資格より「使える英語」|スコアを実力につなげる勉強法
TOEICで高いスコアを取ったのに、いざ海外の人と話すと言葉が出てこない。英検の級は持っているのに、英語のメールを書くのに何十分もかかる。そんな経験はありませんか。資格の勉強は無駄ではありません。ただ、「使える英語」にするには、もうひと工夫が必要です。この記事では、スコアを実力に変えるための具体的な方法を紹介します。

01資格の勉強と「使える英語」は何が違う?
資格試験の勉強と、実際に英語を使う場面には、いくつかの違いがあります。
- 試験は「選ぶ」、実践は「つくる」:選択肢から正解を選ぶ力と、ゼロから英文をつくる力は別物です。
- 試験は時間をかけて考えられる、会話は即座に反応する:会話では、数秒以内に言葉を返す必要があります。
- 試験は決まった形式、実践は予測できない:実際の会話やメールは、話題も相手の反応もさまざまです。
たとえば、TOEIC L&Rは「聞く」と「読む」の力を測る試験です。このスコアが高い人は、英語を理解する力はしっかり持っています。ただ、話す・書く練習をしていなければ、アウトプットの力はまだ伸びしろがある、ということになります。
ポイント:資格の勉強で身につけた単語や文法は、「使える英語」の貴重な材料です。足りないのは、その材料を「取り出す練習」です。
使い方:TOEIC S&Wの全パートを、簡単な英文で答えるコツとあわせて解説する動画です。自分で英文を「つくる」問題の形を知り、今の自分では答えにくいパートを1つ書き出します。
02資格の勉強はむしろ「使える英語」の土台になる
「資格より使える英語」というと、資格の勉強が無意味だと思われるかもしれません。でも、それは誤解です。
資格試験の勉強には、次のような良さがあります。
- 目標と期限がはっきりしているので、勉強を続けやすい
- 語彙や文法の土台が体系的に身につく
- 自分の実力を客観的に測れる
- 仕事や進学で評価の材料になることがある
問題は、試験勉強「だけ」で終わってしまうことです。試験で覚えた単語を、自分の言葉として使う練習を足せば、資格の勉強はそのまま「使える英語」への近道になります。
たとえば、TOEICでよく出る postpone(延期する)という単語。問題集では意味を選ぶだけでも、実際に使えるようにするには、自分で文をつくってみることが大切です。
- The meeting was postponed until next week.(会議は来週に延期されました)
- Can we postpone our lunch to Friday?(ランチを金曜日に延期できますか?)
03スコアを実力に変える4つの練習
① 瞬間英作文
簡単な日本語の文を見て、すぐに英語で言う練習です。中学レベルの文で十分です。
- 「彼は毎朝コーヒーを飲みます」→ He drinks coffee every morning.
- 「私は昨日その映画を見ました」→ I watched the movie yesterday.
考えずに口から出てくるまで、同じ文を何度もくり返すのがコツです。
② 試験の英文を音読・シャドーイングする
問題集のリスニング音声や長文を、解き終わったあとに音読やシャドーイングの教材として使います。一度解いた英文なので、内容がわかっている分、口を動かす練習に集中できます。
③ 英語で要約する
読んだ英文の内容を、何も見ずに英語で3文にまとめます。「理解する」から「自分の言葉で言う」への橋渡しになる練習です。
④ 実際に使う場をつくる
オンライン英会話、英語での日記、SNSでの英語の投稿など、英語を「使う」場面を意図的につくります。仕事で英語を使う機会があれば、積極的に手を挙げてみるのも一つの方法です。
4つの練習の組み合わせ方
4つを一度に全部やる必要はありません。最初の2週間は①の瞬間英作文だけ、慣れてきたら②の音読を足す、というように、1つずつ増やしていくのがおすすめです。どれか1つを毎日続けるだけでも、「英語がすっと口から出る」感覚は少しずつ育っていきます。
使い方:英会話でよく使う型を100パターン聞ける動画です。ときどき一時停止して先に声に出し、この節の瞬間英作文の練習として使います。
使い方:中学英語レベルの英文で取り組むシャドーイング練習です。問題集の音声が難しいと感じる日に、この節の②の練習をこの動画で代わりに行います。
044つの練習に使える素材と、1回15分の進め方
4つの練習は、手持ちの問題集に加えて次の素材を使うと、毎日の15分を組み立てやすくなります。
| 練習 | 使うもの | 使い方 |
|---|---|---|
| 瞬間英作文 | 下の動画「英会話の型100パターン」 | 日本語や型を聞いたら一時停止し、英語を先に言ってから答えを聞く |
| 音読・シャドーイング | シャドーイング道場 | 解き終わった問題集の音声と交互に使い、1文ずつ重ねて読む |
| 単語を使える状態に | センテンスマイニング | 問題集で出会った文から使えそうな1文を取り出し、自分の例文に作り直す |
| アウトプットの確認 | Write & Improve | 要約や英語日記を入れると、ケンブリッジがレベルを判定する(要登録) |
1回15分の進め方
- 瞬間英作文を10文(5分)
- 問題集のリスニング音声で1分だけシャドーイング(5分)
- 今日の単語3つで例文を作り、声に出す(5分)
スコアの目標とは別に、「この英語で何をしたいか」を1行書いて、手帳の最初のページに貼っておくと、練習の目的を見失いにくくなります。
05単語帳の単語を「使える単語」にする方法
試験勉強で覚えた単語の多くは、「見ればわかる」けれど「自分では使えない」状態です。これを使える状態にするには、次の3ステップが効果的です。
- 単語を1つ選ぶ:たとえば available(利用できる、手が空いている)
- 自分の生活の例文を2つ作る
- Are you available this afternoon?(今日の午後、空いていますか?)
