理解可能なインプット(i+1)
Comprehensible Input
3秒でわかる8割わかる英語を、たくさん浴びる

今の自分が「だいたいわかる、でも少しだけ知らないことがある」レベルの英語を、たくさん聞いたり読んだりする考え方です。難しすぎる英語はただの雑音になり、やさしすぎる英語からは新しく学ぶものがありません。教材選びの物差しとして使うと迷いが減ります。
たとえるなら
ジグソーパズルにたとえられます。ピースがほとんど埋まっていれば、空いた穴の形から、残りのピースの形が見えてきます。英語も、まわりの8〜9割がわかれば、知らない1割の意味が文脈から浮かび上がってきます。

目から鱗・知ってた?
しばらく話せなくても、心配いらない?
Krashen は、新しい言語に触れた子どもが、しばらくほとんど話さない時期を「沈黙期(silent period)」として取り上げ、習得の自然な一段階だと論じました。口を開かないあいだも、聞いてわかる力は育っていると考えたのです。焦って話そうとせず、まず理解できる量を増やす根拠の一つです。
その思い込み、実は…
カードをタップすると答えが出ます難しい英語ほど力がつく
半分もわからない英語は、脳にとってはほぼ雑音です。わからない部分が多すぎると、文脈から意味を推測する手がかりがなくなります。少し物足りないくらいの英語を大量にこなすほうが、結果として新しい単語や表現を多く拾えます。
聞き流すだけで英語は身につく
大事なのは聞いた量ではなく、理解できた量です。Krashen の説でも、習得を進めるのは意味がわかったインプットだとされています。BGMのように流して内容が頭に入っていないなら、それは i+1 ではなく、ただの音です。
なぜ効く?
Stephen Krashen のインプット仮説が元になっています。今の力を i とすると、i+1 の英語を理解することで習得が進むという説です。インプットが欠かせない点は広く支持されていますが、「インプットだけで十分」かどうかは議論があり、話す練習の役割を重視する研究者(Swain のアウトプット仮説など)もいます。
やり方
- 聞いて・読んで7〜8割わかる教材を3つ探す(ELLLO、Dreaming English、News in Levels など)
- 辞書を引かずに1本通して聞く・読む。わからない部分は前後から推測する
- 同じ教材を2〜3回くり返し、わかる割合が増えるのを確かめる
- 9割以上わかるようになったら、1段階上のレベルに移る
- 1日の合計時間をメモし、まず1日30分を目標にする
動画で見て、まねする
使い方:理論を本人の言葉で聞く1本です。英語字幕をつけて見て、「わかる素材をたくさん」という要点を自分の言葉で1行にまとめ、教材選びの基準にします。
使い方:見終わったら、今使っている教材が「だいたいわかる、少しだけ知らない」レベルかを確かめます。字幕なしで7〜8割わかれば、その動画も自分に合う素材です。
使い方:ゆっくりはっきりした英語のドラマなので、i+1の入口に向いています。1回目は字幕なし、2回目は英語字幕で見て、わからなかった語だけ数えて記録します。
使い方:まだ英語がほとんど聞き取れない段階の人向けです。紹介される進め方を参考に、やさしい素材から聞く順番を決め、1週間分の視聴リストを作ります。
レベル別のやり方
Dreaming English の初級動画など、映像を見れば意味がわかる英語を、毎日15分見ます。
VOA Learning English や ELLLO で、スクリプトなしで8割わかる音声を選び、1日30分を目安に聞きます。
ふつうのポッドキャストやドラマに移り、わからない語が気になる作品だけ、スクリプトや英語字幕で確かめます。

今日の5分チャレンジ
ELLLO か News in Levels で、聞いて7〜8割わかる音声を1本選びます。止めずに2回聞き、わからなかった単語のうち、意味を推測できたものを3つメモしてください。
できたかチェック
日本人の落とし穴
日本人は「難しい教材を辞書を引きながら精読する」のが勉強だと思いがちで、1時間かけて数行しか進まないことがあります。それも大事ですが、量を浴びるインプットは別物です。わからない単語を全部調べたくなる気持ちをおさえて、話の流れを追うことに集中してください。
よくある失敗
- 背伸びしてネイティブ向けのニュースから始め、何もわからず終わる
- やさしすぎる教材にずっと留まり、レベルを上げない
- 一語一語を日本語に訳しながら読み、量がこなせない
立場別メニュー
| 中学生 | Dreaming English の初級動画を毎日1本、字幕なしで見る |
| 高校生 | News in Levels の Level 2 を毎朝1本、聞いてから読む |
| 大学生 | ELLLO や BBC Learning English で8割わかる音声を1日30分 |
| 社会人 | VOA Learning English を通勤中に聞き、慣れたら普通のニュースへ |
| 大人のやり直し | 中学レベルの教材から始め、わかる楽しさを先に味わう |