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第13章|素材と道具の使いこなしコラム2026-09-282026-10-09 更新

英語の小テストの作り方|定着を促す問題形式と運用のコツ

毎週の単語テスト、ただ実施して点数をつけるだけになっていませんか。小テストは、生徒の実力を測る道具であると同時に、**思い出す練習そのもの**として記憶を強くする道具でもあります。この記事では、定着につながる小テストの作り方と、負担を増やさない運用方法を紹介します。

01小テストの目的をはっきりさせる

小テストには、主に次の3つの目的があります。

  1. 定着を促す:思い出す練習を通して、記憶を強くする
  2. 理解度を把握する:クラス全体や個人のつまずきを見つける
  3. 学習のペースをつくる:定期的な目標を設け、家庭学習のきっかけにする

学習研究では、思い出そうとすること自体が記憶を強める「テスト効果」がよく知られています。つまり、小テストは「測るため」だけでなく「覚えるため」の活動でもあるのです。

そう考えると、小テストで大切なのは、難しすぎず、短く、頻繁に行うことです。点数で生徒を振り分けるより、全員が「思い出す経験」をたくさん積めるように設計しましょう。

ポイント:小テストの目的を生徒にも伝えておくと、「テスト=怖いもの」から「覚えるための練習」へと受け止め方が変わります。

想起練習を授業の習慣にEdutopia|Making Retrieval Practice a Classroom Routine

使い方:思い出す練習を授業のルーティンにする方法の紹介です。この節の「テスト効果」を生徒に説明する言葉を1つ決め、小テストを「覚えるための活動」として伝えます。

02問題形式のバリエーション

同じ形式ばかりだと、生徒は「その形式だけに対応した覚え方」をしがちです。目的に応じて形式を使い分けましょう。

単語テスト

  • 英→日:意味が分かるか(受信語彙向け)
  • 日→英:書けるか(発信語彙向け)
  • 例文の空所補充:"I ( ) stamps. I have more than 500."(答え:collect)
  • コロケーション:"( ) a decision"(make / do / take から選ぶ)

文法テスト

  • 正誤判断+訂正:"She don't like coffee."(誤りを見つけて直す)
  • 場面に合う文を選ぶ:2つの文のうち、場面に合うほうを選ぶ
  • 短い和文英訳:今週の文法を使って1文

本文テスト

  • キーワードから再生:本文のキーワードを見て、内容を2文で書く
  • 空所補充:本文の重要表現を空所にする

自作の文法問題例(中学2年・比較)

  1. My bag is ( ) than yours.(big の適切な形に)
  2. Which is ( ), this book or that one?(interesting を使って)
  3. 自分の家族について、比較級を使った文を1文書きなさい。

最後に自由記述の1文を入れると、形を覚えるだけでなく、使う練習にもなります。

クイックソートで理解確認Edutopia|60-Second Strategy: Quick Sorts

使い方:カードを素早く仲間分けして理解を確かめる1分紹介です。品詞分けや正誤判断の形式を、この節の問題形式のバリエーションに1つ加えます。

035分で終わる実施手順

小テストは授業時間を圧迫しないよう、5分程度で終わるように設計します。

実施の流れ

  • 0:00〜0:30:配布(列の先頭に人数分をまとめて置いておく)
  • 0:30〜3:30:解答(10問程度)
  • 3:30〜4:30:隣の人と交換して採点(教師が答えを読み上げる)
  • 4:30〜5:00:返却し、間違えた問題に印をつける

"Swap your paper with your partner. I'll read the answers. Use a red pen."

問題数の目安

  • 単語テスト:10〜15問
  • 文法テスト:5〜8問+自由記述1問

実施のタイミング

授業の冒頭に行うと、前回の学習の復習になり、そのまま授業に入れます。授業の最後に行うと、その時間の学習の確認になります。目的に合わせて選びましょう。

0440人分の採点を楽にする方法

毎週40人分の小テストを教師が採点すると、かなりの負担になります。

ペア採点を基本にする

単語テストや選択問題は、ペアで交換して採点すれば、その場で結果が分かります。教師は回収後に点数を記録するだけです。

解答欄を右端にそろえる

解答欄を用紙の右端に縦一列にそろえると、採点が速くなります。自由記述の問題は用紙の下にまとめます。

自由記述だけ教師が見る

ペア採点の対象外にした自由記述の1問だけを教師が確認し、よい文に下線を引いて返します。

結果の記録は簡単に

名簿に点数だけを記録し、何度か続けて低い点数の生徒がいたら、個別に声をかけます。

"If you got less than 7 points, try the same test again next week. The questions will be similar."

再テストの機会を用意すると、低い点数の生徒も「次はがんばろう」と思えます。

Quiz-Quizを実演で学ぶkaganvideo|Instant Engagement Demo: Quiz-Quiz

使い方:カードを持って立ち歩き、問題を出し合う協同学習の実演です。小テストの前日の復習として、40人が同時に問題を出し合う時間を5分つくります。

05小テストの採点と再出題を楽にする道具と、累積型を回す手順

ペア採点に加えて、端末が使えるクラスでは自動採点の道具を組み合わせると、累積型の小テストを毎週回しやすくなります。

道具特徴使い方
Googleフォーム(下の公式動画を参照)テスト機能で自動採点ができる選択問題と短い記述を自動採点にし、自由記述の1問だけ教師が見る
Quizlet単語カードのセットからテスト形式で練習できる(一部の学習モードは有料)小テストの前日に、範囲のセットで練習させる
Kahoot!大画面のクイズに手元の端末で答える。13歳未満がアカウントを作るときは保護者や先生の管理が必要返却のあとに、誤答が多かった問題だけを早押しで再挑戦させる
Liveworksheetsプリントを画面上で解いて自動採点できる紙と同じ形式の問題を画面でも解けるようにし、欠席者の受け直しに使う

