記憶の宮殿(場所法)
Memory Palace (Method of Loci)
3秒でわかる知っている場所に単語を置き、歩いて思い出す

自分の家や通学路など、よく知っている場所の道順を決め、覚えたい単語を1か所ずつ「置いて」いく記憶術です。玄関に apple、くつ箱に ladder、と奇妙な場面を思い描いておき、思い出すときは頭の中でその道を歩きます。順番のある情報、スピーチの流れ、単語のリストを覚えるのに向いています。
たとえるなら
冷蔵庫に何があるか思い出すとき、頭の中で扉を開けて棚を上から見ていきます。記憶の宮殿は、その「場所の記憶」の強さを借りる方法です。単語を覚えるのではなく、よく知る場所に置いてくるイメージです。

目から鱗・知ってた?
40日の練習で、記憶力は2倍以上になる?
Dresler らの2017年の研究では、1日30分、40日間場所法を練習した人たちが、72語のリストから思い出せる数を平均26語から62語に伸ばしました。4か月後も成績は高いままでした。記憶のコツは、練習で身につくことを示す結果です。
その思い込み、実は…
カードをタップすると答えが出ます記憶術は生まれつき記憶力がいい人の技だ
Dresler らの研究では、ふつうの記憶力の人が1日30分、40日間練習しただけで、単語リストの記憶が2倍以上になりました。才能より練習で身につく技術です。
記憶の宮殿で覚えれば英語が話せる
覚えられるのは単語やリストで、使いこなす力は別に必要です。宮殿で覚えた単語は、例文を音読したり会話で使ったりして、ふだんの英語の中に組みこんでいくことで使えるようになります。
なぜ効く?
古代ギリシャから伝わる記憶術で、記憶力を競う大会の選手もよく使っています。Dresler らの2017年の研究(学術誌 Neuron)では、ふつうの記憶力の人が1日30分、40日間この方法を練習したところ、72語のリストから思い出せる数が平均26語から62語に増え、4か月後も高い成績が保たれていました。
やり方
- 自分の家の中で、10か所の順路を決める(玄関→くつ箱→廊下→トイレ→…)
- 覚えたい単語を10個用意し、1か所に1語ずつ、大げさで奇妙な場面を思い描いて置く
- 単語の意味や音が場面に入るようにする(例:玄関に巨大な apple が詰まってドアが開かない)
- 目を閉じて順路を歩き、各場所で単語を英語で言えるか確かめる
- 翌日と3日後に、もう一度頭の中で歩いて確かめる。慣れたら順路を増やす
動画で見て、まねする
使い方:まずこの短いアニメで場所法の仕組みをつかみます。見たあと、自分の家の中で順番に通る場所を5か所決めて、紙に書き出します。
使い方:英語学習への応用例が見られる1本です。見たあと、自分の5か所に英単語を1つずつ置く場面を思い描き、翌日に道順をたどって思い出します。
使い方:記憶の宮殿を作るときのコツ5つをメモします。場所の選び方の部分を参考に、単語用の道順をもう1本作り、2つを使い分けます。
使い方:記憶術が誰にでも使える技術だという話を聞きます。英語字幕で見て、自分も場所法で英単語10個を覚える挑戦の日を決めておきます。
レベル別のやり方
自分の部屋の5か所に、覚えにくい英単語を1つずつ奇妙な場面で置き、順路をたどって思い出す
家の中に10か所の順路を作り、週に1回新しい単語10個を置いて、翌日と3日後に確かめる
英語のスピーチや発表の要点を順路に置き、メモなしで最初から最後まで話せるように練習する

今日の5分チャレンジ
自分の部屋の中で5か所の順路を決め、覚えたい英単語を1つずつ奇妙な場面で置きましょう。5分後、順路をたどって全部言えるか試します。
できたかチェック
日本人の落とし穴
日本人は単語を1つずつバラバラに覚えがちですが、スピーチや面接で話す順番、英検の面接の流れなど、順番が大事な場面ではこの方法が役立ちます。ただ、日常の大量の単語をすべてこれで覚えるのは手間がかかるので、どうしても覚えられない語や、順番が必要な内容にしぼって使いましょう。
よくある失敗
- 場所の順路があいまいで、思い出すときに道に迷う
- 場面が地味すぎて、印象に残らない
- すべての単語をこの方法で覚えようとして、時間がかかりすぎる
立場別メニュー
| 中学生 | 自分の部屋の5か所に、英語のテストに出る単語を1つずつ置いて覚える |
| 高校生 | 英作文で使える接続語10個を、通学路の10か所に置いて順番に言えるようにする |
| 大学生 | 英語プレゼンの流れを、キャンパスの建物の順に置いて覚える |
| 社会人 | 英語の会議で話す要点を、オフィスの道順に置いてメモなしで話す |
| 大人のやり直し | 家の中の10か所に、旅行で使う英語フレーズを置いて覚える |