「久しぶり、元気?」の連絡は、送る側が思うよりずっと喜ばれていた。感謝の手紙も同じだった

読む前に予想してみよう!
久しぶりに短い連絡をもらった人は、送った人が予想する以上に喜んでいることが多い
実験では、送る側は受け取った側のうれしさを一貫して低く見積もっていた。
- 対象
- 米国の大学生・成人
- 規模
- 数百〜数千人規模の実験を複数
- 研究の種類
- 事前登録された実験など
- 確かさ
- ★★★★☆
久しぶりの「元気?」の連絡や感謝の手紙は、受け取った側が送る側の予想以上に喜んでいた。送る側は相手の「うれしい驚き」を見落としがちだった。
ひとことで言うと「元気?」の一言は、送った自分が思うよりずっとうれしい!
ふと、中学時代の友達のことを思い出した。「元気かな?」とメッセージを送ろうとして、指が止まる。
「急に連絡したら変に思われるかな」「向こうはもう、私のことなんて忘れてるかも」「返事が来なかったら気まずいし……」——結局、送らずにスマホを置いてしまう。
そんな経験がある人に、ぜひ知ってほしい研究があります。結論から言うと、その連絡、あなたが思うよりずっと喜ばれます。
01「元気?」の連絡は、予想以上にうれしい
研究チームは、そのズレの理由の一つを「驚き」に見つけました。
送る側は、「自分が何を送るか」「どう思われるか」に注目しています。一方、受け取る側は、「えっ、私のことを思い出してくれたんだ!」という驚きに心を動かされます。このうれしい驚きの大きさを、送る側は見落としがちなのです。
しかもこのズレは、ふだんあまり連絡を取らない、少し距離のある相手ほど大きくなりました。「最近話していないから送りにくい」と感じる相手ほど、実はその喜びを、いっそう大きく見誤っているのです。
02感謝の手紙も「気まずい」と思いすぎていた
同じことは、感謝を伝える場面でも起きていました。

シカゴ大学などの研究では、参加者にお世話になった人への感謝の手紙を書いてもらい、受け取った人がどう感じるかを予想してもらいました。その結果、手紙を書いた人は、
- 受け取った人がどれだけ驚くかを低く見積もり
- 受け取った人がどれだけ気まずく感じるかを高く見積もり
- 受け取った人がどれだけうれしいかを低く見積もっていた
のです。そして、「気まずいだろう」と予想する人ほど、感謝を伝えることに消極的でした。
褒め言葉についても、同じパターンが報告されています。人は、相手を褒めたときのうれしさを低く、気まずさを高く見積もり、その結果として褒めるのをためらってしまうのです。
03なぜ私たちは「送らない」を選ぶのか
これらの研究に共通するのは、私たちが親切や好意の"効き目"を過小評価しているということです。
送る側は、「うまく書けているか」「変に思われないか」と、自分の行動の出来ばえに注目します。でも受け取る側が受け取るのは、出来ばえではなく、「自分のことを思ってくれた」という気持ちそのもの。だからこそ、短い一言でも十分に届くのです。
04まとめ
「久しぶり、元気?」の連絡も、感謝の手紙も、あなたが思うよりずっと喜ばれています。私たちは、相手の「うれしい驚き」を見落とし、気まずさばかり心配してしまうのです。
送るか迷っているメッセージがあるなら、今日がそのチャンスかもしれません。小さな一言が、誰かの一日を明るくするはずです。
この研究を英語で読もう原田英語の English CornerMany people hesitate to contact an old friend because they worry it will seem strange.
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4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く
原田英語の English Corner
この研究を英語で読もう
Do you ever want to send a message like "Hi, how are you?" to an old friend, but then stop?
Researchers in the United States studied this. People sent short messages to friends they had not talked to for a while. The friends who got the messages were much happier than the senders expected. They were happily surprised. So if you think of a friend, send that message!
68 words ・ CEFR A2
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昔の友達に「やあ、元気?」
のようなメッセージを送りたくなったのに、やめてしまうことはありませんか。アメリカの研究者たちがこれを調べました。人々は、しばらく話していなかった友達に短いメッセージを送りました。メッセージを受け取った友達は、送った人が予想したよりずっと喜んでいました。彼らはうれしい驚きを感じていたのです。だから、友達のことを思い出したら、そのメッセージを送りましょう!
4択リーディングクイズ
Q1. What is the passage mainly about?
久しぶりの短いメッセージが予想以上に喜ばれるという話なので D。
Q2. How did the friends who got the messages feel?
much happier than the senders expected とあるので A。
Q3. In this passage, "for a while" means ...
for a while は「しばらくの間」。しばらく話していなかったという意味なので B。
Many people hesitate to contact an old friend because they worry it will seem strange. A 2023 series of pre-registered experiments in the United States suggests this worry is unnecessary. Participants sent short check-in messages or small gifts to people they had not been in touch with recently, and they predicted how much the receivers would appreciate it.
The receivers appreciated the contact much more than the senders expected, and this pattern appeared again and again. One reason was surprise. Receivers were delighted that someone had thought of them. The gap was even larger when the two people were not very close. A similar pattern was found with thank-you letters, as writers underestimated how happy receivers would feel.