累積型の小テストを回す手順

  1. 毎回の問題をフォームか表計算に保存し、「範囲の週」と「正答率」を記録する
  2. 正答率が低かった問題に印をつけておく
  3. 次の小テストを作るとき、今週8問・先週2問・3〜4週間前2問の構成で、印のついた問題から選ぶ
  4. 返却時に、生徒自身にも間違えた理由を「覚えていない・形のミス・意味の取り違え」で分類させる

問題を保存しておくと、翌年の同じ単元でもそのまま使えます。作成の手間は最初の学期だけで済みます。

Googleフォームで小テストGoogle for Education|EDU in 90: Quizzes in Google Forms

使い方:Googleフォームのテスト機能を紹介する公式の短い動画です。単語の小テスト10問を自動採点で作り、自由記述の1問だけを教師が見る形を試します。

06結果を授業に生かすコツ

小テストの結果は、点数を記録するだけでなく、授業の改善に生かしましょう。

  • クラス全体の誤答を分析する:多くの生徒が間違えた問題は、授業での説明や練習が不足していたサインです。次の授業の導入で、もう一度扱います。
  • 間違えた問題を再出題する:翌週の小テストに、前回の誤答が多かった問題を1〜2問混ぜます。時間をあけて再び思い出させることで、記憶が強化されます。
  • 生徒に自己分析させる:返却時に「間違えた理由」を分類させます(覚えていなかった/つづりのミス/問題を読み違えた)。

"Look at your mistakes. Why did you make them? Write 'M' for memory, 'S' for spelling, or 'R' for reading the question wrong."

このような分析を続けると、生徒は自分の弱点に気づき、家庭学習の方法を工夫するようになります。

07累積型の小テストで「忘れる前に再会」

毎回その週の範囲だけを出す小テストでは、前の範囲の内容は一度テストしたきり忘れられてしまいがちです。そこでおすすめなのが、過去の範囲を少しずつ混ぜる累積型の小テストです。

問題構成の例(全12問)

  • 今週の範囲:8問
  • 先週の範囲:2問
  • 3〜4週間前の範囲:2問

この構成にすると、生徒は「前の範囲も出るかもしれない」と意識し、自然と復習するようになります。時間をあけて何度も思い出すことは、記憶を長持ちさせるうえで効果的だと考えられています。

生徒への伝え方

"Our quiz has three parts: this week, last week, and a surprise from the past. The surprise questions help you remember for a long time."

教師側の準備を楽にする

過去の小テストの問題をデータで保存し、範囲ごとに番号をつけておくと、累積問題を選ぶのが簡単になります。1学期分の問題がたまれば、学期末の総復習テストもすぐに作れます。

問題を使い回すことに抵抗があるかもしれませんが、同じ問題でも時間をあけて出せば、十分に思い出す練習になります。

08よくある失敗と改善のヒント

  1. 範囲が広すぎる:1回で50語など、範囲が広すぎると多くの生徒が諦めてしまいます。→10〜20語程度に絞り、頻度を上げる。
  2. 毎回同じ形式:英→日だけでは、書く力は身につきません。→目的に応じて形式を変える。
  3. 結果を返すだけで終わる:間違えた問題が放置されます。→翌週に再出題する、間違いを分析させる。
  4. 点数で生徒を比べる:低い点数の生徒が意欲を失います。→再テストの機会を設け、「前回より上がったか」に注目する。

ポイント:小テストは「思い出す練習」の場。点数よりも、繰り返し思い出す経験をどれだけ積ませられるかが大切です。

まずは次回の小テストで、前回の誤答が多かった問題を1問混ぜてみてください。それだけで、小テストが「測る道具」から「定着させる道具」に変わり始めます。

点数より学びに目を向けさせるEdutopia|How to Get Students to Focus on Learning—Not Grades

使い方:生徒が点数より学びに目を向けるための工夫の紹介です。失敗4「点数で比べる」を防ぐため、返却時の声かけと再テストの伝え方を準備します。

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丸めた紙を投げる復習ゲームTeacher Val|Trashball: A Fun ESL Review Game for the Classroom | Teacher Val

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よくある質問

小テストの点数は成績に含めるべきですか?

学校の方針によりますが、小テストを練習として位置づけるなら、成績への比重を小さくする考え方もあります。点数を気にしすぎず、思い出す練習として取り組めるようにするのがおすすめです。

カンニングを防ぐにはどうすればよいですか?

短い時間で行い、席の間隔や机の上のものを整えるのが基本です。また、成績への比重を小さくし、再テストの機会を設けることで、不正をする動機そのものを減らせます。

紙とデジタルのどちらで実施するのがよいですか?

デジタルは自動採点や集計が簡単で、紙はつづりを書く練習や自由記述に向いています。単語の意味確認はデジタル、書く力を見る問題は紙、と目的に応じて使い分けると効果的です。

読了ボーナス

最後まで読んだあなたに、目から鱗をもう1枚

ホント?ウソ?10問チャレンジ目から鱗をぜんぶ見る

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