- This service is available on weekends.(このサービスは週末も利用できます)
- その日のうちに1回使う:オンライン英会話や英語日記、独り言などで実際に使う
1日3語でも、1か月で約90語が「使える単語」になります。すべての単語を使えるようにする必要はありません。自分がよく使いそうな単語から優先しましょう。
「使える単語」リストをつくる
実際に使えた単語は、ノートやスマホのメモに「使えた単語リスト」として記録しておきましょう。リストが増えていくのを見るのは、スコアが上がるのと同じくらいうれしいものです。1か月後に見返すと、自分の英語が確実に「使える」方向に進んでいることを実感できます。
使い方:ネイティブの単語の覚え方と日本人の覚え方の違いを話す回です。単語帳だけに頼らないヒントを1つ選び、この節の3ステップに組み込みます。
06試験勉強にプラスする1週間メニュー
試験勉強をしながら、「使える英語」の練習を足すメニュー例です(試験勉強とは別に1日15分)。
- 月曜:瞬間英作文を10文(10分)→ 単語帳から3語選んで例文づくり(5分)
- 火曜:前日の問題集のリスニング音声でシャドーイング(15分)
- 水曜:瞬間英作文10文 → 月曜の3語を使って英語日記3文
- 木曜:問題集の長文を1つ音読し、英語で3文に要約(15分)
- 金曜:オンライン英会話や独り言で、今週の単語を使ってみる(15分)
- 土曜:1週間分の瞬間英作文を総復習
- 日曜:お休み
試験直前の時期は試験対策を優先し、試験が終わったらこのメニューの比重を増やす、という調整もおすすめです。
メニューの中で作った例文や要約は、1冊のノートにまとめておきましょう。試験前には見直し用の教材にもなり、試験後には「自分だけの使える英語集」になります。
07よくある失敗
失敗1:スコアが上がったら勉強をやめてしまう
目標スコアを達成した瞬間に英語から離れてしまうと、せっかくの力が少しずつ落ちていきます。スコア達成は、「使える英語」を始めるスタートラインと考えましょう。
失敗2:次々と上の資格を目指し続ける
資格の勉強が好きな人ほど、次の級、次のスコアを目指して、ずっと「使う練習」を後回しにしがちです。一度立ち止まって、「この英語で何をしたいのか」を考えてみてください。
失敗3:完璧な英語でないと使ってはいけないと思う
試験で正解を選ぶことに慣れていると、「間違った英語を話すのが怖い」と感じることがあります。実践では、多少の間違いより伝えることが大切です。
失敗4:アウトプットを「難しいこと」から始める
いきなり英語でプレゼンやディスカッションをしようとすると、挫折しやすくなります。瞬間英作文や独り言など、簡単なアウトプットから始めましょう。
使い方:英語を話す不安をテーマにした 6 Minute English の回です。完璧を求めすぎる失敗の対策として聞き、話す不安を表す表現を2つ覚えます。
08今日からできること
資格の勉強をしている人も、昔取った資格がある人も、今日から「使える英語」への一歩を踏み出せます。
- 手持ちの単語帳から、自分がよく使いそうな単語を3つ選ぶ
- それぞれ、自分の生活に関係する例文を作る
- 作った例文を声に出して3回ずつ言う
たったこれだけで、「知っている単語」が「使える単語」に変わり始めます。資格は、あなたが努力してきた証です。その努力を、実際に英語を使う喜びにつなげていきましょう。
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よくある質問
TOEICの勉強は話す力に役立ちませんか?
役立ちます。語彙や文法、リスニング力は話す力の土台になります。ただし、それだけでは話す練習が不足しがちなので、瞬間英作文や音読、オンライン英会話などのアウトプット練習を組み合わせることが大切です。
資格の勉強とアウトプット練習、どちらを優先すべきですか?
試験日が近いなら試験対策を優先し、試験が終わったらアウトプットの比重を増やすのがおすすめです。普段から1日15分程度アウトプット練習を足しておくと、両方をバランスよく伸ばせます。
英検やTOEICのスコアがないと、英語ができると認められませんか?
場面によります。仕事や進学ではスコアが評価の材料になることもありますが、実際に英語でやりとりできる力も同じくらい大切です。目的に応じて、資格と実践の両方を意識しましょう。
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