118 words ・ CEFR B1
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多くの人は、変に思われるのではと心配して、昔の友達に連絡するのをためらいます。アメリカで2023年に行われた、事前に計画が登録された一連の実験は、この心配が不要であることを示しています。参加者は、最近連絡を取っていなかった人に短い近況伺いのメッセージや小さなプレゼントを送り、受け取った人がどれくらいありがたく思うかを予想しました。
受け取った人は、送った人が予想したよりもずっと連絡をありがたく思っており、このパターンは何度もくり返し現れました。理由の一つは驚きでした。受け取った人は、誰かが自分のことを思い出してくれたことを喜んでいたのです。そのズレは、2人があまり親しくない場合にさらに大きくなりました。感謝の手紙でも似たパターンが見られ、書いた人は受け取った人がどれほどうれしく感じるかを過小評価していました。
4択リーディングクイズ
Q1. What did participants send in the experiments?
sent short check-in messages or small gifts とあるので B。
Q2. When was the gap between senders and receivers even larger?
The gap was even larger when the two people were not very close. とあるので C。
Q3. What can we infer from the passage?
受け取る側は予想以上に喜ぶので、連絡をためらいすぎなくてよいと推論できる。正解は D。
In a 2023 set of pre-registered experiments, participants reached out to people they had not been in touch with recently. Some sent a brief check-in message, others a small gift, and each sender estimated how much the recipient would appreciate the gesture. Recipients consistently reported greater appreciation than senders had predicted.
Senders often worry that a message after a long silence will seem odd or unwelcome, and these experiments challenge that worry. The researchers traced the gap to surprise. Senders focus on the content of what they send, while recipients are moved by the unexpected realization that someone was thinking of them. The gap was larger when the relationship was more distant.
So the people we feel most reluctant to contact may be the ones most pleased to hear from us. The studies were conducted mainly in the United States, and cultures may differ in how reaching out is perceived. Earlier research on gratitude letters found a similar bias. Writers underestimated how surprised and pleased recipients would be and overestimated how awkward they would feel, and when writers expected awkwardness, they were less willing to write at all. Comparable findings have been reported for compliments.
195 words ・ CEFR B2
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2023年に行われた、事前登録された一連の実験で、参加者は最近連絡をとっていなかった人に連絡をしました。短い近況うかがいのメッセージを送った人もいれば、ちょっとした贈り物を送った人もいて、送り手はそれぞれ、受け手がその行為をどれくらいありがたく思うかを予想しました。受け手が感じたありがたさは、一貫して送り手の予想を上回りました。
送り手はよく、長い沈黙のあとのメッセージは変だと思われたり迷惑がられたりするのではと心配しますが、これらの実験はその心配に疑問を投げかけています。研究者たちは、この差の原因の一つを「驚き」に求めました。送り手は送るものの中身に注目しますが、受け手は、誰かが自分のことを考えてくれていたという思いがけない気づきに心を動かされるのです。この差は、関係が疎遠であるほど大きくなりました。つまり、私たちが最も連絡をためらう相手こそ、連絡をもらって最も喜ぶ人なのかもしれません。
これらの研究は主にアメリカで行われており、連絡をとることの受け止め方は文化によって異なるかもしれません。感謝の手紙についての以前の研究でも、似たかたよりが見つかっています。書き手は、受け手がどれほど驚き、喜ぶかを低く見積もり、受け手がどれほど気まずく感じるかを高く見積もりました。そして、気まずさを予想した書き手ほど、そもそも手紙を書く気が起きにくくなっていました。ほめ言葉についても、同じような結果が報告されています。
4択リーディングクイズ
Q1. According to the researchers, what helps explain the gap between senders and recipients?
The researchers traced part of the gap to surprise. とあるので C。
Q2. What does the passage imply about distant relationships?
the people we feel most reluctant to contact may be the ones most pleased to hear from us とあるので A。
Q3. What limitation is mentioned?
The studies were conducted mainly in the United States, and cultures may differ ... とあるので D。
重要単語
- reach outB2動詞句連絡を取る、手を差し伸べるDon't be afraid to reach out to old friends.
reach out to ~「~に連絡する・支援の手を差し伸べる」。ビジネスメールでも頻出。 - appreciateB1動詞ありがたく思うI really appreciate your help.
目的語は「人」ではなく「こと」をとる(I appreciate your help. ○/I appreciate you. は口語的)。 - gratitudeB2名詞感謝She showed her gratitude with a letter.
形容詞 grateful(感謝している)。express one's gratitude「感謝の意を表す」。 - awkwardB2形容詞気まずい、ぎこちないThere was an awkward silence.
名詞 awkwardness。an awkward moment「気まずい瞬間」。 - surpriseA2名詞・動詞驚き/驚かせるHis call was a happy surprise.
to one's surprise「驚いたことに」。be surprised at ~「~に驚く」。 - reluctantB2形容詞気が進まない、ためらうHe was reluctant to call his old friend.
be reluctant to do「~するのに気が進まない」。反対は willing。
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「久しぶり、元気?」と連絡するか迷って、結局やめたこと、ない? 実験では、連絡を受けた人は送った人の予想よりずっと喜んでいたらしい。感謝の手紙でも同じで、送る側は「気まずいかも」と思いすぎていた。迷ったら、送っていい。
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出典・参考文献(3件)タップで表示
- Liu et al. (2023) The surprise of reaching out: Appreciated more than we think, Journal of Personality and Social Psychologydoi.org
- Kumar & Epley (2018) Undervaluing gratitude: Expressers misunderstand the consequences of showing appreciation, Psychological Sciencedoi.org
- Zhao & Epley (2021) Insufficiently complimentary?: Underestimating the positive impact of compliments creates a barrier to expressing them, Journal of Personality and Social Psychologydoi.org
※本記事は上記の研究・公開資料をもとに、原田英語が独自の言葉で解説したものです。引用は著作権法第32条の範囲で行い、出典を明記しています。画像はすべてオリジナルのイメージです。研究結果には限界や個人差があります。誤りのご指摘は原田英語のお問い合わせフォームから。











