ファインマン・テクニック
Feynman Technique
3秒でわかる人に教えるつもりで、やさしく説明する

学んだことを、何も知らない人や子どもに教えるつもりで、やさしい言葉で説明してみる方法です。説明につまった所が、自分がまだ本当にはわかっていない所です。英語学習では、文法の仕組みを日本語で説明したり、読んだ内容を英語で人に説明したりする形で使えます。
たとえるなら
道案内に似ています。いつも通る道でも、人に説明しようとすると「あの角に何があったっけ」と言葉につまります。そのつまった場所が、まだはっきり覚えていない所です。説明は、頭の中の地図の空白をあぶり出します。

目から鱗・知ってた?
ノートを見ながら教えると、効果が消える?
Koh らの2018年の研究では、ノートを見ずに教えた人は1週間後のテストでよい成績でしたが、ノートを見ながら教えた人は、教えなかった人とほぼ同じでした。教えることの効果の中心は、頭から思い出して説明する所にあると考えられています。説明は、何も見ずにやるのがコツです。
その思い込み、実は…
カードをタップすると答えが出ますわかったなら説明できるはず
読んで「わかった」と感じることと、自分の言葉で説明できることは別物です。説明しようとして初めて、あいまいな所が見えてきます。わかった気分のまま次へ進まないように、短く説明してみる時間をとってください。
教えるのは上手になってから
上手でなくても、教えるつもりで学ぶだけで効果があります。Nestojko らの2014年の研究では、後で人に教えると思って学んだ人は、テストのためと思って学んだ人より、内容を整理して思い出せました。完璧になる前から説明役を引き受けてかまいません。
なぜ効く?
物理学者 Richard Feynman の名前がついていますが、4ステップの手順は後の人たちがまとめたものです。学習科学では、Nestojko らの2014年の研究で、後で人に教えるつもりで学んだ人は、テストのつもりで学んだ人より内容をよく整理して思い出せたことが報告されています。
やり方
- 説明したいテーマを1つ選ぶ(例:現在完了と過去形の違い)
- 白い紙に、中学生に教えるつもりで説明を書く(5分)
- つまった所、難しい言葉に逃げた所に印をつける
- 印の部分だけ、文法サイトや辞書で調べ直す
- もう一度、例文を2つ添えて、より短く説明し直す
動画で見て、まねする
使い方:手順を例つきで確認したら、今週習った文法を1つ選び、中学生に教えるつもりで白紙に説明を書きます。つまった所を教材で調べて書き直します。
使い方:現在完了と過去形の違いを短く確認したら、動画を見ずに、2つの違いを家族に話すつもりで1分間説明します。録音して言えなかった所を見直します。
使い方:5文型の説明を見たら、例文を5つ自分で選び、なぜその文型になるのかを声に出して説明します。説明できなかった文だけ、動画の該当部分を見返します。
使い方:英語がややこしい理由を聞いたあと、つづりと発音がずれる例を1つ選び、なぜそうなったかを友達に話すつもりで3文の日本語にまとめます。
レベル別のやり方
覚えた単語の意味を、日本語で「たとえば〜のときに使う」と、例を1つつけて説明します。
現在完了と過去形のちがいなど、文法の仕組みを例文を使って1分で説明し、録音して聞き返します。
読んだ記事の内容を、知らない人向けに英語で2分説明し、AIに「わかりにくい所はどこか」を聞きます。

今日の5分チャレンジ
今日学んだ文法か単語を1つ選び、スマホの録音を回して、小学生に教えるつもりで1分間説明します。聞き返して、言葉につまった所を1つメモし、調べ直してください。
できたかチェック
日本人の落とし穴
日本人は文法を「用語」で覚えがちで、「これは継続用法だから」と言えても、なぜそうなるのかは説明できないことが多いのです。用語を使わずに説明できるかを試してください。人前で説明するのが恥ずかしい場合は、ノートやスマホの録音相手でも十分効果があります。
よくある失敗
- 文法用語を並べただけで、説明できたつもりになる
- つまった所を調べずに次のテーマに進む
- 長い説明を書き、本当の要点がぼやける
立場別メニュー
| 中学生 | 授業で習った文法を、家族に1分で説明してみる |
| 高校生 | 英語の苦手な友だちに、まぎらわしい文法を教えてみる |
| 大学生 | 英語の論文の要点を、英語で1分で説明する練習 |
| 社会人 | 仕事の専門用語を、英語でやさしく言い換えて説明する |
| 大人のやり直し | その日学んだ表現を、子どもや孫に教えるつもりで話す |