん無難な選び方と言えそうです。
この研究を英語で読もう原田英語の English CornerPink noise, a soft sound similar to steady rain, is popular as a sleep aid.
音声
4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く
原田英語の English Corner
この研究を英語で読もう
Many people play a soft "shhh" sound called pink noise to help them sleep. In 2026, researchers in the US tested 25 healthy adults in a sleep lab for seven nights.
When pink noise played all night, people had about 19 minutes less REM sleep, the kind of sleep when we often dream. Pink noise also did not protect sleep well from airplane noise. But simple earplugs blocked most of the bad effects.
73 words ・ CEFR A2
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眠るのを助けるために、「ザーッ」というやわらかい音、ピンクノイズを流す人はたくさんいます。2026年、アメリカの研究者たちは、健康な大人25人を睡眠ラボで7晩調べました。
ピンクノイズを一晩中流すと、私たちがよく夢を見る種類の眠りであるレム睡眠が、約19分少なくなりました。ピンクノイズはまた、飛行機の騒音から眠りをうまく守ることもできませんでした。しかし、シンプルな耳栓は悪い影響のほとんどを防ぎました。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the passage mainly about?
ピンクノイズがレム睡眠を減らし、耳栓は騒音の悪影響を防いだ、という内容なので C。
Q2. How many nights did the people stay in the sleep lab?
in a sleep lab for seven nights とあるので B。19は減ったレム睡眠の分数、25は参加者の人数。
Q3. In this passage, "blocked" means ...
block は「ふさぐ・防ぐ」。耳栓が騒音の悪い影響を止めたという意味なので A。
Pink noise, a soft sound similar to steady rain, is popular as a sleep aid. But is it really good for sleep? Researchers at the University of Pennsylvania studied 25 healthy adults aged 21 to 41, who spent seven nights in a sleep lab. Their brain waves were recorded every night.
On different nights, they slept with environmental noise such as aircraft sounds, pink noise, both, noise with earplugs, or no sound. Compared with quiet nights, pink noise at 50 decibels reduced REM sleep by about 19 minutes. Adding pink noise to the environmental noise made overall sleep structure worse. In contrast, earplugs prevented most of the harmful effects of the noise.
112 words ・ CEFR B1
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降り続く雨のようなやわらかい音であるピンクノイズは、眠りを助けるものとして人気があります。しかし、本当に眠りに良いのでしょうか。ペンシルベニア大学の研究者たちは、21〜41歳の健康な大人25人を調べました。参加者は睡眠ラボで7晩過ごし、毎晩脳波が記録されました。
夜ごとに、飛行機の音のような環境騒音、ピンクノイズ、その両方、騒音と耳栓、または音なしのいずれかの条件で眠りました。静かな夜と比べると、50デシベルのピンクノイズはレム睡眠を約19分減らしました。環境騒音にピンクノイズを加えると、眠り全体の構造はかえって悪くなりました。それとは対照的に、耳栓は騒音による悪影響のほとんどを防ぎました。
4択リーディングクイズ
Q1. What did the researchers record every night?
Their brain waves were recorded every night. とあるので D。
Q2. Which condition worked best against environmental noise?
earplugs prevented most of the harmful effects of the noise とあるので A。ピンクノイズを加えるとかえって悪化した。
Q3. What is the main message of the passage?
人気のピンクノイズが実はレム睡眠を減らし、騒音対策にもならなかったことから、思われているほど役立たない可能性が主旨なので C。
Broadband sounds such as white and pink noise are widely marketed as sleep aids, yet their effects across a whole night have rarely been tested with objective measures. In a study published online in SLEEP in 2026, researchers at the University of Pennsylvania had 25 healthy adults aged 21 to 41 spend seven nights in a sleep laboratory while their sleep was monitored by polysomnography. Conditions included intermittent environmental noise such as aircraft sounds, pink noise at 40 or 50 decibels, combinations of the two, noise with earplugs, and a quiet control night.
Environmental noise reduced deep N3 sleep, while pink noise at 50 decibels reduced REM sleep, which is linked to memory processing and emotional regulation, by about 19 minutes. Combining pink noise with environmental noise slightly reduced brief awakenings but worsened overall sleep structure. Earplugs, by contrast, largely prevented the noise effects, although their benefit began to weaken at 65 decibels. Next-morning cognition, blood pressure, and hearing were unaffected. However, the sample was small, participants did not normally sleep with noise, the study lasted only a week, and concerns about children remain an extrapolation.
186 words ・ CEFR B2
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ホワイトノイズやピンクノイズのような広帯域の音は、眠りを助けるものとして広く売られていますが、一晩を通しての影響が客観的な方法で確かめられたことはほとんどありませんでした。2026年に『SLEEP』でオンライン公開された研究で、ペンシルベニア大学の研究者たちは、21〜41歳の健康な大人25人に睡眠ラボで7晩過ごしてもらい、終夜睡眠ポリグラフ検査で眠りを記録しました。条件には、飛行機の音のような断続的な環境騒音、40または50デシベルのピンクノイズ、その両方の組み合わせ、騒音と耳栓、そして静かな対照の夜が含まれていました。
環境騒音は深い眠り(N3)を減らし、50デシベルのピンクノイズは、記憶の処理や感情の調節に関わるとされるレム睡眠を約19分減らしました。ピンクノイズを環境騒音と組み合わせると、短い目覚めはわずかに減ったものの、眠り全体の構造は悪化しました。それに対して耳栓は、65デシベルで効果が弱まり始めたものの、騒音の影響をおおむね防ぎました。翌朝の記憶、血圧、聴力には影響がありませんでした。ただし、サンプルは少なく、参加者はふだん音を流して眠る人ではなく、研究期間は1週間だけで、子どもへの懸念は推測の域を出ていません。
4択リーディングクイズ
Q1. Why was this study needed?
第1文 their effects across a whole night have rarely been tested with objective measures とあるので B。
Q2. Which of the following is true according to the passage?
pink noise at 50 decibels reduced REM sleep ... by about 19 minutes とあるので D。N3を減らしたのは環境騒音、耳栓は65デシベルで効果が弱まり始め、翌朝の記憶は影響なし。
Q3. What does the author mean by saying that concerns about children "remain an extrapolation"?
extrapolation は「(データの範囲を超えた)推定・外挿」。子どもは調べておらず、大人のデータから推測しているだけという意味なので A。
重要単語
- REM sleepB1名詞(句)レム睡眠(夢を見ることが多い眠り)REM sleep is important for memory and emotion.
REM は Rapid Eye Movement(急速眼球運動)の略。それ以外の眠りは non-REM sleep。 - earplugB1名詞耳栓I wear earplugs on noisy nights.
ear(耳)+plug(栓・プラグ)。ふつう両耳で使うので複数形 earplugs が多い。 - broadband noiseC1名詞(句)広帯域ノイズ(幅広い周波数を含む音)White noise is a type of broadband noise.
broadband は「広い帯域の」。インターネットの「ブロードバンド」と同じ語。 - mitigateC1動詞和らげる、軽減するEarplugs mitigate the effects of noise.
reduce / lessen の硬い言い方。mitigate climate change「気候変動を緩和する」は環境問題の頻出表現。 - polysomnographyC2名詞終夜睡眠ポリグラフ検査Polysomnography records brain waves during sleep.
poly-(多くの)+somno-(眠り)+-graphy(記録)。insomnia(不眠症)の somn- と同じ語源。 - decibelB2名詞デシベル(音の大きさの単位)Normal conversation is about 60 decibels.
略して dB。電話を発明したベル(Bell)にちなんだ単位 bel の10分の1(deci-)。
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眠るためのピンクノイズを一晩中流したら、レム睡眠が約19分減ったらしい。飛行機などの騒音と組み合わせると、かえって眠りの構造が悪化。一方、シンプルな耳栓は騒音の悪影響をほぼ防いでいた。
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出典・参考文献(3件)タップで表示
- Basner et al. (2026) Efficacy of pink noise and earplugs for mitigating the effects of intermittent environmental noise exposure on sleep, SLEEPdoi.org
- Riedy, Smith, Rocha & Basner (2021) Noise as a sleep aid: A systematic review, Sleep Medicine Reviewsdoi.org
- Capezuti et al. (2022) Systematic review: auditory stimulation and sleep, Journal of Clinical Sleep Medicinedoi.org
※本記事は上記の研究・公開資料をもとに、原田英語が独自の言葉で解説したものです。引用は著作権法第32条の範囲で行い、出典を明記しています。画像はすべてオリジナルのイメージです。研究結果には限界や個人差があります。誤りのご指摘は原田英語のお問い合わせフォームから。









